脅迫罪・暴力行為処罰法違反で逮捕

脅迫罪・暴力行為処罰法違反で逮捕

Aさんは,京都府亀岡市の自宅で交際相手のVさんと口論になり,「いい加減にしないと痛い目にあわすぞ」などと言ってVさんに包丁を突きつけました。
恐怖を感じたVさんが京都府亀岡市を管轄する京都府亀岡警察署に通報し,Aさんは暴力行為処罰法違反の容疑で京都府亀岡警察署の警察官に逮捕されました。
その後,Aさんの両親が逮捕を知り,どうにかAさんの釈放や刑罰の軽減を実現できないかと,刑事事件専門の弁護士へ相談しました。
その結果,ひとまず弁護士がAさんのもとへ接見へ向かい,事件の詳細を聞くと同時に,今後の手続きの流れや取りうる弁護活動について話をしてくることとなりました。
(フィクションです。)

~脅迫罪~

今回のAさんは暴力行為処罰法違反の容疑で逮捕されていますが,こういった人を脅す行為によって成立する犯罪として耳なじみのある犯罪としては,脅迫罪が挙げられるのではないでしょうか。
人の生命,身体,自由,名誉又は財産に対し,害を加える旨を告知して人を脅迫した場合,脅迫罪(刑法222条1項)が成立します。
その場合,2年以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられます。

刑法222条
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

脅迫罪の「脅迫」とは,一般に人を畏怖させるに足りる害悪の告知をいいます。
告知が相手方に到達して認識されたことは必要であるが,実際に相手方が畏怖したことまでは必要ありません(大判明治43年11月15日)。
脅迫に当たるかどうかは,具体的諸事情を勘案して判断される必要があります(最判昭和35年3月18日)。
Aさんの行為は,包丁という危険な武器を突きつけるものであり,「いい加減にしないと痛い目にあわすぞ」という威圧的な発言も相まって,Vさんが包丁で刺されて身体・生命を害されるのではと畏怖するのに十分といえますし,実際にVさんはそれに恐怖を感じて通報しているようです。
したがって,Aさんの行動は脅迫罪に当たる可能性が高いといえるでしょう。

~脅迫罪と暴力行為処罰法違反~

先ほどAさんには脅迫罪が成立する可能性が高いといいましたが,実際のAさんの逮捕容疑は暴力行為処罰法違反です。
実は,凶器を用いて脅迫を行った場合,より重い暴力行為処罰法(正式名称:暴力行為等処罰に関する法律)が適用される可能性があるのです(暴力行為処罰法1条)。
暴力行為処罰法は,暴力団などの集団的暴力行為や,銃や刀剣による暴力的行為,常習的暴力行為を,刑法の暴行罪,脅迫罪よりも重くかつ広範囲に処罰するための法律です。
暴力行為処罰法違反の場合,3年以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられることとなり,脅迫罪よりも重い刑罰が設定されていることがわかります。

暴力行為処罰法1条
団体若ハ多衆ノ威力ヲ示シ、団体若ハ多衆ヲ仮装シテ威力ヲ示シ又ハ兇器ヲ示シ若ハ数人共同シテ刑法(明治40年法律第45号)第208条、第222条又ハ第261条ノ罪ヲ犯シタル者ハ3年以下ノ懲役又ハ30万円以下ノ罰金ニ処ス
※注:脅迫罪は刑法222条

Aさんは包丁という凶器を用いて脅迫罪にあたる行為をしていたわけですから,暴力行為処罰法のこの条文に該当し,暴力行為処罰法違反となる可能性があるのです。

~脅迫事件・暴力行為処罰法違反事件の弁護活動~

脅迫事件や凶器を用いて脅迫したことによる暴力行為処罰法違反事件を起こした場合で,特にAさんのように見知った近しい人を相手としてこうした事件を起こしてしまったような場合には,逮捕や勾留といった身体拘束を伴う捜査となりやすいです。
というのも,被害者が見知った人である場合,被疑者(加害者)自身が被害者に接触し,その証言を変えさせてしまう=証拠隠滅をしてしまうおそれがあると判断されやすいからです。

このように逮捕されてしまったような場合には,なるべく早く弁護士に依頼すべきです。
脅迫罪暴力行為処罰法違反の容疑で逮捕された事件で依頼を受けた弁護士の活動としては,まずは身体拘束からの解放を目指すことが考えられます。
先ほど触れたような証拠隠滅のおそれのない環境をご家族などと協力して作り上げ,それを検察官や裁判官へ訴えるなどして釈放を求めていくことになるでしょう。

また,脅迫罪暴力行為処罰法違反事件では,先ほど触れたように被害者が存在します。
事実に争いがないのであれば,速やかに被害者へ謝罪・弁償を行い,示談締結をすることで,早期釈放や刑罰の軽減が期待できます。
ただし,何度も繰り返すようですが,被疑者本人が被害者へ直接連絡することは,証拠隠滅のおそれがあるとみられやすいですし,被害者側からも恐怖や怒りから避けられがちです。
こういった場面でも,第三者である弁護士のサポートを受けることが望ましいでしょう。

京都脅迫事件暴力行為処罰法違反事件やその逮捕・勾留にお悩みの際は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士までご相談ください。
事例のAさんのように逮捕されている場合には,まずは弁護士が被疑者本人のもとへ行き,事件の詳細や伝言を聞き取り,アドバイスを行う初回接見サービスがおすすめです。
まずは0120-631-881までお電話ください。

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