京都府城陽市などで起きた訪問販売で契約内容を偽り逮捕された事例を基に、特定商取引法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
インターネットの光回線を料金の安いアナログ回線に戻すと偽って不当にサービス契約を結んだとして、京都府警生活保安課と城陽署は21日、特定商取引法違反(不実の告知など)の疑いで、札幌市中央区の通信サービス会社社長の男(28)=東京都渋谷区=と、元契約代行業の男(32)=千葉県柏市=を逮捕した。
(11月22日 京都新聞 「「ネット光回線を安いアナログに」 架空工事契約、容疑の2人逮捕 2200人被害か」より引用)
逮捕容疑は、共謀し、2月26日~3月6日、城陽市の女性(77)ら男女3人の自宅を訪れ、実際には光回線からアナログ回線に戻す工事をしないのに、「回線に戻すと月々1700円の支払いになる」などと事実と異なる説明をした疑い。会社社長の容疑者は「覚えていない」などと容疑を否認しているという。
(後略)
特定商取引法
特定商取引法では訪問販売に際して、以下の事項について不実(事実とは異なる内容)の告知を行い契約の勧誘を行うことを禁止しています。(特定商取引法第6条1項)
①商品の種類や性能、品質など
②商品などの販売価格
③商品代金などの支払いの時期や方法
④商品の引き渡し時期や権利などの提供時期
⑤契約の解除など
⑥顧客がその契約を締結する際に必要とする事情
⑦顧客が契約を判断するうえで重要なこと
以上の7つの事項について不実の告知を行った場合や故意に事実を告げなかった場合には、3年以下の懲役または300万円以下の罰金もしくはその両方が科されます。(特定商取引法第70条1項)
報道によると、容疑者らは工事を行わないにも関わらず、回線を戻す工事を行うと月々1700円の支払いになると事実とは異なる内容の告知をした疑いで逮捕されています。
容疑者らは事実とは異なった内容で契約の勧誘を行い、勧誘を受けた被害者らは工事を行えば今よりも月々の料金が安くなると判断し、契約を結んだのでしょう。
月々の料金が安くなることは被害者らからすれば契約を考えるうえで重要なことでしょうから、容疑者らは上記でいえば⑦に当たる、顧客が契約を判断するうえで重要なことについて不実の告知を行ったといえます。
報道が事実であれば、容疑者らの行為は特定商取引法違反に該当しますので、有罪になった場合には3年以下の懲役か300万円以下の罰金またはその両方が科されることになります。
今回の事例では、容疑者のうちの1人が容疑を否認しています。
容疑を否認している場合は、逮捕されるリスクや、逮捕・勾留後に接見禁止がつく可能性が高くなります。
逮捕されている場合、連日長時間にわたって取調べが行われることがあります。
連日にわたる長時間の取調べのなか、接見禁止がつき家族であっても面会を許されない状態は体力のみならず精神にも大きな悪影響を及ぼすかもしれません。
加えて、否認を貫くためには多大な体力や精神力が必要になりますので、最後まで否認を貫くことが難しい場合もあります。
こういった中、接見禁止がついている場合でも弁護士は接見を行うことができます。
弁護士と接見を行うことで、余裕をもって取調べに臨めるかもしれません。
また、弁護士は接見禁止の一部解除を裁判所に求めることができます。
接見禁止の一部解除が認められた場合には、認められた人に限り面会や手紙の差入れなどを行うことができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
特定商取引法違反で逮捕・捜査されている方、冤罪や接見禁止でお困りの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。