下着泥棒・住居侵入事件で逮捕

2020-04-02

下着泥棒・住居侵入事件で逮捕

下着泥棒住居侵入事件逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、女性Vさんの自宅である京都市山科区にあるアパートの一室のベランダに侵入し、ベランダに干されていたVさんの下着を盗もうと考えました。
しかし、いざAさんがベランダに侵入し下着を手に取り、立ち去ろうとした時点で、通行人に見つかってしまいました。
Aさんの姿を見た通行人が「泥棒!」と声を上げたため、Aさんは急いでその場から逃走しました。
通報を受けた京都府山科警察署が捜査を開始した結果、Aさんの犯行が発覚。
Aさんは下着泥棒事件の被疑者として逮捕され、京都府山科警察署に連行されました。
(事例はフィクションです。)

~下着泥棒事件と住居侵入罪~

さて、今回のAさんは下着泥棒事件の犯人として逮捕されていますが、どのような犯罪の容疑で逮捕されたのでしょうか。
まず今回のAさんに成立が考えられるのは、住居侵入罪です。

刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する

・住居侵入罪の「住居」

住居侵入罪の「住居」には、人の起臥寝食に使用される場所であるとされています。
人の気が浸食に使用される「住居」というと、継続的に人が生活の拠点としている一軒家やマンションの一室が思い浮かばれやすいですが、日常生活に使用されるのは一時的であってもよいので、ホテルや旅館の一室も宿泊者の「住居」とされています。

・住居侵入罪の「侵入」

住居侵入罪の「侵入」の意味は、管理権者(住居における住民など)の意思に反する立入りであると解されています。
このことから、住居侵入罪の保護法益は住居などに誰を立ち入らせるかの自由(住居権)であるとされています。
つまり、その「住居」を管理している人の同意のない立ち入りは、住居侵入罪の「侵入」行為になりうるということです。
ですから、例えば、友人の自宅に招かれていたような場合でも、立ち入りを許されていない部屋にまで勝手に入ってしまえば、それは家=「住居」の管理者の意思に反する立ち入りであることから、住居侵入罪のいう「侵入」行為になりうるということなのです。

そして、管理権者が予め立ち入り拒否の意思を積極的に明示しておらず、行為者の立ち入りにも外見上不審な点が見られない場合であっても、住居侵入罪の「侵入」と判断される可能性があります。
住居侵入罪の「侵入」に当たるか否かは、当該住居の性質、使用目的、管理状況、管理者の態度、立ち入りの目的などを勘案して、合理的に判断されることになります。
判例は、一般的に立ち入りが許容されている場所への立ち入りについても、目的が違法である場合には広く住居侵入罪の成立を認めています。

今回のAさんは、下着泥棒目的でVさんの住むマンションの一室のベランダに立ち入っています。
ベランダは確かに室外ではありますが、ベランダと外部を仕切る柵や壁があることや、マンションの一室の一部と考えられるだろうことを考慮すれば、住居侵入罪の「住居」と判断される可能性も十分あるといえるでしょう。
そして、当然部屋に住んでいるVさんからすれば、下着泥棒をしようという人の立ち入りを許可することはないと考えられますから、住居侵入罪の「侵入」行為にも当たりそうです。
こうしたことから、Aさんには住居侵入罪が考えられるのです。

~住居侵入罪と他の犯罪の関係~

住居侵入事件では、別の犯罪行為の前提として住居侵入罪に該当する行為を行うケースも多くあります。

住居等内にある財物を盗むこと=窃盗罪に当たる行為を目的としているケースを例に挙げます。
具体的には、本件のように下着泥棒をするためにベランダへ侵入する行為や、詐欺グループの出し子が騙し取ったキャッシュカードを用いて現金を引き出そうと無人ATMコーナーへ立ち入る行為などが挙げられます。
双方とも窃盗罪(刑法第235条)の手段として、住居侵入罪を犯していることになります。
この場合、住居侵入罪は牽連犯(刑法第54条第1項)として扱われます。

刑法第54条1項
1個の行為が2個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の犯罪に触れるときは、その最も重い刑により処断する。

窃盗罪の刑罰は住居等侵入罪よりも重い(10年以下の懲役又は50万円以下の罰金)ので、窃盗罪の刑で処断されるのみになります。

特に本件のような窃盗目的の住居侵入行為が認められる場合、逮捕などの身柄拘束を受ける可能性があります。
逮捕の場合最大72時間、逮捕後勾留までされた場合には前述の72時間に加えて最大20日間拘束されることになります。
本件のように現行犯としてその場で逮捕されなかったとしても、警察が目撃者や周囲の監視カメラからの情報によって、後日逮捕されるケースもあります。
警察が家に来ていないから大丈夫と安心せず、まずは弁護士に相談されることをおすすめします。
警察の捜査が開始されていない段階で弁護士に動いてもらうことで、被害者の方との和解交渉もスムーズに行うことができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、弁護士による無料相談のご予約を24時間体制で受け付けております。
刑事事件を起こしてしまったがどうしたらいいのか分からない、まずはこのようなご質問からでも構いませんので、お電話をお待ちしております。