オヤジ狩りで恐喝罪②

オヤジ狩りで恐喝罪②

~前回からの流れ~
17歳のAさんは、学校の同級生や先輩たちのグループ数人と一緒になって、夜ごと京都市西京区の路上でいわゆるオヤジ狩りをし、被害者から金品を巻き上げていました。
オヤジ狩りの被害が多発したことを受けて、京都府西京警察署は警戒を強化し、その結果、Aさんらは恐喝罪の容疑で逮捕されるに至りました。
Aさんの両親は、これをきっかけにAさんに更生してほしいと思ったものの、そもそもAさんがこの後どういった流れでどのような処分を受けることになるのか、全く分かりません。
さらに、まずはとにかくAさんと話をしたいと警察署に行ったものの、警察からは「逮捕されてすぐは会えません」と言われてしまいました。
困り果てたAさんの両親は、京都滋賀少年事件を多く取り扱っている弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

Aさんは、オヤジ狩りをしたことで恐喝罪の容疑をかけられ、京都府西京警察署に逮捕されています。
このような場合に弁護士に依頼した時、どういった活動が考えられるのでしょうか。
今回は少年事件が家庭裁判所に送られる前、少年が被疑者として扱われる捜査段階での活動に注目します。

・捜査段階での弁護活動

Aさんのような20歳未満の者が起こした少年事件であっても、逮捕や勾留といった身体拘束を伴う捜査が行われることはあります。
逮捕に引き続く勾留については、成人の刑事事件に比べて厳格な要件のもと勾留をするかしないかが決定されますが、それでも逮捕され、それに引き続いて勾留されてしまうケースも多いです。
被疑者といっても20歳未満の少年ですから、慣れない場所に1人で取調べに対応しなければいけない上、家族とも友人とも満足に会えずに過ごすということは、少年の身体的・精神的負担となることは想像にたやすいでしょう。
もちろん、学校に通っていたり働いていたりする場合には、それも欠席・欠勤しなければなりませんから、そうした負担も大きいです。
ですから、逮捕・勾留の回避、逮捕・勾留からの釈放を目指しての活動が考えられます。

逮捕・勾留は、簡潔に言えば証拠隠滅や逃亡のリスクがある場合に認められます。
ですから、逃亡や証拠隠滅をする可能性のないことを主張することで釈放を求めていくことが考えられるのですが、そのためには逃亡や証拠隠滅のおそれのない環境を作ったり、懸念される事情をフォローしていったりしなければなりません。
そうした主張は、刑事事件について専門的な知識のある弁護士だからこそ的確に行うことができます。

また、オヤジ狩りによる恐喝事件の場合、オヤジ狩りの被害者が存在します。
その被害者への謝罪や弁償も、捜査段階から取り掛かることによって、少年本人の内省を深める時間をじっくり取ることもできますし、被害者にも迅速な対応を行うことができます。
早い段階で示談が成立すれば、逮捕・勾留からの釈放への大きな助けにもなります。

このほか、捜査段階で弁護士が行う活動として重要なものの1つとして、取調べ対応へのアドバイスも挙げられます。
少年事件では、成人の刑事事件のように刑事裁判を受けたり刑罰を受けたりといったことは原則的にありません。
しかし、取調べにおいて供述した内容は、後に家庭裁判所に送致されて処分が下される際の重要な証拠となりますから、軽視できるものではありません。
被疑事実を否認している場合はもちろん、非行を認めている場合であっても、自分の意図しない供述とならないように注意しなければなりません。
ですが、どこにどういった注意をすべきなのか、自分は取調べに際してどんな権利を持っているのかという点は、成人であっても把握しきれていないことが多いです。
特に少年事件の場合、まだ成長途中の少年だからこそ、捜査官の誘導に乗ってしまったり、上手く自分の主張を伝えられなかったりということも見られます。
だからこそ、専門家である弁護士が少年へのフォローを行うことが望ましいと言えるでしょう。

このように、少年事件でも捜査段階から弁護士のできる活動は多くあります。
捜査段階から弁護士に依頼することで、家庭裁判所へ事件が送致された後に向けた準備も時間をかけて進めていけるというメリットもあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件に迅速に対応できるよう、お問い合わせ用フリーダイヤルは24時間いつでもご利用いただけます(0120-631-881)。
専門スタッフがご案内いたしますので、まずはお気軽にお電話ください。

次回はAさんが家庭裁判所に送致された後の付添人活動について取り上げます。

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