京都市下京区のバイトテロ事件
京都市下京区のコンビニ店でアルバイトをしていた大学生Aは,勤務中の深夜2時ごろ,商品のおでんを口に入れ,これを吐き出して容器に戻す様子を友人と撮影し,SNSにアップロードした。
後日,この動画をみた人物からの通報により事件が発覚し,Aは京都府下京警察署にて取り調べを受けることとなった。
Aはその日は帰宅を許されたが,後日複数回呼び出しをすると警察官から告げられ,今後自分がどのようになっていくのか不安を感じるようになった。
そこでAは,京都の刑事事件に強い弁護士の無料法律相談を受け,今後の手続きや対応について詳しい話を聞いてみることにした。
(ニュース記事を基に作成したフィクションです。)
最近では,いわゆる「バイトテロ」と呼ばれる行為が話題となり,バイトテロについての報道がなされることも多いです。
バイトテロとは,和製英語であり,アルバイト従業員等が働いている店において悪ふざけ等をしている様子をSNS等で拡散することでいわゆる「炎上」状態となることを指しますが,炎上状態となることでその店や企業のイメージダウンとなってしまったり,賠償等の損害を負わせてしまったりすることからアルバイトによるテロ行為=「バイトテロ」と呼ばれているようです。
このバイトテロですが,犯罪となって刑事事件となることはあるのでしょうか。
特に今回のAの行為に注目し,Aのバイトテロ行為がどういった犯罪になりうるのか考えてみましょう。
・業務妨害罪
上の事例でAに成立する犯罪として,偽計業務妨害罪の成立が考えられます。
偽計とは人の不知や錯誤を利用することを言います。
そして,この犯罪における「業務を妨害」とは,業務を妨害する結果となる恐れが生じれば足りるとされており,実際に業務が妨害されていなくとも偽計業務妨害罪は成立します。
Aの場合,商品を口に入れてこれを吐き出して容器に戻す行為により,店全体がこのような行為をしている,この店の商品は全てこういった扱いを受けている,等と人々が錯誤し,店は客が来なくなるなどのおそれがあるため,「業務を妨害した」に当たると考えられます。
なお,業務妨害罪の罰則は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
・傷害罪
また,客が健康被害を訴えた場合などで,Aの行為によって客が食中毒などを起こした場合は傷害罪の成立が考えられます。
「傷害」とは,人の生理的機能を害することを指します。
生理的機能を害するということには,出血を伴うような分かりやすい外傷だけでなく,何かの中毒になるような症状を引き起こすことも含まれます。
ですから,被害者が食中毒を起こしたり,お腹を下したりすれば生理的機能を害したといえるのです。
そして,他人が口に含んだものは衛生的ではないと考えられるでしょうし,それを食した客が体調を悪くしてしまうことも一般的には予想しうる事態です。
そうしたことが予想される中,Aはあえて口に含んだ食品をそのまま戻すという行為をしたと認められれば,傷害罪の故意も認められることになるでしょう。
なお,傷害罪の罰則は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
・刑事事件に強い弁護士に相談
昨今,バイトテロとよばれる事件がニュースなどでしばしば取り上げられ,社会問題化しています。
そのため,バイトテロをしてしまって警察で取調べを受けた方などは,こうした事件の動向に詳しい弁護士に相談し,解決を目指すことをお勧めいたします。
また,事件の内容によっては,示談交渉をすることで不起訴となり,前科が付かずに済むこともありますから,やはりまずは刑事事件に詳しい弁護士に相談することをお勧めいたします。
被害者との間で示談を成立させることで被害感情のおさまりを主張することができれば,不起訴となり,前科が付かなくて済む場合があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が初回法律相談を無料でおこなっております。
無料法律相談のご予約は0120-631-881にて24時間受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。