殺人未遂の少年事件(京都市西京区)
京都市西京区のアパートに住むAさん(18歳)は,その西京区のアパートに住むVさんの出す生活音がうるさく,眠れないほどでした。
我慢の限界に達したAさんは,Vさんの部屋のインターホンを押し,出てきたVさんの腹部を包丁で刺しました。
Vさんはすぐに部屋に逃げ込み,京都府西京警察署に通報しました。
Vさんは救急車で搬送され,一命を取り留めましたが,Aさんは,臨場した京都府西京警察署の警察官に殺人未遂罪の容疑で緊急逮捕されました。
(フィクションです。)
~殺人未遂罪~
人を殺した者には,殺人罪(刑法199条)が成立し,死刑または無期もしくは5年以上の懲役が科せられます。
未遂の場合(刑法203条)であれば,減刑されることもあり得ます(刑法43条本文)。
未遂犯として処罰されるためには,犯罪の実行に着手したことが必要です。
実行の着手があったと認められるのは,既遂犯の結果を生じさせうる危険性を有する行為を行った時点です。
今回の事例では,結果的にVさんは助かっていますから,Aさんは,殺人罪のいう「人を殺す」ということを成し遂げてはいません。
しかし,Aさんは,Vさんの腹部を刃物で刺しており,その行為にはVさんが死亡してしまう危険性は十分あると考えられます。
そして,Aさんも当然,人の腹部を刃物で刺すことの危険性は承知していたと考えられますから,Aさんには殺人未遂罪が成立すると考えられるのです。
殺人未遂罪は,最高刑が死刑である重大な犯罪です。
成人の場合,殺人未遂罪で逮捕され,刑事事件化して刑事裁判になった場合,裁判員裁判となります。
これだけ重大な犯罪ですから,刑事事件化して刑事裁判になった場合,適切な情状弁護をしなければ,初犯であっても,未遂減刑されず執行猶予が付かない可能性もあります。
今回のAさんは18歳であるため,通常であれば少年事件の手続きにのっとって処分が決定され,起訴されて刑事裁判を受けるということはありません。
しかし,少年事件であっても,家庭裁判所で「刑事処分が相当である」と判断されれば,成人と同様,起訴されて刑事裁判を受ける可能性が出てきます。
こうした場合には,いわゆる「逆送」という手続きにより,少年事件は検察官のもとへ再度送致され,起訴されるか否かを決定され,起訴されれば刑事裁判を受けることになるのです。
殺人事件が少年法の「原則逆送事件」と呼ばれる対象事件に入っていることから,殺人未遂事件でも逆送される可能性は十分にあります。
そうなれば,少年事件への対応だけでなく,刑事事件や裁判員裁判にも対応できる弁護士のフルサポートが求められることになるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,逆送の可能性のある少年事件のご相談・ご依頼も承っております。
刑事事件も多く取り扱っている弁護士だからこそ,逆送された後の刑事手続きや刑事裁判についても丁寧に対応が可能です。
京都府・滋賀県の少年事件にお困りの方,殺人未遂事件の弁護活動についてお悩みの方は,一度弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士までご相談ください。
(京都府西京警察署までの初回接見費用:36,800円)