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改正少年法の「特定少年」とは?
改正少年法の「特定少年」とは?
改正少年法の「特定少年」とはどういったものなのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都府京田辺市に住んでる高校3年生(18歳)のAさんは、近所の書店で雑誌を万引きしたところを店員に見とがめられ、店員を突き飛ばして逃亡しました。
その後、Aさんは京都府田辺警察署の警察官に事後強盗罪の容疑で逮捕され、Aさんの両親にも逮捕の知らせが届きました。
Aさんの両親は、少年法が改正され厳しくなるといったニュースを見ていたため、今後Aさんがどのような処分を受ける可能性があるのか不安に思い、少年事件を取り扱っている弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・改正少年法と「特定少年」
令和4年4月1日に、改正少年法が施行されます。
少年法では、20歳未満の者を「少年」と定義し(少年法第2条第1項)、少年法の対象としています。
しかし、令和4年4月1日から施行される改正少年法では、この20歳未満の「少年」のうち、18歳と19歳の少年を「特定少年」として17歳以下の少年と分けて考える部分が出てきます。
まずは、改正少年法の中で「特定少年」という言葉の出てくる条文を確認してみましょう。
改正少年法第62条
第1項 家庭裁判所は、特定少年(18歳以上の少年をいう。以下同じ。)に係る事件については、第20条の規定にかかわらず、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。
第2項 前項の規定にかかわらず、家庭裁判所は、特定少年に係る次に掲げる事件については、同項の決定をしなければならない。
ただし、調査の結果、犯行の動機、態様及び結果、犯行後の情況、特定少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるときは、この限りでない。
第1号 故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であつて、その罪を犯すとき16歳以上の少年に係るもの
第2号 死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件であつて、その罪を犯すとき特定少年に係るもの(前号に該当するものを除く。)
改正少年法第62条第1項では、改正少年法において18歳・19歳の少年は「特定少年」として扱われるということに加え、「特定少年」に係る少年事件については、少年法第20条の規定にかかわらず、諸々の事情から相当と認められるときには検察官への送致(いわゆる「逆送」)をしなければならないということを定めています。
なお、少年法第20条では、死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の少年事件について諸々の事情に照らして相当と認められる場合には逆送を行うことや、故意の犯罪行為によって被害者を死亡させた少年事件で事件当時16歳以上であった少年については原則逆送とすることが定められています。
さらに、改正少年法第62条第2項では、先ほど記載した少年法第20条で定められていた、故意の犯罪行為によって被害者を死亡させた少年事件で事件当時16歳以上の少年を原則逆送とするというもの(改正少年法第62条第2項第1号)だけでなく、事件時に「特定少年」であった場合には「死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件」について原則逆送とすることが定められています(改正少年法第62条第2項第2号)。
原則逆送とするときの条件が16歳以上の少年については「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件」とされているのに対し、「特定少年」については「死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件」と、16歳以上の少年に比べて範囲が拡大していることが分かります。
例えば、今回の事例のAさんの場合、容疑をかけられている犯罪は事後強盗罪(刑法第238条)で、その刑罰は「5年以上の有期懲役」と定められています。
改正少年法のもとでは、「短期1年以上の懲役」にあたる犯罪の事件を「特定少年」時に起こした場合は原則逆送となりますから、令和4年4月1日以降にAさんが18歳となっている状態で今回の事件を起こしていた場合には、Aさんの事件は原則逆送されることとなります。
こうしたことから、改正少年法のもとでは、「特定少年」が逆送され、成人と同じ刑事手続きに乗りやすくなるといえるでしょう。
こういったことから、今回の事例のAさんの両親が見たニュースのように、「改正少年法では処分が厳しくなる」というようにとらえられたのだと考えられます。
・「特定少年」と逆送
ここで、「逆送」とは、家庭裁判所から検察官へ事件を送りなおすことを指します。
通常の少年事件は、警察・検察での捜査を終えた後、検察から家庭裁判所に送致されます。
「逆送」では、そこからさらに家庭裁判所から検察へ事件を戻すことになるため、「『逆』送致」=「逆送」と呼ばれているのです。
逆走された少年事件は、成人と同様の刑事手続きの流れに乗ることになります。
検察官が起訴するかどうかを判断し、起訴されれば裁判となり、有罪になれば刑罰を受けることになります。
場合によっては刑務所へ行くことになることも考えられます。
ですから、改正少年法のもとで特に逆送の可能性のある「特定少年」による少年事件については、刑事裁判となることも見据えて弁護活動をしてもらうことが重要です。
今回取り上げた逆送について以外にも、改正少年法下では、「特定少年」として取り扱われる18歳・19歳の少年の手続きが現行の少年法と大きく異なります。
少年事件も多く取り扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、改正少年法に関係するご相談も受け付けています。
子どもが少年事件を起こしてしまったが改正少年法下でどういった扱いになるのか不安だという方、「特定少年」の手続きが分からないとお悩みの方は、お気軽にご相談下さい。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
京都市下京区の万引き(窃盗)事件で現行犯逮捕
京都市下京区の万引き(窃盗)事件で現行犯逮捕
京都市下京区のスーパーでの万引き事件と現行犯逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
ケース
京都市下京区のスーパーで買い物をしていたAさんは、レジに並ぶ直前に財布を家に忘れて来てしまったことを思い出しました。
家まで財布を取りに帰るのを面倒に思ったAさんは日用品数点を万引きしてしまい、一部始終を目撃していた京都府下京警察署の警察官に万引きの罪(窃盗罪)で現行犯逮捕されてしまいました。
(フィクションです)
万引き(窃盗)
刑法上では万引き(窃盗)という罪状での定めはなく、窃盗罪として扱われます。
窃盗罪は、自分以外の者が所有している物をその人の意思に反して盗む罪です。
刑法235条で規定されており、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」と定められています。
現行犯逮捕
通常、逮捕は警察官が裁判所に逮捕状を請求してから行われます。
しかし、今まさに罪を犯している、もしくは罪を犯した直後の人に対しては、逮捕状をなしに逮捕することが出来ます。
これを現行犯逮捕といいます。
また、現行犯逮捕は、警察といった捜査機関だけでなく私人でも行うことができます。
現行犯逮捕後の流れ
現行犯逮捕の場合でも通常の逮捕と同じ流れで手続が進むことになります。
逮捕された直後、犯した罪の内容、弁護士をつけることができることを伝えられた後、弁解の機会が設けられます。
そして、弁解の聞き取りやそれと並行して行われる捜査の結果、身柄を拘束されてから48時間以内に、警察は釈放(身柄の解放)するか送致(身柄を検察に送る)するかを決定します。
送致されてしまった場合、検察官が身柄を受け取ったときから24時間以内に勾留請求するか釈放するかを決定します。
勾留請求が出された場合は裁判官が勾留をするかどうかの最終判断をし、勾留が決定してしまった場合、検察官が勾留を請求してから10日、最長で20日間留置施設に留置されることになります。
起訴されてしまった場合、保釈が認められない限り、長期間にわたって拘束されることになります。
また、日本で行われる刑事裁判の99%以上が有罪の判決を下されているといわれており、起訴されてしまうと有罪判決のリスクが高まる可能性があります。
勾留中の被疑者は連日にわたって取調べを受けることになり、心身的苦痛を伴う可能性があります。
勾留されてしまうと外部との連絡は制限されてしまいますが、弁護士であれば勾留中の被疑者に会う(接見する)ことができます。
勾留中の被疑者にとって、外部と連絡をとることができる弁護士の存在は、取調べによる身を守る準備や拘禁による苦痛を軽減するためにも、重要なものになると思われます。
弁護士の活動として接見の他にも、検察官や裁判官が勾留や起訴の判断をする段階で各捜査機関等に釈放や保釈(起訴後の身柄の解放)等を求める働きかけを行えます。
また、早期の段階で各捜査機関への働きかけといった弁護活動を行うことによって、被疑者にとって不起訴処分の獲得による釈放や起訴後の保釈決定の獲得等になるなど、被疑者にとって有利になる可能性が高まります。
万引き(窃盗)事件に強い弁護士活動
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は刑事事件・少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
ご家族等が万引き(窃盗罪)等で現行犯逮捕をされた場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部までご相談ください。
フリーダイヤル0120―631―881では24時間365日いつでもお問い合わせをお待ちしております。
また、初回の法律相談を無料で致しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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還付金詐欺事件を起こして逮捕されてしまったら
還付金詐欺事件を起こして逮捕されてしまったら
還付金詐欺事件を起こして逮捕されてしまったというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは、京都市山科区に住む高齢者Vさんに対して電話をかけ、「私は京都府の年金事務所の者です。年末に年間の年金を計算したところ、Vさんへの未払いが発覚しました。支払いのための手続きをするので、私の指示に従ってATMを操作してください」と嘘の話を伝えました。
そして、Aさんは電話でVさんに指示を出してATMを操作させると、VさんからAさんの口座に100万円を振り込ませ、だましとりました。
Vさんの家族がVさんからこの話を聞いたことで、Aさんによる還付金詐欺が発覚。
Vさんらが京都府山科警察署に被害を届け出たことから捜査が開始され、Aさんは詐欺罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、Aさんが詐欺行為をしていたことなど全く知らなかったため、突然Aさんが逮捕されたことに困惑し、どうすればよいのか分かりません。
そこでAさんの家族は、京都市の逮捕に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・還付金詐欺とは?
還付金詐欺とは、医療費の返還や年金の未払い等の名目で還付金があると偽り、ATMを指示通り操作させてお金を振り込ませるという手口の詐欺を指しています。
還付金詐欺は、ATMの操作に詳しくない高齢者をターゲットとして行われることが多く、電話で指示をされながらATMを操作しているうちに、相手への振込を完了させられてしまうという詐欺です。
京都府でも還付金詐欺の被害は発生しており、京都府警や京都府、京都市のホームページでは、定期的に「特殊詐欺特別警報」として注意喚起が行われています。
この還付金詐欺は、名前にある通り、刑法の詐欺罪に当てはまります。
刑法第246条第1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
詐欺罪は、簡単に言えば、人を騙し、その騙されたことによって相手がお金等を交付することによって成立します。
還付金詐欺は、還付金を受け取れるという虚偽の事実を信じ込ませ=「人を欺いて」、その手続きのように見せかけてお金を振り込ませる=「財物を交付させ」るという手口ですから、詐欺罪が成立する条件を満たすことになります。
・還付金詐欺事件で逮捕されてしまった
年末年始は1年の締めが行われることが多く、年間の税金等が計算される時期でもあることから、そのタイミングを狙って還付金詐欺が発生することも考えられます。
詐欺罪の法定刑が10年以下の懲役と、罰金刑の規定がない=有罪となれば執行猶予が付かない場合刑務所での懲役を受ける、という重い設定となっていることや、詐欺行為を集団で行っているケースが多いことから、詐欺事件では逮捕され、さらに勾留による身体拘束を受けるケースがよく見られます。
勾留による身体拘束は最大20日間ですが、もしも複数件還付金詐欺を行っていれば、被害者の分だけ再逮捕が行われ、予想外に長期の身体拘束を受ける可能性もあります。
弁護士はこうした身体拘束を解くことを目指して活動を行うことができます。
例えば、被害者との迅速な示談交渉を行い、示談締結を主張することで釈放を目指すといった活動が挙げられます。
還付金詐欺は高齢者を狙った悪質さから、被害感情が苛烈であることも考えられます。
そうした場合に当事者だけで示談を進めることは困難が伴いますし、さらに同様の還付金詐欺事件が複数あるような場合には、示談交渉を同時に何件も行わなければならない可能性も出てきます。
そうなれば、より複雑で困難なことをしなければならないことになりますから、やはりこうした還付金詐欺事件は専門家である弁護士に相談・依頼すべきと言えるでしょう。
もちろん、弁護士が介入したからといって必ずしも示談が成立するとは限りません。
しかし、弁護士という第3者、専門家が介入するということで、直接当事者とコンタクトを取る必要がないことや、専門知識のある者と交渉できること等から、話も聞きたくないというところから示談交渉の場についてくださるという被害者の方も少なくないことも事実です。
また、示談締結となった際には、専門知識のある弁護士だからこそ、法律的に不備の無い示談書を作成することができます。
示談後に何かしら問題が蒸し返されるということは、加害者も被害者も望まないことでしょう。
弁護士が間に入って示談を行うことで、こうしたことを避けることが期待できます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、還付金詐欺事件の逮捕にも迅速に対応いたします。
0120-631-881では、お問い合わせをいつでも受け付けていますので、お気軽にご相談ください。

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刑事裁判に向けて…起訴されたら弁護士に相談
刑事裁判に向けて…起訴されたら弁護士に相談
刑事裁判に向け、起訴されて弁護士に相談したいというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは、京都市西京区に住む会社員です。
Aさんは近所の家電量販店に立ち寄った際、PC周辺機器など7万円相当を万引きしました。
しかし、店員に万引き行為を目撃され、京都府西京警察署に通報されました。
Aさんは窃盗罪の容疑で京都府西京警察署で取調べを受けたものの、家族が身元引受人となり、帰宅を許されました。
その後、何回か取調べを受けた後、Aさんは検察官から「以前窃盗事件を起こして罰金になっていることもあるので、起訴して刑事裁判となる」といった旨の話をされました。
Aさんは、刑事裁判を受けることは初めてであったため、不安になり、刑事事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・刑事裁判に向けた弁護活動
刑事事件の流れとしては、まずは被疑者として何らかの犯罪の嫌疑をかけられた後、警察や検察で捜査を受けることになります。
この際、逃亡や証拠隠滅のおそれが認められるなどした場合は、逮捕・勾留によって身体拘束される場合があります。
そして、検察官がその捜査によって得られた証拠を考慮し、起訴して刑事裁判にかけるかどうかが決められます。
起訴には略式起訴と公判請求をする起訴があり、略式起訴の場合には公開の法廷に立つことなく罰金を支払って事件が終了することになります。
対して、公判請求をする正式な起訴となった場合には、刑事ドラマなどでも見られる、公開の法廷に立って刑事裁判を受けるということになるのです。
今回の事例のAさんは、逮捕・勾留といった身体拘束なしに捜査が進められているようです。
通常、在宅捜査が行われていて起訴された場合、起訴からおおよそ1か月から1か月半程度で刑事裁判が開かれます(もちろん、どれほどの期間がかかるのかは刑事事件によって異なるため、気になる場合には弁護士に相談されることをおすすめします。)。
先ほども触れたように、刑事裁判は公開の法廷で行われ、そこで被告人の有罪・無罪や有罪であった場合の刑罰の重さを決めることになります。
例えば、今回の事例のAさんであれば、起訴されるとすれば万引き=窃盗罪(刑法第235条)の罪で起訴されることになるでしょうし、Aさんは窃盗罪の容疑を認めているようですから、有罪となり、窃盗罪の法定刑である10年以下の懲役又は50万円以下の罰金という範囲で刑罰が決められることになるでしょう。
Aさんの場合、以前窃盗罪で罰金を受けているという前科があるようですから、今回の窃盗事件ではより重い処罰が必要と判断され、検察官から伝えられた通り、起訴されて刑事裁判を受けることになる可能性も十分考えられます。
刑事裁判では、公開の法廷で、傍聴人のいる前で、検察官や裁判官から証言を求められます。
被告人自身はもちろん、被告人に有利な証言をしてくれる家族等の証人は、そこで証言をしていかなくてはなりません。
初めて刑事裁判を受ける、刑事裁判の場に立つ、という方は、裁判の場で緊張してしまうことも考えられます。
だからこそ、刑事裁判を受けるとなったら、刑事事件に強い弁護士に相談・依頼を行い、綿密な打ち合わせやサポート体制を整えてもらうことが大切です。
また、刑事裁判の場では、示談を含めた被害者への謝罪・弁償の対応や本人の反省、今後再犯をしないための対策など、様々なことを聞かれたり、こちらから主張していくことが求められます。
こうした事情は、刑事裁判当日にいきなり出すことはできません。
刑事裁判前から、被害者との交渉を行ったり、再犯防止のためにできること、例えばカウンセリングの受診や金銭管理などを本人や家族などと具体的に練って実行して実績を作っていくといった準備が必要となります。
こうした証拠づくりも、弁護士のサポートを受けることで効果的に行えることが期待できます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事裁判に向けた弁護活動もご相談・ご依頼いただいています。
起訴されてしまってお困りの方、起訴されるかもしれないとお悩みの方は、お気軽にご相談下さい。
もちろん、起訴前からのご相談・ご依頼も受け付けています。
刑事事件のご相談に早すぎるということはございませんので、不安を感じたら弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
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置引きが強盗罪に?
置引きが強盗罪に?
置引きが強盗罪に発展してしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは、京都市南区にあるカフェを利用している際、隣の席に座ったVさんが財布をソファの上に置きっぱなしにしているところを見ました。
Aさんは、「こっそり持って行ってもばれないかもしれない」と思い、Vさんが雑誌を見ている間にこっそりVさんの財布をこっそり自分の方へ引き寄せると、そのまま財布を持って店を出ました。
しかし、Aさんが店を出るところでVさんが財布を取られたことに気が付いて追いかけてきたため、Aさんは咄嗟にVさんを突き飛ばし、激しく転倒させたうえで逃走しました。
その後、通報を受けた京都府南警察署の捜査により、Aさんは事後強盗罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは、置引き程度のつもりだったのに強盗罪の容疑で逮捕されたことに驚き、家族の依頼で警察署にやってきた弁護士に接見すると、どうして強盗罪の容疑をかけられているのか詳しく聞いてみることにしました。
(※令和3年11月15日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・置引きが強盗罪になる?
置引きとは、置いてある他人の物を持ち去ってしまう窃盗行為の手口の1つです。
今回のAさんが置いてあったVさんの財布を持ち逃げしようとした行為は、まさにこの置引きの手口であったといえるでしょう。
多くの場合、置引きには窃盗罪が成立します。
置引きと聞いて窃盗罪をイメージする方も多いでしょう。
刑法第235条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
しかし、今回のAさんの逮捕容疑は事後強盗罪という強盗罪の1種です。
置引きが強盗罪にまでなることがあるのでしょうか。
事後強盗罪は、刑法第238条に定められている犯罪です。
刑法第238条(事後強盗罪)
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
事後強盗罪の主体となるのは「窃盗」です。
これは「窃盗犯」を指しており、今回のAさんも置引きをしている窃盗犯ですから、Aさんは事後強盗罪の主体となり得ることになります。
そして、この「窃盗」が盗んだ財物を取り返されることや捕まることを防ぐため、犯罪のあとを隠すために暴行や脅迫をした場合に成立するのが事後強盗罪です。
今回のAさんは、Vさんが財布を取られたことに気が付いて追いかけてきたところを突き飛ばして逃げ切っています。
Aさんは財布を取り返されることや捕まることを防ぐためにVさんを突き飛ばすという暴行をふるっていると考えられます。
こうしたことから、Aさんには事後強盗罪が成立すると考えられるのです。
ここで、事後強盗罪の法定刑は「強盗として論ずる」ということから、強盗罪と同じものです。
刑法第236条第1項(強盗罪)
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
窃盗罪が「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」という刑罰と定められているのに比べると、強盗罪の刑罰は下限が5年の懲役刑のみで罰金刑の規定もないという、非常に重い刑罰が設定されていることが分かります。
さらに、もしもVさんがAさんの暴行によって怪我をしていた場合には、事後強盗罪ではなく強盗致傷罪が成立する可能性もあります。
刑法第240条(強盗致死傷罪)
強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
強盗致傷罪も事後強盗罪のように主体が限定されており、「強盗」=強盗犯ということになります。
Aさんの場合、事後強盗罪を犯している強盗犯ということになりますので、AさんがVさんを突き飛ばした時にVさんが怪我をしていれば、Aさんには強盗致傷罪が成立することになるのです。
強盗致傷罪となれば、その刑罰は「無期又は6年以上の懲役」となり、さらに重い刑罰が予想されることになります。
単なる置引きがきっかけであったとしても、その後の行動によっては強盗罪や強盗致傷罪といった非常に重い犯罪が成立します。
特に、強盗致傷罪となった場合には、起訴されれば裁判員裁判の対象となり、特別な準備も必要となってきます。
まずは自分が容疑をかけられている犯罪の把握、その犯罪で起訴されたり有罪となったりした場合の見通し・手続の把握などをすることが重要ですから、早い段階で弁護士に相談してみましょう。
刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、置引き事件から強盗事件まで、幅広い事件のご依頼・ご相談を受け付けています。
まずはお気軽にお問い合わせください。

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遺失物横領事件で呼び出されたら
遺失物横領事件で呼び出されたら
遺失物横領事件で呼び出されてしまったというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市下京区に住んでいるAさんは、ある日、近所にあるスーパーマーケットに立ち寄りました。
その際、Aさんは店の前の道路に財布が落ちているところを発見しました。
Aさんがその財布を拾って中身を確認したところ、現金7万円が入っていることが分かりました。
Aさんは、「どうせ誰も見ていないのだろうし、このままもらってしまってもいいだろう」と考え、財布ごと現金を持ち帰ってしまいました。
後日、財布の落とし主であるVさんが京都府下京警察署に財布が見つからないと相談。
Aさんが財布を拾ってそのまま持ち帰る様子が防犯カメラに撮影されていたことから、Aさんは京都府下京警察署に遺失物横領事件について聞かせてほしいと呼び出しを受けました。
警察に呼び出しを受けたAさんは、「このまま逮捕されてしまうのか」「自分はどうなってしまうのか」と不安になり、京都府の刑事事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・遺失物横領罪
遺失物横領罪は、刑法に定められている犯罪の1つで、占有離脱物横領罪とも呼ばれることのある犯罪です。
刑法第254条
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。
遺失物や漂流物とは、占有者の意思によらずにその占有を離れ、まだ誰の占有にも属していない物をいいます。
占有とは、その物に対する事実上又は法律上の支配力がある状態のことをいいます。
すなわち、遺失物横領罪は、その物を占有して(=事実上又は法律上の支配を行って)いた人の意思によらずにその占有を離れ、まだ誰の支配も受けていない物を横領(=他人の物を不法に自分の物にしてしまう)することによって成立します。
今回の事例のように、道に落ちていた財布などの落とし物は、誰もその落とし物を管理・支配していないということから、遺失物として扱われることとなります。
ですから、その落とし物を勝手に自分の物にしてしまうことは遺失物横領罪となりうるのです。
ただし、注意が必要なのは、お店の中に落ちていた落とし物などはお店が落とし物として管理するので、その物に対してお店の占有が認められる場合があるということです。
その場合は窃盗罪や横領罪が成立する可能性があることになるため、落とし物を自分のものにしたからといって必ずしも遺失物横領罪になるわけではないのです。
こうした部分についても、法律的な検討が必要となるため、弁護士に相談して自分の行為が何罪にあたり得るのか確認してみることがおすすめです。
・警察に呼び出されたら
自身が刑事事件の被疑者として警察に呼び出されてしまったら、Aさんのように逮捕やこの先の手続に対して不安になってしまう方も多いでしょう。
今回の事例のように、落とし物を自分の物にしてしまう遺失物横領事件は、やろうと思えば簡単にやれてしまう犯罪であることから、軽い気持ちで起こしてしまう人も少なくありません。
だからこそ、警察から呼び出された時に事の大きさに驚いて不安になってしまうということもあります。
そうしたときは、まずは刑事事件の専門家である弁護士に相談してみましょう。
弁護士に刑事事件の流れや被疑者の持っている権利などを詳しく聞いておくことで、分からない・知らないことによる不安の軽減が期待できます。
取調べなどへの適切な対応の仕方についてもアドバイスをもらえるというメリットもあります。
警察に呼び出されたら、まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回無料法律相談を行っています。
遺失物横領事件を起こしてしまって悩んでいる、警察から呼び出しをされて不安だという方は、ご遠慮なくご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
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詐欺事件で再逮捕が続いてしまったら
詐欺事件で再逮捕が続いてしまったら
詐欺事件で再逮捕が続いてしまっているケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
〜事例〜
京都府南丹市に住んでいるAさんは、特殊詐欺グループの一員として近隣の地域で複数件詐欺行為をはたらいていました。
ある日、京都府南丹警察署の警察官がAさんの自宅を訪れ、Aさんは詐欺罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、Aさんが逮捕された後から面会することもできず、Aさんの身体拘束が長期となっていることを心配し、現在Aさんがどういった状況にあるのか、どのようなサポートが可能なのか、刑事事件に詳しい弁護士に相談しました。
そして、弁護士の接見の結果、Aさんは最初に詐欺罪で逮捕された後、別の詐欺事件で再逮捕されていたことがわかりました。
(※この事例はフィクションです。)
・再逮捕とは?
逮捕・勾留といった強制的に身体拘束をする処分は、被疑者・被告人の身体の自由を奪う=被疑者・被告人の権利を侵害する処分です。
ですから、逮捕・勾留といった処分が濫用されてしまうと、むやみやたらと権利侵害が行われてしまうことになります。
そういった事態を防ぐために、逮捕・勾留には裁判所の発行する令状が必要であったり、逮捕は最大72時間、勾留は延長を含めて20日間という時間制限が設けられていたりしています。
しかし、この逮捕・勾留を何回でもすることができてしまえば、権利侵害の濫用を許すことになってしまい、先ほど挙げたような規定も意味のないものとなってしまいます。
そのため、日本の刑事手続きには、「再逮捕・再勾留禁止の原則」(一罪一逮捕・一罪一勾留の原則)と呼ばれる原則があります。
この原則は、1つの犯罪について逮捕・勾留は1回限りという原則です。
例えば、AさんがVさんという被害者に対する詐欺事件を起こしたとすれば、その詐欺事件でAさんを逮捕・勾留するのは1回だけにしましょうということです。
ですが、今回のAさんは最初の逮捕の後、再逮捕されているようです。
これは許される行為なのでしょうか。
ここで注意しなければいけないのは、同じ犯罪(同じ事件)での再逮捕・再勾留は禁止されているものの、別の犯罪(別の事件)での再逮捕・再勾留は許されると考えられていることです。
例えば、今回のAさんが最初に逮捕されたのが被害者Vさんに対する詐欺事件だったとして、AさんがVさんに対する詐欺事件でもう1回逮捕(再逮捕)されることは日本の刑事手続き上問題のあることですが、被害者Xさんに対する詐欺事件という、Vさんに対する詐欺事件とは別の詐欺事件について逮捕(再逮捕)されることは問題ないと考えられているのです。
今回の事例のAさんは、詐欺行為を複数件はたらいていたようですから、いわゆる余罪が多くあった状態であると考えられます。
ですから、その余罪部分について再逮捕されたと考えられるでしょう。
・再逮捕が続いたらどうすべき?
先ほど、逮捕は最大72時間、勾留は延長を含めて最大20日間と記載しましたが、再逮捕・再勾留されてしまった場合でもこの時間制限は同じです。
つまり、逮捕・勾留をされて最大23日間身体拘束された後に再逮捕・再勾留されてしまうと、さらに最大23日身体拘束されることになってしまうのです。
ですから、再逮捕・再勾留が繰り返されると長期にわたって身体拘束されてしまうことになるため、弁護士に積極的に身柄解放活動をしてもらうことが望ましいでしょう。
理論上余罪がある分再逮捕・再勾留できることになるため、詐欺事件などで余罪が多い場合には再逮捕される可能性があることにも注意しながら身柄解放活動などを行う必要があります。
さらに、特殊詐欺事件では弁護士以外の者との接見や差し入れが禁止される接見等禁止処分が付されている場合も多く、再逮捕・再勾留が重なるほど家族などの周囲の人たちとの連絡もたたれてしまう場合があります。
弁護士を通じて伝言を伝えるなどすることで、家族間での連携を取ることが期待できます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、詐欺事件の逮捕にお困りの方、再逮捕によってお悩みの方を刑事事件専門の弁護士がサポートしています。
お困りの際は、お気軽に0120ー631ー881までお問い合わせください。
専門スタッフがご相談者様に合ったサービスをご案内いたします。

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振り込め詐欺の組織犯罪処罰法違反事件
振り込め詐欺の組織犯罪処罰法違反事件
振り込め詐欺の組織犯罪処罰法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
〜事例〜
京都府京田辺市在住のAさん(18歳)は、自由に使えるお金が少ないことから、SNSで稼げるバイトがないか探しました。
そしてAさんは、SNSを通じて京都府内で活動している振り込め詐欺グループに参加して報酬をもらうようになりました。
しかし、振り込め詐欺の被害が相次いだことから捜査を開始した京都府田辺警察署の捜査により、Aさんら振り込め詐欺グループの存在が判明。
しばらくして、Aさんは振り込め詐欺グループのメンバーと共に、組織犯罪処罰法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、聞き慣れない犯罪でAさんが逮捕されたことに困惑し、京都府内の逮捕に対応してくれる弁護士を探すと、Aさんへの接見を依頼しました。
(※この事例はフィクションです。)
・組織犯罪処罰法とは
組織犯罪処罰法とは、文字通り、組織的に行われた犯罪への処罰を強化し、組織犯罪の防止を行う法律で、正式名称を「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」という法律です。
組織犯罪処罰法によれば、刑法上の詐欺罪にあたる犯罪行為を、団体の活動として、詐欺罪にあたる行為をするための組織によって行われた場合、1年以上の有期懲役に処するとされています。
組織犯罪処罰法第3条第13号
次の各号に掲げる罪に当たる行為が、団体の活動(団体の意思決定に基づく行為であって、その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するものをいう。以下同じ。)として、当該罪に当たる行為を実行するための組織により行われたときは、その罪を犯した者は、当該各号に定める刑に処する。
第13号 刑法第246条(詐欺)の罪 1年以上の有期懲役
振り込め詐欺グループは、振り込め詐欺をするために徒党を組んでいる団体ですから、「団体の活動」として振り込め詐欺=詐欺罪に当たる行為をしているということになります。
つまり、振り込め詐欺グループが何件も振り込め詐欺を繰り返しているような場合、まさにこの組織犯罪処罰法違反となってしまう可能性が高いのです。
刑法上の詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役ですから、「1年以上」と刑罰の下限が設定されている分、組織犯罪処罰法違反の方が重い刑罰が規定されていることが分かります。
上記Aさんは未成年者ですから、原則刑事罰を受けることはありませんが、振り込め詐欺グループに所属し、繰り返し振り込め詐欺を行っていたとなると、少年院送致といった厳しい処分も考えられます。
少年の更生にとって振り込め詐欺グループとの交流がある環境はいい影響を与えない=一度その環境から切り離さなければ少年は更生できないだろうと判断される可能性があるからです。
さらに、組織犯罪処罰法違反事件では複数の共犯者が存在するため、捜査段階で逮捕や勾留といった身体拘束がなされる可能性が高いです。
共犯者との連絡を絶つために、接見禁止処分(弁護士以外が面会できない処置)とされる可能性もあります。
ですから、たとえ未成年の少年事件であったとしても、組織犯罪処罰法違反事件の場合、すぐに専門家である弁護士に相談されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、24時間体制でお問い合わせを受け付けております(0120−631−881)。
逮捕・勾留されている方には、上記フリーダイヤルにて、初回接見サービスのご案内もしております。
逮捕されてしまったら、弁護士への相談は早すぎるということはありません。
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自白と自首は違う?
自白と自首は違う?
自白と自首は違うのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
〜事例〜
Aさんは、京都市西京区に住んでいる21歳の大学3年生です。
Aさんは、小遣い欲しさに振り込め詐欺グループの募集していた闇バイトに応募しました。
そして、振り込め詐欺グループから渡された通帳やキャッシュカードを利用してATMからお金をおろすと、そのお金を振り込め詐欺グループに渡して報酬をもらうという、いわゆる「出し子」の役割をしていました。
Aさんがこうした闇バイトを開始してしばらくした頃、いつも通りにATMでお金をおろそうとしたAさんの元に、京都府西京警察署の警察官がやってきて、Aさんは職務質問を受けました。
どうやら過去の出し子行為の際にATMの防犯カメラなどに映っていた映像をもとに捜査が進められ、Aさんに目星がつけられていたようでした。
Aさんは、警察官に問い詰められて出し子行為を認めて自白し、京都府西京警察署に逮捕されてしまいました。
Aさんは、家族の依頼で接見に訪れた弁護士に、「職務質問の時点で認めて自白したのだから、自首したことになって罪が軽くならないか?」と相談しました。
(※この事例はフィクションです。)
・自首は必ず罪が軽くなる?
多くの方が「自首をすれば罪が軽くなる」というイメージをお持ちなのではないでしょうか。
刑事事件をモチーフにしたドラマや映画などでも、「自首して罪を軽くしよう」といった話が出ることもあります。
しかし、こうしたイメージに反して、実は自首をしたからといって必ず罪が軽くなるというものではありません。
刑法第42条第1項
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
刑法に定められている自首は「その刑を減軽することができる」となっているため、あくまで刑の減軽は任意的なものであることがわかります。
ですから、自首が成立したからといって必ずしも刑罰が軽くなるというわけではないのです。
ですが、自首をするということは、自発的に罪を認めて出頭するということですから、反省の度合いが深いことなどを表すことにつながり、刑の減軽を主張するために有利な事情になることに違いはありません。
・自白と自首は違うもの?
では、今回の事例のAさんのように、職務質問などをされてその場で罪を認めて自白したというようなケースは「自首」とならないのでしょうか。
自首の条文を見てみると、「捜査機関に発覚する前に」「自首」することが自首成立の要件となっています。
これは、犯罪の事実が捜査機関に発覚していない場合、もしくは犯罪の事実は捜査機関に発覚していてもその犯人が誰かは捜査機関に発覚していない場合(「捜査機関に発覚する前に」)に、自発的に自己の犯罪事実を申告して訴追を求めること(「自首」)を指しています。
この自首成立のための条件を考えると、職務質問で警察官から声をかけられ、その末に自白したような場合には、刑法上の「自首」が成立する可能性は低いと考えられます。
今回のAさんのような職務質問で自白に至った場合はもちろん、警察署に任意同行されて取り調べを受けそこで自白した場合、警察から取り調べのための呼び出しを受けて出頭し自白した場合なども刑法上の「自首」には当たらないでしょう。
自ら罪を認めるという点では「自白」も「自首」も重なるところがあるかもしれませんが、法律上は意味が異なるものとなっています。
刑事事件では、一般に知られた言葉でも法律上の意味は一般に浸透していないこともあります。
だからこそ、刑事事件の当事者になってしまったら、専門家である弁護士に早い段階で相談・依頼し、手続きや意味について早期に理解しておくことが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件専門の弁護士が逮捕された方向けの初回接見サービスもご用意しています。
京都府の逮捕にお困りの際は、お気軽にご相談・ご依頼ください。

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クレジットカード詐欺事件で逮捕されたら
クレジットカード詐欺事件で逮捕されたら
クレジットカード詐欺事件で逮捕されてしまった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは京都市右京区にある商業施設で、他人名義のクレジットカードを自己名義のものであると偽って勝手に利用し、合計約10万円分の商品を購入しました。
購入する際に、一部の商品についてAさんはクレジットカードの裏に書いてある、本来のクレジットカードの名義人の氏名を利用してクレジットカード売上票に署名していました。
その後、Aさんは詐欺罪の容疑で京都府右京警察署に逮捕され、取調べを受けることになりました。
警察からAさんが逮捕されたと聞いたAさんの家族は、京都市内の逮捕に対応してくれるという弁護士に相談し、ひとまずAさんに会って事情を聞いてきてもらうと同時に、Aさんに対して刑事手続きに関するアドバイスをしてもらうよう依頼しました。
(※この事例はフィクションです。)
・他人名義のクレジットカードを利用すると…
まず、他人名義のクレジットカードを利用する行為は詐欺罪(刑法第246条)に問われる可能性があります。
刑法第246条
第1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
第2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
詐欺罪が適用されるのは、店員など人に自身が名義人であると誤信させ財物の交付を受けたり財産上の利益を得たりした場合です。
ただし、店舗で直接店員と対面して販売を受けた場合などと異なり、クレジットカードの加盟ATMでキャッシング機能を利用したり、インターネットショッピングでクレジットカード決済をしたり、コンピュータの自動処理システムなどによって人を経由せずに他人名義のクレジットカードを利用し財物や財産上の利益を得た場合は、詐欺罪はではなく電子計算機使用詐欺罪(刑法第246条の2)が適用される可能性も考えられます。
電子計算機使用詐欺罪の法定刑は、詐欺罪と同じ10年以下の懲役です。
注意しなければいけないのは、クレジットカードの本来の名義人の許諾や了承を得て他人名義のクレジットカードを利用した場合であっても、この詐欺罪や電子計算機使用詐欺罪に問われる可能性があるということです。
たとえクレジットカードの名義人の了承を得ていたとしても、自らが名義人本人であると装ってしまえば人を欺いていることに変わりはないと考えられるからです。
また、クレジットカードを名義人以外の者に使用させることは、ほとんどの場合利用規約などによって禁止されています。
民事上も違法行為とされるおそれがあることから、他人名義のクレジットカードの利用は避けることが無難でしょう。
・他人名義の署名をすると…
今回の事例のAさんは、他人名義のクレジットカードで商品を購入する際に、名義人になりすましてクレジットカード売上票に署名しています。
このように、クレジットカード売上票に名義人の氏名を冒用する=本人になりすまして署名する行為は、先ほど確認した詐欺罪の「人を欺」く行為となり得るほかに、有印私文書偽造罪(刑法第159条第1項)、および同行使罪(刑法第161条第1項)になりうると評価されるおそれがあります。
刑法第159条第1項
行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、3月以上5年以下の懲役に処する。
刑法第161条第1項
前2条の文書又は図画を行使した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、又は虚偽の記載をした者と同一の刑に処する。
有印私文書偽造罪にいう「偽造」とは、作成名義人と実際の作成者との間に人格の同一性の齟齬がある=名義人と実際に署名した人が違う場合を指します。
今回のケースを例に考えてみると、売上票に氏名を記入されたカードの名義人とAさんとは別人格であり、Aさんが名義人の氏名を記入した行為はこの文書偽造罪の「偽造」に当たる可能性があります。
次に、クレジットカード売上票が「権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画」に当たるかどうかですが、クレジットカード売上票に署名する行為は、カードの名義人であるカード会員がそのカードを利用して商品を購入し代金相当額が指定した口座から引き落とされることを確認する機能などを有するもので、名義人とカード会社や加盟店との間の権利・義務に関する文書あるいはこれに準じる事実証明に関する文書と考えることができます。
よって、Aさんが名義人になりすましてクレジットカード売上票に署名した行為は有印私文書偽造罪・同行使罪に問われる可能性があります。
他人名義のクレジットカードを利用したことによる刑事事件では、名義人、加盟店、カード会社との間に様々な権利・義務などの変動が生じます。
それぞれに対してどのような犯罪が成立するのかを見極めることは容易ではない一方で、明らかにされなければ被害者の特定ができないことにもなりますので示談等の対応も難しくなります。
こうした複雑になりやすい財産犯罪の被疑者となってしまったら、お早めに刑事事件に強い弁護士に事件を相談・依頼し早急に適切な対応を図ることが重要になります。
詐欺罪、電子計算機使用詐欺罪、有印私文書偽造罪・同行使罪の被疑者となってしまった方、京都府右京警察署で逮捕され取調べを受けることになってしまった方は、お早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
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