盗撮と児童ポルノ事件

2019-01-22

盗撮と児童ポルノ事件

京都府福知山市に住んでいるAさんは、近所にある市民プールに行った際、女子更衣室に忍び込んでカメラを仕掛け、更衣室を利用した女性客を盗撮しました。
しかし、女性客らが盗撮用カメラに気づいたことから、京都府福知山警察署盗撮事件として捜査を開始し、ほどなくしてAさんは、京都府迷惑行為防止条例違反盗撮)と、児童ポルノ禁止法違反の容疑で逮捕されることになりました。
Aさんは、盗撮をした自分が児童ポルノ禁止法違反まで犯していると疑われていることに驚き、家族の依頼で接見に訪れた弁護士に詳しく聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・盗撮行為で該当しうる犯罪

今回のAさんのような盗撮行為は、実は様々な犯罪に該当する可能性のある行為です。
代表的なものでいえば、各都道府県のいわゆる迷惑防止条例違反が挙げられます。
各都道府県で規定されている迷惑防止条例は、盗撮や痴漢といった行為を禁止しており、京都府も例外ではありません。
京都府では、電車や駅構内などのいわゆる「公共の場所」での盗撮行為の他、公衆トイレや公衆が利用できる更衣室など、「通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」での盗撮行為も迷惑防止条例で禁止しています。

次に挙げられるのが、建造物侵入罪です。
建造物侵入罪は、文字通り建造物に「侵入」することで成立する犯罪ですが、「侵入」とは、管理者の意思に反する立ち入りであると言われています(諸説あります。)。
どこかの建物やその内部の部屋に入る際、その人物が盗撮目的であるなら、管理者は立ち入りを許可しないでしょう。
そのため、盗撮目的の立ち入りは建造物侵入罪に該当すると判断されることがあります。

そして、その他にも盗撮行為によって成立しうる犯罪があります。
それが軽犯罪法違反です。
軽犯罪法では、いわゆる「のぞき見」を禁止しているのですが、盗撮することはこの「のぞき見」と同視されており、上記の迷惑防止条例違反や建造物侵入罪に当たらない盗撮行為は、軽犯罪法違反として検挙される事例が多く見られます。

このうち、今回のAさんは、市民プールの更衣室という公衆の利用する場所で通常人が着衣を身に着けない状態でいるような場所を盗撮していたことから、京都府迷惑行為防止条例違反となる可能性が高いと言えるでしょう。
しかし、Aさんはこれに加えて児童ポルノ禁止法違反という犯罪の容疑をかけられています。
それはいったいなぜなのでしょうか。

・盗撮と児童ポルノ

実は、先ほど挙げた3つの犯罪の他にも、盗撮した対象、つまり被害者がどういった人か、ということによって、児童ポルノ禁止法違反という犯罪が成立する可能性があります。
いわゆる児童ポルノ禁止法では、児童ポルノを製造することが禁止されています。
児童ポルノとは、18歳未満の児童の裸などの画像や動画、そのデータ等を指します。
つまり、盗撮した対象の中、被害者の中に18歳未満の児童がいた場合、その盗撮した写真が児童ポルノとなり、盗撮行為によって児童ポルノを製造したということになり、児童ポルノ禁止法違反が成立する可能性があるのです。
今回のようにプールの更衣室など、どの年齢層の人も利用する可能性があり、かつ裸になる可能性のある場所での盗撮事件では、被害者の中に児童が含まれている可能性が出てきます。
また、学生を狙った盗撮事件でも、被害者が18歳未満の児童である可能性があります。

こうした盗撮による児童ポルノ禁止法違反事件では、成人に対する盗撮事件とは異なる事情があります。
それが示談交渉です。
通常、示談交渉は被害者本人やその代理人弁護士と行うことが多いですが、児童ポルノ禁止法違反事件等の被害者が未成年の事件については、示談交渉の相手が被害者本人ではなく、その両親となることが多いです。
自分の子どもが盗撮の被害に遭ったとなれば、お怒りになるのは当然のことです。
しかしそれゆえに、当事者同士で示談交渉した際に感情的になってしまったり、そもそも示談交渉の席についてもらえなかったり、ということも予想されます。
こうした場合には、専門家であり第三者である弁護士を間に挟むことによって、お互いにとって適切な示談の締結に向けた交渉をしてもらうことが有効です。
もちろん、弁護士が入ったから必ず解決するというわけではありませんが、弁護士が入ることによってお話を聞いていただけるようになるケースが多いこともまた事実です。
「とりあえず」でも結構ですので、その後の対応やアドバイスを含めて弁護士に相談してみることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、盗撮事件児童ポルノ禁止法違反事件のお取り扱いもございます。
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