好意を抱いた部下の家に忍び込み、お風呂場にカメラを仕込んで、下着を盗んだ事例②

下着泥棒、盗撮事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
人事部で働くAさんは同じ会社に勤務しているVさんに好意を抱いていました。
Vさんの下着がほしいと思ったAさんは、人事部に配属されている立場を利用し、Vさんの住所を手に入れました。
翌日、Aさんは会社を休み、Vさんの勤務時間中にVさん宅に忍び込みました。
Aさんは、入浴姿を撮影するためVさんにバレないようにお風呂場にカメラを仕込み、タンスの中から、下着を数点盗みました。
1週間後、カメラの回収のため、再度、AさんはVさん宅に忍び込みました。
Aさんは、体調不良のため会社を休んでいたVさんに見つかって通報され、京都府城陽警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)
何罪が成立するの?
前回のコラムでは、住居侵入罪、窃盗罪が成立する可能性があると解説しました。
では、お風呂場にカメラを仕掛けているのは何罪が成立するのでしょうか。
盗撮
お風呂場にカメラを仕掛けて入浴中の姿を撮影する行為は、俗にいう、盗撮にあたると考えられます。
盗撮を行うと、基本的には性的姿態等撮影罪が成立することになります。
性的姿態等撮影罪は、性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下「性的姿態等撮影処罰法」)で規定されています。
性的姿態等撮影処罰法第2条1項
次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
1号 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ (省略)
(2号以下省略)
今回の事例では、AさんはVさんの入浴中の姿を撮影するためにお風呂場にカメラを仕掛けています。
Aさんは1週間後にカメラの回収のために再び忍び込んだようですから、仕掛けたカメラには1週間分のVさんの入浴中の姿が撮影されていると考えられます。
お風呂場では服などを全て脱いでいる状態でしょうから、カメラにはVさんの性的な部位が撮影されているでしょう。
AさんがVさんの入浴中の姿を撮影する正当な理由はありませんから、Aさんには性的姿態等撮影罪が成立する可能性があります。
また、カメラのバッテリーが持たなかったり、お風呂の蒸気などで破損し、撮影できていなかった場合もあるかもしれません。
性的姿態等撮影処罰法第2条2項では、「前項の罪の未遂は、罰する。」と規定していおり、盗撮しようとして撮影できなかった場合も罰せられることになります。
ですので、Aさんがカメラを仕掛けたが何らかの要因でVさんの性的姿態等を撮影できていなかった場合には、Aさんに性的姿態等撮影未遂罪が成立する可能性があるといえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
性的姿態等撮影罪や性的姿態等撮影未遂罪でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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