エステのクーリングオフに関わる特商法違反事件③

2020-01-25

エステのクーリングオフに関わる特商法違反事件③

エステクーリングオフに関わる特商法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、京都府八幡市で個人経営のエステ店を経営しています。
ある日、Aさんは、自身のエステに来店した客Vさんに対し、10万円で半年間エステに20回通える長期コースを勧めました。
その際、AさんはVさんに対し、あえてクーリングオフの説明をせず、案内をしていました。
その後、VさんはAさんに勧められたエステの長期コースを契約し、帰宅しました。
しかし、帰宅したVさんが家族にエステのことを話したところ、クーリングオフの話題となりました。
Vさんがクーリングオフの話をされていないことを話すと、Vさんの家族がおかしいと気づき、京都府八幡警察署に相談。
その結果、Aさんは特商法違反の容疑で京都府八幡警察署に話を聞かれることとなってしまいました。
(※この事例はフィクションです。)

・エステの長期コースとクーリングオフ

前回までの記事では、Aさんのエステの長期コースは特商法の対象となる「特定継続的役務提供に係る商取引」に当てはまることがわかりました。
では、この「特定継続的役務提供に係る商取引」のクーリングオフについて、特商法ではどのように定めているのでしょうか。
クーリングオフ自体を定めている特商法の条文は、以下のものです。

特商法48条1項

役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務提供等契約を締結した場合におけるその特定継続的役務提供受領者等は、第42条第2項又は第3項の書面を受領した日から起算して8日を経過したとき(特定継続的役務提供受領者等が、役務提供事業者若しくは販売業者が第44条第1項の規定に違反してこの項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は役務提供事業者若しくは販売業者が同条第3項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでにこの項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除を行わなかつた場合には、当該特定継続的役務提供受領者等が、当該役務提供事業者又は当該販売業者が主務省令で定めるところによりこの項の規定による当該特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して8日を経過したとき)を除き、書面によりその特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる。
(以下略)

この特商法48条1項は、今回のAさんのエステの長期コースの事例のような「特定継続的役務提供に係る商取引」にあたる特定商取引でクーリングオフが可能であることを定めています。
特商法48条2項から8項は、クーリングオフのさらに細かい決まりが定められています。
この特商法にあるクーリングオフの決まりを簡単にまとめると、エステの長期コースのような特商法上の「特定継続的役務提供に係る商取引」である契約については、特商法で定められている契約内容を明らかにする書面を受け取った時から8日間以内(事業者側がクーリングオフに関して不実告知をした場合等についてはクーリングオフにについて記載した書面を受け取ってから8日間以内)であれば、クーリングオフが可能ということになります。
つまり、Aさんのエステの長期コースの事例のように、クーリングオフについてあえてVさんに知らせなかったような場合には、たとえ契約から8日間が経っていたとしても、クーリングオフは可能となるのです。

クーリングオフというと何か物を買った時に利用する制度というイメージのある方もいるかもしれませんが、このように、エステの長期コースのようなサービスを受ける契約についてもクーリングオフが使えるケースがあるのです。
なお、クーリングオフの適用される契約等については、特商法だけでなく様々な法律に規定があります。
あらかじめどういった契約や販売方法にクーリングオフが適用できるのか調べておくとよいでしょう。

こうしたクーリングオフに関わる刑事事件についても、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では刑事事件専門の弁護士にご相談いただけます。
見ていただいて分かるように、クーリングオフについての規定は長く・細かく・難しいことも多いです。
そもそもその契約・販売方法等が該当するクーリングオフがどの法律によって定められているのか、それがどういった法律なのかがわからないという方もいるかもしれません。
自分や家族がクーリングオフに関わる刑事事件の被疑者となってしまったら、法律の専門家である弁護士に解説してもらうことをおすすめいたします。