【事例紹介】無断で合鍵作り同僚宅へ侵入

同僚女性宅の合鍵を無断で作り侵入したとして、住居侵入罪の容疑で逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します

事案概要

無断で合鍵を作り女性宅に侵入したとして、京都府警下鴨署は5日、住居侵入の疑いで、滋賀県草津市の大学生の男(21)を逮捕した。
逮捕容疑は昨年6月30日と7月9日の計2回、下着を撮影する目的で、同市の女子大学生(21)の集合住宅の部屋に侵入した疑い。
同署によると、男は(中略)「間違いありません」と容疑を認めている。(後略)

(9月5日 京都新聞 「無断で合鍵作り女性宅侵入、容疑の21歳男逮捕「鍵の番号盗み見てネット注文」下着を撮影」より引用)

不法侵入と侵入場所

不法侵入というワードを聞いたことがある方は多いかもしれません。

刑法を見てみますと不法侵入という罪名は存在せず、住居侵入罪建造物侵入罪という罪が規定されています。

住居侵入罪建造物侵入罪を規定する刑法130条は、「正当な理由がないのに、人の住居もしくは人の看守する邸宅、建造物もしくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金に処する」としています。

同条は対象となる侵入場所として、①住居②人の看守する邸宅③建造物④艦船を挙げています。

本ケースの容疑者は被害者の集合住宅の部屋に侵入したとされています。
では本ケースの場合、①~④のどこに侵入したことになるのでしょうか?

結論から言うと、容疑者は住居(①)に侵入したことになります。

住居とは、起臥寝食すなわち、寝たり起きたり食事をするなど、日常生活に利用される建造物のことです。
具体的には家やマンションの部屋などが該当します。

今回の事案では、容疑者は集合住宅の部屋に侵入したとされています。
おそらく、被害者はこの集合住宅の部屋で日常生活を営んでいるでしょう。
したがって、報道が事実であれば、容疑者は住居に侵入したことになります。

ところで、住居(①)と邸宅(②)、建造物(③)の違いが文字だけ見ても分かりづらいかもしれません。

簡単に説明すると、邸宅(②)とは空家や閉鎖中の別荘といった居住用の建造物であって住居ではないものを言います。

そして、建造物(③)とは、住居邸宅にあたらない建造物を言います。
具体的には、官公庁の庁舎や学校、工場などがこれに当たります。

住居侵入罪と侵入

次に「侵入」の意義も問題となります。

というのは、本罪の保護法益(法律があることで保護される利益)をどう解するかによって、どのような立入り行為が規制の対象となる「侵入」に当たるかが異なるからです。

住居侵入罪の保護法益について、平穏説住居権説の2つの説があります。

平穏説は保護法益を「住居の事実上の平穏」と捉える立場です。
これに親和的な判例として最判昭和51年3月4日があります。

この立場にたてば、「侵入」とは、住居の平穏を害するような態様による立入りと言うことになります。
もっとも、平穏という法益の内容が漠然としていて不明確です。
立入りの方法が平穏である場合には、住居権者がたとえ立入りを許していない場合であっても住居侵入罪が成立しないことになってしまいますので、住居権者の承諾の意義を軽視しすぎていると言えるでしょう。

他方で、現在の判例は、本罪の保護法益を、住居に誰を立ち入らせるかの自由であるとしています(最判昭和58年4月8日)。

この保護法益の解し方を住居権説といいます。
この立場にたてば、「侵入」とは、住居権者の意思に反する立入りということになります。

本ケースの場合、下着を撮影する目的で被害者の生活する集合住宅の部屋に立ち入ったと報道されています。
おそらく容疑者は立入る許可を被害者に取っていないでしょうし、下着を撮影することは部屋に立入る正当な理由だとはいえません。
現在の裁判所の立場は住居権説に立っていますから、住居権者の意思に反する立入りであり、侵入にあたると評価される可能性が高いです。
侵入にあたると判断された場合は、容疑者に住居侵入罪が成立することになります。

弁護士に相談を

住居侵入罪を犯して逮捕されてしまった場合でも、被害者との示談ができれば、不起訴処分となる可能性があります。

示談は、真摯な反省・謝罪を伝えることに加えて、被害者宅から遠い場所に引越すなど、相手との約束ごとを決めることで示談を成立させることができる可能性があります。

もっとも、つい先日無断で家に侵入してきた加害者が、示談交渉のため接触しようと試みても、被害者は恐怖から示談のための話し合いを拒絶する可能性が高いです。
そこで、弁護士が第三者的立場から間に入ることで、スムーズに示談交渉を進められる場合があります。
ですので、示談交渉を行う際は、弁護士に相談をすることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、住居侵入罪の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分を得ることができる可能性があります。
可能な限り早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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