お屠蘇を飲んで飲酒運転①

2020-01-03

お屠蘇を飲んで飲酒運転①

お屠蘇を飲んで飲酒運転をしてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都府木津川市に住んでいるAさんは、元旦にあった親戚の集まりでお屠蘇を飲みました。
Aさんはその集まりに車で来ていたのですが、Aさんは酒に弱かったため、お屠蘇も少ししか飲んでいませんでした。
Aさんは、「お屠蘇を少し飲んだだけだし大丈夫だろう」と考え、親戚の集まりから家に帰る際にも乗ってきた自動車を自分で運転して帰りました。
しかしその道中、飲酒運転のための交通検問をしていた京都府木津警察署の警察官から車の停止を求められ、検査を求められました。
これに応じたAさんでしたが、呼気検査ではアルコール数値は基準値を下回っていたものの、まっすぐ歩けずよれつが回らないなどの状態であったため、飲酒運転をした容疑で京都府木津警察署で話を聞かれることとなってしまいました。
(※この事例はフィクションです。)

・飲酒運転とアルコール値

今回の事例のAさんは、呼気検査のアルコール値が基準値を下回ったにも関わらず、飲酒運転をした容疑で京都府木津警察署で話を聞かれることとなっています。
「アルコール値が基準値を下回っていれば飲酒運転にはならないのではないか」と不思議に思った方もいるかもしれません。
実は一般に言われている「飲酒運転」は、法律上2つの種類に分けられ、そのために今回のAさんのようなケースが起こりうるのです。

そもそも、道路交通法では以下のように飲酒運転が禁止されています。

道路交通法65条
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

この条文からすれば、たとえ1滴でも酒を飲んでしまえば飲酒運転となり、道路交通法に違反することになります。
しかし、実際に処罰される飲酒運転は、道路交通法の以下の規定にあるものとなります。

道路交通法117条の2
次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
1号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの

道路交通法117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
3号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの

このうち、先にあげた道路交通法117条の2の1号に該当する飲酒運転を「酒酔い運転」、道路交通法117条の2の2の3号に該当する飲酒運転を「酒気帯び運転」と呼びます。
酒気帯び運転の条文にある「身体に政令で定める程度」が呼気検査などで確認されるアルコール値の基準値ということになります。
これは道路交通法施行令に詳しい数値が定められています。

道路交通法施行令44条の3
法第117条の2の2第3号の政令で定める身体に保有するアルコールの程度は、血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラムとする。
※注:「法」とは道路交通法を指します。

この基準値を超えたアルコール値で運転した場合には、「酒気帯び運転」として飲酒運転となり、道交法違反として処罰されることになるのです。

さて、この「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」について、先ほど挙げた2つの条文をもう一度確認してみましょう。
酒気帯び運転」については今確認したようなアルコール値の基準値を超えるアルコール値が検出された場合に該当するものであると分かります。
対して、「酒酔い運転」については、条文内で特にアルコールの数値については触れられておらず、あくまで「その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)」としか定められていません。
つまり、「酒気帯び運転」が数値が引っかかれば飲酒運転として処罰されるのに対し、「酒酔い運転」はアルコール値に関係なく、「その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)」と認められるかどうかによって「酒酔い運転」の飲酒運転となるかどうかが判断されることになるのです。
そのため、Aさんのように酒に弱いような人の場合には、「酒気帯び運転」になるアルコール値に満たない程度の飲酒運転であっても、「酒酔い運転」と認められるケースが出てくるのです。
酒酔い運転」となるかどうかは、千鳥足になっていたりろれつがはっきりしなかったりといった部分を警察官が見て判断されるようです。

今回のAさんのように、少しの飲酒だから大丈夫といった考えで飲酒運転してしまうと、刑事事件として検挙され、被疑者として捜査されることにもなりかねません。
そもそも、飲酒運転によって事故を起こしてしまう可能性もあります。
飲酒運転は絶対にやめましょう。
それでも飲酒運転をしてしまった、刑事事件に発展してしまったという場合には、すぐに弁護士に相談し、飲酒運転事件への対応や再犯防止に取り組んでいきましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、飲酒運転の絡む刑事事件にも対応しています。
お正月でも通常通り無料法律相談初回接見サービスのお問い合わせも受け付けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。