Archive for the ‘暴力事件’ Category
カツアゲ恐喝事件で少年逮捕
カツアゲ恐喝事件で少年逮捕
京都府綾部市に住んでいるAさん(17歳)は、素行の好くない友人たちと付き合っており、夜遊びや学校をさぼることを頻繁にしていました。
ある日、Aさんがその友人といたところ、後輩のVさんとその友人が歩いてきました。
Vさんらがおこづかいをたくさんもらったという話をしていたことから、AさんらはVさんらからお金を巻き込んでやろうと数人でVさんらを取り囲み、「金を渡さないと痛い目を見る」などと言ってカツアゲを行いました。
VさんらはAさんらにリンチされるのではないかと怯え、持っていたお金をAさんらに渡しました。
その後、Vさんらが帰宅して親に相談をしたことからこのカツアゲが発覚し、後日、Aさんは京都府綾部警察署に恐喝罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、まさか息子が逮捕されるような事態になるとは思わず、慌てて少年事件を取り扱っている弁護士に相談に行きました。
(※この事例はフィクションです。)
・カツアゲで恐喝罪
カツアゲとは、脅して金品を巻き上げる行為を指す言葉で、カツアゲは刑法上の恐喝罪にあたるとされています。
恐喝罪は、刑法249条に規定されている犯罪で、「人を恐喝して財物を交付させた者」に成立します。
今回のAさんの起こした事件は少年事件として処理されるため、原則として刑罰を受けることにはなりませんが、成人の刑事事件で恐喝罪として検挙された場合には、10年以下の懲役という刑罰を受ける可能性が出てきます。
そもそも「恐喝」するとは、財物を交付させるために暴行又は脅迫によって相手を畏怖させることを言います。
今回のAさんも、Vさんらからお金を巻き上げるために不良仲間とVさんらを取り囲んで脅していることから、恐喝をしていると言えそうです。
そして、Vさんらはその脅し怯え、Aさんらにお金を渡していることから、AさんらはVさんらに「財物」を「交付させた」と言えそうです。
このことから、Aさんには恐喝罪が成立すると考えられるのです。
ただし、注意すべきは恐喝罪の「恐喝」にあたる暴行又は脅迫は、相手の反抗を抑圧しない程度のものであることが必要とされるという点です。
もしも相手の反抗を抑圧するほどの暴行又は脅迫であると認められれば、恐喝罪ではなく、強盗罪が成立する可能性が出てきます。
強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役となっていますから、恐喝罪と比べても重い犯罪であることが分かります。
Aさんの場合は少年事件ですから、原則こうした刑罰は受けませんが、それでもより重い犯罪が成立することで、処分に影響が出てくる可能性があります。
・少年のカツアゲ恐喝事件
今回のように、20歳未満の者が法律に触れる事件を起こした場合には、少年事件として扱われ、最終的に家庭裁判所の判断によって処分が決められることになります。
繰り返し記載しているように、少年事件では、法定刑の重い犯罪だから必ず少年院に行くとも限りませんし、逆に法定刑の軽い犯罪だから何も処分を下されないとも限りません。
通常の成人の刑事事件とは違い、少年事件ではその少年のその後の更生が第一に考えられるためです。
しかし、では少年事件において、通常の成人の刑事事件と同じような弁護活動は不要か、というとそういうわけでもありません。
例えば、今回のAさんのカツアゲによる恐喝事件では、Vさんという被害者がいます。
この被害者に対して謝罪をする、被害に遭った分について賠償をする、ということは、少年事件であっても全く不要というわけではありません。
確かに、起訴・不起訴を決める成人の刑事事件に比べれば、少年事件では示談は必須というわけではありませんが、少年が反省しているのかどうか、少年自身やその家族・周囲の人がどのように事件について受け止めているのか、といった事情を示す1つの材料として、被害者に謝罪をしていることや示談をしていることは有効であるのです。
ただし、今回の事件のように、子どもの間で起きてしまった少年事件では、示談するにも困難が伴うことも多々見られます。
未成年者との示談では、示談交渉の相手は親となりますが、自分のお子さんが被害に遭ったとなれば、当然のことながら被害感情も小さくありません。
そうしたことから当事者同士の示談交渉で逆に話がこじれてしまうケースもあります。
だからこそ、少年事件の弁護活動にも専門家であり第三者である弁護士を介入させることが望ましいと言えるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
被害者との示談交渉だけでなく、釈放を目指した身柄解放活動や取調べ対応のアドバイスまで、一貫した弁護活動をご提供いたします。
京都府の少年事件にお困りの際は、少年事件の取り扱いも多い弊所弁護士に、ぜひご相談下さい。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
傷害致死事件の情状弁護
傷害致死事件の情状弁護
Aさんは,京都市山科区の飲食店で行われた職場の飲み会の際,同僚のVさんと口論になり,Vさんの顔面を数回殴りました。
飲み会に参加していたほかの人や飲食店の従業員がAさんを止め,救急車を呼びましたが,VさんはAさんに殴られたことが原因で外傷性くも膜下出血となってしまい,搬送先の病院で死亡してしまいました。
Aさんは,救急車と一緒に通報を受けてかけつけた京都府山科警察署の警察官に,傷害致死罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは,口論をしていたとはいえVさんを殴ったことを非常に反省しており,その気持ちをどうにか表していきたいと考えています。
Aさんの家族は刑事事件に強いという弁護士に弁護活動を依頼し,情状弁護をしてもらうことにしました。
(フィクションです。)
~傷害致死罪~
人を傷害した場合に,その傷害を受けた人が死亡したときは,傷害致死罪(刑法205条)が成立し,3年以上の有期懲役が科せられます。
人の死の結果が生じたことについて過失がなくとも,人を傷害する故意があったのであれば,傷害致死罪は成立します(最判昭和26年9月20日)。
なお,人を殺す意思までもって人を傷害し,その結果傷害を受けた人が亡くなってしまった場合には,殺人の故意をもって人を殺してしまったわけですから,殺人罪が成立します。
つまり,傷害致死罪が成立するのは,大まかに言えば「殺すつもりはなかったが与えた暴行・傷害がもとになって亡くなってしまった」というような場合なのです。
ただし,傷害行為と人の死の結果について因果関係がなければ,傷害致死罪は成立しません。
Aさんは口論の結果Vさんを殴っているのですから,Aさんに傷害の故意があることは問題ないでしょう。
そしてAさんに殴られたためにVさんが外傷性くも膜下出血になって死亡したのですから,Aさんの傷害行為とVさんの死の結果には因果関係が認められます。
AさんはVさんを殺そうと思って殴ったり,死んでしまっても構わないと殴ったりしたわけでもなさそうですから,Aさんには傷害致死罪が成立すると考えられるのです。
~傷害致死事件と弁護活動~
傷害致死罪が成立することについて全く争いがなく刑事事件化して逮捕されてしまったような場合,被害者が亡くなっている事件であり,その法定刑が重いことからも,早期の釈放を実現させることは簡単ではありません。
被害者遺族と示談が成立しても,なかなか釈放されない場合も考えられます。
だからこそ,刑事事件に強い弁護士のサポートを受けながら,釈放を目指すと同時に身体拘束されている被疑者本人のケア,周囲のご家族のケアをしてもらうことが重要になってくるといえるでしょう。
また,傷害致死事件は裁判員裁判の対象事件となります。
裁判員裁判は,刑事裁判に至るまでの過程や手続きも特殊であり,さらに刑事裁判に一般の方である裁判員が参加します。
そのような場合であっても,刑を軽くしてもらうように弁護活動を進めていくことは可能です。
例えば,刑事裁判の場で,犯行の悪質性が低いことや被害者遺族との示談締結など,判決を決めるうえで被告人の有利になるような事情があれば,その事情を主張していくことが考えられます。
これを情状弁護といいます。
弁護士は情状弁護を行うことで,執行猶予付き判決の獲得や刑罰の減軽を目指していきます。
刑事裁判の場で情状弁護をするためには,被害者遺族への謝罪・賠償を含めた示談交渉や,被告人の周囲の人と協力した再犯防止対策の構築,その傷害致死事件の犯行当時やその前後の詳細な事情の検討など、さまざまなことに専門的な視点をもって取り掛からなければなりません。
だからこそ,傷害致死事件でお困りの際は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士まで,お早めにご相談ください。
弊所の刑事事件専門の弁護士が,逮捕直後の弁護活動から刑事裁判での情状弁護活動まで,迅速に対応いたします。

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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
少年の建造物損壊事件で釈放を目指す②
少年の建造物損壊事件で釈放を目指す②
~前回からの流れ~
高校1年生のAさんは、友人のBさんと一緒に帰宅中、いつも利用している京都府宇治市内の駅にいました。
すると、駅構内にある階段の壁が古くなり、塗装がはがれかけているのが目に入りました。
Aさんは、「こんな壁だったらすぐ壊れるんじゃないか。試しに蹴ってみよう」と言って、Bさんと一緒に面白半分で壁を蹴りつけました。
すると、2人が蹴りつけた部分は崩れ、壁に穴が開きました。
Aさんらは面白がって、その後も壁を蹴りつけ、複数個所に穴を開けました。
その後、Aさんらは到着した電車に乗って帰宅したのですが、巡回にきた駅員が壁に穴が複数開いていることに気づき、防犯カメラ等を確認したところ、Aさんらが壁を蹴りつけて穴を開けているところが映っていました。
駅員は京都府宇治警察署に通報し、捜査の結果、Aさんらは建造物損壊罪の容疑で逮捕されることになりました。
Aさんの両親は、Aさんがもうすぐ期末テストを控えていることから、なんとか釈放を目指すことはできないかと、京都の少年事件を取り扱う弁護士に相談しました。
(※令和元年6月20日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・少年事件で釈放を目指す
今回の事例のAさんは、建造物損壊罪の容疑で逮捕されてしまっています。
何度か取り上げてきているように、少年事件であったとしても、相当な嫌疑がかけられており、必要性が認められていれば、逮捕され勾留されることも十分考えられます。
逮捕されてその後引き続き勾留されたとすると、逮捕・勾留合わせて最大で23日間は身体拘束されるという計算になります。
しかし、Aさんのように高校などの学校に通っている場合、23日間も欠席するということになれば、出席が足りなくなってしまったり、試験を受けられずに単位を取れなくなってしまったりして、留年してしまうおそれが出てきます。
さらに、それだけ長期間の欠席をするとなると、学校に理由を言わなければならなくなり、おのずと事件について知られてしまうことになる可能性が高くなってしまいます(警察等捜査機関が学校へ連絡する協定が結ばれていることもあり、そうした場合には少年事件が起こった際、原則として警察から学校へ連絡する、という措置が取られることもあります。)。
そうなれば、停学や退学といった厳しい処分が下される可能性もありますし、そういった処分がなかったとしても、長期の欠席により学校内外に事件が知られ、少年が学校に戻った際に事件のことが知られていることによって、学校生活が送りにくくなるということも考えられます。
こうした不利益を回避するために、少年事件で逮捕・勾留が行われた際に釈放を目指してほしい、という少年本人や親御さんからの相談も、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には多く寄せられています。
では、具体的に、弁護士は釈放を目指してどういった活動をすることができるのでしょうか。
まずは、検察官への働きかけが考えられます。
逮捕に引き続く身体拘束である勾留は、まずは検察官が必要かどうか判断し、請求を行います。
そもそもこの勾留の請求をしないように、検察官に釈放を求めて交渉するのです。
しかし、この交渉を行うには、逮捕後すぐに弁護士に相談し、活動を開始してもらう必要があります。
なぜなら、逮捕が行われた事件が検察官の元へいく(送検される)のは、逮捕から48時間以内であり、さらに検察官が勾留請求をするのかどうか決めるのは、送られてきた事件を受け取ってから24時間以内と決まっているからです。
そして、勾留請求がなされた場合、次に交渉するのは裁判官です。
検察官の行った勾留請求を認めずに、被疑者である少年を釈放してほしいと交渉することになりますが、こちらも先ほど同様、限られた時間の中で行われる必要があります。
つまり、ここまでの2つの活動、すなわち、検察官へ勾留請求をせずに釈放してほしいと交渉する活動と、裁判官に勾留請求を認めずに釈放してほしいと交渉する活動は、逮捕から最大72時間以内に行われる活動となるため、釈放を目指したい、少しでも釈放のチャンスを増やしたいということであれば、逮捕後なるべく早く弁護士に活動を依頼することが望ましいといえるのです。
では、勾留が決定されてしまったら釈放を目指すことはできないのかというと、そうではありません。
勾留決定後は、勾留決定に対する不服申し立てを行うことができます。
さらに、被害者と示談が締結できるなど、何か事情が変われば、勾留を取り消す申し立てをすることもできます。
少年事件で釈放を求める際には、どのタイミングで活動を開始するにしても、ご依頼者様の協力も必要不可欠です。
少年事件の場合、自立していない少年が被疑者であることが多いです。
そうした場合には、ご家族等が監督者となり、釈放しても問題がないということをPRしていくことが考えられます。
どういった監督が必要とされるのか、どういったことなら無理なく実現できるか、といったことを、弁護士とご依頼者様とで突き合わせ、協力することによって、より具体的に釈放を求める活動を行うことができます。
不安なこと、気になることは包み隠さず弁護士に相談し、一緒に釈放を目指していきましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件の身柄解放活動も多数ご依頼いただいています。
突然の逮捕にお困りの方、子供の逮捕にお悩みの方は、まずは0120-631-881までお電話ください。

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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
少年の建造物損壊事件で釈放を目指す①
少年の建造物損壊事件で釈放を目指す①
高校1年生のAさんは、友人のBさんと一緒に帰宅中、いつも利用している京都府宇治市内の駅にいました。
すると、駅構内にある階段の壁が古くなり、塗装がはがれかけているのが目に入りました。
Aさんは、「こんな壁だったらすぐ壊れるんじゃないか。試しに蹴ってみよう」と言って、Bさんと一緒に面白半分で壁を蹴りつけました。
すると、2人が蹴りつけた部分は崩れ、壁に穴が開きました。
Aさんらは面白がって、その後も壁を蹴りつけ、複数個所に穴を開けました。
その後、Aさんらは到着した電車に乗って帰宅したのですが、巡回にきた駅員が壁に穴が複数開いていることに気づき、防犯カメラ等を確認したところ、Aさんらが壁を蹴りつけて穴を開けているところが映っていました。
駅員は京都府宇治警察署に通報し、捜査の結果、Aさんらは建造物損壊罪の容疑で逮捕されることになりました。
Aさんの両親は、Aさんがもうすぐ期末テストを控えていることから、なんとか釈放を目指すことはできないかと、京都の少年事件を取り扱う弁護士に相談しました。
(※令和元年6月20日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・建造物損壊罪
建造物損壊罪は、その名前の通り、建造物を損壊した際に成立する犯罪です。
刑法260条(建造物等損壊及び同致死傷)
他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。
よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
この刑法260条の前段の「他人の建造物」を「損壊した」という部分に該当した場合、建造物損壊罪が成立することになります。
今回のAさんの建造物損壊事件は、Aさんが高校1年生であることから少年事件として処理されるため、原則としてAさんは刑事罰を受けないことになりますが、もしも成人の刑事事件であった場合、「5年以下の懲役」という法定刑から、起訴されれば必ず刑事裁判を受けることになる上、有罪となって執行猶予がつかなければ刑務所に入ることになるという非常に重い犯罪であることがお分かりいただけると思います。
なお、刑法260条後段には、建造物損壊罪を犯した際にそれによって人を死傷させた場合に成立する、建造物損壊致死傷罪が規定されています。
こちらについては、「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」とあります。
傷害罪の法定刑が「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」(刑法204条)、傷害致死罪の法定刑が「3年以上の有期懲役」(刑法205条)となっていますから、建造物損壊致傷罪の場合は「15年以下の懲役」、建造物損壊致死罪の場合は「3年以上の有期懲役」となるでしょう。
さて、この建造物損壊罪が成立するには、先ほど述べたように、「他人の建造物」を「損壊」したと認められる必要があります。
過去の判例では、「建造物」について、「家屋その他これに類似する建築物を指称し、屋外を有し障壁または柱材をもって支持されて土地に定着し、少なくともその内部に人が出入りすることのできるものであることを必要とする」(大判大正3.6.20)、「器物が建造物の一部を構成しているといえるためには、毀損しなければ取外しができない状態にあることを要する」(大判明治43.12.16)とされています。
そして、「損壊」については、「物理的に毀損し、またはそのほかの方法により効用を滅却・減損させることをいう」(大判昭和5.11.27)とされています。
今回のAさんらの事例で考えてみると、駅構内にある階段の壁は駅舎の壁でしょうから、「家屋その他これに類似する建築物」で「屋外を有し障壁または柱材をもって支持されて土地に定着」している「その内部に人が出入りすることのできるもの」であると考えられるでしょう。
さらに、そうした壁を容易に取り外せるとは考えにくいですから、「毀損しなければ取外しができない状態にある」ものでしょう。
Aさんらはそうした駅の壁を蹴りつけて穴をあけていますから、「物理的に毀損」しています。
壁に穴が開けば、壁の効用(例えば駅構内と外界との遮断)は滅却・減損されているといえるでしょう。
こうしたことから、Aさんらが行った行為は建造物損壊罪にあたる行為であると考えられるのです。
少年事件の場合、最終的な処分が考えられるうえで重視されるのは、少年事件を起こしてしまった少年の更生です。
そのため、たとえ成人の刑事事件では不起訴処分で終わるような態様の事件であったとしても、少年事件では長期間の調査が行われたり、少年院送致といった処分がくだされたりということが考えられます。
一方、もちろん態様等詳細な事情にはよるものの、建造物損壊罪のような重い犯罪であったとしても、対応をきちんと行って社会内での更生が可能であるということが認められれば、保護観察処分や不処分の獲得につながる可能性もあります。
だからこそ、少年による建造物損壊事件にお悩みの際は、お早めに少年事件に強い弁護士にご相談ください。
0120-631-881では、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の専門スタッフが、いつでも弊所弁護士によるサービスをご案内しています。
遠慮なくお電話ください。

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(京都市中京区)器物損壊罪で逮捕
(京都市中京区)器物損壊罪で逮捕
◇事例◇
Aさんは、京都市中京区にある自宅の近所の居酒屋で飲んでいました。
そして、家への帰り道、酔っぱらっていたAさんは、気が大きくなり、通りすがりの飲食店の看板を「邪魔だ」と言って蹴って壊した後、そのまま帰宅しました。
その日の営業終了後、看板が壊れていることに気付いた飲食店の店長は監視カメラの確認をしました。
そこに看板を蹴るAさんを確認した店長は、京都府中京警察署に器物損壊罪の被害届を出しました。
その後、Aさんは器物損壊罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(事実をもとにしたフィクションです。)
◇器物損壊罪◇
~刑法 261条~
前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
器物損壊罪における「損壊」とは単純にその物を破損したという意味にとどまりません。
器物損壊罪における「損壊」という言葉は、その物の効用を害する行為全般を指します。
物理的な損壊だけでなく、物の価値を低下させる行為も「損壊」に該当すると言えます。
例えば、バイキング形式の飲食店で他の利用客も使用する可能性のある取り分け用の箸等の器具を口に咥えてしまい、そのまま元の場所に戻すことも「損壊」と認められるでしょう。
次から取ろうとする人は、心理的に使いたくなくなるため、物の効用を害していると言えるからです。
また、外壁への落書きに関しても、見栄えが悪くなるという点で価値を損ねているため、「損壊」となり得るでしょう。
(※ただし、建物などに対する過剰な落書きは、建造物等損壊罪(刑法 260条)という器物損壊罪より重い罪となる場合もあります。)
一方、器物損壊罪における「傷害」とは、主に他人の飼っているペットや動物園等で飼われている動物が対象として想定されています。
犬や猫や鳥などペットは器物損壊罪における器物に含まれ、傷つけると器物損壊罪に該当します。
また、器物損壊罪における「傷害」においても物の価値を低下させる行為も含まれます。
例えば、他人の飼っているペットを勝手に逃がす行為はペットとしての効用を害していると言えるため傷害行為に当たります。
◇今回の事例について◇
今回の場合、Aさんが看板を蹴って壊した行為は看板の価値を低下させており、器物損壊罪に当たると言えるでしょう。
余談として、仮にAさんが酔っぱらっているせいでふらついて意図せず看板に当たってしまい壊れた場合は、どうなるでしょうか。
というのも、器物損壊罪は故意でないと成立しません。
つまり、壊す気はなく偶然転んでしまって看板を壊してしまっても、器物損壊罪には当たりません。
当然、民事上の弁償は必要となりますが、刑事事件とはならない可能性が高いです。
しかし、わざと看板を壊したのではないかと器物損壊罪を疑われる可能性は十分ありますから、もし刑事事件化しそうであるなら、弁護士に相談することをおすすめします。
◇弁護活動◇
器物損壊罪の容疑で逮捕された場合、できるだけ早く弁護士をつけるべきでしょう。
それは、逮捕後勾留決定までの最大72時間は、弁護士なら面会が認められるからです(この時間は原則、一般の方の面会は認められません。)。
また、逮捕直後の混乱した時期に弁護士と会うことで、弁護士が被疑者自身にとって不利な供述をさせられないようにアドバイスすることもできます。
更に、器物損壊罪は親告罪の一つです。
親告罪とは、被害者からの申し出(告訴)がなければ起訴できない犯罪のことです。
器物損壊事件の場合は、損壊したものを弁償し謝罪すれば、被害届や告訴を取り下げてくださる被害者も少なくありません。
逮捕されていても、示談が成立して告訴を取り下げてもらえば不起訴になるため、被疑者は解放されます。
ですが、いったん起訴されてしまうと、その後示談が成立しても起訴を取り下げてもらうことはできず、すぐに釈放されるわけではありません。
つまり、事件が起こってから裁判になるまでのわずかな時間の中でいかに早く動き出すかでその後の人生が大きく変わるといえるのです。
そういった意味でも、早急に刑事事件に強い弁護士に相談し、被害弁償をして、示談を成立させ、身柄を解放してもらうために動いてもらうことをお勧めします。
京都府の刑事事件でお困りの方、ご自身やご家族の器物損壊罪に関してお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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バスで公務執行妨害事件?
バスで公務執行妨害事件?
Aさんは、通勤に京都府京田辺市内を走る市営バスを利用していました。
ある日、Aさんがバス停に向かうと、ちょうどバスがバス停に停まっていました。
Aさんはバスに乗り込もうと走りましたが、バスが発車する様子を見せたので、バスを追いかけ、その後部を手で叩いて停車させました。
そしてバスに乗り込んだAさんは、運転手に向かって暴言を吐きながら胸倉をつかむなどしました。
その場は運転手や乗客に諫められたAさんでしたが、後日、バスの運転手が京都府田辺警察署に相談し、被害届を出したことがきっかけとなり、Aさんは公務執行妨害罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※令和元年6月19日朝日新聞DIGITAL配信記事を基にしたフィクションです。)
・公務執行妨害罪
今回の事例でAさんの逮捕容疑となっている公務執行妨害罪は、刑法95条に規定されている犯罪です。
刑法95条(公務執行妨害罪)
公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
公務執行妨害事件として多く見られるのが、警察官に対する公務執行妨害事件です。
警察官が職務質問をしたり、証拠品を押収しようとしたりといった場面で、その警察官に抵抗をして暴行を加えたり、脅迫を行ったりして公務執行妨害罪が成立してしまう、というケースが多く見られます。
映画やドラマでも、警察官に対して暴行を行った人が公務執行妨害罪で逮捕される、という場面を見たことのある人も多いのではないでしょうか。
・バスで公務執行妨害罪?
先ほど触れたように、警察官への暴行・脅迫により成立するイメージの強い公務執行妨害罪ですが、条文を見ても分かる通り、公務執行妨害罪の成立には「公務員が職務を執行するに当たり」、暴行や脅迫を加えることが求められています。
ですから、公務執行妨害罪の成立において、暴行・脅迫の対象は警察官だけに限定されるわけではありません。
では、今回の事例を見てみましょう。
市営バスは、市が運営しているものですから、そこに勤務している人は市に雇われた公務員となるでしょう。
その市営バスの運転手が市営バスを運転することは、「その職務を執行する」ことと言えるでしょう。
今回のAさんは、その際に運転手に対し、胸倉をつかむなどの行為をしています。
公務執行妨害罪にいう「暴行」とは、人に対する不法な有形力の行使であるといわれていますから、胸倉をつかむ行為も「暴行」を加える行為と見ることができるでしょう。
したがって、今回のAさんには、市営バスの運転手に暴行を加えたことで運転業務を妨害したとして、公務執行妨害罪が成立しうるということになるのです。
公務執行妨害罪が保護しているのは、公務員の職務です。
そのため、公務執行妨害事件では、被害者は公務を妨害された国や地方公共団体となります。
こうしたことから、公務執行妨害事件での示談交渉相手は国や地方公共団体となることが多く、示談締結が難しいといわれています。
ですが、反省の気持ちを謝罪文としてあらわしそれを受け取っていただくなど、交渉次第では何かしらお詫びの気持ちをお伝えすることができる場合もあります。
公務執行妨害事件だから何もできない、することがないとあきらめず、まずは刑事事件に強い弁護士に相談してみることが望ましいでしょう。
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京都府の公務執行妨害事件で逮捕されてしまった方、そのご家族は、遠慮なくお電話ください。

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名誉毀損事件で逮捕回避
名誉毀損事件で逮捕回避
Aは京都市北区の大学に通う大学生です。
ある日友人Bとの一対一の会話の中で、「先週、物理学のP教授が違法薬物を扱っているという噂のある店を利用していた」ということを聞きました。
P教授の授業はつまらなく、成績評価も厳しいことから、Aは憂さ晴らしをしてやろうと思い、SNS上に「P教授がこの前、違法な薬物を売ってる店で薬を買ってたってBが言ってた」と軽い気持ちで書き込みました。
それから数日たった後、家に京都府北警察署から警察官が来て、任意同行を求められました。
軽い気持ちでしたネット上の書き込みですが、これはなにか犯罪に当たるのでしょうか?
さらにAは大学の後期試験を控えており、これをきちんと受けて単位を取らなければ留年してしまう可能性があります。
そうしたことからAは逮捕・勾留という形で拘束されないことを強く望んでいますが、このような場合、どうすればいいのでしょうか?
(事例はフィクションです)
~名誉毀損罪(刑法第230条)~
結論から言ってしまうと、Aの行為は刑法230条1項の名誉毀損罪に当たる可能性があります。
刑法第230条1項には「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁固又は50万円以下の罰金に処する。」とあります。
「公然と事実を摘示し」とは、多数または不特定多数の人が認識しうる状態で事実(真実である必要はない)を示すことをいい、「人の名誉を毀損した」とは、人の社会的評価を低下させる行為をすることをいいます。
「毀損した」という文言になっていますが、人の社会的評価の低下を測ることは難しいということもあり、実際に結果的に社会的評価の低下をもたらしたかどうかは犯罪の成立に影響せず、あくまで「『人の社会的評価を下げる危険がある』と評価される事実の摘示」があるかどうかが問題となります。
摘示の方法は限定がなく、確かな情報であると受け合った場合はもちろん、噂として広めたというような場合も変わりなく名誉毀損罪が成立しうるということになります。
~インターネット上での名誉毀損~
Aは誰にでも閲覧可能なSNSサイトで事実を摘示したわけですから、Aの行為は公然となされたといえます。
また、違法薬物販売店で薬物を購入したという点について、これは犯罪に当たる蓋然性が高いことから、社会的評価を低下させる事実と評価できるでしょう。
また、AはあくまでBが言ったことの受け売りとして発言していますが、「Bがこのように言っていた」というAの発言が公然となされたことがP教授の社会的評価を下げる危険性があるわけですから、いわば「あいつが言っていたのを書いただけ」という弁解は、名誉毀損罪の成立を妨げません。
~逮捕されたくない…どうすれば?~
Aは現在大学の後期試験を目前に控えており、今期できちんと試験に合格し、単位をとらなければ留年してしまいます。
どうにかして逮捕を免れる方法はないものでしょうか?
逮捕(逮捕状による逮捕;刑事訴訟法199条)は「逮捕状」を必要とします(逮捕状による逮捕;刑事訴訟法199条)(例外として、現行犯逮捕・緊急逮捕)。
「逮捕状」は裁判官が発行するものであり、「犯罪がある」と警察官や検察官が考えただけでは発行されません。
逮捕状は
①被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合(刑事訴訟法199条1項)
に発行することができますが、
②明らかに逮捕の必要性がないと認める場合
具体的には、
被疑者の年齢及び境遇並びに犯罪の軽重及び態様その他初犯の事情に照らし
②―1:被疑者が逃亡する虞(おそれ)がなく、
かつ
②―2:罪証を隠滅する虞がない
等の事情により明らかに逮捕の必要性がない場合には、裁判官は令状の請求を却下しなければなりません(刑事訴訟法規則143条の3)。
したがって、②-1と②-2の事情があることを証明できれば、逮捕は免れることもできるでしょう。
例えば、警察に呼び出されているがその後逮捕が不安だという場合には、こうしたことを主張し、逮捕の必要性がないことを訴えることで逮捕のリスクを減らしていくことが考えられます。
しかし、法律上のツボを押さえて上記を主張することは、刑事弁護に熟達した弁護士の援助がなくては難しいでしょう。
逮捕が不安な方、現在刑事事件に巻き込まれており、今後の逮捕を避けたいとお考えの方、そのご家族・ご友人の方は、ぜひ弊所、刑事弁護に強い「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」の弁護士にご相談ください。
「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」の弁護士は、手厚い弁護活動によりあなたのかけがいのない日常をお護りします。
初回法律相談:無料
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
オヤジ狩りで恐喝罪③
オヤジ狩りで恐喝罪③
~前回からの流れ~
17歳のAさんは、学校の同級生や先輩たちのグループ数人と一緒になって、夜ごと京都市西京区の路上でいわゆるオヤジ狩りをし、被害者から金品を巻き上げていました。
オヤジ狩りの被害が多発したことを受けて、京都府西京警察署は警戒を強化し、その結果、Aさんらは恐喝罪の容疑で逮捕されるに至りました。
Aさんの両親は、これをきっかけにAさんに更生してほしいと思ったものの、そもそもAさんがこの後どういった流れでどのような処分を受けることになるのか、全く分かりません。
さらに、まずはとにかくAさんと話をしたいと警察署に行ったものの、警察からは「逮捕されてすぐは会えません」と言われてしまいました。
困り果てたAさんの両親は、京都・滋賀の少年事件を多く取り扱っている弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
前回は、Aさんの起こした恐喝事件が家庭裁判所に送られる前の段階での弁護活動について注目しました。
少年事件は、家庭裁判所に送られる前までは成人の刑事事件とほとんど変わらない手続きを踏んでいきますが、家庭裁判所に事件が送られた後は、成人の刑事事件とはガラッと変わった特殊な手続きを踏むことになります。
今回は、Aさんの恐喝事件が家庭裁判所に送られた後、どういった活動が考えられるのか見ていきましょう。
・家庭裁判所送致後の付添人活動
捜査後、少年事件は家庭裁判所に送致されます。
原則として全ての少年事件が家庭裁判所に送致されることとなっており(全件送致主義)、家庭裁判所では少年の更生のために適切な処分は何かを判断するために、少年の資質や環境を調査し、審判を開きます。
弁護士は、捜査段階では「弁護人」として少年やその家族をサポートしますが、事件が家庭裁判所に送致された後は「付添人」として少年やその家族をサポートします。
付添人としてついている弁護士の活動としては、まずは環境調整をすることが挙げられます。
少年事件における環境調整とは、簡単に言えば、少年が更生しやすい環境を整えていくことです。
例えば、今回のAさんであれば、同級生や先輩たちとグループになって、夜ごとオヤジ狩りをしています。
再びこうした少年事件を起こさないようにするためには、交友関係に注意することや、夜間の外出についての見直し、規則正しい生活を送るための対策を少年と家族で考えていかなければなりません。
また、環境調整はこういった外的な要因を考えることだけでなく、少年自身の内省を深めることも含まれています。
Aさんがオヤジ狩りがなぜいけないことだったのか、オヤジ狩りの被害者の気持ちや損害はどのようなものなのかを考え、自分の中で反省を深めることも、更生にはまた必要なことでしょう。
こうした環境調整を行うことで、少年の更生に適した環境づくりを行い、少年が少年院等の施設に入ったりしなくても更生できるということを主張していくことが考えられますが、そもそもどういった活動をすべきなのか、また、活動をしたとしてもそれをどのように証拠化していくのか等は、少年事件の知識や経験がなければなかなか分からないことです。
だからこそ、弁護士がそのサポートを行うことが重要なのです。
また、捜査段階で被害者への謝罪・弁償ができていない場合は、家庭裁判所へ事件が送致された後でもそうした被害者対応を弁護士にしてもらうことが考えられます。
少年事件において最も重視されるのは少年の更生という観点であるため、示談をしたからといって処分がなくなるといったことはありません。
しかし、被害者への対応をきちんとしているかどうかは、少年自身が反省できているのかどうか、家族が事件のことをどう受け止めているのかということを推し量ることのできる事情です。
そのため、全く被害者対応をせずにいてもよい、というわけでもないのです。
前述した環境調整をするためにも、早期から弁護士に相談・依頼することがおすすめされます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件だけでなく少年事件についても専門的に取り扱っています。
だからこそ、少年事件の付添人活動についても遠慮なくご相談いただけます。
初回接見サービスや初回無料法律相談は0120-631-881でいつでもお申込み可能です。
まずはお気軽にお電話ください。

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オヤジ狩りで恐喝罪②
オヤジ狩りで恐喝罪②
~前回からの流れ~
17歳のAさんは、学校の同級生や先輩たちのグループ数人と一緒になって、夜ごと京都市西京区の路上でいわゆるオヤジ狩りをし、被害者から金品を巻き上げていました。
オヤジ狩りの被害が多発したことを受けて、京都府西京警察署は警戒を強化し、その結果、Aさんらは恐喝罪の容疑で逮捕されるに至りました。
Aさんの両親は、これをきっかけにAさんに更生してほしいと思ったものの、そもそもAさんがこの後どういった流れでどのような処分を受けることになるのか、全く分かりません。
さらに、まずはとにかくAさんと話をしたいと警察署に行ったものの、警察からは「逮捕されてすぐは会えません」と言われてしまいました。
困り果てたAさんの両親は、京都・滋賀の少年事件を多く取り扱っている弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
Aさんは、オヤジ狩りをしたことで恐喝罪の容疑をかけられ、京都府西京警察署に逮捕されています。
このような場合に弁護士に依頼した時、どういった活動が考えられるのでしょうか。
今回は少年事件が家庭裁判所に送られる前、少年が被疑者として扱われる捜査段階での活動に注目します。
・捜査段階での弁護活動
Aさんのような20歳未満の者が起こした少年事件であっても、逮捕や勾留といった身体拘束を伴う捜査が行われることはあります。
逮捕に引き続く勾留については、成人の刑事事件に比べて厳格な要件のもと勾留をするかしないかが決定されますが、それでも逮捕され、それに引き続いて勾留されてしまうケースも多いです。
被疑者といっても20歳未満の少年ですから、慣れない場所に1人で取調べに対応しなければいけない上、家族とも友人とも満足に会えずに過ごすということは、少年の身体的・精神的負担となることは想像にたやすいでしょう。
もちろん、学校に通っていたり働いていたりする場合には、それも欠席・欠勤しなければなりませんから、そうした負担も大きいです。
ですから、逮捕・勾留の回避、逮捕・勾留からの釈放を目指しての活動が考えられます。
逮捕・勾留は、簡潔に言えば証拠隠滅や逃亡のリスクがある場合に認められます。
ですから、逃亡や証拠隠滅をする可能性のないことを主張することで釈放を求めていくことが考えられるのですが、そのためには逃亡や証拠隠滅のおそれのない環境を作ったり、懸念される事情をフォローしていったりしなければなりません。
そうした主張は、刑事事件について専門的な知識のある弁護士だからこそ的確に行うことができます。
また、オヤジ狩りによる恐喝事件の場合、オヤジ狩りの被害者が存在します。
その被害者への謝罪や弁償も、捜査段階から取り掛かることによって、少年本人の内省を深める時間をじっくり取ることもできますし、被害者にも迅速な対応を行うことができます。
早い段階で示談が成立すれば、逮捕・勾留からの釈放への大きな助けにもなります。
このほか、捜査段階で弁護士が行う活動として重要なものの1つとして、取調べ対応へのアドバイスも挙げられます。
少年事件では、成人の刑事事件のように刑事裁判を受けたり刑罰を受けたりといったことは原則的にありません。
しかし、取調べにおいて供述した内容は、後に家庭裁判所に送致されて処分が下される際の重要な証拠となりますから、軽視できるものではありません。
被疑事実を否認している場合はもちろん、非行を認めている場合であっても、自分の意図しない供述とならないように注意しなければなりません。
ですが、どこにどういった注意をすべきなのか、自分は取調べに際してどんな権利を持っているのかという点は、成人であっても把握しきれていないことが多いです。
特に少年事件の場合、まだ成長途中の少年だからこそ、捜査官の誘導に乗ってしまったり、上手く自分の主張を伝えられなかったりということも見られます。
だからこそ、専門家である弁護士が少年へのフォローを行うことが望ましいと言えるでしょう。
このように、少年事件でも捜査段階から弁護士のできる活動は多くあります。
捜査段階から弁護士に依頼することで、家庭裁判所へ事件が送致された後に向けた準備も時間をかけて進めていけるというメリットもあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件に迅速に対応できるよう、お問い合わせ用フリーダイヤルは24時間いつでもご利用いただけます(0120-631-881)。
専門スタッフがご案内いたしますので、まずはお気軽にお電話ください。
次回はAさんが家庭裁判所に送致された後の付添人活動について取り上げます。

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オヤジ狩りで恐喝罪①
オヤジ狩りで恐喝罪①
17歳のAさんは、学校の同級生や先輩たちのグループ数人と一緒になって、夜ごと京都市西京区の路上でいわゆるオヤジ狩りをし、被害者から金品を巻き上げていました。
オヤジ狩りの被害が多発したことを受けて、京都府西京警察署は警戒を強化し、その結果、Aさんらは恐喝罪の容疑で逮捕されるに至りました。
Aさんの両親は、これをきっかけにAさんに更生してほしいと思ったものの、そもそもAさんがこの後どういった流れでどのような処分を受けることになるのか、全く分かりません。
さらに、まずはとにかくAさんと話をしたいと警察署に行ったものの、警察からは「逮捕されてすぐは会えません」と言われてしまいました。
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・オヤジ狩りと成立する犯罪
オヤジ狩りとは、少年など比較的年齢層の若い者が中年の男性を標的として襲い、金品を巻き上げることを指します。
オヤジ狩りでは、オヤジ狩りをする方が集団で被害者を脅したり、暴行や凶器を用いて脅したりすることで金品を巻き上げるケースが多いようです。
オヤジ狩りでは一体どういった犯罪が成立するのでしょうか。
以下で成立しうる犯罪を見ていきましょう。
①恐喝罪
上記事例のAさんが容疑をかけられて逮捕されているように、オヤジ狩りで成立する犯罪としては、まず恐喝罪が考えられます。
恐喝罪は、刑法249条に規定されている犯罪です。
刑法249条(恐喝罪)
人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
恐喝罪のいう「恐喝」とは、脅迫または暴行を用いて相手を畏怖させ、財物の交付を要求することを言います。
脅迫は害悪の告知(害悪を加えることの告知)、暴行は有形力の行使を言います。
この時、脅迫または暴行の程度が相手の犯行を抑圧しない程度であることが求められます。
そして、この「恐喝」によって畏怖した被害者が財物を引き渡すことによって、恐喝罪は成立します。
オヤジ狩りは被害者を脅して金品を巻き上げる行為ですから、恐喝罪に当たりえます。
②強盗罪
オヤジ狩りで成立する犯罪として、もう一つ考えられるのが強盗罪です。
強盗罪は刑法236条に規定されている犯罪です。
刑法236条(強盗罪)
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
強盗罪の「暴行又は脅迫」は、①の恐喝罪とは異なり、相手の反抗を抑圧するに足りる程度であることが求められます。
そして、強盗罪のいう「強取」は、暴行・脅迫によって被害者の反抗を抑圧し、被害者の意思に反して財物の支配を自分(又は第三者)に移すことを指します。
①で取り上げた恐喝罪とこの強盗罪はどちらも暴行や脅迫を用いて他人の財物を手に入れる犯罪ですが、恐喝罪は財物を被害者から交付させるいわゆる「交付罪」であるのに対し、強盗罪は財物を被害者から奪ういわゆる「奪取罪」であるのはこういった理由からです。
さらに、この強盗罪を犯してしまった際に被害者に傷害を負わせてしまった場合には強盗致傷罪、被害者を志望させてしまった場合には強盗致死罪が成立します。
オヤジ狩りでも、暴行・脅迫の程度が被害者の反抗を抑圧するほど強いと判断された場合には、強盗罪が成立することになるでしょう。
暴行・脅迫の程度については、その態様や互いの年齢・人数・性別・体格、犯行の時間帯や場所等、様々な状況を考慮して判断されます。
事例のAさんは20歳未満であることから少年事件の手続きにのっとって処分が決められるため、原則として刑罰を受けることはありませんが、①の恐喝罪も②の強盗罪も非常に重い犯罪です。
「子どもがやんちゃしただけ」と軽く考えず、まずは専門家の弁護士に相談されることをおすすめいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、成人の刑事事件のみならず、少年事件についても数多くの取り扱いがございます。
まずはお気軽に、お問い合わせ用フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
(京都府西京警察署までの初回接見費用:3万6,800円)
次回の記事では、Aさんに対してどういった弁護活動・付添人活動が考えられるのか、詳しく見ていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
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