【事例紹介】野球賭博による賭博開帳図利罪で逮捕

野球賭博をしたとして、賭博開帳図利罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

プロ野球の公式戦の勝敗などを対象に野球賭博をしたとして、京都府警宇治署は26日、賭博開帳図利の疑いで、京都市伏見区深草(中略)会社員、(中略)と同市左京区高野(中略)の会社員、(中略)の両容疑者を逮捕した。(中略)容疑者は「身に覚えがない」などと供述し容疑を否認、(中略)容疑者は認めているという。
逮捕容疑は昨年8月、プロ野球の公式戦や第104回全国高校野球選手権大会の試合の勝敗を客の会社経営者の男(45)=京都府宇治市=に予想させ、計7180万円を賭けさせたとしている。
(後略)

(9月27日 産経新聞 THE SANKEI NEWS 「「野球賭博」で客に7千万円賭けさせる、容疑の男2人を逮捕」より引用)

野球賭博

刑法第185条では、「賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。」と規定されており、日本では賭博が禁止されていることがうかがえます。

今回の事例では、野球賭博が問題になっているようですが、野球賭博も禁止されているのでしょうか。

賭博とは、偶然に決まる勝ち負けに対してお金などの財物を賭け、利益を得させたり、賭けた財物を失わせたりすることで、賭けによる損得を争わせる行為をいいます。
野球賭博は、野球の試合の勝敗にお金などをかけて、賭けの結果で得た利益について損得を争わせます。
野球の試合の勝敗は偶然に決まりますので、野球賭博は刑法で規定する賭博にあたると考えられます。

賭博開帳図利罪

では、今回の事例の逮捕容疑である賭博開帳図利罪とはどのような犯罪なのでしょうか。

刑法第186条2項
賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

賭博開帳図利罪は、簡単に説明すると、利益を得る目的で、賭博の主催者となって賭博をさせる場所を提供した際に成立する犯罪です。

野球の試合の勝敗で賭け事を行う野球賭博は刑法で禁止する賭博にあたります。
ですので、容疑者らが野球賭博の主催者となり、野球賭博を行う場を設けたのであれば、賭博開帳図利罪が成立するかもしれません。

賭博開帳図利罪は罰金刑の規定がありません。
ですので、起訴され裁判で有罪になると執行猶予付き判決を得ない限り、刑務所に行くことになってしまいます。

賭博開帳図利罪では、執行猶予付き判決を獲得できる可能性があります。
弁護士が悪質性が高くないことや反省していることなどから執行猶予付き判決が妥当だと裁判官に訴えることで、執行猶予付き判決を獲得できる場合があります。
執行猶予付き判決を得るためには、有利になる証拠を集めることが重要になります。
有利な証拠を集めるためにも、裁判の準備に時間を要しますので、賭博開帳図利罪で捜査を受けている方は、早めに弁護士に相談をすることが望ましいです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件を中心に扱う法律事務所です。
初回接見サービス無料法律相談を行っていますので、賭博開帳図利罪などの刑事事件でお困りの際は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービス無料法律相談のご予約は、0120―631―881までご連絡ください。

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