小学生からバックを脅し取った男を強盗罪で逮捕

小学生からバックを脅し取った男を強盗罪で逮捕

逮捕、連行される男性

塾から帰宅途中の小学生からブランド物のバックを脅し取った男が強盗罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事例

京都府南警察署は、京都市南区内の大学に通う男子大学生A、Bを強盗罪の疑いで逮捕した。
AとBは、授業が終わって自宅に帰る途中に、高級ブランドのバックを持った小学生Vを見つけてバックを奪い取ってやろうと考えた。
Vが、ひとけのない道に入ったところで、2人は後ろから近づきAがVを羽交締めにし、Bが持っていたカッターナイフを見せつけながら「バックよこせ。抵抗するなら殺すぞ。バックから手を離せ」と言って強引にバックを奪い取った。
泣きながら自宅に帰ったVが両親にバックを取られたことを伝えたため、警察に被害届が出されAとBは逮捕されるに至った。
取調べに対し、Aらは「自分が必死にバイトして買おうとしていたバックを、小学生が持っていたので気に食わなくて自分のものにしてやろうと思ってやってしまった」と容疑を認めている。
(フィクションです。)

強盗罪とは

刑法236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。

強盗罪は、量刑が5年以上の有期懲役ですから、非常に重たい犯罪の1つです。
銀行強盗のように、拳銃などの凶器を使用するなどして、被害者に抵抗することを難しくさせ、無理やりに財産を奪うような行為が強盗罪にあたります。
強盗罪は、単に人の財産に対する侵害行為にとどまらず人の生命・身体・自由に対する侵害行為という側面も有するため非常に重い刑が課されます。

本件のAとBは、小学生のVが持っていたブランド物のバックを、Vを羽交締めにしたりカッターナイフを見せつけたりするなどして無理やり奪ったようです。

手段としての暴行又は脅迫

強盗罪の場合、暴行・脅迫は財物を無理やり奪い取る手段として規定されていますから、本罪における暴行とは、反抗を抑圧するに足りる程度の不法な有形力の行使を意味し、脅迫とは、反抗を抑圧するに足りる程度の害悪の告知を言います。

問題となった行為が、被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行又は脅迫であるか否かは、「社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度のものかどうか」という客観的基準によって決せられます(最判昭和24年2月8日)。
この判断は、暴行又は脅迫の態様、行為者及び被害者の状況、日時や場所などを総合考慮して判断されます。

本件では、AとBは、小学生のVが持っていたブランド物のバックを手に入れようとして、Vを羽交締めにした上で、カッターナイフをVに突きつけて、バックをよこさないと殺すなどと脅したようです。
小学生からすれば、大学生は体が大きくて力も自分より強い存在ですし、本件はAとBの2人がかりで犯行を行った上、Aらはカッターナイフを使用したようですから、Vが反抗することは困難であったと考えられます。
したがって、Aらが羽交締めしてカッターナイフを見せつけた行為は、反抗を抑圧するに足りる程度の不法な有形力の行使、すなわち強盗罪における暴行に当たると言えそうです。

また、AらはVに対し、カッターナイフを見せつけながらカバンをよこさないと殺すと言っています。
殺すというのは、身体に対する害悪の告知であり、本件状況下では、上述のようにVがAらに反抗するのは困難でしょうから、強盗罪における脅迫にあたりそうです。

以上より、本件でAらは、暴行と脅迫を用いてバックという他人の財物を奪ったと言えそうですから、強盗罪が成立する可能性があります。

できるだけ早く弁護士に相談を

強盗罪の量刑は5年以上の有期懲役です。
執行猶予がつくためには懲役刑の場合は下される量刑が3年以下である必要がありますから、本件のAとBに執行猶予がつくことはないのでしょうか?

この点については、被害者に真摯に謝罪して示談が成立していれば、刑の減軽がされ、3年以下の懲役が下される可能性があり、この場合には、執行猶予がつく可能性があります。
執行猶予なしで懲役刑が言い渡された場合、AとBは大学に行くことができなくなり、大学を退学になるかもしれません。
したがって、示談を成立させることができるかどうかは非常に重要となります。

もっとも、事件の加害者が被害者に謝罪のために接触しようとしても拒絶される可能性が高いです。
Vの両親からすれば、自分の大切な子供を羽交締めにしてカッターナイフを突きつけて大切なバックを奪い取った加害者に対して、強い処罰感情を有しているでしょう。
そこで、示談交渉は弁護士に一任されることをおすすめします。
加害者からのコンタクトを断固拒絶している被害者も、弁護士とであれば示談交渉に応じてくれることは少なくありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、強盗事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、量刑を減軽させたり執行猶予付判決を得たりすることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部ご相談ください。

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