【事例紹介】教師が陸上選手を盗撮し、書類送検

女子駅伝の選手の下半身を執拗に盗撮したとして、京都府迷惑行為等防止条例違反の容疑で書類送検された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都市で今年1月に開催された全国都道府県対抗女子駅伝で選手の下半身を執拗(しつよう)に撮影したとして、京都府警人身安全対策課と北署は7日、府迷惑行為防止条例違反(卑わいな言動)の疑いで、京都市内の小学校教諭の男性(39)=京都市南区=を書類送検した。
(中略)
書類送検容疑は、1月15日午後0時15分~同50分ごろ、京都市北区西大路通の第1中継所付近で、女子駅伝に出場した複数の選手の下半身を執ように撮影した疑い。容疑を認めているという。
(中略)女子選手を隠し撮りしたとみられる画像が約2万8千点見つかったという

(3月7日 京都新聞 「小学校教諭が全国女子駅伝で「アスリート盗撮」 下半身を執拗に、容疑で書類送検」より引用)

盗撮

盗撮といえば、スカートなどの衣類で隠れている下着の撮影することを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
今回の事例では、女子駅伝の出場選手の下半身を執拗に撮影したとして、京都府迷惑行為等防止条例違反の容疑で容疑者が書類送検されています。

下着の盗撮を行った場合に京都府迷惑行為等防止条例違反になるのは当然ですが、今回のような事例の場合は京都府迷惑行為等防止条例違反にあたるのでしょうか。

結論から言うと、下半身などを執拗に撮影する行為は京都府迷惑行為等防止条例第3条1項9号が規定する卑わいな言動にあたる可能性があり、卑わいな言動に該当する場合には京都府迷惑行為等防止条例違反が成立します。

実際に、都道府県の迷惑行為防止条例の卑わいな言動に関して判断を下した判例がありますので、ご紹介します。

被告人は東京都内にある店舗において、膝上丈のスカートをはいた女性に、スカートの裾と同程度の高さで下半身にカメラを向けました。
判決では、被告人の行為が公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(東京都の迷惑行為防止条例)第5条1項3号に規定する「人を著しく羞恥させ、人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」に該当すると判断されました。(最判令和4.12.5)

上記の判例では、下半身にカメラを向ける行為は、東京都の迷惑行為防止条例で規定している卑わいな言動にあたるとしています。
判例と今回の事例では事件内容が異なる部分もありますが、今回の事例の容疑者が下半身を執拗に盗撮していた行為が、京都府迷惑行為等防止条例第3条1項9号で規定する卑わいな言動にあたる可能性があります。

また、今回の件以外にも女子選手を盗撮したとみられる画像が2万8千点見つかったとされていますので、もしかすると、常習的に盗撮を行っていたと判断される場合もあるかもしれません。

執拗に下半身を盗撮し、卑わいな言動に該当して京都府迷惑行為等防止条例違反で有罪になった場合には、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。(京都府迷惑行為等防止条例第10条1項)
加えて、常習的に行っていたと判断された場合には、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。(京都府迷惑行為等防止条例第10条3項)

京都府迷惑行為防止条例卑わいな言動にあたるとして、京都府迷惑行為等防止条例違反で有罪になると懲役刑を科される可能性があり、決して科される刑罰が軽い犯罪であるとはいえません。
また、今回の事例の容疑者は小学校教諭ですので、処分次第では教員免許が失効してしまう可能性もあります。

示談と不起訴処分

盗撮事件の場合は、示談を締結することで不起訴処分を獲得できる可能性があります。
不起訴処分とは、検察官が起訴をしないと判断した際に出される処分のことです。
不起訴処分になった場合には、起訴されることはありませんので、罰金刑や懲役刑は科されませんし、前科が付くこともありません。
ですので、不起訴処分になれば、教員免許などの国家資格をはく奪されるおそれがなくなります。

盗撮などの性犯罪に関連した事件では、加害者と直接、示談のやり取りを行いたくないと思われる方が多くいらっしゃいます。
そういった場合には、示談の締結はおろか連絡すら取れないまま終わってしまう可能性があります。
ですが、弁護士を介して連絡を取ることで、示談を締結できる可能性があります。
また、一度示談を断られていた場合であっても、弁護士が代理人として示談交渉を行うことで、示談を締結できる場合があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部盗撮事件に精通した法律事務所です。
盗撮事件示談交渉でお悩みの方、不起訴処分の獲得を目指している方は、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、無料法律相談を行っています。
無料法律相談のご予約は0120ー631ー881までお気軽にお電話ください。

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