京都市南区でトイレの盗撮容疑で再逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都府警南署は7日、建造物侵入と京都府迷惑行為防止条例違反(盗撮)の疑いで、京都市南区の大学生の男(20)=当時(19)、住居侵入罪で起訴=を再逮捕した。
(9月7日 京都新聞 「飲食店の女子トイレに侵入し、女子高生を動画撮影 容疑で大学生の男を再逮捕」より引用)
再逮捕容疑は、8月12日午後6時20分ごろ、南区の飲食店の女子トイレに侵入し、個室の仕切りの上から、隣の個室の女子高校生(17)をスマートフォンで動画撮影した疑い。
(後略)
盗撮
刑法には盗撮に関する規定がなく、盗撮の禁止は軽犯罪法や各都道府県の迷惑行為防止条例で規定されています。
該当の盗撮行為が軽犯罪法違反となるのか各都道府県の迷惑防止条例違反となるのかは、その盗撮行為が行われた場所や状況によって異なります。
今回取り上げた事例では、京都府内の飲食店のトイレで盗撮をしているので、京都府迷惑行為等防止条例第3条第3項第1号違反にあたります。
今回の事例のように京都府内の飲食店のトイレで盗撮を行い有罪になった場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。(京都府迷惑行為等防止条例第10条第2項)
建造物侵入罪
刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居もしくは人の看守する邸宅、建造物もしくは艦船に侵入し、または要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金に処する。
刑法第130条では、今回の事例に登場する建造物侵入罪だけでなく、住居侵入罪や邸宅侵入罪なども同時に定めています。
条文に出てくる住居、邸宅、建造物の違いを簡単に説明すると、住居は人が生活をする場所、邸宅は住居以外の居住用の建物、住居と邸宅以外の建物が建造物になります。
また、住居は一時的な使用でもいいので、ホテルの部屋なども住居にあたります。
今回の事例の男性は、飲食店の女子トイレに盗撮目的で侵入していました。
飲食店として飼養されている建物は、人が生活する場所や居住用の建物ではなく建造物にあたりますので、今回の事例では建造物侵入罪が適用されたのでしょう。
また、先ほど触れたように、事例の男性が既に起訴されている住居侵入罪も、建造物侵入罪と同じく刑法第130条に規定されています。
住居侵入罪・建造物侵入罪で有罪になった場合の量刑は、どちらも3年以下の懲役もしくは10万円以下の罰金が科されることになります。
京都府迷惑行為等防止条例違反(トイレの盗撮)や建造物侵入罪は、それぞれ懲役刑も定められている犯罪です。
すなわち、有罪になれば懲役刑を科され刑務所に行くことも考えられるということです。
例えば、弁護士に示談交渉を依頼し、示談が締結出来れば執行猶予の獲得や刑罰の減軽の可能性も高まりますし、そうした活動が起訴前の段階からできていれば不起訴処分が獲得できる可能性もあります。
早い段階で弁護士をつけることで最終的な処分に有利にはたらくこともありますので、刑事事件で示談を考えている方や、盗撮事件・建造物侵入事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。