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パチンコ店に置き忘れられた遊戯用ICカードを無断で使用し取調べを受けることになった事例

2025-08-27

パチンコ店に置き忘れられた遊戯用ICカードを無断で使用し取調べを受けることになった事例

パチンコ店

事例

Aさんは、京都市右京区内にあるパチンコ店で遊戯をしていたところ、前の客が置き忘れた遊戯用のICカードを見つけました。
ICカードの中には5千円分の残高が残っていたので、バレなければいいと思いながら使ってしまいました。
後日、同じ店で遊戯をしていたところ、警察官から声を掛けられて、取調べを受けることになりました。
(事例はフィクションです。)

どのような罪となるのか

Aさんは置き引き行為を行ったとして、窃盗罪又は、占有離脱物横領罪(遺失物等横領罪)の成立が考えられます。

置き引き行為

置き引きとは、他人が置いている又は置き忘れた物を勝手に自分のものにして持っていったり使ったりする行為のことを言います。
お店の机や公園のベンチ等に他人が置いている又は置き忘れていったカバンや財布、時計等を許可なく持っていく様な行為が置き引きにあたります。
このような置き引き行為は、窃盗罪または占有離脱物横領罪(遺失物等横領罪)として処罰されることになるでしょう。

それぞれ刑法にはこのように記載されています。

窃盗罪
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。
(刑法第235条)

占有離脱物横領罪(正式名称:遺失物等横領罪)
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(刑法第254条)

どちらの罪で処罰されるかについては、所有者がその財物を占有しているかどうかによって変わります。

占有

占有とは、実際に物を所持している、または支配していることをいいます。

窃盗罪における占有とは、財物に対する事実上の支配を意味しています。
所有者が財物を置いていることを意識していて、すぐに持っていける様な状況であれば、占有していると認められるでしょう。
占有が認められる財物を盗む行為は、窃盗罪となります。
ベンチに座ってすぐ横にカバンを置いている状況や飲食店の机の上に財布を置いたままトイレに行ってすぐに戻ってくる様な状況、自宅に置いている自分の財物などは占有が認められるでしょう。

反対に占有が認められない財物を盗む行為は、占有離脱物横領罪となります。
所有者が財物を置き忘れたままその場を立ち去って戻ってこない、置き忘れていることに気が付いたがすでに遠く離れて戻れない様な場合は、財物の占有は認められないことになるでしょう。

事例の検討

パチンコ店には多くの防犯カメラが設置されているため、犯罪行為についてはすぐに犯人として特定されてしまう傾向にあると思われます。
事例の場合、被害者が警察に置き引き被害を申告して被害届を提出、警察が防犯カメラ等を捜査して、Aさんを犯人として特定したという状況が考えられるでしょう。
被害品であるICカードについてですが、ICカードはパチンコ店が客側に貸し出している物になるかと思われます。
AさんがICカードを置き引きした時点において、被害者がまだ店舗内にいる様な状況でICカードの占有が認められるのであれば、窃盗罪が成立する可能性があります。
Aさんが店舗の外に出てしまい、ICカードの事を置き忘れている様な場合は、占有が認められないとして占有離脱物横領罪が成立する可能性もあります。
また、ICカードの占有が被害者から離れてしまっている場合でも、本来貸し出しを行っている店舗側に占有があるとして、窃盗罪が適用される可能性もあります。

このように置き引き行為がどの罪に該当するのかは、その時の財物の占有状況によって判断されることになり、その判断は難しいと言えるでしょう。
罪名が変われば、法定刑(法律の条文で定められている刑の種類と重さ)も変わってきます。
窃盗罪であれば、10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金
占有離脱物横領罪であれば、1年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金若しくは科料
となっていますので、その差は歴然です。
適切な弁護活動を早期に開始することが望ましいでしょう。

警察からの取調べ要請を受ければ

警察から任意出頭の要請があればどうすればいいのでしょうか。
任意出頭はあくまで任意のため、出頭の義務はありません。
しかし、拒否したり、頑なに応じない場合は、逮捕や強制的な取り調べを受ける可能性があるので注意が必要です。

警察から出頭要請を受け、出頭日まで時間的に余裕がある場合は、まずは弁護士と相談することをお勧めいたします。

弁護士への相談

弁護士に相談することで
・そもそも任意出頭に応じるべきかどうか
取調べではどのように対応すればいいのか
逮捕された場合はどうすればいいのか
等について法的なアドバイスを受けられるでしょう。

取調べの前に相談しておくことで、余裕を持って取調べに応じることができるでしょう。

弁護活動について

取調べを受けた後でも弁護士に事件の相談及び弁護活動を依頼しても決して遅くはありません。
弁護士への相談・依頼は、早い段階であればあるほど、今後不利な状況とならないように弁護士から適切なアドバイスを受けることができ、事件の早期解決に繋がると言えます。
弁護士に弁護活動を依頼することで、被害者がいる事件であれば、弁護士を通じて被害者と示談ができるでしょう。
示談交渉がうまく進めば、不起訴処分を獲得できる可能性もあります。

事件を起こして取調べを受けた、警察から事件の事で呼び出しを受けているという様な方は、まずは悩む前に弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件・少年事件に精通した法律事務所です。
初回無料相談の受付は0120-631-881にて24時間年中無休でご予約を承っております。
窃盗事件を起こしてしまいお困りの方、家族が逮捕されてしまった方、その他刑事事件でお困りの方は是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

【お客様の声】顔を殴打して首を絞めたとして逮捕され、不起訴処分を獲得した事例

2025-08-27

【お客様の声】顔を殴打して首を絞めたとして逮捕され、不起訴処分を獲得した事例

■事件概要■

ご依頼者様の旦那様(40代 会社員)が被害者様の顔を殴り首を絞め怪我をさせたとして逮捕された傷害事件

■結果■

釈放
不起訴処分

■事件経過と弁護活動■

旦那様が逮捕されたと知ったご依頼者様は弊所の初回接見サービスをご利用され、弊所に弁護活動を依頼されました。

ご依頼後すぐに弁護士は旦那様を釈放するべく勾留請求に対する意見書の準備に取り掛かりました。
翌日、弁護士は検察官と裁判官に勾留請求に対する意見書を提出しました。
意見書では、ご依頼者様が旦那様の監督を約束しており証拠隠滅や逃亡をできない環境を整えていること、旦那様が勾留されてしまうことで勤務先の会社に多大な迷惑をかけてしまうことを訴え釈放を求めました。

しかし、弁護士の主張は認められず、旦那様の勾留が決定してしまいました。
勾留決定の翌日、弁護士は裁判所に勾留決定に対する準抗告申立書を提出し、勾留の判断を下した裁判官とは別の裁判官に再度判断を求めました。
準抗告の申し立てでは、弁護士の主張が認められ、旦那様は勾留決定の翌日に釈放されることになりました。

旦那様の釈放後、弁護士は被害者様に示談交渉を行いました。
被害者様の希望する示談条件と旦那様が希望する示談条件が折り合いがつかず、示談交渉は難航していました。
示談交渉を重ねることで、最終的には双方が納得のいく条件で示談を締結することができ、宥恕条項を付けていただくこともできました。

宥恕条項付きの示談が旦那様にとって有利な事情となり、旦那様は不起訴処分を獲得することができました。

京05-018

【お客様の声】教師が18歳未満であることを知りながら性行為をして不起訴処分を獲得した事例

2025-08-24

【お客様の声】教師が18歳未満であることを知りながら性行為をして不起訴処分を獲得した事例

■事件概要■

ご依頼者様(30代 教諭)が18歳未満であることを知りながら性行為してとして逮捕された、大阪府青少年健全育成条例違反事件

■結果■

不起訴処分

■事件経過と弁護活動■

ご依頼者様のご家族様が初回接見サービスを依頼され、弊所の弁護士がご依頼者様に初回接見を行いました。
初回接見では、今後の捜査の流れを説明し処分の見通しを伝え、取調べのアドバイスを行いました。

ご依頼者様は勾留されることなく釈放され、釈放後に接見を行った弁護士を弁護人として選任されました。
ご依頼者様は本件以外にも被害者様と性行為を行っており、余罪も併せて起訴された場合には罰金刑では済まずに懲役刑が科されてしまうおそれがありました。
教育職員免許法では、禁錮以上の刑(法改正により現在は拘禁刑以上の刑)に処せられた場合には免許状の効力を失うと規定しています。(同法第5条1項3号、第10条1項1号)
ご依頼者様は欠格事由にあたる懲役刑はもちろんのこと罰金刑も避け、前科が付くことを回避したいと考えておられました。

ご依頼後、被害者様が未成年なため、弁護士は検察官を通じて被害者様の保護者様に謝罪と賠償の申し入れを行いました。
被害者様の保護者様はご依頼者様に対して厳しい処罰感情を抱いておられ、示談交渉は難航していました。
ですが、示談交渉を重ねることで、ご依頼者様作成の謝罪文を受け取っていただくことができ、宥恕付きの示談を締結することができました。

一度は、略式起訴により罰金刑を科されそうになりましたが、弁護士による処分交渉宥恕付きの示談の締結が功を奏し、ご依頼者様は無事に余罪も含めて不起訴処分を獲得し、前科が付くことを避けることができました。

京05-024

【お客様の声】特定少年による不同意性交等、同未遂事件で保護観察処分を獲得した事例

2025-08-22

【お客様の声】特定少年による不同意性交等、同未遂事件で保護観察処分を獲得した事例

■事件概要■

ご依頼者様の息子様(特定少年)が同意なく性交等に該当する行為をしたとして逮捕された不同意性交等、不同意性交等未遂事件

■結果■

勾留期間短縮
保護観察

■事件経過と弁護活動■

ご依頼者様の息子様は不同意性交等罪不同意性交等未遂罪の疑いで逮捕されており、弊所の初回接見サービスを利用されました。
初回接見後、息子様は勾留が決定し、弊所の弁護士に弁護を依頼されました。

息子様は性交等に該当する行為について被害者様の同意を得ていたと認識しており、息子様と被害者様の供述に食い違いがありました。
息子様が同意の有無などについて容疑を一部否認していることから、身体拘束期間が長期化することが予想されました。

少しでも早く息子様が釈放されるように、弁護士は勾留延長請求に対する意見書を作成し、裁判所に提出しました。
意見書では身体拘束期間が長期化することで精神状態が悪化するおそれがあることや職場への復帰が困難になる可能性があること、ご家族様が協力し息子様が逃亡や証拠隠滅をできない環境を整えていることを裁判官に訴え、早期釈放を求めました。
弁護士の訴えが認められ、勾留延長期間を3日短縮することができました。

また、身柄解放活動と並行して、弁護士は被害者様に示談交渉を行いました。
被害者様は息子様が容疑について一部否認していことに難色を示されており、交渉が難航していました。

弁護士は息子様に、「被害者様の気持ち」や「今後同じような被害者を生まないようにするためにはどうするべきか」などを考えさせる課題を出しました。
息子様は課題を通じて事件と向き合い、明確な同意を得た記憶はなかったが自身を正当化するために同意があったと思い込もうとしていること、性被害にあっている被害者は拒絶しようとしても恐怖心から拒絶できない場合があることに気づき、反省をより深め、審判では事実を認めることを決定しました。

その後、弁護士が再度被害者様に連絡を取り、息子様が事実を認め深く反省していることを伝えたところ、宥恕付きの示談を締結することができました。

息子様は特定少年であり、検察庁に事件が逆送され成人事件と同様に刑事罰を下されてしまう可能性がありました。
また、重大事件であるため、少年院に送致されることも十分に考えられる事案でした。
弁護士は、息子様の家族が息子様の更生に向けて協力的であり、刑事罰を受けるのではなく、社会生活を送りながら家族や保護司の指導の下で更生を目指す方法が息子様にとってより適していると考えました。

審判では、息子様が深く反省していること、息子様にとって家族や保護司の指導の下で更生を目指すことが良いと思われること、被害者様と宥恕付の示談を締結していることを訴え、保護観察処分に付すように求めました。
審判の結果、弁護士の主張が認められ、息子様は保護観察処分に付されることになりました。

京05-029

元交際相手の性的動画をSNSにアップしリベンジポルノ容疑で男を逮捕

2025-08-20

元交際相手の性的動画をSNSにアップしリベンジポルノ容疑で男を逮捕

サイバー犯罪2

元交際相手の性的動画を提供しリベンジポルノ容疑で逮捕された刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事例

京都府亀岡警察署は今年1月24日、京都府亀岡市在住の男が30代の元交際相手の女性の性的な動画をSNSにアップしたとして、リベンジポルノ防止法違反の疑いで逮捕しました。
同署によりますと、昨年(2024年)12月5日に元交際相手の女性の性的動画をSNSにアップし、不特定多数の人が閲覧できる状態にしたとのことです。
男は「別れた腹いせにやった」と供述しているとのことです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)

リベンジポルノ防止法とは?

リベンジポルノとは復讐ポルノとも呼ばれ、元交際相手や元配偶者など私的な性的画像(動画や写真)を恨みや嫌がらせからネット上にアップし、不特定多数の人が見ることができるようにする行為のことをいいます。
以前はわいせつ物頒布等の罪(刑法第175条)、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律など複数の法律で対応してきましたが、2013年三鷹ストーカー殺人事件をきっかけに、リベンジポルノが世間の注目を浴び、また同様の犯罪が増加することになりました。
そのため既存法の隙間を埋めるように制定されました。

リベンジポルノ防止法は略称であり、正式には、私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律といいます。
リベンジポルノ防止法は、大まかに説明すると、私事性的画像記録の提供等により個人の名誉及び私生活の平穏の侵害による被害の発生又はその拡大を防止することを目的として制定されました。

私事性的画像記録(私的な性的動画や写真))」とは以下のような内容になります。
①性交又は性交類似行為に係る人の姿態
②他人が人の性器等を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
③衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

また処罰内容は以下のようになります。
公表罪:第三者が撮影対象者を特定できる方法で、私事性的画像記録を不特定多数の人に提供したり公然と陳列する行為
3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(リベンジポルノ防止法第3条1項、2項)
公表目的提供罪:上記のような私事性的画像記録を不特定多数の人に提供したり公然と陳列させる目的で他人に提供する行為
1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金(リベンジポルノ防止法第3条3項)

またリベンジポルノは被害者またはその関係者からの告訴(捜査機関に犯罪を申告し、処罰を求めること)がなければ、検察は公訴(裁判にかけること)することはできません。(リベンジポルノ防止法第3条4項)

性的動画や写真に関する他の法律はどんなものがあるか?

他にも性的動画や写真を規制する法律は様々あります。
①性的な写真や動画を無断で撮影する行為
性的姿態等撮影罪各都道府県迷惑防止条例
②性的な写真や動画を有償・無償を問わず不特定多数の人が認識できる状態にする行為
わいせつ物頒布等罪(刑法175条)
③児童ポルノを保管・所持・作成・提供する行為
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
④他人の名誉を傷つける行為
名誉毀損罪(刑法230条)

今回の事例では30代の元交際相手の私的な性的動画をSNSにアップし、不特定多数の人が見ることができる状態にしています。
そのためリベンジポルノ防止法違反に該当するでしょう。

リベンジポルノ防止法違反で逮捕されてしまったら

ネットにアップされた写真や動画の拡散を止めることは容易ではなく、被害者は一生癒えない傷を負うことになるでしょう。
そのため刑事罰で処罰されることがあっても、被害者感情としては収まらない可能性があり、民事訴訟に発展する可能性があります。
まずは被害者と示談交渉し、不起訴処分執行猶予、略式罰金など少しでも加害者にとって良い結果が得られるようにめざすことが大事になります。

実刑(拘禁刑)になった場合、退職を余儀なくすることになり経済的損失はもちろん、社会的な信頼に関わることになります。
更に、民事での損害賠償の請求があった場合対応することが困難になります。
被害者との示談交渉は顔見知りであっても個人間では大変難しく、経験のある弁護士が強い味方になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、多くの刑事事件を取り扱ってきた実績があります。
被害者と示談したいなどとお考えの方はフリーダイヤル:0120ー631ー881までお気軽にお問合せください。
初回接見サービス無料法律相談のご予約は24時間365日受付中です。

コンビニでお酒を万引きし呼び止めた店員を殴って逃走した事例③

2025-08-17

コンビニでお酒を万引きし呼び止めた店員を殴って逃走した事例③

お盆

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、お盆期間中(8月13日~17日)も休まず営業しています。
刑事事件でお困り事がありましたら、弊所までご相談ください。

事例

京都市中京区に住むAさんは近所のコンビニにお酒を買いに行ったところ、お財布を家に忘れたことに気づきました。
取りに帰ることを面倒に思ったAさんはビールなどアルコール飲料5点をカバンにしまい、お会計をすることなく店を出ました。
Aさんの犯行に気づいた店員はAさんを呼び止めたところ、Aさんは逮捕されたくない一心から店員を殴って逃げ帰りました。
帰宅後我に返ったAさんは、逮捕されてしまうのか、刑務所に入ることになるのか、など今後について不安に思い、お盆期間中でも相談をできる法律事務所を探しました。
(事例はフィクションです。)

Aさんは逮捕される?

刑事訴訟法第199条1項
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。(以下略)

刑事訴訟法第199条2項
裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員(略)の請求により、前項の逮捕状を発する。ただし、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。

刑事訴訟法第199条1項、同2項では、大まかに説明すると、罪を犯したことを疑うのに足りる相当な理由がある場合には裁判官が発する逮捕状により逮捕することができ、明らかに逮捕の必要がないと認められる場合には裁判官は逮捕状を発しない(つまり逮捕されない)ということが規定されています。

コンビニには防犯カメラが設置されているでしょうし、店員がAさんの犯行を目撃していますから、Aさんが罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認められるでしょう。
ですので、警察官などから逮捕状を請求された場合には、明らかに逮捕の必要がないと認められなければAさんは逮捕されてしまうことになります。

刑事訴訟規則第143条の3
逮捕状の請求を受けた裁判官は、逮捕の理由があると認める場合においても、被疑者の年齢及び境遇並びに犯罪の軽重及び態様その他諸般の事情に照らし、被疑者が逃亡する虞がなく、かつ、罪証を隠滅する虞がない等明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、逮捕状の請求を却下しなければならない。

刑事訴訟規則第143条の3の規定によると、被疑者が逃亡するおそれがなく、かつ、証拠を隠滅するおそれがない場合に逮捕の必要がないと認められるようです。

Aさんは逮捕されたくない一心から店員を殴って逃走しているわけですから、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断される可能性が高いでしょう。
ですので、Aさんが逮捕の必要がないと認められる可能性は低いと考えられ、請求を受けた裁判官により逮捕状が発されて逮捕されるおそれがあるといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、お盆期間(8月13日~17日)も休まず営業しております。
お盆期間中に刑事事件で捜査を受けることになった方、逮捕されないかご不安な方、ご家族が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部ご相談ください。

コンビニでお酒を万引きし呼び止めた店員を殴って逃走した事例②

2025-08-15

コンビニでお酒を万引きし呼び止めた店員を殴って逃走した事例②

お盆

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、お盆期間中(8月13日~17日)も休まず営業しています。
刑事事件でお困り事がありましたら、弊所までご相談ください。

事例

京都市中京区に住むAさんは近所のコンビニにお酒を買いに行ったところ、お財布を家に忘れたことに気づきました。
取りに帰ることを面倒に思ったAさんはビールなどアルコール飲料5点をカバンにしまい、お会計をすることなく店を出ました。
Aさんの犯行に気づいた店員はAさんを呼び止めたところ、Aさんは逮捕されたくない一心から店員を殴って逃げ帰りました。
帰宅後我に返ったAさんは、逮捕されてしまうのか、刑務所に入ることになるのか、など今後について不安に思い、お盆期間中でも相談をできる法律事務所を探しました。
(事例はフィクションです。)

Aさんに科される刑罰は?

前回のコラムでは、Aさんに事後強盗罪が成立する可能性があると解説しました。
事後強盗罪で有罪になるとどのような刑罰が科されるのでしょうか。

前科のコラムで解説したように、事後強盗罪強盗罪と同じように扱われます。
強盗罪の法定刑は五年以上の有期拘禁刑(刑法第236条1項)ですから、Aさんが事後強盗罪で有罪になると5年以上の有期拘禁刑が科されることになります。

強盗致傷罪

もしかするとAさんに殴られたことによって、店員がけがを負っているかもしれません。
その場合にはAさんはどのような罪に問われるのでしょうか。

基本的には、人にけがを負わせた場合には傷害罪が成立します。
では、今回の事例ではAさんに事後強盗罪傷害罪が成立すると考えられそうです。

ですが、刑法には強盗致傷罪という犯罪が規定されています。
強盗致傷罪は刑法第240条で「強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の拘禁刑に処し、死亡させたときは死刑又は無期拘禁刑に処する。」と規定されています。
簡単に説明すると、強盗罪が成立するような行為をした人が強盗の機会に人にけがを負わせると強盗致傷罪が成立します。

今回の事例では、Aさんに事後強盗罪が成立すると考えられますし、事後強盗罪強盗罪と同様に扱われます。
ですので、犯行に気づいた店員を殴ってけがを負わせた場合には、Aさんに強盗致傷罪が成立する可能性があります。

強盗致傷罪の法定刑は無期又は6年以上の拘禁刑ですので、Aさんが強盗致傷罪で有罪になった場合には、無期拘禁刑や6年以上の拘禁刑が科される可能性があるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、お盆期間中(8月13日~17日)も休まず営業しています。
無料法律相談を行っていますので、強盗罪窃盗罪などでお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

コンビニでお酒を万引きし呼び止めた店員を殴って逃走した事例①

2025-08-13

コンビニでお酒を万引きし呼び止めた店員を殴って逃走した事例①

お盆

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、お盆期間中(8月13日~17日)も休まず営業しています。
刑事事件でお困り事がありましたら、弊所までご相談ください。

事例

京都市中京区に住むAさんは近所のコンビニにお酒を買いに行ったところ、お財布を家に忘れたことに気づきました。
取りに帰ることを面倒に思ったAさんはビールなどアルコール飲料5点をカバンにしまい、お会計をすることなく店を出ました。
Aさんの犯行に気づいた店員はAさんを呼び止めたところ、Aさんは逮捕されたくない一心から店員を殴って逃げ帰りました。
帰宅後我に返ったAさんは、逮捕されてしまうのか、刑務所に入ることになるのか、など今後について不安に思い、お盆期間中でも相談をできる法律事務所を探しました。
(事例はフィクションです。)

Aさんの行為は何罪?

今回の事例では、Aさんはコンビニでアルコール飲料を5点を会計をすることなく持ち去り、店から出たところで呼び止めた店員を殴っています。
Aさんには何罪が成立するのでしょうか。

まずは、窃盗罪について考えてみましょう。

皆さんご存知の通り、万引きをすると窃盗罪が成立します。
窃盗罪は刑法第235条で「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定されています。
簡単に説明すると、他人の物を許可なく自分や第三者の物にすると成立する犯罪で、万引きではお店の商品をお店の許可なく万引き犯の物にしますから窃盗罪が成立します。
今回の事例でもコンビニの許可なくアルコール飲料をAさんの物にしていますから、万引きにあたり、Aさんに窃盗罪が成立すると考えられます。
また、Aさんは逃走の際に店員に暴行を加えていますから、窃盗罪の他に暴行罪も成立しそうですね。

では、Aさんは窃盗罪暴行罪の罪に問われるのでしょうか?

実は、刑法には事後強盗罪という犯罪が規定されています。
事後強盗罪は刑法第238条で「窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。」と規定されています。
簡単に説明すると、窃盗罪にあたる行為を行った人が、盗んだ財物を取り返されることや逮捕されることを免れたり、証拠隠滅を行うために、暴行や脅迫を行うと事後強盗罪にあたり強盗罪と同じように扱われます。

事例のAさんは窃盗罪にあたる行為(万引き)をし、逮捕を免れようと呼び止めた店員に暴行を加えています。
ですので、Aさんは窃盗罪暴行罪ではなく、事後強盗罪の罪に問われることになるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、無料法律相談を行っています。
お盆期間中(8月13日~17日)も休まず24時間営業しておりますので、何か事件を起こしてしまいお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
無料法律相談のご予約は、0120ー631-881までお電話ください。

包丁をもって歩いていた男を銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕

2025-08-10

包丁をもって歩いていた男を銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕

包丁

包丁をもって歩いていた男が銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕された刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事例

京都府木津警察署によりますと、4月28日、京都府木津川市在住の自営業の男(52)が包丁を持って、住宅街を歩いているところを銃砲刀剣類所持等取締法違反の疑いで現行犯逮捕したとのことです。
同署によりますと、28日未明、近所に住む女性から「包丁を持ってうろついている男がいる」と110番通報がありました。
警察がすぐ現場にかけつけたところ、男は刃渡り17センチのステンレス製、柄の部分は木製の包丁を持って歩いており、その場で現行犯逮捕されました。
男は飲酒状態で、「たしかに包丁をもっていました」と、容疑を認めているということです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)

銃砲刀剣類所持等取締法とはどんな内容?

【銃砲刀剣類に該当するもの】

銃砲とは(第2条1項)
①拳銃、小銃、機関銃、猟銃その他火薬を使用して金属性弾丸を発射する機能を有する銃又は砲
②空気銃(エアライフル)(圧縮した気体を使用して金属性弾丸を発射する機能を有する銃)
③電磁石銃(コイルガン)(電磁石の磁力により金属性弾丸を発射する機能を有する銃)
上記のものは、金属性弾丸の運動エネルギーの値が内閣府令で人の生命に危険を及ぼし得るものとして定める値以上となるものが該当します。
なお電磁石銃(コイルガン)の所持は法改正により2025年3月1日以降、禁止されています。

刀剣類とは(第2条2項)
①刃渡り15センチメートル以上の刀、やり及びなぎなた、
②刃渡り5.5センチメートル以上の剣、あいくち並びに45度以上に自動的に開刃する装置を有する飛出しナイフ
※刃渡り5.5センチメートル以下のナイフであれば一部除外されるものがあります。

上記の銃砲や刀剣類、クロスボウは法律で定められた者や許可を受けた者でなければ所持ができません。

【包丁、はさみ、カッターナイフなどの所持は?】

また刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物の携帯も禁止されていますが、刃体の長さが8センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない、とも規定されています。(第22条)
違反して刃物を携帯していた場合の罰則は2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金になります(第31条の18第2項2号)。

例えば包丁を家庭用として購入した、調理師が仕事用の包丁を運んでいた、はさみ・カッターナイフを文房具としての使用目的で購入し所持していた、アウトドアキャンプでサバイバルナイフを所持していたなどは正当な理由により、処罰の対象にはならないでしょう。
銃刀法違反に該当しなかったとしても、正当な理由なく刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者は軽犯罪法(第1条2項)に該当し、拘留又は科料に処せられる可能性があります。

銃刀法違反で逮捕されてしまったら

今回の事例では刃渡り17センチの包丁を所持し、外を歩いているところを現行犯逮捕されています。
逮捕後は48時間以内に警察から検察に送致されるか決定します。
送致された場合、24時間以内に検察がそのまま身柄拘束が必要と判断した場合、裁判所に勾留請求をします。
裁判所は逃亡のおそれがないか、証拠隠滅のおそれがないかを判断するため、本人に勾留質問をし、引続き勾留が必要かを判断します。

勾留は10日間(場合によっては延長もあり)とされています。
勾留されることにより、職場や学業を休まざるを得なくなり、生活に影響がでる可能性がでてくるでしょう。
そのため早期の身柄解放不起訴や罰金など減刑を望むのであれば弁護士による弁護活動がとても大事になります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、多くの刑事事件を取り扱ってきた実績があります。

被害者と示談したいなどとお考えの方はフリーダイヤル:0120-631―881までお気軽にお問合せください。
24時間365日受付中です。
家族が逮捕・身柄拘束された場合などに向けた、初回接見(有料)も承っております、
初回接見後はご依頼人に丁寧に状況を報告・説明いたします。

【お客様の声】余罪が複数ある電車内の盗撮事件で公判請求を阻止した事例

2025-08-08

【お客様の声】余罪が複数ある電車内の盗撮事件で公判請求を阻止した事例

■事件概要■

ご依頼者様(30代 会社員)が電車内で盗撮を行った事件。
本事案では、ご依頼者様のスマートフォンには上記盗撮事件以外にも余罪の盗撮データが複数あり、余罪も含めて送致されました。

■結果■

略式起訴による罰金刑

■事件経過と弁護活動■

ご依頼者様は京都府迷惑行為等防止条例違反の疑いで現行犯逮捕されました。
翌日釈放されたご依頼者様は弊所の無料法律相談を利用されました。

ご契約後、弁護士は検察官を通じて本事案の被害者様に連絡を取り、示談交渉を行いました。
被害者様はご依頼者様が起こした盗撮事件のトラウマなどで苦しんでおり、ご依頼者様に対して厳しい処罰感情を抱いておられました。
弁護士は被害者様と交渉を重ね、今後ご依頼者様が被害者様に接触しないこと、盗撮データを破棄し流出させないことなどを条件に示談を締結しました。
また、示談書に「ご依頼者様を許し刑事処罰を求めない」といった内容の宥恕条項を記載することに応じていただくことができました。

事件概要にも記載した通り、ご依頼者様は本事案以外にも複数回盗撮を行っており余罪が多数ありました。
余罪の件では被害者様を特定することができず、示談を締結することが不可能であったため、公判請求をされてしまう可能性がありました。

弁護士は少しでもご依頼者様にとって良い結果を得られるように、検察官に意見書を提出し、ご依頼者様が本件の被害者様と宥恕付の示談を締結していること、再犯防止に家族が協力的でありご依頼者様も積極的に再犯防止に努めていること、盗撮データは全て破棄していることを訴えました。

弁護活動の結果、ご依頼者様は略式起訴による罰金刑になり、公判請求を阻止することができました。

京05-015
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