会社内におけるセクハラ行為の刑事事件化回避について①
セクハラ行為と成立する可能性のある犯罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
Aさんは、京都市下京区にある会社の社員として勤務しています。
勤務中に女性社員Vを気に入ったので、ことあるごとに不意にVさんの腰や尻を触るなどのセクハラ行為を行っていました。
ある日、Vさんの弁護士からAさんの自宅に内容証明郵便が届き、「上記セクハラ行為について慰謝料を支払ってほしい。告訴状を提出する用意もある」と記載されていました。
Aさんは、警察の捜査を受けるような事態は回避したいと考えています。
(事例は事実に基づくフィクションです。)
Aさんに成立する犯罪
近年では、ハラスメント行為を許容しない風潮がとても強くなっています。
Aさんの行ったセクハラ行為は、セクハラの中でも特に悪質な行為といえるでしょう。
以前は、セクハラ行為については軽く考えられ、被害者が泣き寝入りすることにより、表沙汰になることは稀だったかもしれません。
しかし、近年では深刻な問題として取り上げられることが多くなり、今後は以前のように許容されるというような考えは通用しないものと考えておいた方が良いと思われます。
迷惑行為防止条例違反
今回の事例では、Vさんの腰や臀部に触れる行為があるため、各都道府県が定める迷惑行為防止条例違反の罪が成立する可能性があります。
規制されている内容は自治体によって異なりますが、基本的にはどの都道府県も似たような規制になっています。
京都府ではこのように規定されています。
京都府迷惑行為等防止条例第3条1項
何人も、公共の場所又は公共の乗物にいる他人に対し、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 他人の身体の一部に触ること(着衣その他の身に着ける物(以下「着衣等」という。)の上から触ることを含む。)。
(以降省略)
京都府迷惑行為等防止条例第3条1項が規定しているように、公共の場所で他人に不安や嫌悪を覚えさせるような方法で、他人の身体の一部を触ることは禁止されています。
京都府迷惑行為等防止条例が規定する「公共の場所」とは、何人も、道路、公園、広場、駅、興行場その他の公衆が出入りすることができる場所のことを指します。(京都府迷惑行為等防止条例第2条1項)
今回の事例では、勤務中に腰や尻などを触ったとされていますので、おそらく事務所内での出来事だと思われます。
VさんはAさんに触られることで不安や嫌悪を覚えているでしょうから、当該行為を行った場所が「公共の場所」であると判断されれば、AさんがVさんの腰や尻を触る行為は京都府迷惑行為等防止条例違反が成立する可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、無料法律相談を行っています。
相手方から慰謝料を提示されていて示談でお困りの方、京都府迷惑行為等防止条例違反などの刑事事件でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
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