居酒屋での未成年者へ酒提供②未成年者飲酒禁止法違反

2019-10-13

居酒屋での未成年者へ酒提供②未成年者飲酒禁止法違反

居酒屋での未成年者への酒提供と未成年者飲酒禁止法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~
Aさんは、京都市南区で居酒屋を経営しています。
Aさんの経営している居酒屋は、よくある居酒屋で、店内は明るく、ひらけたスペースに座席があるものでした。
ある日、その居酒屋に知人であるBさんとCさんがやってきました。
BさんとCさんはどちらも18歳でしたが、Aさんに対して「嫌なことがあったからパーッとやりたい」と言い、酒を注文しました。
Aさんは、「知り合いだし、飲ませすぎなければ問題ないか。2人とも18歳なのだからどうせあと2年で飲めるようにもなる歳だ」と考え、注文された通り、BさんとCさんに酒を提供しました。
しかしその後、帰宅途中のBさんとCさんが京都府南警察署の警察官による職務質問にあい補導されたことでBさん・Cさんの飲酒が発覚、さらにAさんの居酒屋で酒を提供されたことも発覚しました。
そして、Aさんは京都府南警察署未成年者飲酒禁止法違反の容疑で逮捕されることとなってしまいました。
(※令和元年5月24日福井新聞ONLINE配信記事を基にしたフィクションです。)

・居酒屋で未成年者へ酒を提供すると…②

前回の記事では、風営法の「風俗営業」にあたる居酒屋やバーで未成年者へ酒類を提供すると風営法違反となるということに触れました。
居酒屋やバーで風営法のいう「風俗営業」にあたる条件は以下の通りでした。

風営法2条1項
この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
2号 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた営業所内の照度を10ルクス以下として営むもの(前号に該当する営業として営むものを除く。)
3号 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが5平方メートル以下である客席を設けて営むもの

つまり、この条件に当てはまらない居酒屋やバーについては、風営法のいう「風俗営業」に当てはまりません。
ですから、そうした居酒屋やバーについては、未成年者へ酒類を提供しても風営法違反とはなりません。

では、風営法の「風俗営業」以外の居酒屋やバーでは未成年者に酒類を提供しても問題ないかというと、そうではありません。
未成年者への酒類の提供に関しては、「未成年者飲酒禁止法」という法律で規制されています。

未成年者飲酒禁止法1条
3項 営業者ニシテ其ノ業態上酒類ヲ販売又ハ供与スル者ハ満20年ニ至ラサル者ノ飲用ニ供スルコトヲ知リテ酒類ヲ販売又ハ供与スルコトヲ得ス

未成年者飲酒禁止法3条1項
第1条第3項ノ規定ニ違反シタル者ハ50万円以下ノ罰金ニ処ス

未成年者飲酒禁止法4条
法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ従業者ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ関シ前条第一項ノ違反行為ヲ為シタルトキハ行為者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ対シ同項ノ刑ヲ科ス

未成年者飲酒禁止法は大正11年に定められた法律のため、条文もカタカナ混じりで書かれています。
少し読みづらいですが、関連する条文を見ていきましょう。

まず、未成年者飲酒禁止法1条3項にある規定は、酒類を販売したり提供したりする営業者(前者の例としては酒屋やスーパーマーケット、コンビニエンスストアなどが挙げられ、後者の例としては飲食店や居酒屋が挙げられます。)が未成年者の飲酒を知りながら酒類を販売したり提供したりすることを禁止しています。
そして、この未成年者飲酒禁止法に違反して未成年への酒の販売や提供をした場合には、未成年者飲酒禁止法3条1項にあるように、50万円以下の罰金に処せられるのです。
この際、未成年者飲酒禁止法4条では、未成年者に酒類を販売したり提供したりした法人の代表者又は法人若しくは自然人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は自然人の業務に関して未成年者への酒類の販売や提供をしたときには、酒類の販売や提供をした本人だけでなく、その法人や人に対しても同様の50万円以下の罰金という刑罰が科されるとされていることにも注意が必要です。

なお、未成年者飲酒禁止法の中では、酒類の販売や提供をしている営業者に対して、年齢確認をする措置をとるようにと規定しています。

未成年者飲酒禁止法1条4項
営業者ニシテ其ノ業態上酒類ヲ販売又ハ供与スル者ハ満20年ニ至ラザル者ノ飲酒ノ防止ニ資スル為年齢ノ確認其ノ他ノ必要ナル措置ヲ講ズルモノトス

この年齢確認については、やらなかったからといって特に罰則があるわけではありませんが、この年齢確認をせずに未成年者への酒類の販売や提供をしてしまえば、それによる未成年者飲酒禁止法違反の責任を免れることはできないといえるでしょう。

風営法違反でも未成年者飲酒禁止法違反でも、未成年者への酒の提供は犯罪となります。

もしもこういった刑事事件の当事者となってしまったら、お早めに弁護士までご相談ください。

0120-631-881では、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部弁護士によるサービスのご案内をいつでも行っています。
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