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【事例紹介】玄関マットに尿をかけ、器物損壊罪で逮捕

2022-10-18

京都で起きた、隣人の玄関マットに尿をかけ器物損壊罪逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

(前略)
器物損壊の疑いで逮捕されたのは、(中略)看護師の男です。
男は今年2月12日の未明、自宅の隣家の玄関先に敷かれていたマットに自らの尿をかけた疑いがもたれています。
朝に持ち主が濡れているマットを発見し、設置されている防犯カメラを確認したところ、放尿している男の姿が映っていたということです。
男は警察の調べに対し「隣人宅の生活音に腹を立てていた」とし、「放尿したことは間違いありません」と容疑を認めています。
(後略)

(10月12日 ABCニュース 「隣人の玄関マットに尿かけた疑い 「生活音に腹立てていた」 54歳看護師の男逮捕 防犯カメラに姿映る 京都」より引用)

器物損壊罪

器物損壊罪は、簡単に説明すると、人の物(家や公的または私的な文書を除く)を損壊した場合に成立します。
器物損壊罪で有罪になった場合は、3年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されることになります。(刑法第261条)

損壊と聞くと物を壊してしまった場合にのみ適用されそうですが、物が壊れていなくても器物損壊罪が適用されるケースがあります。
例えば、人が飼っているペットを死傷させてしまった場合や、壊れてはいないが心理的に使えなくなった場合も器物損壊罪にあたります。

今回の事例では、看護師の男性は隣人の玄関マットに尿をかけています。
玄関マットに尿をかけただけで玄関マットが壊れるとは考えられません。
しかし、尿がかけられた玄関マットは、気持ち悪くて今後使えないでしょう。
ですので、玄関マットは男性の行為により心理的に使えなくなったと考えられます。
物自体が壊れていなくても、心理的に使うことができなくなれば器物損壊罪にあたりますから、今回の事例の男性の行為は器物損壊罪に該当します。

人の物に体液をかけ刑事罰が下された事例

「人の物に尿などの体液をかけただけで、罰金や懲役刑が下されるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実際に、人の物に体液をかけ罰金刑が下された事例をご紹介します。
(今回の事例とこれからご紹介する事例では事件内容など、異なる部分があります。)

その事件では、結婚式場でアルバイトをしている男性が、アルバイト先の式場で新婦の下着に体液をかけました。
その後、三重県警に器物損壊罪の容疑で逮捕され、略式起訴により罰金30万円が科されました。
(2022年5月31日 産経新聞 「新婦下着に体液かけた元津市職員に罰金30万円」より)

ご紹介した結婚式場の事例では、人の物に体液をかけたことによる器物損壊罪で罰金刑が下されています。
今回の事例も人の物に体液(尿)をかけていますので、事件の内容が多少異なるとしても、結婚式場の事例同様に罰金刑が下されるかもしれません。

今回の事例の男性は看護師です。
看護師資格などの国家資格は、刑事処罰を受けた場合に資格をはく奪される場合があります
また、罰金刑であっても前科になってしまいますので、転職などの際に前科があることで不利になるおそれもあります。

ここで注目すべきなのは、器物損壊罪親告罪であるということです。
親告罪という犯罪は、被害者などの告訴権者が告訴をしなければ起訴できません
つまり、器物損壊事件で被害者が被害届を取下げたり告訴の取り消しを行った場合は起訴されない=刑罰を受けないということになります。
被害届や告訴などを取下げてもらうためには、謝罪や賠償を行う必要があるでしょう。
ですが、加害者自らが被害者に謝罪と賠償を申し出ることでトラブルを生む可能性がありますし、被害者が加害者と直接連絡を取りたくない場合もあります。
そんな場合であっても、弁護士が代理人として間に入って謝罪や賠償を申し出ることにより、話を聞いてもらえる場合やトラブルを回避できる可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
器物損壊罪で逮捕、捜査されている方、示談でお困りの方は、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービス、無料法律相談のご予約は0120―631―88124時間受け付けております。

【事例紹介】京都市下京区 幼児盗撮事件で逮捕された事例

2022-10-16

京都市下京区で起きた幼児盗撮事件逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警下京署は20日、府迷惑行為防止条例違反(盗撮)の疑いで、京都市中京区の看護師の男(33)を逮捕した。
逮捕容疑は8月12日午後4時10~30分ごろ、(中略)の屋外のつり橋形遊具で遊ぶ幼児3人のスカート内を、手持ちのビデオカメラで動画撮影した疑い。(中略)容疑を認めている。
下京署によると、被害に遭ったのはいずれも3、4歳くらいの女児とみられるが、特定できていない。
(後略)

(2022年9月20日 京都新聞 「京都鉄博で幼児3人のスカート内を盗撮、容疑で看護師の男逮捕「幼い子好き」」より引用)

盗撮

刑法には盗撮行為自体を処罰する規定はなく、盗撮行為の禁止は各都道府県の迷惑行為防止条例で規定されています。
京都府では、京都府迷惑行為等防止条例で、下着や下着の一部または全部を付けない姿の撮影(盗撮)について規定しています。

京都府迷惑行為等防止条例では、その第3条2項1号で公共の場所や不特定多数の人が利用する場所等での盗撮、同条3項1号で住居やトイレ、更衣室等での盗撮をそれぞれ禁止しています。
盗撮を行い、京都府迷惑行為等防止条例違反で有罪になった場合は、1年以下の懲役か100万円以下の罰金が科されます。(京都府迷惑行為等防止条例第10条2項)

今回の事例では、下京区にある施設の屋外で幼児のスカート内を盗撮しています。
こうした商業施設の内外や道路、公園などの場所は「公共の場所」と捉えられることが多いと考えられます。
その「公共の場所」において、今回の事例の男性は幼児のスカート内を盗撮したと疑われているとのことですから、京都府迷惑行為等防止条例違反という犯罪の容疑がかけられているのでしょう。

では、実際に盗撮を行い京都府迷惑行為等防止条例違反になった場合、どれくらいの刑罰が科されるのでしょうか。
駅構内で盗撮を行い罰金刑が科された事例をご紹介します。
(これからご紹介する事例は、今回の事例とは事件内容などが異なります。)

その盗撮事件では、男性が京都市東山区の駅構内で女性のスカート内を盗撮しました。
その後、盗撮行為をした男性には、京都府迷惑行為等防止条例違反により、40万円の罰金が科されました。
(2021年11月17日 京都新聞 「スカートの中をスマホで盗撮の元教頭、罰金40万円の略式命令」より)

駅構内で盗撮を行った事例のように、今回の事例でも罰金刑が科されるかもしれません。
罰金刑は前科として扱われますので、場合によっては前科が付いたことにより将来に悪影響を及ぼすことがあります。
例えば、今回の事例の男性が罰金刑以上の刑を科された場合、看護師資格をはく奪される可能性があります。
その可能性を排除するためにも不起訴処分の獲得は重要なものとなります、

盗撮を行った場合は、被害者に謝罪と賠償を行い、示談を締結することで、不起訴処分を獲得することができる場合があります。
今回の事例では被害者3人が幼児であることから、不起訴処分の獲得は相当困難であると推測されます(後述の通り、児童ポルノ禁止法違反となる可能性もあります。)。
ですが、被害者(の保護者)全員と示談を締結し、許してもらうことができた場合には不起訴処分を得られる可能性も出てきます。

ただし、今回の事例のように、盗撮の被害者が18歳未満であった場合、さらにそのことが明らか出会った場合には、盗撮による迷惑防止条例違反以外にも、盗撮による児童ポルノ製造となり、児童ポルノ禁止法違反という別の犯罪が成立する可能性があります。
そうなると、何らかの形で起訴され刑罰を受けるという可能性は単なる盗撮事件よりもさらに高まることになるでしょうし、受ける刑罰の重さも重くなると考えられます。
いずれにせよ、早期に弁護士に相談し、見通しや適切な弁護活動について把握しておくことをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、数多くの盗撮事件を扱ってきた刑事事件に強い法律事務所です。
弁護士に相談をすることで、あなたの悩みが少しでも改善するかもしれません。
弊所では初回接見サービス・無料法律相談を行っています。
盗撮、その他刑事事件でお悩みの方や示談交渉でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

【事例紹介】ペットボトルに乾電池を詰めて捨てて廃棄物処理法違反に

2022-10-13

ペットボトルに乾電池を詰めて捨てて廃棄物処理法違反に問われた事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

福知山署と京都府警本部生活保安課は14日、福知山市土師宮町の用水路に、乾電池が大量に詰まったペットボトルを捨てた市内のアルバイトの男(23)を逮捕した、と発表した。
廃棄物処理法違反(投棄禁止)の疑い。
同署によると、男は5日午前4時30分ごろ、単3の乾電池が入ったペットボトル1本を捨てた疑い。
(中略)「家で使っていた電池の捨て方がわからず、流れていくと思って捨てた」と話しているという。
(後略)

(2022年7月14日 両丹日日新聞 「乾電池詰めたペットボトル、土師の用水路に捨てた男を逮捕」より引用)

廃棄物処理法

廃棄物処理法第16条
何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。

廃棄物処理法では、廃棄物を不法に捨てることを禁止しています。
また、廃棄物処理法では、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物や不要物を廃棄物として規定しています。(廃棄物処理法第2条第1項)
ですので、ごみ(廃棄物)を捨ててはいけない場所にごみを不法に捨ててしまうと廃棄物処理法に違反することになり、有罪になった場合には、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはその両方が科されます。(廃棄物処理法第25条第1項第14号)

今回の事例の男性は、使用済みの乾電池が大量に詰まったペットボトルを用水路に捨てています。
使用済みの乾電池やペットボトルはごみでしょうから、廃棄物にあたります。
また、用水路はごみを捨てていい場所ではないですから、今回の事例の乾電池が入ったペットボトルを捨てた行為は、廃棄物処理法第16条に違反していると考えられます。

~ペットボトルに廃棄物を入れて捨てるとどういった刑罰になる?~

今回の事例のような形でペットボトルに廃棄物を入れて捨てたという事例では、実際にどういった刑罰が科されているのでしょうか。
過去に報道された事例を見てみましょう。

およそ13リットルの自分の尿をペットボトルに入れ、パチンコ店駐車場に不法投棄した事件では、逮捕後、廃棄物処理法違反の罪で20万円の略式罰金が言い渡されました。
(2022年7月5日 静岡朝日テレビ 「自分の尿をペットボトルに入れパチンコ店駐車場に捨てる 46歳の無職の男に罰金20万円の略式命令 静岡・富士簡易裁判所」より)

廃棄物処理法によると、ふん尿は廃棄物にあたります。
また、パチンコ店の駐車場はごみを捨てて良い場所ではないので、廃棄物を捨てると廃棄物処理法違反に問われます。
上記の通り、尿をペットボトルに入れてパチンコ店の駐車場に捨てた事例では、実際に廃棄物処理法違反として20万円の罰金が科されています。

今回の事例と上記の事例では、捨ててはいけない場所に廃棄物をペットボトルに詰めて捨てているという点で類似しています。
もちろん、前科前歴の有無や余罪の有無などの事情にも左右されますが、今回取り上げた事例でも罰金刑が科される可能性があるといえるでしょう。

ここまで見てきたとおり、ごみを不法に捨てると廃棄物処理法違反の罪に問われる場合があります。
現在廃棄物処理法違反で捜査を受けている方、捜査への対応がご不安な方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービス初回無料法律相談のご予約は0120―631―881で承っております。

【事例紹介】たばこ事業法違反・入管難民法違反で逮捕

2022-10-11

たばこ事業法違反入管難民法違反の疑いで逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

ベトナムから輸入したたばこを無登録で販売したなどとして、京都府警組対1課と南署は4日、たばこ事業法違反と入管難民法違反の容疑で、茨城県常総市のベトナム国籍の会社員男(27)を逮捕した。
逮捕容疑は、2020年8月~今年9月、神奈川県横須賀市などで、ベトナムから輸入したたばこを財務大臣の登録を受けずに販売し、エンジニアや通訳などを対象とした在留資格「技術・人文知識・国際業務」と異なる事業を行った疑い。
「(中略)売っていない」と容疑を否認しているという。
(後略)

(10月5日 京都新聞 「無登録で輸入たばこ販売疑い、ベトナム国籍の男逮捕 「自分が吸うためもらった」否認」より引用)

たばこ事業法

事例の逮捕容疑のように、財務大臣の登録を得ずに輸入したたばこを販売した場合は、たばこ事業法違反にあたります。(たばこ事業法第11条第1項)

事例の男性は、財務大臣の登録を得ていないので、かけられている容疑が事実であり、男性がたばこ事業法違反で有罪になった場合は、50万円以下の罰金が科されます。(たばこ事業法第48条第1号)

入管難民法

入管難民法では、在留資格で許可されている活動以外で、収入を伴う事業を運営することや報酬を受けることを禁止しています。(入管難民法第19条第1項第1号)

今回の事例の男性の在留資格は「技術・人文知識・国際業務」であると報道されていますが、この在留資格ではたばこの販売活動は許可されていないので、男性がたばこの販売を行っていた場合は入管難民法に違反していることになります。

また、在留資格で許可されていない活動や事業の運営を専ら行い、報酬を得ていたとこが明らかである場合は、有罪になった際に、3年以下の懲役か禁錮もしくは300万円以下の罰金が科されるか、懲役もしくは禁錮と罰金が併科されます。(入管難民法第70条第1項第4号)
一方で、上記の場合を除き、在留資格で許可されていない活動や事業の運営で報酬を得ていることで有罪になった場合は、1年以下の懲役か禁錮もしくは200万円以下の罰金が科されるか、懲役もしくは禁錮と罰金が併科されます。(入管難民法第73条)

今回の事例では、男性はたばこの販売について否認していますが、否認が認められず入管難民法違犯で有罪になった場合は、男性に懲役刑が下される可能性があります。

たばこ事業法違反入管難民法違反は、なかなかなじみのない犯罪ですから、対応するにも手続や見通しが分かりづらく、不安を感じることも多いでしょう。
だからこそ、まずは法律の専門家に相談してみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では刑事事件を主に取り扱っております
たばこ事業法違反入管難民法違反その他の事件で逮捕、捜査された際には弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

【事例紹介】車に引きずり込み逮捕・監禁罪などで逮捕

2022-10-09

車に引きずり込み逮捕・監禁罪などで逮捕された事例ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

男性を車に監禁し現金を奪うなどしたとして、京都府警右京署は4日、逮捕監禁と強盗、傷害の疑いで、京都府内に住む20~21歳の男女4人を逮捕し、無職の男(23)=別の逮捕監禁、強要の疑いで逮捕=を再逮捕した。
5人の逮捕容疑は、共謀し、7月29日午後11時半ごろ、京都市右京区の路上で、アルバイト男性(18)を軽乗用車内に引きずり込んで粘着テープで目隠しをし、手足を縛って1時間余り監禁。
車内で現金2千円などが入った財布を奪ったほか、京都府長岡京市の駐車場で男性の髪の毛を焼いたりバットで殴ったりして、打撲などを負わせた疑い。
5人は「殴ったりしていない」「身に覚えがない」などと容疑を否認しているという。
(後略)

(10月4日 京都新聞 「18歳男性を車に監禁、財布奪い髪燃やす 容疑で20代男女5人逮捕、否認」より引用 )

逮捕・監禁罪

大まかに説明すると、一定時間身体を縛るなどして自由に移動できないようにすることを「逮捕」、脱出が難しい場所に閉じ込めることを「監禁」といい、それぞれ逮捕罪監禁罪という犯罪で取り締まられています(まとめて逮捕・監禁罪というときもあります。)。

今回の事例では、男女5人が逮捕されていますが、被害者を車に引きずり込み、目隠しをして手足を縛った状態で1時間車の中で過ごさせたという行為が逮捕容疑の1つとなっているようです。
先ほど触れた通り、一定時間身体をしばり移動を制限すると「逮捕」にあたりますので、今回の容疑の内容となっている1時間目隠しをさせて手足を縛った行為には逮捕罪が適用されます。
また、脱出が難しい場所に閉じ込める行為は監禁になりますので、1時間車内に閉じ込めるという行為は監禁罪にあたります。

今回の事例の行為が事実とすれば、それぞれが「逮捕」行為と「監禁」行為にあたりますので、逮捕された男女が実際に容疑にかけられている行為をしていて有罪となった場合には、3月以上7年以下の懲役が科されることになります。(刑法第220条)

強盗罪

今回取り上げた事例では、逮捕された男女にかけられている容疑は、先ほど挙げた逮捕・監禁罪だけではなく、強盗罪も含まれているようです。
簡潔に説明すると、相手が抵抗できないような暴力または脅迫を行い、それによって人のものをとった場合は強盗罪にあたります。

今回の事例では、逮捕された男女に対して、車内で現金などが入った財布を被害者から奪いとったという容疑が掛けられているようです。
先ほど説明したように、強盗罪が成立するためには抵抗することができない程の暴力や脅迫が必要になります。
今回の事例について、車内での暴行や脅迫に関して記事内には記載されていませんが、容疑者らが強盗罪の容疑で逮捕されていることから、車内で何らかの暴行や脅迫が行われていたと考えられているのでしょう。
車の中は、被害者からすれば狭い空間であり簡単には逃げられない場所であるため、激しい暴行や脅迫でなくとも、被害者の抵抗が非常に困難な程度の暴行や脅迫であると考えられた可能性もあります。

仮に、車内で暴行や脅迫が行われなかった場合や、行われていても被害者が抵抗することが可能な程度であった場合は、強盗罪は成立せず窃盗罪や暴行罪、脅迫罪が成立することになると考えられます。

強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役です。(刑法第236条第1項)
強盗罪では懲役刑以外の刑罰が規定されていないので、否認が認められず有罪になった場合は、執行猶予を得ない限り懲役刑が下されることになります。

傷害罪

これらに加え、今回の事例では、逮捕された男女に傷害罪の容疑もかけられています。
傷害罪を簡単に説明すると、人に暴行を振るうなどして、その人にけがを負わせた場合に適用される犯罪です。
傷害罪で有罪になった場合は、15年以下の懲役か50万円以下の罰金が科されます。(刑法第204条)

今回の事例では、逮捕された男女に、長岡京市の駐車場で被害者をバットで殴り、打撲(けが)などを負わせたという容疑がかけられています。
人を殴ってけがをさせるという行為は、まさに傷害罪の典型例でもあります。
この容疑の内容が事実であるとすれば、逮捕された男女には傷害罪が成立することになるでしょう。

ここまで今回の事例で逮捕された男女にかけられている容疑を確認してきましたが、報道によれば、逮捕された男女は容疑を否認しているとのことです。
否認事件では、当事者の供述を得るためなどにより勾留が長引く可能性や、証拠隠滅や口裏合わせを疑われて一般の方との接見が禁止されるおそれがあります。
家族や友人と会うことを制限される中、連日にわたる取調べで否認を貫き通すことは容易なことではありません。

こうした中で、たとえ接見が禁止されたとしても、弁護士は接見を行うことができます。
否認を続けるうえで、弁護士によるアドバイスや捜査機関などへの働きかけは、あなたや家族にとってより良い結果をもたらすかもしれません。
まずは弁護士に相談してみる、弁護士と会ってみるということで把握できることもあるため、弁護士への相談は早いに越したことはありません。
逮捕・監禁罪、強盗罪、傷害罪、その他刑事事件で捜査、逮捕された方は刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

【事例紹介】SMS認証代行で逮捕された事例

2022-10-06

京都府警サイバー犯罪対策課と京都府中京警察署などが、SMS認証代行の疑いで男性を逮捕した事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)を使った本人確認手続き「SMS認証」を代行し、依頼者にフリマアプリのアカウントを不正取得させたとして、京都府警サイバー犯罪対策課と中京署、埼玉、千葉の両県警は30日、私電磁的記録不正作出、同供用の容疑で、兵庫県尼崎市の男(23)を逮捕した。

逮捕容疑は、6月23日、何らかの方法で入手した電話番号とSMS認証コードを、愛知県の会社員男性(39)に提供し、大手フリマアプリのアカウントを不正に取得させた疑い。「まったく身に覚えがない」と否認している。
(後略)

(9月30日 京都新聞 「フリマアプリのアカウント不正取得させる SMS認証代行疑い、23歳男を逮捕」より引用 )

私電磁的記録不正作出罪、不正作出電磁的記録供用罪

人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務または事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。(刑法第161条の2第1項)
不正につくられた権利、義務または事実証明に関する電磁的記録を、第1項の目的で、人の事務処理の用に供した者は、その電磁的記録を不正に作った者と同一の刑に処する。(刑法第161条の2第3項)

刑法第161条の2第1項が私電磁的記録不正作出罪、同条の第3項が不正作出電磁的記録供用罪の条文になります。

簡単に説明すると、人が行う事務処理を間違わせる目的で、不正な電磁的記録を作った場合や使用した場合は私電磁的記録不正作出罪不正作出電磁的記録供用罪の罪に問われることになります。

また、電磁的記録とは、電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によって認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいいます。(刑法第7条の2)

今回の事例では、不正に作られたフリマアプリのアカウントが電磁的記録にあたります。
逮捕容疑によると、容疑者は入手した電話番号とSMS認証コードを男性に提供しアカウント(電磁的記録)を不正に取得させたとされています。
他人の電話番号とSMS認証コードを利用して不正なアカウントを作る行為は、フリマアプリ側に他人を本人だと誤認させているので、不正な電磁的記録によって人が行う事務処理を誤らせているといえます。
また、不正に作られた電磁的記録を人のコンピュータで使用できるようにすることは供用にあたります。
ですので、不正に作られた電磁的記録を他人が使用できる状態で提供した場合は、不正作出電磁的記録供用罪にあたります。

今回の事例では、逮捕された男性に対して、不正にフリマアプリのアカウント(電磁的記録)を作り出し、そのアカウントを男性に取得させたという容疑がかけられています。
ですので、報道内容にある行為を実際に行っているのであれば、容疑者の男性は私電磁的記録不正作出罪不正作出電磁的記録供用罪に問われることになります。
しかし、報道によれば逮捕された男性は容疑を否認しているということですから、今後刑事裁判などで有罪・無罪が争われる可能性もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回無料法律相談や、逮捕された方向けの初回接見サービスも行っておりますので、私電磁的記録不正作出罪不正作出電磁的記録供用罪でお困りの方はお気軽にご相談ください。
ご予約は0120ー631ー88124時間承っております。
特に容疑を否認している刑事事件では、捜査段階の取調べから慎重な対応が必要です。
取調べ前に弁護士からアドバイスを受け取ることはそういったメリットも大きいため、お早めにお問い合わせください。

【事例紹介】娘の手術費だと偽り金銭を要求 詐欺罪で逮捕

2022-10-04

実在しない娘の手術費だと偽って金銭を受け取り、詐欺罪の容疑で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警中京署は29日、詐欺の疑いで、京都市山科区、無職の女(26)を逮捕した。
逮捕容疑は、2019年9月上旬ごろ、実在しない小学生の娘に移植手術が必要だと、知人の会社員男性(35)=中京区=にうそを言い、(中略)30日に現金350万円をだまし取った疑い。
「返すつもりでした」と容疑を否認している。
(後略)

(9月29日 京都新聞 「「娘の移植手術必要」と詐欺、1千万円超被害か 容疑の26歳女を逮捕」より引用)

詐欺罪

人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。(刑法第246条第1項)

大まかに説明すると、人にうそをついて信じさせ(欺罔)、相手からお金などを受け取る(交付)と詐欺罪にあたります。
詐欺罪が成立する条件としてのうそは、うそであれば何でもいいというわけではなく、お金などを渡す理由に関わるような重大なうそでなくてはならず、相手がそのうそに騙されてお金などを渡していなければなりません。
ですので、たとえその事実がうそであってもお金を渡すかどうかという判断には関係がないようなうそをついていた場合であったり、相手がその事実がうそだと知っていたうえでそれでもお金などを渡していたような場合には、詐欺罪は成立しません。

今回の事例では、報道によると容疑者は返すつもりだったと容疑を否認していますが、今回の事例が詐欺罪にあたり得るのかを考えていきましょう。

報道によると、容疑者は小学生の娘に手術が必要だと男性に話し、男性からお金を受け取ったようです。
しかし、実際には容疑者に小学生の娘はおらず、容疑者は男性にうそをついてお金を受け取っていたと報道されています。
男性は容疑者のうその話を聞いて、容疑者にお金を渡していることから、男性が容疑者の話を信じたことが伺われます。
報道されていない部分のため憶測にはなってしまいますが、こうした経緯から、男性は容疑者の娘のためにお金を渡したと思われますから、それが容疑者のうそだと知っていればお金を渡していなかったでしょう。
容疑者がお金を男性に渡させるためにうそをついて、そのうそを男性が信じ(欺罔)、男性が容疑者にお金を渡している(交付)ので、今回の一連のながれは詐欺罪にあたると考えられます。
たとえ容疑者がお金を返すつもりであったとしても、詐欺罪の構成要件は満たしていると考えられますので、今回の事例では詐欺罪にあたる可能性が高いといえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件を中心に取り扱っております。
詐欺罪には懲役刑しか規定されていませんので、有罪になった場合には実刑判決が下されるおそれがあります。
当事者間での示談交渉が難航している事件でも、弁護士をつけることにより、被害者に示談に応じてもらえる場合があります。
示談を締結させることで、不起訴処分や執行猶予の獲得、刑罰の減軽が望める可能性があります。
示談を考えている方や詐欺罪でお困りの方、弁護士を探していらっしゃる方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

【事例紹介】訪問販売で虚偽説明 特定商取引法違反で逮捕

2022-10-02

訪問販売虚偽説明を行ったとして特定商取引法違反の容疑で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

虚偽の説明で電力供給元を関西電力から別会社に切り替えさせたとして、京都府警生活保安課と伏見署は28日、特定商取引法違反(不実の告知)の疑いで、大阪市東淀川区の営業代行会社(中略)前社長の男(28)と、社員の男(30)を逮捕した。
社員の男の逮捕容疑は4月9日、堺市西区の男子大学生(20)のアパートを訪問し、関電と別の電力小売事業者と新規に契約させる目的を隠し、「関電の名前が変わったので手続きをしなければならない」と虚偽の説明をした疑い。前社長の男は1月22日、京都市左京区の男子大学生(20)と契約を結ぶ際に虚偽説明をした疑い。2人は「うそは言っていない」などと容疑を否認しているという。
(後略)

(9月28日 京都新聞 「「関電の名前変わった」虚偽説明で電力契約疑い 大阪の会社前社長ら2人逮捕」より引用)

特定商取引法

特定商取引法では、売買契約の締結の際に不実の告知を行い勧誘することを禁止しています。
今回の事例では訪問販売で契約を結ぶ際に虚偽の説明(不実の告知)を行っていますので、特定商取引法第6条第1項に違反していることになります。

特定商取引法第6条第1項では訪問販売時の不実の告知行為について規定していますが、訪問販売以外の場合であっても、契約を締結する際に虚偽の説明(不実の告知)を行うことは特定商取引法で禁止されています。
虚偽の説明(不実の告知)を行い、特定商取引法違反で有罪になった場合は、3年以下の懲役か300万円以下の罰金がまたはその両方が科されます。(特定商取引法第70条)

売買の際、虚偽の説明(不実の告知)を行った場合に、特定商取引法違反で有罪になることはあるのでしょうか。
虚偽の説明(不実の告知)により、特定商取引法違反の罪に問われた事例をご紹介します。
(ご紹介する事例は今回の事例と事件内容などが異なります。)

A会社はいちごを栽培する棚の所有権を売買する際に、売り上げ見込みを実際よりも100倍高い金額で被害者に提示(不実の告知)していました。
その後、A会社の役員が逮捕され、役員に対しては特定商取引法違反の罪で略式命令により罰金刑が下されました。
(9月14日 NHK NEWS WEB  「いちご棚所有権売買で虚偽説明 会社に4980万円賠償命じる」より )

A会社の事例では契約の際に虚偽の説明(不実の告知)を行い、特定商取引法違反により罰金刑が下されています。
特定商取引法違反(不実の告知)で起訴され有罪になった場合は、懲役刑や罰金刑、その両方が科される可能性があり、A会社の事例では罰金刑となったということです。
今回取り上げた事例では、被害金額や余罪の有無などによって、A会社の事例同様罰金刑が下されて終了となるか、正式な刑事裁判となって執行猶予付き判決や実刑判決が下されるかが変わってくることになるでしょう。

特定商取引法違反事件では、被害者が存在しますから被害者と示談を締結することで刑罰の減軽などに有利な事情となり得ます。
こうした弁護活動には早い段階から取り組むことが必要ですから、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では初回接見サービス初回無料法律相談を行っています。
示談を考えている方や、特定商取引法違反事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部へご相談ください。

【事例紹介】集団で性的暴行、準強制性交等罪で逮捕

2022-09-29

京都市で起きた準強制性交等事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

飲酒して抵抗できない女性に集団で性的暴行を加えたとして、京都府警捜査1課と上京署は8日、準強制性交の疑いで、(中略)男子学生4人を逮捕した。
(中略)
4人の逮捕容疑は、共謀し、5月21日未明、京都市中京区のバーで女子大学生(20)と飲酒した後、上京区の大学生(21)宅に連れ込み、午前4時35分~同5時25分の間、酒に酔って抵抗できない女子大学生に性的暴行を加えた疑い。府警は4人の認否を明らかにしていない。
(後略)

(9月8日 京都新聞 「同志社大学アメフト部4人を準強制性交疑いで逮捕 女性酔わせ、集団で性的暴行」より引用)

準強制性交等罪

刑法第178条第2項
人の心神喪失もしくは抗拒不能に乗じ、または心神を喪失させ、もしくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。

心神喪失か抗拒不能である人に対して性行為を行った場合は、準強制性交等罪が適用されます。
心神喪失とは、睡眠などにより性的な行為をされていると認識できない状態を指します。
また、抗拒不能とは、飲酒などが原因で相手に抵抗することが困難な状態をいいます。

今回の事例の報道によると、容疑の内容として「酒に酔って抵抗できない女子大学生に性的暴行を加えた」と記載されていることから、女子大学生が抗拒不能であることに乗じて男子学生4人が性的暴行を加えたと疑われていることが分かります。
報道では、容疑の内容は「性的暴行を加えた」という表記にとどまっていますが、準強制性交等罪の容疑がかけられているということは、女子大学生を「抗拒不能」にしたか、女子大学生が「抗拒不能」になっていることに乗じたかして「性交等」をしたという容疑なのでしょう(性交等がなく単に「わいせつな行為」にとどまる場合には準強制わいせつ罪に問われる可能性があります。)。
もしも準強制性交等罪で有罪になった場合は、強制性交等罪と同様に5年以上の有期懲役が科されます。

準強制性交等事件の裁判例

では、集団で酩酊状態の女性に対して性的暴行を加えた事例では、どのような刑罰が科されているのでしょうか。
過去にあった裁判例で、酩酊状態の女性に対して集団で乱暴し、実刑判決が下された裁判例をご紹介します。
(今回の事例とご紹介する裁判例では、罪名や事件内容などが異なります。)

その裁判の被告人は、他の被告人と共謀し、被害女性が酩酊状態だったことに乗じて集団で乱暴しました。
その後の裁判では、悪質な犯行であり、事件関係者の中で刑事責任は最も重いと裁判官に判断され、被告人は集団強姦罪で懲役4年の実刑判決が言い渡されました。
(2017年5月30日 千葉日報 「吉元被告に懲役4年 地裁判決実刑2人目「欲望赴くまま犯行」 千葉大集団強姦」より)

ご紹介した裁判例では集団強姦罪で実刑判決が下されています。
集団強姦罪は、平成29年の刑法改正の際に強制性交等罪準強制性交等罪の法定刑が5年以上の有期懲役に変更されたことにより、廃止されました。
ですので、集団で合意なく性交等を行った場合には、現行法では強制性交等罪準強制性交等罪が適用されます。

今回の事例では4人の容疑者が共謀し、酩酊状態の女性に集団で性的暴行を加えたという容疑で捜査が勧められているようです。
ご紹介した裁判例も酩酊状態の女性に複数人で乱暴しており、今回の事例と類似している点があるといえます。
今回の事例でかけられている容疑が事実であり、有罪判決となった場合には、ご紹介した裁判例のような実刑判決が下される可能性もありますし、ご紹介した裁判例で登場した旧集団強姦罪の法定刑は4年以上の有期懲役でしたので、改正によりさらに厳罰化された準強制性交等罪で有罪になった場合はご紹介した裁判例よりも重い刑罰が科されることも考えられます。

このように、集団で性的暴行を加えるといった準強制性交等事件では、非常に重い刑罰が下される可能性があります。
容疑を認めている場合であっても、刑罰を軽減する為にも、早期に弁護活動を開始する必要があるといえます。
容疑を否認しているような場合には、裁判で有罪・無罪を争っていくことになりますから、こちらについても捜査が開始された早い段階から慎重な対応が求められますから、やはり弁護士のサポートを早めに受けるに越したことはないと言えるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、性犯罪事件のご相談・ご依頼も多く承っています。
容疑を認めている場合で合っても否認している場合であっても、それぞれ弁護士の力を借りるメリットがあります。
まずはお気軽にお問い合わせください。

【解決事例】職場での窃盗事件で示談により刑事事件化阻止した事例

2022-09-27

事件

京都市南区にある会社で働くAさんは、同じ会社で働いているVさんを含む3人の財布から複数回にわたり現金を盗みました。
ある日、Vさんは財布から現金が盗まれていることに気付き、京都府南警察署に相談に行きました。
後日、Aさんの家に京都府南警察署の警察官が来て、Aさんの指紋を採取しました。
Vさんを含む3人と示談をしたいと思ったAさんは、今後の対応を相談するために、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部無料法律相談を利用しました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

事件解決のながれ

Aさんからの依頼を受けてすぐに、弁護士はAさんの意向に沿い示談交渉を行いました。
Vさんを含めた被害者の方3名全員に示談交渉の席についていただけることとなり、弁護士は被害者の方々に示談書案を作成し、ご提案していきました。
また、こうした示談交渉と並行して、弁護士がVさんが相談をしたという京都府南警察署に連絡を取り、被害届の提出の有無を確認したところ、まだ被害届が正式に提出されているわけではないという状態でした。

その後も弁護士示談交渉を重ねた結果、Aさんが被害者の方3名それぞれに窃取した金額を弁償することで、被害届が正式に提出される前に示談を締結することができました。
Aさんが被害者の方全員と示談を締結していることや、警察に被害申告をしない旨の文言が示談書に記載されていることから、被害届が提出されることはなくなり、京都府南警察署の警察官はこのAさんの窃盗行為について刑事事件化する必要がないと判断しました。

今回の事例のように、被害届が受理される前に示談締結によって事件化されなかった場合は、検察官に事件が送られることもありませんので、当然起訴されることはありません。
事件化してしまった場合は、警察での捜査終了後に検察庁へ事件が送られ、再度検察官の下で捜査が行われます。
事件化した場合は警察での捜査終了後も捜査や取調べは続きますので、事件化しなかった場合に比べると、事件が終息するまでに時間を要します。

一方で、事件化しなかった場合はそもそも本格的に捜査をされることなく終了ということになりますから、事件を早期に終わらせることができます。
また、捜査機関への呼び出しや取調べ等はありませんので、事件化した場合に比べると、捜査にかかる負担を軽減できる可能性があります。
今回のように事件化させない場合はもちろんのこと、不起訴処分を目指すうえでも、示談の締結は重要になってきます。

示談交渉を行う際に弁護士をつけることによってトラブルを回避できる可能性がありますので、刑事事件に関する示談でお悩みの方はぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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