商品の袋を破って器物損壊事件

2020-11-19

商品の袋を破って器物損壊事件

商品の袋を破って器物損壊事件になった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、「X」という漫画作品のグッズを入手しようと京都府京丹後市にある量販店に行きました。
しかし、Aさんの購入しようとしていた「X」のグッズは、中身がランダムに入っているタイプのグッズであり、Aさんがほしいキャラクターのグッズかどうかは購入して開封してみないと分からないようになっていました。
Aさんは、「欲しいのは特定のキャラクターのグッズだけなのだから確認してから購入したい」と考え、商品の袋をこっそり破って中身を確認し、自分の欲しいキャラクターのものだけを購入しました。
後日、商品の袋が破れていることに量販店の店員が発見して京都府京丹後警察署に通報し、被害届を提出しました。
防犯カメラの映像などからAさんの犯行であることが発覚し、Aさんは器物損壊罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんが逮捕されたことを知ったAさんの家族は、今後の手続やAさんの処遇を心配し、刑事事件を取り扱っている弁護士に相談してみることにしました。
(※令和2年11月16日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・器物損壊罪とは

器物損壊罪は、刑法の以下の条文に定められている犯罪です。

刑法第261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
※注:「前三条」とは、刑法第258条の公用文書等毀棄罪、刑法第259条の私用文書等毀棄罪、刑法第建造物等損壊及び同致死傷罪のことを指します。

器物損壊罪は「他人の物」を「損壊」した場合に成立する犯罪ですが、単純に「物を壊したら器物損壊罪になる」と認識している方も多いのではないでしょうか。
概ねその認識は間違っていませんが、器物損壊罪の成立要件を詳しく確認しておきましょう。

器物損壊罪の対象となっているのは、刑法第258条の公用文書等毀棄罪、刑法第259条の私用文書等毀棄罪、刑法第建造物等損壊及び同致死傷罪の対象となっているもの以外の他人の物です。
例えば今回のAさんの事例にあるお店の商品は、公文書でも私用文書でも建造物でもありませんから、器物損壊罪のいう「他人の物」となります。

そして、器物損壊罪の「損壊」とは、ただ物理的に破壊することだけを指しているわけではありません。
この「損壊」という言葉には、その物の効用を害する行為、すなわちその物としての価値を落とす行為やその物して使えなくなる行為が広く含まれるとされています。
例えばお皿を割ってしまえばそのお皿は使えなくなるわけですから、当然器物損壊罪の「損壊」に当たります。
対して、お皿に放尿したような場合は、お皿自体は壊れていません。
しかし、誰かに放尿されたお皿を使おうという人はいないでしょうから、お皿としての効用を害しているということになり、こうした場合にも器物損壊罪の「損壊」になりうるということになるのです。

今回のAさんの事例では、Aさんはお店の売り物である商品の袋を破いています。
商品の袋を破いてしまえば、その商品はもう売り物にならないわけですから、その物の効用を害する行為=器物損壊罪の「損壊」行為に当たると考えられるのです。
そのため、今回のAさんの行為は器物損壊罪に当たると考えられるのです。

・器物損壊事件の弁護活動

器物損壊罪は、刑法第264条で親告罪と定められています。
親告罪とは、被害者などの告訴権者の告訴がなければ起訴できない犯罪です。
告訴とは、犯罪被害の申告と合わせて犯人の処罰を求める意思を示すことです。
対して、被害届(の提出)とは、犯罪被害に遭ったことを申告するだけのことを指します。
器物損壊罪は親告罪であるため、起訴するには告訴が必要となりますが、捜査をするだけであれば告訴は不要です。
ですから、器物損壊事件では、今回のAさんの事例のように被害届が出た時点で捜査が開始されるというケースも多いのです。

こうした場合、まずは被害を受けた人や店舗と示談交渉を行い、示談締結を目指す弁護活動が効果的です。
というのも、先ほど触れたように器物損壊罪は起訴に告訴が必要な親告罪ですから、示談によって告訴の取下げや告訴を出さないことを約束してもらうことができれば、起訴されることもなくなるのです。
ただし、起訴を防ぐのであれば起訴される前に迅速に示談交渉に取り組み示談締結を目指すことが必要となりますから、器物損壊事件の被疑者として逮捕されてしまったら、すぐに弁護士に相談・依頼することが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、器物損壊事件を含む刑事事件のご相談・ご依頼を受け付けています。
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