通信販売の誇大広告で特定商取引法違反③

2019-04-22

通信販売の誇大広告で特定商取引法違反③

~前回からの流れ~
Aさんは、滋賀県大津市で通信販売会社を経営していました。
Aさんの通信販売会社では、通信販売のための自社サイトから注文をしてもらい、その注文を受けて商品を発送するという形態をとっていました。
そしてAさんの通信販売会社では、ダイエットサプリを販売していたのですが、通信販売サイトの中の広告では、実際には確実に痩せる効果が出るとは限らないにもかかわらず、「このサプリを飲めば確実に痩せます」「100%理想の体重になれます」とうたっていました。
そうして通信販売業を行っていたAさんでしたが、ある日滋賀県大津警察署の警察官がAさん宅と仕事場を訪れ、家宅捜索を行い、Aさんを警察署まで任意同行しました。
Aさんは通信販売の際に誇大広告をした特定商取引法違反の被疑者として取調べられ、また後日取調べに呼び出されると告げられました。
不安になったAさんは、京都府滋賀県刑事事件の相談を受け付けている弁護士のもとへ行き、特定商取引法違反事件についての見解を聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・Aさんに成立する可能性のある他の犯罪

前回までの記事では、現在Aさんにかけられている特定商取引法違反について取り上げてきました。
では、他にもAさんに成立する可能性のある犯罪はないのでしょうか。

状況によっては、Aさんには特定商取引法違反の他に、景品表示法違反という犯罪が成立する可能性があります。
景品表示法は、正式名称を「不当景品類及び不当表示防止法」という法律です。
景品表示法の目的は、商品や役務の取引に関連する不当な景品類や表示による顧客の誘引を防止するための制限や規制を行い、消費者の利益を保護することです(景品表示法1条)。
特定商取引法が特定の商取引のみを限定して対象にしている法律であるのに対して、景品表示法は対象とする商取引を限定しているわけではありませんから、たとえ今回の事例のAさんのような通信販売といった特定商取引法上の特定商取引でなくとも、景品表示法の対象となります。

景品表示法では、その5条で不当な表示の禁止を定めています。

景品表示法5条
事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
1号 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

2号 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

3号 前2号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの

つまり、特定商取引法の際にもあったような、実際の商品や役務と異なる内容の広告や、実際の商品や役務よりも著しく優良であると誤解させるような広告、他の業者と比較して著しく有利であると誤解させるような広告は不当な表示であるとされており、景品表示法でも禁止されているのです。
ただし、景品表示法のこの条文には刑罰が定められているわけではありません。
しかし、景品表示法では、この誇大広告を行った場合には、内閣総理大臣がその差し止めやその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項を命ずることができる、誇大広告かどうかを判断するために該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる、さらには誇大広告を行った場合には課徴金を納付するよう命ずることができる、といった行政処分についての規定が存在しています。

そして、こうした命令に背いた場合には、刑事事件となり刑事罰が科せられることになります。
例えば、景品表示法7条にある、誇大広告をした場合に内閣総理大臣が差し止めや再犯防止のための事項の命令に違反した場合には、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金、情状によりこれらの併科となります。

すなわち、今回の事例のAさんの場合でも、もしも景品表示法に基づく誇大広告についての差し止め命令や改善命令が出ていたにも関わらずそれに違反して誇大広告を継続していたような場合には、景品表示法違反という犯罪も成立して刑罰を受ける可能性があるということなのです。

誇大広告という単語自体は報道等でも使われる言葉ですが、それによって成立しうる犯罪は耳なじみのないものも多く、容疑をかけられてしまった際には困惑することも考えられます。
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