【事例紹介】集団暴行による傷害罪の疑いで逮捕された事例

集団暴行による傷害罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都市中京区の木屋町通で男性が殴られ重傷を負った事件で、京都府警中京署は28日、傷害の疑いで、京都市北区の無職男(20)を逮捕した。逮捕は2人目。
逮捕容疑は、アルバイト男(20)=同容疑で逮捕=らと共謀し、25日午前1時50分ごろ、中京区木屋町通三条下ルの路上で、会社員男性(28)に殴る蹴るの暴行を加え、顔面骨折などの重傷を負わせた疑い。同署は認否を明らかにしていない。
(後略)

(2022年12月28日 京都新聞 「京都・木屋町通で起きた集団暴行、共犯の20歳容疑者を逮捕 肩ぶつかり争いか」より引用)

傷害罪

大まかに説明すると、故意に暴行を加えた結果、相手にけがを負わせた場合は傷害罪が成立します。

報道によると、今回の事例では容疑者らが被害者に殴る蹴るの暴行を加え、顔面骨折なのどのけがを負わせたとされています。
報道が事実であれば今回の事例では傷害罪が成立することになり、有罪になってしまうと15年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されることになります。(刑法第204条)

なお、今回の事例では、報道によると逮捕された男性のグループと被害者の男性のグループでトラブルとなって集団暴行に発展したという事件内容とされています。
報道からは詳細な事件内容は読み取れませんが、仮に被害者の男性に対して逮捕された男性らが集団で暴行を加えたという構図である場合には、暴力行為処罰法違反となる可能性も考えられます。
集団暴行事件では、その態様によっては暴行罪傷害罪以外の犯罪も成立し得るため、注意が必要です。

傷害罪の裁判例

今回の事例では、逮捕された男性が傷害罪の容疑をかけられていますが、仮に傷害罪で有罪となった場合、どういった刑罰が下されるのでしょうか。
実際に傷害罪に問われ、裁判になった事例をご紹介します。
(ご紹介する裁判例は、今回の事例と事件内容などが異なります。)

その傷害事件では、被害者ににらまれたと思い込んだ被告人が、被害者の胸倉を掴み、もみ合いになりました。
被告人が不利な態勢になった際に被害者に攻撃を加え、共犯者と2人がかりで被害者の顔面を殴るなどの暴行を加えました。
その結果、被害者は全治約1カ月を要する骨折などを負いました。
裁判では、被告人側が護送過剰防衛を主張していましたが主張は認められず、被告人は傷害罪で有罪になってしまいました。
しかし、被告人が反省していることや被害者に対して弁償を行っていることなどが考慮され、懲役1年執行猶予3年の執行猶予付きの判決が下されました。
(平成14年9月20日 神戸地方裁判所)

今回取り上げた事例では、容疑者を含む複数名で被害者に暴行を加えたと報道されています。
事例の被害者が負ったけがの程度はわかりませんが、顔面を骨折していることから軽いとは言えないでしょう。
ご紹介した裁判例でも、被告人は被害者を骨折させるほどの怪我を負わせており、起訴され刑事裁判になったうえで有罪判決を受けています。
このことから、取り上げた事例でも、起訴され刑事裁判となる可能性があるといえます。
けがの程度や暴行の態様などの事情によっては、ご紹介した裁判例よりも重い刑罰が下される可能性もあるでしょう。

ご紹介した裁判例では、被告人は被害者に被害弁償金を支払っています。
こういった被害弁償や示談などを被害者に申し入れる際に、加害者が直接連絡を取ることを嫌がる被害者の方もおられます。
そういった事情以外にも、直接やりとりをすることでトラブルを生む可能性もありますので、被害弁償や示談を行う際には弁護士を入れることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービスを行っております。
初回接見サービスでは、弊所の弁護士が逮捕されたご家族に接見し、取調べのアドバイスやご家族からの伝言などをお伝えします。
また、弊所では初回接見サービスの他にも、無料法律相談を行っています。
刑事事件に詳しい弁護士に相談をすることで、少しでもあなたやご家族にとって良い結果を得られるかもしれません。
ご家族が逮捕された方、傷害事件などの刑事事件での示談でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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