冬の交通事故で過失運転致傷罪

2018-12-30

冬の交通事故で過失運転致傷罪

滋賀県長浜市に住んでいるAさんは、自動車を運転して通勤をしていましたが、雪が降る時期となってもスノータイヤ(スタッドレスタイヤ)にしたりチェーンを付けたりすることなく、ノーマルタイヤで運転をしていました。
ある日の帰宅途中、Aさんの運転する車は積雪している道路を走っていたのですが、雪で滑ってブレーキが上手く効かず、歩行者Vさんと接触する交通事故を起こしました。
Vさんは全治2か月の大けがを負い、Aさんは滋賀県長浜警察署に自動車運転処罰法の過失運転致傷罪の容疑で捜査を受けることとなりました。
(※この事例はフィクションです。)

・冬の交通事故

年の瀬となり、冬の寒さも厳しくなってきました。
冬は、他の季節に比べて早く日が落ち、周囲が暗くなって見通しが悪くなることに加え、気温が下がって路上が凍結し滑りやすくなったり、雪で道路が滑りやすくなったり、吹雪で視界が悪くなったりと、交通事故が起きやすい条件が多くなる季節です。
滋賀県警の交通統計を見てみると、12月の事故発生状況は、平成29年で492件、平成28年で577件と、過去2年間で月別交通事故発生数トップの月となっています。

さて、今回のAさんは、自動車運転処罰法に規定されている過失運転致傷罪の容疑をかけられています。
過失運転致傷罪は自動車運転処罰法5条に規定されています。

自動車運転処罰法5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

この「自動車の運転上必要な注意を怠り」という部分が過失運転致傷罪の「過失」ということになります。
今回、Aさんは積雪している道路をスノータイヤ(スタッドレスタイヤ)にしたりチェーンを付けたりせず、ノーマルタイヤのままで走行していました。
ここで、滋賀県の公安委員会の定める滋賀県道路交通法施行細則を見てみましょう。

滋賀県道路交通法施行細則14条
法第71条第6号の規定により車両等の運転者が遵守しなければならない事項は、次に掲げるとおりとする。
1号 積雪または凍結している道路において、自動車(二輪の自動車を除く。)を運転するときは、タイヤ・チェーン等をとりつけ、すべり止めの措置を講ずること。

この「法第71条第6号」とは、道路交通法の71条6号のことを言います。

道路交通法71条
車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
6号 前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項

つまり、滋賀県において、積雪している道路ではタイヤ・チェーン等のすべり止めの措置を講じなければならないいうことが、自動車を運転する上で遵守すべき事項であるということになります。
Aさんはこのすべり止めの措置をすることなく、ノーマルタイヤで積雪している道路を走っており、その結果ブレーキが効かずに交通事故を引き起こしていますから、ここにAさんの過失があるということができるでしょう。
そして、Aさんは過失によって交通事故を起こし、Vさんをけがさせていることから、過失運転致傷罪となると考えられるのです。

交通事故刑事事件についても、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所ではご相談を受け付けています。
冬の交通事故刑事事件に発展してしまってお困りの方は、遠慮なく弊所弁護士までご相談ください。
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