飲酒運転と人身事故…それぞれ成立する犯罪は?

2022-01-16

飲酒運転と人身事故…それぞれ成立する犯罪は?

飲酒運転人身事故でそれぞれ成立する犯罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市右京区に住むAさんは、昨年成人となった20歳です。
Aさんは、京都市右京区内で行われた成人式に参加し、同級生たちと顔を合わせた後、近くの飲食店で成人式後の同窓会を行いました。
その場でAさんは成人を祝って飲酒していたのですが、その後帰路につくために、乗って来た自動車にそのまま乗り込むと、飲酒運転をしました。
しかし、道中でAさんが通行人Vさんと接触する人身事故を起こしてしまったことから、京都府右京警察署の警察官が駆け付けました。
そこでAさんは、人身事故を起こしたことによる過失運転致傷罪と、飲酒運転をしたことによる道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、成人式後になかなか帰宅しないAさんを心配して京都府右京警察署に問い合わせたところ、どうやらAさんが逮捕されているらしいことを知りました。
驚いた家族は、ひとまず状況を把握したいと、Aさんのもとへ接見に行ってくれる弁護士を探し始めました。
(※令和4年1月11日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)

・飲酒運転をして人身事故を起こしたら

今回の事例のAさんは、飲酒運転をして人身事故を起こしています。
今回の事例のAさんのように、飲酒運転をして人身事故を起こした場合には、道路交通法違反と過失運転致傷罪という2つの犯罪が成立することが多いです。

それぞれの犯罪について確認してみましょう。

・飲酒運転で成立する犯罪

飲酒運転は、道路交通法に定められている犯罪行為で、酔いの程度によって「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」に分けられ、どちらとなるかによって刑罰の重さが異なります。

道路交通法第65条第1項
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

道路交通法第117条の2
次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第1号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの
(※注:いわゆる「酒酔い運転」)

道路交通法第117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第3号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの
(※注:いわゆる「酒気帯び運転」)

いわゆる「酒気帯び運転」とは、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上の状態で運転する飲酒運転のことで、道路交通法第65条第1項、道路交通法第117条の2の2第3号に該当します。
対して、「酒酔い運転」は、千鳥足になっていたりろれつが回っていなかったりといった、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状況で運転する飲酒運転を指し、道路交通法第65条第1項、道路交通法第117条の2第1号に該当する飲酒運転です。

今回の事例のAさんは、飲酒運転の末人身事故を起こしていますから、当然飲酒運転の部分については道路交通法違反となるのです。
「酒気帯び運転」「酒酔い運転」のどちらになるのかは、Aさんがどれほど酒に酔っていたかという部分によって異なることになります。

・人身事故で成立する犯罪

そして、人身事故部分については、多くの場合、自動車運転処罰法で定められている過失運転致傷罪が成立することになります。

自動車運転処罰法第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

この過失運転致傷罪は、一般的な人身事故で多くの場合成立する犯罪です。
例えば、わき見運転や標識の見落としなどによって人身事故を起こし、相手に怪我をさせてしまったというケースでは、過失運転致傷罪に問われるということが多いです。

単に飲酒運転人身事故を起こしたという場合には、ここまで見てきた飲酒運転による道路交通法違反と、人身事故を起こした過失運転致傷罪という2つの犯罪が成立することが多いです。
しかし、飲酒運転の態様と人身事故後の態様によっては、今回取り上げた飲酒運転による道路交通法違反、人身事故を起こした過失運転致傷罪という犯罪ではない犯罪が成立する可能性もあります。
こちらについては、次回の記事で詳しく取り上げます。

どういった犯罪が成立するにせよ、人身事故を起こして突然逮捕されてしまったという状況では、逮捕されてしまった本人はもちろん、ご家族も状況や見通しを把握できないでしょう。
だからこそ、まずは専門家である弁護士を頼ってみることをおすすめいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、逮捕されてしまった方向けの初回接見サービスをご用意しています。
飲酒運転人身事故、またはそれら両方の容疑で逮捕されてしまったことでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。