児童福祉法違反と売春防止法違反①

2019-04-14

児童福祉法違反と売春防止法違反①

京都府在住のAさんは、滋賀県大津市において、女性Bさん(16歳)が18歳未満と知っていながら、出会い系サイトを通じて男性Cさんに紹介し、ホテルで売春させました。
ホテルでの性行為を終えたBさんとCさんが2人で歩いていたところに、巡回中の滋賀県大津北警察署の警察官がやってきて、職務質問を行いました。
そこからBさんCさんの売春行為が発覚し、Aさんが売春の仲介をしていたことも明らかとなりました。
その結果、Aさんは滋賀県大津北警察署に、児童福祉法違反売春防止法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
(※平成31年4月3日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・児童福祉法違反

今回のAさんは、児童福祉法違反売春防止法違反の容疑で逮捕されています。
まずはAさんの逮捕容疑の1つである児童福祉法違反について見てみましょう。
児童福祉法は、18歳未満の者を「児童」とし、児童の健全な育成や生活の保障等を達成するための手続きや規制を定めた法律です。
今回のAさんに該当するであろう児童福祉法の条文は以下のものです。

児童福祉法34条1項
何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
6号 児童に淫行をさせる行為

児童福祉法60条1項
第34条第1項第6号の規定に違反した者は、10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

児童福祉法の「淫行」とは、「児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交又はこれに準ずる性交類似行為」をいい、「児童を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような者を相手とする性交又はこれに準ずる性交類似行為」もこれに含まれるとされています(最決平28.6.21)。
「性交又はこれに準ずる性交類似行為」とされていることから、性交だけでなく、肛門性交や口腔性交等の性交類似行為も児童福祉法の「淫行」に該当します。
また、児童福祉法ではその「淫行」について性別の定めはないため、児童と同性の者が相手であったとしても「淫行」となります。

次に、児童福祉法の淫行を「させる行為」は、「直接たると間接たるとを問わず児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為」(最決昭40.4.30)であるとされていますが、その「させる行為」に当たるかどうかの判断は、「行為者と児童の関係、助長・促進行為の内容及び児童の意思決定に対する影響の程度、淫行の内容及び淫行に至る動機・経緯、児童の年齢、その他当該児童の置かれていた具体的状況を総合考慮して判断する」ことが相当とされています(最決平28.6.21)。
つまり、児童福祉法の条文には「させる行為」とあるため、児童が嫌がっているところを無理矢理させる行為だけが対象になるのではないかと思われるかもしれませんが、そういうわけでもないのです。

今回のAさんのケースを考えてみると、AさんはBさんが18歳未満の者=児童であると知っているにも関わらず、売春の仲介をしてBさんとCさんを引き合わせてBさんに売春させています。
売春でBさんは性交をしていることから、児童福祉法の「淫行」であると言えます。
AさんがBさんの売春を仲介する行為は、「直接たると間接たるとを問わず児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為」であると考えられますから、AさんとBさんの間の関係等の詳しい事情と照らして「させる行為」にあたるかどうかを判断されることになるでしょう。

児童福祉法違反は刑法上の犯罪と比べるとまだ一般に周知されていない犯罪でしょう。
ですから、たとえ自分や周りの方がが児童福祉法違反事件に細かな成立要件や見通しなどが分からないことも多いと思われます。
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