ホテルでデリヘル嬢の盗撮…何罪?

2021-06-07

ホテルでデリヘル嬢の盗撮…何罪?

ホテルデリヘル嬢盗撮をした場合に何罪が成立するのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都府木津川市のホテルに宿泊していたAさんは、デリヘル店に連絡すると、デリヘル嬢Vさんを読んでサービスをしてもらうことにしました。
Aさんは、デリヘル嬢がサービスを行う様子をこっそり盗撮して後で見返そうと考え、Vさんがホテルに来るまでにホテルの室内に盗撮用の小型カメラを仕掛けました。
そしてデリヘル嬢Vさんがホテルに到着し、Aさんの部屋で服を脱ぐなどしてサービスをする様子をこっそり盗撮しました。
しかし、Vさんがサービスを終えて帰るという段階になって、部屋に仕掛けられたカメラにVさんが気付き、Aさんの盗撮行為が発覚。
Vさんの通報によって、Aさんは京都府木津警察署盗撮事件の被疑者として話を聞かれることになりました。
(※この事例はフィクションです。)

・ホテルでの盗撮は何罪?

盗撮事件は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にも多くご相談が寄せられる刑事事件の1つです。
小型のカメラが簡単に入手できる環境になっていることや、ほとんどのスマートフォンにカメラ機能がついていることなどから、やろうと思えば簡単に盗撮行為ができてしまうのかもしれません。
そうしたことから、盗撮事件は比較的身近に起こり得る刑事事件であるため、盗という行為が犯罪であることや、どういった行為が一般的に盗撮と言われているのかをご存知の方も多いでしょう。

しかし、日本には「盗撮罪」という犯罪があるわけではないため、盗撮行為によって成立する犯罪名に「盗撮」という言葉が使われるわけではありません。
盗撮行為の態様や、どういった場所で盗撮行為が行われたかといった事情を考慮し、その事件の事情に当てはまる犯罪が成立するのです。
例えば、多くの都道府県の迷惑防止条例で盗撮行為に関する規制が定められていますが、その内容は都道府県ごとに異なるため、盗撮が行われた都道府県がどこか、また盗撮が行われた場所がどこなのかということによって迷惑防止条例での規制の対象となったりならなかったりするのです。

今回のAさんの事例を考えてみましょう。
Aさんは、ホテルの室内で、デリヘル嬢Vさんがサービスをする様子を盗撮していたようです。
ホテルがあったのは京都府木津川市ですから、迷惑防止条例が適用されるとすれば、京都府の迷惑防止条例が適用されることになります。
では、京都府迷惑防止条例盗撮行為に関する条文を確認してみましょう。

京都府迷惑防止条例第3条
第2項 何人も、公共の場所、公共の乗物、事務所、教室、タクシーその他不特定又は多数の者が出入りし、又は利用する場所又は乗物にいる他人に対し、前項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 通常着衣等で覆われている他人の下着等を撮影すること。
第2号 前号に掲げる行為をしようとして他人の着衣等の中をのぞき込み、又は撮影する機能を有する機器(以下「撮影機器」という。)を通常着衣等で覆われている他人の下着等に向けること。

第3項 何人も、住居、宿泊の用に供する施設の客室、更衣室、便所、浴場その他人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる他人に対し、第1項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 当該状態にある他人の姿態を撮影すること。
第2号 前号に掲げる行為をしようとして、他人の姿態に撮影機器を向けること。

第4項 何人も、第1項に規定する方法で第2項に規定する場所若しくは乗物にいる他人の着衣等で覆われている下着等又は前項に規定する場所にいる着衣の全部若しくは一部を着けない状態にある他人の姿態を撮影しようとして、みだりに撮影機器を設置してはならない。

まず、京都府迷惑防止条例第3条第2項で規制されている盗撮行為は、「公共の場所」や「公共の乗物」、「不特定又は多数の者が出入りし、又は利用する場所又は乗物」で行われたものに限定されています。
電車や駅などで行われた盗撮行為や、学校の教室などで行われた盗撮行為は、この条文によって規制されています。

そして、京都府迷惑防止条例第3条第3項では、先ほど挙げた「公共の場所」等だけではなく、住居や宿泊の用に供する施設の客室=ホテルの部屋なども規制の対象としています。
つまり、駅や電車などの公共性のある場所や開かれた場所だけでなく、ホテルの一室などの私的な空間での盗撮行為もこの迷惑防止条例で規制しているのです。

今回のAさんは、ホテルの一室でデリヘル嬢Vさんがサービスを行っている様子を盗撮していますが、Vさんが服を脱いでデリヘルのサービスをしている様子は、京都府迷惑防止条例第3条第3項にある「着衣の全部又は一部を着けない状態」であるといえるでしょうから、Aさんにはこの条文に違反したことによる京都府迷惑防止条例違反が成立すると考えられるのです。

なお、もしもAさんの仕掛けたカメラが不具合などで映像や画像を記録できていなかったとしても、京都府迷惑防止条例では盗撮目的でカメラを設置することも禁止していることから、盗撮ができていなかったからといって処罰されないということではないことも注意が必要です。

今回の事例では、盗撮事件が起こった都道府県が京都府であったため、迷惑防止条例の中にホテルの一室が含まれていたことで迷惑防止条例違反となるだろうと考えられますが、別の都道府県ではホテルの一室が迷惑防止条例の規制対象とならない事もあります。
当事者だけで自分の盗撮行為がどういった犯罪になり得るのか判断することは難しいですから、弁護士に相談してみることをおすすめいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、盗撮事件などの性犯罪についてもご相談・ご依頼を受け付けています。
ホテルでの盗撮事件や、風俗トラブルの絡んだ刑事事件についても、お気軽にご相談ください。