児童福祉法違反と売春防止法違反②

2019-04-15

児童福祉法違反と売春防止法違反②

~前回からの流れ~

京都府在住のAさんは、滋賀県大津市において、女性Bさん(16歳)が18歳未満と知っていながら、出会い系サイトを通じて男性Cさんに紹介し、ホテルで売春させました。
ホテルでの性行為を終えたBさんとCさんが2人で歩いていたところに、巡回中の滋賀県大津北警察署の警察官がやってきて、職務質問を行いました。
そこからBさんCさんの売春行為が発覚し、Aさんが売春の仲介をしていたことも明らかとなりました。
その結果、Aさんは滋賀県大津北警察署に、児童福祉法違反売春防止法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
(※平成31年4月3日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・売春防止法違反

前回の記事では、児童福祉法違反について触れましたが、Aさんのもう1つの逮捕容疑の売春防止法違反についても見ていきましょう。
売春防止法は、法律名の通り、売春を助長する行為等を処罰や売春をするおそれのある女子に対する補導処分や保護更生の措置を規定して、売春の防止を図るための法律です。
売春防止法では、売春を助長した者については処罰することを定めていますが、売春をした当人については処罰することは定めていません。
これは、売春防止法売春をするようになった人については福祉的な救済が必要であるという立場に立っていること、売春自体がいわゆる「被害者なき犯罪」であること等が理由であると考えられています。

では、今回のAさんは売春防止法のどの部分に違反する容疑をかけられているのでしょうか。
該当すると思われる部分の売春防止法の条文を確認してみましょう。

売春防止法6条1項
売春の周旋をした者は、2年以下の懲役又は5万円以下の罰金に処する。

「周旋」とは、売買や交渉等の際に当事者の間に立って仲を取り持つことをいいます。
売春する者と買春する者の仲立ちをすることで、売春の周旋を行ったとして売春防止法違反となるのです。

Aさんの事例を考えてみると、AさんはBさんに対して、出会い系サイトを通じて男性Cさんを売春相手として紹介しています。
つまり、AさんはBさん・Cさんにその売春相手を紹介し、2人を売春の開いてとして引き合わせた形となりますから、売春の仲立ちをしていると言えるでしょう。
ですから、Aさんは売春の周旋をしているとして売春防止法違反となることが考えられるのです。

なお、実際に売春を周旋するまではいかなくとも、売春を周旋する目的で人を売春の相手方となるように勧誘したり、売春の相手方となるように勧誘するために道路等の公共の場所で人につきまとったり、広告等によって売春の相手方となるように誘引したりするだけでも売春防止法違反となり、2年以下の懲役又は5万円以下の罰金に処せられることにも注意が必要です(売春防止法6条2項)。

売春防止法違反は、いわゆる「被害者なき犯罪」であり、分かりやすく損害を受けた被害者の方が存在するわけではないため、多くの売春防止法違反事件では、示談交渉を経て示談を締結することによって有利な事情を得ることは難しいと考えられます。
ですから、贖罪寄付を行う、取調べ対応を綿密に行う、再犯防止策を具体的に構築する等、一般の方の思い浮かびにくい弁護活動がより必要となってくる場面も出てきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こうした示談交渉による解決の難しい刑事事件のご相談・ご依頼も承っております。
京都府滋賀県売春防止法違反事件にお困りの際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門弁護士までご相談ください。
滋賀県大津北警察署までの初回接見費用:3万7,400円