【事例紹介】営利目的で略取し24日間監禁した事例

営利目的略取罪、監禁罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

資産を奪う目的で男性を24日間監禁したなどとして、京都府警組対2課と南署などは18日、営利目的略取と監禁の疑いで(中略)6人を、監禁容疑で2人をそれぞれ逮捕した。
6人の逮捕容疑は、共謀し(中略)資産を奪う目的で客の無職男性(32)=大阪市=を車で連れ去り、京都市南区や滋賀県米原市のゲストハウスなど3カ所で、「逃げると家族を殺す」などと脅して24日間監禁した疑い。2人は6月25日から6日間、南区で監禁に加わった疑い。府警は、全員の認否を明らかにしていない。
(中略)男性が南区のゲストハウスから逃げ出し、通行人に助けを求めて110番した。男性は監禁中に暗号資産や現金など計約1億円を奪われて手や肩にけがをしており、府警は強盗致傷容疑でも調べている。

(1月18日 京都新聞 「車で連れ去り、ゲストハウスなどに男性を24日間監禁 容疑で8人逮捕」より引用)

営利目的略取罪

刑法第225条
営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、1年以上10年以下の懲役に処する。

暴行や脅迫を用いて人を現在の生活状態から離脱させ、自分や第三者の支配下に移すことを略取といいます。
例えば、腕を引っ張るなどの暴行を加えたり、脅したりしてその場から連れ去ると、略取になります。
今回の事例で、もしも容疑者らが、被害者に暴行や脅迫を行って連れ去ったのであれば、容疑者らの行為は略取にあたることになります。

また、金銭等を得る目的で略取すると、営利目的略取罪が成立します。
事例の容疑者らが報道のとおり、被害者の資産を奪う目的で略取したのであれば、営利目的略取罪が成立することになります。

監禁罪

刑法第220条
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

一定の場所から脱出できないようにして移動の自由を奪うことを監禁といいます。
しかし、監禁罪は実際に脱出が不可能であることを要しません。
脱出するのに著しく困難な状態であれば、監禁罪は成立します。

例えば、車の中に連れ込み、車を走らせたとします。
走行している車内から逃げ出すことは不可能とはいえませんが、脱出する際にけがを負うリスクなどを考えると難しいでしょう。
ですので、無理矢理車に乗せて走行する行為は監禁罪にあたります。

今回の事例では被害者を車で連れ去ったとされているので、報道内容が事実であれば監禁罪が成立します。

加えて、脅迫などを行って心理的に脱出するのを難しくした場合にも監禁罪は成立します。
報道によると、被害者は容疑者らに「逃げると家族を殺す」などと脅迫し、ゲストハウスなどで24日間監禁したとされています。
「逃げると家族を殺す」と容疑者らに脅迫されれば、被害者は心理的に逃げ出すのは難しいかもしれません。実際に容疑者らが被害者を脅迫し24日間監禁していた場合、被害者が逃げ出すのが困難だと認められれば24日間の監禁について、監禁罪が成立する可能性があります。

報道によると、今回の事例では8人の容疑者が事件に関わっています。
共犯者がいる事件や否認事件の場合は、勾留が決定した場合に接見禁止が付くことがあります。
接見禁止が付いてしまうと家族であっても面会をすることはできません。
しかし、弁護士が裁判所に接見禁止の一部解除を求めることで、家族だけでも面会できるようになる可能性があります。

逮捕されて不安ななかで家族とも会えないとなると、相当なストレスになることが予想されます。
また、そのような状態であっても連日にわたって長時間の取調べが行われることがあります。
精神状態が悪いなか、取調べを受けることで、不利な供述調書が作成されるリスクが高くなります。
ですが、家族と面会をして心休まる時間を作ることにより、ストレスの軽減や不利な供述調書の作成のリスクを減らせるかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、数々の事件で接見禁止の一部解除に成功しています。
刑事事件に詳しい弁護士による弁護活動で、家族との面会を実現できるかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービスを行っています。
営利目的略取罪監禁罪、その他刑事事件で逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービスのご予約は0120―631―881で承っております。

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