屋外で立ち小便をした男を逮捕①
![逮捕される男性](https://kyoto-keijibengosi.com/wp-content/uploads/2023/11/976f9efcd3d0a54e82f305fd36269f82-1-1024x576.jpg)
屋外で立ち小便をしたとして逮捕された刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務京都支部が解説いたします。
事例
多数の人が往来する屋外で立ち小便をしたとして、京都府宮津市在住の男が軽犯罪法違反の疑いで逮捕されました。
京都府宮津警察署によると、男は昨年11月10日の深夜、飲酒後、トイレまで我慢ができなくなり、京都府宮津市内の屋外で立ち小便をし、近くを通りかかった京都府宮津警察署の警察官によって、その場で逮捕されたとのことです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)
軽犯罪法とは
軽犯罪法は日常生活の軽微な秩序違反行為を規制する法律をいいます。
定められた33項目の行為に対し、拘留(1日以上30日未満の期間にわたり、犯人を刑事施設に収容する刑罰)または科料(1000円以上1万円未満の金員を支払わせる刑罰)が処せられます(軽犯罪法第1条)。
また、情状により刑が免除されたり勾留及び科料を併科されることがあります(軽犯罪法第2条)。
軽犯罪法に該当する行為
軽犯罪法に該当する行為はどのようなものがあるのでしょうか。
一部抜粋してご紹介します。
・公務員の制止をきかずに、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者(軽犯罪法1条14号)
マンション・アパートなど集合住宅では近隣の騒音がしばしば問題になることがあります。
被害者が警察に通報し警察官が制止したにも関わらず、行為を続けた場合などがあてはまります。
騒音被害により、被害者が不眠や頭痛等の被害を与えた場合は傷害罪(刑法第204条)に問われる可能性があります。
また、耳元で大太鼓や鉦を連打した場合に暴行罪が認められたケース(最判昭和29年8月20日)もありますので、騒音により暴行罪(刑法第208条)が成立する可能性もあります。
・官公職、位階勲等、学位その他法令により定められた称号もしくは外国におけるこれらに準ずるものを詐称し、または資格がないのにかかわらず、法令により定められた制服若しくは勲章、記章その他の標章もしくはこれらに似せて作った物を用いた者(軽犯罪法1条15号)
警察官・自衛官や軍人のコスプレがこれに該当するため、コミックマーケットなどほとんどのイベントで禁止・または着用したままの外出を認めないなど規制事項を設けられているようです。
ハロウィンでの仮装もあてはまるでしょう。
・虚構の犯罪または災害の事実を公務員に申し出た者(軽犯罪法1条16号)
実際には起きていない犯罪や災害を公的機関に通報した場合などが当てはまります。
軽犯罪法以外にも、無実の他人を犯人に仕立て上げる目的で、捜査機関に嘘の犯罪を申し出た場合は、虚偽告訴罪(刑法第172条)となる場合があります。
さらに警察・消防等に徒労の出動をさせる目的などで、嘘の犯罪や災害を申し出た場合は、公務執行妨害罪(刑法第95条)が成立することがあります。
・公私の儀式に対して悪戯などでこれを妨害した者(軽犯罪法1条24号)
公的、私的問わず、儀式を妨害した場合が当てはまります。
軽犯罪法以外にも、結婚式、葬儀などを妨害する目的で、儀式が行われている会場に無断で侵入した場合、建造物等侵入罪(刑法第130条)が適用されることもあります。
また場合によっては、威力業務妨害罪(刑法第234条)・偽計業務妨害罪(刑法第233条)・礼拝所及び墳墓に関する罪(刑法188条)に問われる場合もあります。
次回のコラムでは、立ち小便をすると軽犯罪法違反の罪に問われるのかについて、解説します。
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