京都のメイド喫茶で風営法違反に?②

2019-03-03

京都のメイド喫茶で風営法違反に?②

~前回からの流れ~
Aさんは、京都府向日市内でメイド喫茶を経営していました。
Aさんの経営するメイド喫茶では、メイドに扮した従業員が、飲食する客の隣につきっきりで付添い、一緒に飲食や談笑し、サービス内容によっては、食べ物を口元に運んでもらう、いわゆる「あ~ん」ができたり、メイドに扮した従業員とゲームをしたり、体を密着させて写真を撮ったりすることができました。
こうしたサービスからAさんの経営するメイド喫茶は人気店とされていたのですが、ある日、Aさんは京都府向日町警察署から、「この店は風営法上の風俗営業の許可を受けていない店なので接待行為はやめるように」と連絡を受けました。
Aさんは、「メイド喫茶なのだから、キャバクラ等の風俗営業とは別物だ。だから今のままで特に何も必要ないはずだ」と考え、許可を受けることはせず、そのままメイド喫茶の営業を続けました。
すると、後日京都府向日町警察署の警察官がAさんの店にやってきて、Aさんは風営法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
(※この事例はフィクションです。)

・風営法の「風俗営業」

前回の記事では、風営法では風俗営業を行うにあたって許可を必要としていること、それに違反すると風営法違反という犯罪になり、刑罰の対象になるということを取り上げました。
Aさんのメイド喫茶はこの「風俗営業」に当たるとされ、無許可営業であるとして風営法違反の容疑がかかっています。

風営法2条1項1号
1号 キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業

Aさんのメイド喫茶が該当しそうな「風俗営業」の規定は、この風営法2条1項1号ですが、この条文で重要な点は、「客の接待をして」という部分です。
この接待行為の有無によって、風営法上の「風俗営業」になるかどうかが判断されることになります。
警視庁から出された通達(平成30年1月30日付)によれば、風営法にいう「接待」とは、「歓楽的な雰囲気をかもしだして客をもてなすこと」を指すとされています。
これについては、「営業者、従業者等との会話やサービス等慰安や歓楽を期待して来店する客に対して、その気持ちに応えるため営業者側の積極的な行為として相手を特定して3の各号に掲げるような興趣を添える会話やサービス等を行うこと」であり、「特定の客又は客のグループに対して単なる飲食行為に通常伴う役務の提供を超える程度の会話やサービス行為等を行うこと」であるとされています。
そして、警視庁の通達では、以下のような行為基準で風営法のいう「接待」があったかどうかを判断する、とされています。

①談笑・お酌等
「特定少数の客の近くにはべり、継続して、談笑の相手となったり、酒等の飲食物を提供したりする行為は接待に当たる。」

②ショー等

③歌唱等

④ダンス等

⑤遊戯等
「特定少数の客と共に、遊戯、ゲーム、競技等を行う行為は、接待に当たる。」

⑥その他
「客と身体を密着させたり、手を握る等客の身体に接触する行為は、接待に当たる。
(中略)
また、客の口許まで飲食物を差出し、客に飲食させる行為も接待に当たる。」

・メイド喫茶と「風俗営業」

では、Aさんの経営していたメイド喫茶について上記「接待」を含む「風俗営業」に当たるのかどうかを検討してみましょう。
Aさんのメイド喫茶では、メイドに扮した従業員が、客につきっきりで飲食を共にしたり、談笑したりしています。
これは風営法の「接待」があったかどうか判断する基準として挙げた①に該当しそうです。
さらに、Aさんのメイド喫茶では、メイドと一緒にゲームをしたり、体を密着させて写真を撮ったりいわゆる「あーん」をしてもらったりできたのですから、上記⑤・⑥にも該当しそうです。
これらの「接待」をして客に飲食をさせていたのですから、Aさんのメイド喫茶風営法にいう「風俗営業」に該当する可能性があり、さらにその営業を許可なく行っていたため、風営法違反となる可能性があるのです。

通常のメイド喫茶では、特定の客の横に座りつきっきりで談笑の相手となったりすることは珍しく、風営法上の許可を取らなければいけないケースは少ないでしょう。
しかし、Aさんのメイド喫茶のように、サービス内容によっては風営法に抵触してしまう可能性もあります。
警察等から指導が入り、そこですぐにサービス内容を変更すれば刑事事件とならずに終了する場合もあるようですが、Aさんのように逮捕に至ってしまうケースも考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、風営法違反事件で逮捕されてしまった方のご相談も受け付けています。
一見関係のなさそうに見える営業であっても、実は風営法の「風俗営業」であり、無許可営業をしてしまっていた、というケースも存在します。
刑事事件となってしまえば、一般の方だけで判断をしたり見通しを立てたりすることは難しいですから、遠慮なく弁護士のサポートを受けるようにしましょう。
お問い合わせは0120-631-881でいつでも受け付けておりますので、まずはお電話ください。
京都府向日町警察署までの初回接見費用:3万7,200円)