【事例紹介】『皆殺しにしてやる』?問い合わせフォームを使った脅迫文の送信

問い合わせフォームを使って脅迫文を送信したとされる事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例概要

(前略)連合会(京都市北区)に脅迫文を送ったとして、京都府警北署は29日、威力業務妨害の疑いで、(中略)逮捕した。
逮捕容疑は(中略)、同連合会ホームページの問い合わせフォームに「全員機関銃で皆殺しにして殺るからな」などの内容を計4回送信し、正常な業務を妨害した疑い。「間違いない」と容疑を認めているという。
(後略)

(9月29日 京都新聞「部落解放同盟に4回脅迫文 容疑で神戸の男逮捕、差別的表現も」より引用)

威力業務妨害罪とは?

威力業務妨害とは、「威力を用いて人の業務を妨害」するおそれがある行為を言います(刑法234条)。

威力業務妨害罪が成立するためには、以下の3つの要件が必要です。
①手段として「威力」を用いたこと
②その妨害の対象が「業務」であること
③行為により業務が妨害されるおそれがあること

では、具体的には、どのような場合が①威力と②業務に該当するのでしょうか?

威力

まず、「威力」とは、人の意思を制圧するに足りる勢力を示すことを意味します。
裁判例をみると、公然と脅迫暴行などを手段とした場合に「威力」を用いたとされます。

威力を用いて人の業務を妨害したとされる裁判例として、大阪拘置所に電話をかけ、元総理を殺害したことで同拘置所に収監されていたCの名前をあげて、「Cは殺さないといけないんですよ」「Cを殺しに行くつもりでいます」などと言って、同拘置所職員の正常な業務の遂行に支障を生じさせた事案があります。(大阪地裁 令和4年12月22日 判決)

業務

次に「業務」とは、職業その他の社会生活上の地位に基づいて継続して従事する事務とされています(大判大10年10月24日)。
典型的には職業としての経済活動が「業務」にあたります。
例えば、営業マンが得意先に向かう際の車の運転や、ラーメン屋がスープを作る行為は「業務」に該当します。
これに対して、ツーリング目的での自家用車の運転や、家族の夕食を作る行為などは社会生活上の活動ではないため「業務」には該当しません。

それでは、本事案で報道されたような、問い合わせホームへの殺害予告の送信は、「威力を用いて、人の業務の妨害」しうる行為にあたるのでしょうか?。

まず、殺害予告の送信は脅迫にあたると推測され、人の意思を制圧するに足りる勢力を示すもの、つまり威力を用いたと評価されると考えられます。

次に、問い合わせ担当者は、当該殺害予告への対処を余儀なくされ、本来すべき問い合わせへの対応業務に支障をきたす危険性があります。
また、同連合会の上層部も、当該殺害予告がされた結果、警察への届出を含む今後の対応について時間を割くことを余儀なくされ、本来すべき管理業務や意思決定業務に費やす時間を犠牲にすることになりかねません。
ですので、本件の問い合わせフォームへの殺害予告の送信は、業務を妨害するおそれがあると判断される可能性が高いと思われます。

したがって、本件の問い合わせフォームを通じての殺害予告は、威力業務妨害罪が成立する可能性があります。

弁護士に依頼して事件の早期解決を

威力業務妨害罪のように被害者が存在する犯罪については、(被害があればその被害弁償をして)被害者と示談を成立させることが事件の早期解決にとって重要となります。
被害届が出される前に示談が成立していれば、警察沙汰になることも防げるかもしれません。
示談成立が事件化してしまった後であっても、起訴される前であれば、不起訴処分につながる可能性もあります。

もっとも、つい先日まで業務を妨害した当の加害者が被害者と接触を試みても、示談交渉のテーブルにつくこと自体を拒絶されかねません。
したがって、示談交渉のプロである弁護士に示談交渉はお任せすることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、威力業務妨害事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、警察沙汰になることを未然に防いだり、不起訴処分を得ることができる可能性があります。
可能な限り早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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