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【事例紹介】公務員が嵐山公園内で女性の下着を盗撮しようとした事例③
【事例紹介】公務員が嵐山公園内で女性の下着を盗撮しようとした事例③
前回のコラムに引き続き、嵐山公園内で下着を撮影しようとしたとして、性的姿態等撮影未遂罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都府警右京署は15日、性的姿態撮影処罰法違反(撮影未遂)の疑いで、京都府山城南土木事務所副主査の男(34)=亀岡市=を逮捕した。
(4月15日 京都新聞 「京都・嵐山の公園で17歳女性の下着撮影しようとした疑い 京都府職員の男逮捕「盗撮のために来た」」より引用)
逮捕容疑は、(中略)京都市右京区の嵐山公園内の河川敷付近に座っていた女性(17)のスカート内にスマートフォンを向けて下着を撮影しようとした疑い。
同署によると、女性の前を行き来する男を不審に思った女性の友人が110番した。容疑者は「盗撮するために嵐山公園に来た」と供述しているという。
(後略)
逮捕されたら
ニュースを見ていると、誰かが逮捕されたというニュースをよく目にします。
逮捕されてしまうと事件が終わるまで家に帰ることはできないのでしょうか。
結論から言うと、事件の捜査中であっても家に帰れる場合があります。
逮捕されると、72時間以内に勾留をするかどうかの判断が行われます。
この際に勾留が決定してしまうと、更に最大で20日間、身体拘束が続きます。
逆に、勾留が決まらなかった場合には釈放されることになります。
弁護士は勾留が決定するまでの間であれば、検察官や裁判官に勾留請求に対する意見書を提出することができます。
この意見書で逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを主張することで、勾留されることなく釈放してもらえる可能性があります。
もしも、勾留が決定してしまった場合には満期まで勾留が続くのでしょうか。
勾留決定後に弁護士は裁判所に対して、勾留決定に対する準抗告の申し立てを行うことができます。
この申し立てを行うことで、釈放や勾留期間の短縮を認めてもらえる可能性があります。
今回の事例では、報道によると、盗撮しようとしたが下着を撮影することはできなかったとされています。
未遂であったと報道されているのに、逮捕されるのかと疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、前々回のコラムで解説したように、性的姿態等撮影罪には未遂罪が規定されていますので、盗撮をしようとしたが何らかの理由で撮影できなかった場合にも罰せられます。
盗撮はもちろん、盗撮をしようとする行為についても犯罪にあたりますから、実際には撮影できていなかったとしても盗撮行為をしていれば、逮捕・勾留されてしまうおそれがあります。
勾留請求に対する意見書を提出する場合には、逮捕後すみやかに弁護活動を行う必要があります。
弁護士による身柄開放活動で釈放を認めてもらえる場合がありますから、ご家族が逮捕された場合には、できる限り早い段階で、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービスを行っております。
【事例紹介】公務員が嵐山公園内で女性の下着を盗撮しようとした事例②
【事例紹介】公務員が嵐山公園内で女性の下着を盗撮しようとした事例②
前回のコラムに引き続き、嵐山公園内で下着を撮影しようとしたとして、性的姿態等撮影未遂罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都府警右京署は15日、性的姿態撮影処罰法違反(撮影未遂)の疑いで、京都府山城南土木事務所副主査の男(34)=亀岡市=を逮捕した。
(4月15日 京都新聞 「京都・嵐山の公園で17歳女性の下着撮影しようとした疑い 京都府職員の男逮捕「盗撮のために来た」」より引用)
逮捕容疑は、(中略)京都市右京区の嵐山公園内の河川敷付近に座っていた女性(17)のスカート内にスマートフォンを向けて下着を撮影しようとした疑い。
同署によると、女性の前を行き来する男を不審に思った女性の友人が110番した。容疑者は「盗撮するために嵐山公園に来た」と供述しているという。
(後略)
地方公務員と盗撮
今回の事例では、容疑者が京都府山城南土木事務所の職員のようです。
地方公務員である容疑者が実際に性的姿態等撮影未遂罪にあたる行為を行っていた場合には、地方公務員という身分に何か悪影響を及ぼすのでしょうか。
地方公務員法第28条4項
職員は、第十六条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、条例に特別の定めがある場合を除くほか、その職を失う。
地方公務員法では、同法16条の2号を除いた各号に該当する場合には失職すると規定しています。
下記が地方公務員法第16条の条文です。
地方公務員法第16条
次の各号のいずれかに該当する者は、条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない。
一 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
(2号省略)
三 人事委員会又は公平委員会の委員の職にあつて、第六十条から第六十三条までに規定する罪を犯し、刑に処せられた者
四 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
地方公務員法第16条1号では、禁錮以上の刑に処された場合について規定されています。
地方公務員法第16条1号は地方公務員法第28条4項の対象となりますから、地方公務員に禁錮以上の刑が科されてしまった場合には、失職してしまうことになります。
性的姿態等撮影罪の法定刑は、3年以下の拘禁刑又は3百万円以下の罰金です(性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律第2条1項)ので、性的姿態等撮影未遂罪で有罪になってしまった場合に地方公務員の職を失ってしまう可能性があります。
ですので、報道されているように、実際に容疑者が盗撮をしようとしていて、性的姿態等撮影未遂罪で有罪になり拘禁刑を科された場合には、失職してしまうおそれがあります。
性的姿態等撮影未遂罪の容疑をかけられている場合には、不起訴処分や無罪を獲得するか、罰金刑にとどめることが重要になります。
前回のコラムでも解説をしましたが、被害者と示談を締結することで不起訴処分を得られる場合があります。
未成年が被害者である刑事事件や盗撮などの性犯罪では、加害者自らが被害者と連絡を取り合うことは容易ではありませんし、最悪の場合、証拠隠滅を疑われてしまう可能性もあります。
弁護士が間に入ることで示談を円滑に締結できる可能性がありますから、示談交渉を行う際は弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
また、弁護士は検察官に処分交渉を行うことができます。
弁護士が検察官に失職してしまう可能性があることなど、多大な不利益を被る可能性があることを主張することで、不起訴処分の獲得や略式命令による罰金刑で事件を終わらせられるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、無料法律相談を行っています。
弁護士に相談をすることで失職を免れられる可能性がありますので、公務員の方で刑事事件でお困りの方は、お早めに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
【事例紹介】公務員が嵐山公園内で女性の下着を盗撮しようとした事例①
【事例紹介】公務員が嵐山公園内で女性の下着を盗撮しようとした事例
嵐山公園内で下着を盗撮しようとしたとして、性的姿態等撮影未遂罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都府警右京署は15日、性的姿態撮影処罰法違反(撮影未遂)の疑いで、京都府山城南土木事務所副主査の男(34)=亀岡市=を逮捕した。
(4月15日 京都新聞 「京都・嵐山の公園で17歳女性の下着撮影しようとした疑い 京都府職員の男逮捕「盗撮のために来た」」より引用)
逮捕容疑は、(中略)京都市右京区の嵐山公園内の河川敷付近に座っていた女性(17)のスカート内にスマートフォンを向けて下着を撮影しようとした疑い。
同署によると、女性の前を行き来する男を不審に思った女性の友人が110番した。容疑者は「盗撮するために嵐山公園に来た」と供述しているという。
(後略)
盗撮と犯罪
今回の事例では、容疑者が嵐山公園内で被害者のスカート内を盗撮しようとしたと報道されています。
実際には撮影できていないようなのですが、何か罪に問われるのでしょうか。
性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下「性的姿態等撮影処罰法」といいます。)
第2条1項 次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
1号 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
(以降省略)
上記条文では、性的姿態等撮影罪を規定しています。
今回の事例では嵐山公園内の河川敷付近に座っていた被害者のスカート内を盗撮しようとしていたとされています。
嵐山公園内の河川敷は不特定多数の人の往来があるわけですから、通常衣服を着けている場所だといえます。
また、今回の事例で、被害者自ら下着を見られると認識しながら座っていたとは考えられないでしょう。
加えて、スカート内を撮影する行為は、身に着けている下着を撮影する行為と同義でしょうし、報道されているような状況でスカート内を撮影する正当な理由はないように思われますから、嵐山公園内の河川敷付近に座っていた被害者のスカート内を盗撮した場合には、性的姿態等撮影罪が成立する可能性があります。
では盗撮しようとしたが撮影することができなかった場合はどうでしょうか。
性的姿態等撮影処罰法第2条2項では、「前項の罪の未遂は、罰する。」と規定しています。
同法2条1項では性的姿態等撮影罪を規定していますので、盗撮しようとしてできなかった場合には、性的姿態等撮影未遂罪が成立することになります。
ですので、今回の事例では、容疑者がスカート内を盗撮しようとしていたのであれば、性的姿態等撮影未遂罪に問われる可能性があります。
盗撮は未遂であっても罪に問われることになります。
性的姿態等撮影罪の法定刑は、3年以下の拘禁刑又は3百万円以下の罰金ですので、決して罪の軽い犯罪だとはいえません。
また、拘禁刑が規定されていますので、有罪になった場合には、刑務所に行かなければならない可能性があります。
盗撮事件では、被害者に対して謝罪と賠償を行い、示談を締結することで、不起訴処分を得られる場合があります。
盗撮の被害者が未成年である場合、窓口は被害者の保護者になる場合がほとんどです。
大切な娘が犯罪被害にあっているわけですから、加害者と連絡を取りたくないと思われる方が多くいらっしゃいます。
弁護士からの連絡であれば、話だけでも聞いてみようと思ってもらえる場合がありますので、示談などを考えている方は、一度、弁護士に相談をしてみることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
弁護士に相談をすることで、不起訴処分を獲得できる場合もありますので、盗撮などでお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
【事例紹介】電車内や駅構内で女子中学生の脚を触ったとして逮捕された事例
【事例紹介】電車内や駅構内で女子中学生の脚を触ったとして逮捕された事例
電車内や駅構内で女子高校生や女子中学生の脚を触ったとして京都府迷惑行為等防止条例違反の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都府警木津署は7日、京都府迷惑行為防止条例違反の疑いで、京都府木津川市の無職の男(34)を逮捕した。
(3月7日 京都新聞 「JRの電車や駅で痴漢疑い 逮捕された34歳男「何回もやっているのでどのことか分からない」」より引用)
逮捕容疑は(中略)同市内を走行中のJR奈良線の車内や精華町のJR片町線の駅構内などで、女子高校生と女子中学生の計4人の脚を触るなどした疑い。
男は「何回もやっているので、どのことか分からない」などと話しているという。
痴漢
性的好奇心を満たすために、同意なく人の身体に触れる行為を痴漢といいます。
痴漢をした場合には、どのような罪に問われるのでしょうか。
結論から言うと、痴漢をした場合には各都道府県の迷惑行為防止条例違反の罪に問われる可能性があります。
京都府迷惑行為等防止条例第3条1項(2号以下を省略しています。)
何人も、公共の場所又は公共の乗物にいる他人に対し、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
1号 他人の身体の一部に触ること(着衣その他の身に着ける物(以下「着衣等」という。)の上から触ることを含む。)。
京都府迷惑行為等防止条例第3条1項1号では、公共の場所などで他人の身体に触れることで、羞恥心や不安感、嫌悪感を抱かせることを禁止しています。
今回の事例では、電車の車内や駅構内などで女子高校生や女子中学生の脚を触ったとされています。
電車の車内は公共の乗り物にあたりますし、駅構内は公共の場所にあたります。
脚は身体の一部ですし、いきなり知らない人に脚を触られれば嫌悪感や不安感を抱くでしょう。
ですので、実際に容疑者が電車内や駅構内で女子高校生や女子中学生の脚を触る痴漢行為をしたのであれば、京都府迷惑行為等防止条例違反が成立する可能性があります。
痴漢行為をして京都府迷惑行為等防止条例違反で有罪になった場合には、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。(京都府迷惑行為等防止条例第10条1項)
また、常習して行っていたと認められる場合には、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されることになります。(京都府迷惑行為等防止条例第10条3項)
痴漢と不起訴処分
痴漢事件では、被害者と示談を締結することで不起訴処分を獲得できる場合があります。
今回のような事例では、被害者は未成年だと思われますから、示談交渉は被害者の保護者と行うことになるかと思います。
大切なわが子が性犯罪に遭ったわけですから、厳しい処罰感情を抱いている可能性が非常に高いです。
そのような場合には示談交渉はおろか、連絡先を教えてもらうことさえできない可能性があります。
弁護士であれば、話を聞いてみてもいいかと思われる方もいらっしゃいますので、示談交渉は弁護士にお任せすることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、痴漢事件をはじめ、数多くの性犯罪事件で不起訴処分を獲得してきました。
性犯罪の弁護経験が豊富な弁護士に相談をすることで、不起訴処分を獲得できる可能性があります。
痴漢など性犯罪でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
実際には撮影していないのに逮捕?!スカートの中を盗撮しようとして逮捕された事例
実際には撮影していないのに逮捕?!スカートの中を盗撮しようとして逮捕された事例
盗撮しようとしてスマートフォンをスカートの中に差し入れたとして、性的姿態等撮影未遂罪で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都市下京区に住むAさんは、通勤のために京都駅を利用していました。
京都駅の改札口に向かうエスカレーターに乗っていたAさんは、前に女子高校生が乗っていることに気が付きました。
魔が差してしまったAさんは、女子高校生の下着を盗撮したいと考えて、カメラを起動しスカートの中に自分のスマートフォンを差し入れました。
Aさんの不審な動きに気づいた人が駅員に通報し、Aさんは性的姿態等撮影未遂罪の容疑で京都府下京警察署の警察官に逮捕されることになりました。
(事例はフィクションです。)
盗撮と新法
昨年7月までは盗撮について、各都道府県の迷惑行為防止条例で規定されていましたが、現在は、性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下「性的姿態撮影処罰法」といいます。)で規定されています。
ですので、以前は盗撮をすると都道府県の迷惑行為防止条例違反が成立していたのが、性的姿態撮影処罰法の制定により、性的姿態等撮影罪が成立することになります。
性的姿態等撮影未遂罪
性的姿態撮影処罰法第2条1項1号
正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十七条第一項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態
性的姿態撮影処罰法第2条1項では、人が身に着けている下着かつ性的な部位を覆っている部分や性行為中の姿などの性的姿態を撮影する行為を禁止しています。
性的姿態等撮影罪は、簡単に説明すると、盗撮していると気づかれないように、ひそかにスカートで隠れている下着や性行為の様子などを撮ると成立する犯罪だといえます。
また、性的姿態撮影処罰法第2条2項では、「前項の罪の未遂は、罰する。」と規定されていますので、未遂の場合でも罰せられることになります。
ですので、盗撮しようとしたけど撮影できなかった場合などには、性的姿態等撮影未遂罪が成立することになります。
今回の事例では、盗撮したいと考えたAさんが女子高校生のスカートの中にスマートフォンを差し入れています。
スカートで覆われた下着を着用している姿は性的姿態にあたると思われますし、実際に撮影していなくても性的姿態等撮影罪は未遂罪を規定していますので、Aさんに性的姿態等撮影未遂罪が成立する可能性があります。
性的姿態等撮影罪の法定刑は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金です。(性的姿態撮影処罰法第2条1項)
性的姿態等撮影未遂罪も同様の法定刑となります。
盗撮と示談
刑事事件では起訴され有罪になると刑罰を科されることになります。
逆にいえば、起訴されなければ刑罰を科されることはありません。
不起訴になる処分のことを不起訴処分といい、起訴するには証拠が不十分な場合や被害者が処罰を求めていない場合などに不起訴処分に付されることがあります。
ですので、犯罪にあたる行為を行っていたとしても、不起訴処分を獲得することができれば、刑罰を科されることはありませんし、刑罰が科されませんので前科も付きません。
では、どうすれば不起訴処分を得られるのでしょうか。
不起訴処分獲得に向けた弁護活動として、示談交渉が挙げられます。
示談交渉を行い、宥恕条項付きの示談を成立することで、被害者が厳しい処罰を求めていないとして不起訴処分を得られる可能性があります。
今回の事例では被害者は女子高校生ですので、おそらく女子高校生の母親や父親と示談を締結することになるでしょう。
保護者相手の示談交渉は、大切な子供が事件に巻き込まれたわけですから、厳しい処罰感情を持たれていることも少なくなく、示談交渉が難航することも少なくありません。
加害者自らが連絡することで新たなトラブルを生む可能性もありますので、示談交渉は弁護士を介して行うことをおすすめします。
また、弁護士は検察官に不起訴処分を求める処分交渉を行うことができます。
弁護士による弁護活動で不起訴処分を獲得できる可能性がありますので、盗撮で捜査を受けている方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
同意を得ることなく性行したとして不同意性行等罪の疑いで逮捕された事例
同意を得ることなく性行したとして不同意性行等罪の疑いで逮捕された事例
同意を得ることなく性行したとして不同意性行等罪の疑いで逮捕された事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事件概要
京都府左京警察署は、京都市内の大学に通う男子大学生(21歳)を不同意性交等罪の疑いで逮捕した。
大学生は、大学のサークルの打ち上げで酒を飲んで泥酔した女性を自宅に連れ帰り、性交に及んだとされている。
被害女性から被害届が提出された結果、事件が発覚した。
男は取調べに対し、性行はしたが同意はあったと一部容疑を否認している。
(フィクションです)
不同意性交等罪とは
刑法177条は不同意性交等罪を規定しています。
この規定は2023年の刑法一部改正により、従来の強制性交等罪と準強制性交等罪が改正されたものです。
同条1項によれば、例えば、アルコールの影響下にあるために(176条1項3号)、「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交(中略)をした者は、(中略)5年以上の有期拘禁刑」を課されることになります。
不同意性行等罪が成立するためには、上記心理状態が、176条1項各号に該当するような行為または事由その他これらに類する行為や事由によって生じていたことが必要です。
具体的には、暴行若しくは脅迫を用いたり(1号前段)、アルコールや薬物を摂取した影響下にあること(3号後段)などによって、性行に及ぶことについて、有効な同意があったとは言えないにもかかわらず、性行に及ぶと不同意性交等罪が成立します。
本件の被害者は、サークルの打ち上げに参加した女性で、お酒を飲んで泥酔していたようです。
したがって、刑法176条1項3号の規定する「アルコール若しくは薬物を摂取させること又はその影響があること」に該当しそうですし、女性がアルコールの影響で性行について同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難だった可能性があります。
このような状態にあることに乗じて、男が性行に及んだのあれば、不同意性交等罪が成立する可能性があります。
有効な同意の有無
大学のサークルや会社の飲み会など、異性とお酒を飲む機会は決して珍しくありません。
性行した相手方が、事前にお酒を飲んでいた場合、必ず不同意性行等罪が成立するのでしょうか?
お酒を飲んで有効な同意ができない状態になってしまうかどうかは、その人の体質や飲酒量などによって変わってくるでしょうから、お酒を事前に飲んでいたからといって必ず不同意性交等罪が成立するわけではありません。
もっとも、有効な同意ができない状態だったかどうか事後的に判断するのは非常に困難です。
被害者の証言はもちろん重要ではあるものの、それだけで決定的な証拠として事件が処理されるのであれば冤罪のリスクが高まります。
できるだけ早く弁護士に相談を
相手方が性行為について同意していたことを証明することは、とても難しいです。
さらに警察に逮捕されて自由に動けない場合は、自力で意味のある証拠を集めることはなおさら困難ですし、仮に自ら証拠を集めることが可能だったとしても証拠隠滅を疑われてしまうおそれがありますので、不同意性交等罪の容疑をかけられた際は一度、弁護士に相談をしてみることが望ましいでしょう。
仮に、同意なく性行為に及んだ可能性がある場合には、被害者と示談を成立させることが非常に重要となります。
たしかに、不同意性交等罪は親告罪ではないため、被害者等の告訴がなくても検察は起訴することができます。
しかし、起訴するとなった場合には、被害者に精神的負担が生じる可能性もあります。
したがって、被害者との間で示談が成立して当事者間で問題が解決しているのであれば、検察官はあえて起訴せずに不起訴処分にすることも多いようです。
もっとも、加害者自ら示談のため被害者に接触しようとするのは得策ではありません。
被害者は通常強い処罰感情を有しているでしょうから、交渉に応じてくれない可能性が高いです。
そこで、示談交渉は弁護士に一任されることをおすすめします。
加害者本人と話をすることを頑なに拒絶される方であっても、弁護士が相手であれば交渉に応じてくれることは少なくありません。
交渉は時間がかかりますから、なるべく早く弁護士に一度相談されることを強くおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、不同意性行等罪の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分を得られる可能性があります。
仮に、起訴された場合でも、示談の有無が刑や執行猶予を付与するかどうかの判断に影響する可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。
女性を騙して車に乗せて監禁罪で逮捕された事例
女性を騙して車に乗せて監禁罪で逮捕された事例
泥酔した女性らを騙して車に乗せて監禁罪で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事案
京都府下京警察署は、監禁罪の疑いで男性(35)を逮捕した。
男は、京都市内で泥酔していた女性とその女性を介抱していた友人女性を見つけ、わいせつ行為をする意図を隠して「家までおくってあげる」といって車の後部座席にのせた。
男は乗車時に聞いていた女性の自宅住所ではなく山間部へ車を走らせていたところ、途中巡回中のパトカーとすれ違った。
その際、男が挙動不審だったたことに気づいた警察官が、男を停車させ男に事情を尋ねたところ、わいせつ目的で車にのせていたことを認めたため監禁罪の疑いで逮捕した。。
介抱するのに集中していたため友人女性は、男が自宅に向かっていないことに気づいていなかったとのこと。
(フィクションです)
監禁罪とは
刑法220条
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。
刑法220条は逮捕罪と監禁罪を規定しています。
「不法に」とは、一般的な違法性阻却事由がないことをいいます。
具体的には、刑訴法に基づいて警察官が犯人を逮捕する場合や、被害者が逮捕・監禁されることに同意している場合には違法が阻却され、「不法に」逮捕・監禁したとはされません。
逮捕とは、羽交い絞めして動けなくした場合のように、直接的な強制作用を加えて場所的移動の自由を奪うことをいいます。
監禁とは、一定の場所から脱出できないようにして場所的移動の自由を奪うことをいいます。
本件では、男は、女性らを車の後部座席に乗せています。
走行している車から脱出することは容易ではありませんから、女性らを車に乗せて走行する行為は監禁といえそうです。
したがって、男には監禁罪が成立する可能性があります。
もっとも、本件で被害女性らは、自分の意思で男の車に乗っています。
被害者自身が、場所的移動の自由が失われることに承諾を与えているといえそうですから、「不法に」監禁したとはいえず、監禁罪は成立しないのではないでしょうか?
被害者の承諾
結論としては、判例は、被害者が本当のことを知れば場所的移動の自由の喪失に承諾しなかったであろう場合には、被害者の承諾は無効である、としています(最高裁決定33年3月19日、広島高裁昭和51年9月21日)。
本件では、たしかに被害女性は男の車に自分から乗っているものの、それは男が家まで送り届けてくれると言ったからであり、わいせつ目的という男の本心を知っていたなら乗車しなかったと考えられます。
したがって、被害女性の同意は無効であり、やはり監禁罪が成立する可能性があります。
意思能力の要否
ところで、介抱されていた女性は泥酔していたようです。
泥酔女性に関しては、場所的移動の自由が奪われていることにそもそも気づいていなかったと思われます。
この点について、監禁罪を定める220条が守りたかったもの(法益といいます)は、現実に移動しようと思ったときに移動できる自由であると考える立場(現実的自由説)があります。
この見解に立てば、被害者に意思能力が必要であり、場所的移動の自由がはく奪されていることを被害者が現実に認識することが必要となります。
この立場によれば、本件の泥酔女性については、泥酔のため意思能力がないとされれば、監禁罪は成立しない可能性があります。
これに対し、監禁罪の法益は、移動しようと思えば移動できる自由である(可能的自由説)とし、被害者に意思能力は不要であり、被害者に場所的移動の自由がはく奪されていることの現実の認識は不要であるとする立場があります。
この立場によれば、本件の泥酔女性についても、泥酔していたという事情をもって、監禁罪の成立が否定されることはなく、監禁罪が成立する可能性があります。
裁判例は、後者の可能的自由説にたっているとされるので、やはり本件では監禁罪が成立する可能性があります。
わいせつ目的誘拐罪
刑法第225条
営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、1年以上10年以下の懲役に処する。
本件では監禁罪だけでなくわいせつ目的誘拐罪が成立する可能性があります。
誘拐とは、欺罔や誘惑を用いることで、生活環境から離脱させて自己または第三者の実力的支配下に移す行為をいいます。
わいせつの目的で誘拐を行った場合は、わいせつ目的誘拐罪が成立します。
本件では、男は女性らを家に送る目的ではなくわいせつ行為をする目的で車に乗せたようです。
女性らに家に送ると誤信させたわけですから、誘拐にあたると考えられます。
ですので、監禁罪だけでなくわいせつ目的誘拐罪も成立する可能性があります。
警察に逮捕されるとどうなる?
事件を起こし逮捕された場合、逮捕後72時間以内に、勾留という逮捕に引き続く10日間の身柄拘束の必要性について、検察官と裁判官から判断されます。
弁護士には、検察官と裁判官に対し、勾留に対する意見書を提出することができます。
逮捕後速やかに弁護士に弁護活動を依頼していれば、このタイミングで釈放を求めることができます。
意見書を提出する機会を逃さないためにも、早い段階で弁護士に相談することが大切です。
仮に、釈放されずに起訴された場合、身柄介抱のため次にとれる手段は、裁判所に対する保釈請求です。
保釈が認められた場合、保釈金を支払うことで身体拘束から解放されます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、監禁罪を含む豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
早い段階で弁護士に依頼することで、早期に身柄を解放することができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
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【事例紹介】教師が生徒と性交し、執行猶予判決になった事例
元教師が教え子と性交したとして児童福祉法違反の罪に問われ、執行猶予付判決を獲得した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例概要
教え子の女子生徒にホテルでみだらな行為をしたとして、児童福祉法違反の罪に問われた元(中略)教諭の男(中略)の判決公判が(中略)あり、(中略)裁判官は懲役2年6月、執行猶予5年(求刑懲役2年6月)を言い渡した。
(7月7日 京都新聞 「教え子にみだらな行為、元中学教諭に有罪判決 「結局は性欲満たす目的」大津地裁」より引用)
判決によると、男は授業を担当していた女子生徒が18歳未満と知りながら、教諭の立場を利用し、(中略)ホテルで自身を相手に性交させた。(中略)
その上で、男が性障害の専門治療を受け、二度と教育や子どもに関わる仕事はしないと約束していることなどから執行猶予を付けた。
18歳未満と性行為等をするとどうなる?
18歳未満の者との性行為は、その行為態様や犯罪主体により、「青少年の健全な育成に関する条例(京都府条例第2号)」のほか、「児童売春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」、「児童福祉法」等さまざまな法令の規制対象となっています。
その中の1つとして、児童福祉法は、「児童に淫行をさせる行為」を処罰の対象とし(同法34条1項6号)、 このような行為に及んだ場合には、「10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」としています(同法60条1項)。
ここで、同法のいう「淫行」とは、児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交又は性交類似行為をさします。
次に「させる行為」とは、「直接間接を問わず児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をすることを助長促進する行為」を指し、その該当性判断にあたっては、「行為者と児童の関係、助長・促進行為の内容及び児童の意思決定に対する影響の程度、淫行の内容及び淫行に至る動機・経緯、児童の年齢、その他当該児童の置かれていた具体的状況を総合考慮」して判断されます。 (以上の解釈については最高裁平成28年6月21日決定)
具体的には、児童と性交等の行為をした者が当該児童の教師である場合が、「淫行させる行為」をしたと評価される代表例となります。
今回の事例では、被告人の元教師が教え子に性交させたとされています。
児童福祉法では、満18歳に満たない者を児童と定義しています(児童福祉法第4条1項)ので、今回の事例の被害者は児童福祉法が定義する児童にあたります。
今回の事例では、被告人と被害者の関係性は教師と教え子です。
被告人が被害者にさせたとされている性交は「淫行」にあたりますし、教師と教え子という立場から、被告人が被害者に影響力を及ぼして淫行することを助長促進させたと判断されたのでしょう。
児童福祉法では、淫行させる行為の相手が被告人本人である場合も「淫行させる行為」に該当します。(最高裁平成10年11月2日決定)
ですので、今回の事例では、被告人が児童福祉法違反で有罪判決を下されたのでしょう。
執行猶予付判決を取るためには
上記記載の児童福祉法の「淫行させる行為」の量刑は、その他法令の量刑と比較しても重くなっています。
児童福祉法では児童に淫行させた場合の法定刑が、「10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」のため、執行猶予付判決の前提条件である3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡し(刑法25条)を満たさない可能性があります。
そこで、執行猶予付判決にするためには、そもそも下される量刑を軽くする必要があり、そのためには示談を成立していることが非常に重要になってきます。
まずは弁護士へ早めの相談を
このように、量刑を軽くする上でも、執行猶予付判決を得るためにも示談が成立していることは裁判で重要な意味を持ちます。
ところが、実際には加害者本人が示談交渉を成功させることは非常に困難です。
被害者が18歳未満の場合には、その保護者と話し合いをすることになりますが、通常、保護者の加害者に対する処罰感情は強く、示談交渉で落とし所を見つける過程での言動が火に油を注ぐ結果になりかねません。
そこで、加害当事者による示談は避け、交渉のプロである弁護士に任せることをおすすめします。
裁判は示談交渉を待ってくれませんから判決前に示談を成立させるためにも、可能な限り早い段階で弁護士に相談することも非常に重要です。
早期に弁護士に相談することで起訴前に示談が成立すれば、不起訴になり前科がつかない可能性もなくはありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、児童福祉法など18歳未満の者に対する法令違反行為の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と交渉を行うことで執行猶予付判決を獲得できる可能性がございますので、早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
京都市左京区の駅で盗撮した事例
【事件概要】
Aさんは京都市左京区にある駅で女性のスカート内を盗撮しました。
その後Aさんの盗撮行為が発覚し、京都府川端警察署の警察官に性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下「性的姿態撮影等処罰法」といいます。)違反の容疑で逮捕されました。
(事例はフィクションです。)
【性的姿態撮影等処罰法とは】
従来、盗撮行為は、刑法ではなく各都道府県の迷惑防止条例によって処罰されてきました。
その結果、都道府県ごとに刑の重さや規制対象が異なったり、盗撮行為の場所が不明の場合に処罰できないといった問題が生じていました。
そこで、以上の問題点を解消し、全国で統一的に盗撮等の撮影行為を処罰することを可能にするため、令和5年に成立したのが性的姿態撮影等処罰法です。
性的姿態撮影等処罰法では、性器・臀部・胸部などの人体の性的部位、性的な部位を隠すために着用している下着及びわいせつ行為、又は性交等がされている間の姿等を性的姿態等といい、正当な理由なくこれらを密かに撮影する行為等が禁止されています。(性的姿態撮影等処罰法第2条1項1号)
【本事件の場合】
今回の事例では、Aさんは女性のスカート内を盗撮しています。
スカート内の下着は性的姿態等に該当すると考えられますし、駅で見ず知らずの女性のスカート内を盗撮する正当な理由は存在しないでしょう。
本件の場合、Aさんは、正当な理由がないのに、密かに性的姿態等を撮影していると考えられますので、性的姿態撮影等処罰法違反が成立する可能性が高いです。
また、今回の事例のAさんが、性的姿態等処罰法違反で有罪になった場合には、3年以下の拘禁刑または300万以下の罰金に処されます。(性的姿態撮影等処罰法2条1号イ)
【刑事事件に精通した弁護士へ相談を】
盗撮行為をしてしまった場合、示談が成立しているという事情が考慮され、不起訴処分になり前科がつくことを防げる可能性を高めることができます。
もっとも、盗撮行為をした当の本人が被害者と示談交渉を進めることは、被害者の処罰感情を激化させてしまう可能性や被害者が加害者に個人情報を知られたくないといった理由から困難です。
結果として、示談交渉がうまくいかず事件が長期化してしまい、職場復帰・社会復帰から遠のく恐れがあります。
そこで、刑事時事件に精通し交渉のプロである弁護士を通じて被害者と示談交渉を行うことをおすすめします。
刑事事件に精通した弁護士が代理人として示談交渉を行うことで、順調に示談を進められるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の弁護士は日頃より刑事事件・少年事件を数多く受任し、扱ってきた実績がございますので、刑事事件・少年事件について安心してご相談頂けます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、無料法律相談を行っています。
弁護士に相談をすることで、示談の締結や不起訴処分の獲得を目指せる可能性があります。
盗撮でお悩みの方、示談交渉でお悩みの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
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【事例紹介】京都初 性的姿態等撮影未遂罪で逮捕③~弁護活動~
引き続き、京阪神宮丸太町駅のホームで女性のスカート内を盗撮しようとしたとして、性的姿態等撮影未遂罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都府警川端署は29日、性的姿態撮影処罰法違反未遂(撮影)などの疑いで、(中略)会社員の男(24)を逮捕した。
(8月29日 京都新聞 「スマホでスカート内撮影しようとした疑い 性的姿態撮影処罰法で京都府内初の逮捕者」より引用)
逮捕容疑は29日正午ごろ、京都市左京区の京阪神宮丸太町駅ホームで伏見区の女性(32)の背後からスマートフォンを差し出し、スカート内を撮影しようとした疑い。
(後略)
盗撮と不起訴処分
前々回のコラムでは、今回の事例で性的姿態等撮影未遂罪(性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下「性的姿態撮影処罰法」といいます。)違反未遂)が適用される可能性があると解説しました。
盗撮を行ったことにより、性的姿態等撮影罪(性的姿態撮影処罰法違反)で有罪になると、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金が科されることになり、刑務所に行かなければならなくなる可能性があります。
不起訴処分という言葉をニュースで目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
不起訴処分とは、検察官が起訴をしないと判断した際に付される処分のことをいいます。
不起訴処分になれば、起訴されませんので、刑罰を受けることはありません。
ですので、不起訴処分を獲得できれば、前科が付くことなく日常生活に戻ることができます。
盗撮を行った場合であっても、不起訴処分を獲得することはできるのでしょうか。
不起訴処分と弁護活動
結論から言うと、盗撮であっても、不起訴処分を獲得できる場合があります。
刑事事件では、示談の締結が不起訴処分の獲得などに有利な事情にはたらくことがあります。
示談を締結するためには、示談交渉を行う必要があります。
ですが、今回の事例のような盗撮事件では、被害者と知り合いである可能性は低いでしょうから、示談交渉を行うには相手の連絡先を手に入れることから始める必要があります。
加害者が警察官などに被害者の連絡先を教えてほしいと頼んだ場合、証拠隠滅や被害者保護の観点から、教えてもらえない可能性が高いです。
警察官から被害者の連絡先を教えてもらえたとしても、当事者間での示談交渉はトラブルに発展しやすいため、示談交渉を加害者本人が行うことは、あまりお勧めできません。
被害者の連絡先を教えてもらえなかった場合であっても、再度、弁護士がお願いすることで、被害者と示談交渉を行える場合があります。
弁護士が代理人となって示談交渉を行うことで、円滑に示談を締結できる可能性がありますので、示談を考えている方は、弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
また、不起訴処分の獲得を目指すうえで、取調べ対応も重要になってきます。
刑事事件では、容疑をかけられると、警察官や検察官から取調べを受けることになります。
警察官や検察官はあなたの味方ではありませんので、事実ではないことを供述調書に記載される可能性や警察官などに都合の良いような内容の供述を誘導される可能性があります。
取調べの際に作成される供述調書は、裁判で証拠として使用されますし、検察官が不起訴処分などを判断する際の判断材料にもなります。
ですので、取調べで不利な証拠が作成されないように、取調べ前に対策を練っておく必要があります。
しかし、事前に取調べ対策を行うといっても、どういった対策を行えばいいのかわからない方がほとんどだと思います。
ですので、取調べ対策を行う際は、刑事事件に精通した弁護士と共に行うことが望ましいでしょう。
今回の事例では、京阪神宮丸太町駅で盗撮をしようとしたと報道されていますので、どのような目的で京阪神宮丸太町駅を利用したのか、なぜ被害者を盗撮しようと思ったのかなどを聴かれることが予想されます。
弁護士であれば、聴かれる内容をある程度予測することができますし、供述すべき内容やそうでない内容をアドバイスすることが可能です。
弁護士と取調べ対策を行うことで、不利な証拠の作成を防げる可能性がありますので、取調べを受ける際は、事前に弁護士に相談をするといいでしょう。
加えて、弁護士は検察官に処分交渉を行うことができます。
弁護士が検察官に示談を締結しているなどの有利な事情や、起訴されてしまうと会社を解雇されてしまうおそれがあるなどの不利な事情を主張し、不起訴処分を求めることで、不起訴処分を獲得できるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
盗撮で逮捕された方、捜査を受けている方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。