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オンライン賭博容疑で男を逮捕②

2025-03-30

オンライン賭博容疑で男を逮捕②

賭博

オンライン賭博容疑で逮捕された刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務京都支部が解説いたします。

事例

京都府八幡警察署は昨年(2024年)9月にオンラインカジノ賭博をしたとして会社員の男(36)を逮捕いたしました。
同署によりますと逮捕された男は、昨年9月30日スマートフォンなどからインターネット上に開設されたオンラインカジノにアクセスし、賭博をしたとして単純賭博罪の疑いで逮捕されたということです。
調べに対し男は、「借金を返済するためだった」と供述し、容疑を認めているとのことです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)

私物が押収されたら

捜査機関はオンラインカジノのサイトから利用者を特定し、後日自宅に来て逮捕状とともに捜索差押許可状を呈示し、そのまま逮捕・証拠物となる私物が押収される場合もあります。
その場合オンラインカジノを行ったスマートフォンやパソコンは証拠品として警察に押収されることになります。
このように特に重要な証拠物として押収された物品は、基本、捜査が終了するまで返却されることほとんどないでしょう。
もし起訴されることがあれば裁判が終了するまでになります。

その理由の一つとして証拠物から新たな犯罪の証拠がでてくることがあり、捜査機関も慎重にデータを精査する必要があるからです。
(今回の事例でいえば単純賭博罪と思われたものが、過去に複数回賭博をしていた証拠が見つかり常習賭博罪に変更になる場合などがあります)
しかし、スマートフォンやパソコンなど生活上、欠かせない必需品のため早く還付してもらう方法はないのでしょうか。

押収物を返還してもらえる規定があります。
「留置の必要のない」押収品(将来的に証拠物となる可能性がなかったり、没収刑にならない場合)に関しては刑事訴訟法第123条には以下のように規定されております。
裁判所自らが押収した物について「留置の必要がないものは、被告事件の終結を待たないで、決定でこれを還付しなければならない。」(1項)
「押収物は、所有者、所持者、保管者又は差出人の請求により、決定で仮にこれを還付することができる。」(2項)
これは刑事訴訟法第222条でも準用されており、捜査機関が押収した場合もあてはまります。

また、捜査機関に対して押収に対する準抗告(裁判官の判断、検察官の処分について、裁判所に対し、その取消又は変更の不服申し立てをすること)ができる規定があります。(刑事訴訟法第430条)
必ず還付されるとは言い切れませんが、押収の還付方法については弁護士に相談するのがいいでしょう。

刑事弁護のご相談は

逮捕されるかもしれない、ご家族の方が逮捕された、起訴されるかもしれないなどお困りのことがございましたら、フリーダイヤル0120―631―881までお気軽にお問合せください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、24時間365日受付しております。
刑事事件に精通した弁護士がお力になります。

オンライン賭博容疑で男を逮捕①

2025-03-28

オンライン賭博容疑で男を逮捕①

賭博

オンライン賭博容疑で逮捕された刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務京都支部が解説いたします。

事例

京都府八幡警察署は昨年(2024年)9月にオンラインカジノ賭博をしたとして会社員の男(36)を逮捕いたしました。
同署によりますと逮捕された男は、昨年9月30日スマートフォンなどからインターネット上に開設されたオンラインカジノにアクセスし、賭博をしたとして単純賭博罪の疑いで逮捕されたということです。
調べに対し男は、「借金を返済するためだった」と供述し、容疑を認めているとのことです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)

賭博罪とは?

賭博罪とは「賭博した者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭かけたにとどまるときは、この限りでない。」(刑法第185条)と規定されております。
これは単純賭博罪と呼ばれております。

ちなみに「一時の娯楽に供する物」とは判例によると、「即時娯楽のために費消するような寡少なもの」であり、たとえば食事やタバコなどがあげられます。
なお少額であっても金銭をかける行為は賭博罪に該当します。

一方、常習的に行っていた場合は常習賭博罪として
「常習として賭博をした者は、3年以下の懲役に処する。」(刑法第186条1項)とあり、単純賭博罪よりも重い罰則が科せられております。

賭博と言えばパチンコ、競馬、競艇、宝くじなど、私たちの身近にも存在します。
では罪に問われる賭博とはどのようなものでしょうか。

賭博の構成要件は2人以上の者が偶然の勝敗により財物等の得喪を争い、財物や財産上の利益を争うこと、をいいます。
つまり2人以上の者が金品など財物をかけて、勝敗の予見がつかない賭け事やギャンブルをすることによって、勝者は相手の財物を利得し、敗者は自分の財物を失うというものです。
上記のパチンコなども該当しそうですが、これらは法律で規定されており、管轄する省庁の承認をえて運営されているため違法にはなりません。

オンラインカジノは違法?

近年多く見られるのが、オンラインカジノです。
オンラインカジノとはスマートフォンやパソコンを使いインターネット上で開かれている賭博場(カジノ)で、実際にあるカジノのようなゲームにオンライン上でお金をかけることを言います。
これも国内では違法賭博に該当しますので、賭博罪に該当いたします。
ゲーム感覚で手軽に参加できるため、罪を犯している認識が持ちにくいものですが、警視庁によりますとここ3年で、令和3年中127人、令和4年中59人、令和5年中107人検挙されており、オンラインカジノの実態調査と取締りの強化を行ってる、とのことです。

今回の事例では男がスマートフォンでインターネット上に開設されているオンラインカジノにアクセスし、賭博をしておりますので、単純賭博罪に該当するでしょう。
また複数回行っていた場合は、常習賭博罪にあたり、単純賭博罪より重い処罰が科せられる可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
現在、オンラインカジノで捜査を受けている方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

犯罪行為からの離脱について

2025-03-26

犯罪行為からの離脱について

財産犯

共同正犯について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都市左京区に住むAさんは金銭に困っていたため、友人Bさんに京都市左京区にあるVさん宅に強盗に押し入ろうと持ち掛けて一緒に強盗計画を練りました。
Bさんはその計画に賛成しましたが、計画当日、Aさんは急に体調が悪くなったので、Bさんに対して「この計画からは手を引かせてくれ。」と電話しました。
Bさんはそれを了承した後、一人でVさん宅に押し入り、Vさんを脅すことで現金を奪って逃亡しました。
このような場合、AさんとBさんにはそれぞれどのような罪が成立するのでしょうか。
(この話は事実を基にしたフィクションです。)

犯罪行為からの離脱

最初にBさんは強盗目的でVさん宅に押し入っているので、Bさんの行為には住居侵入罪が成立すると思われます。

刑法130条(住居侵入罪)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

次にBさんは、Vさんを脅して現金を奪っているため、強盗罪が成立すると考えられます。

刑法236条1項(強盗罪)
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。

Aさんは、Bさんと強盗計画を一緒に考えていたので、Aさんにも、住居侵入罪及び強盗罪共同正犯(刑法60条)が成立しないか問題となります。

共同正犯

共同正犯とは、刑法60条に記載されており、「二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。」とされています。

これを本件について見てみると、Aさんは侵入行為や強盗行為をしていないので「共同して犯罪を実行した」とはいえないようにも思われます。
ただ共同正犯は、互いに利用・補充し合って犯罪を実行する場合に成立するため
・自身の犯罪として行為を実行する意思
・共謀
・共謀に基づく実行行為
があれば共同正犯の成立が認められるのが一般的であると考えられています。

本件ではAさんは、自らBさんに強盗を提案しているところ、計画において重要な役割を果たしており「自身の犯罪として行為を実行する意思」を有していると考えられます。
そして、AさんとBさんは共に計画を練っているので「共謀」も認められると思われます。
その計画に基づいてBさんはVさん宅に侵入し強盗を行っているので、共謀に基づく実行行為も認められる可能性が高いです。
そのため、Aさんの行為には住居侵入罪及び強盗罪共同正犯が成立し得ると言えるでしょう。

しかし、Aさんは「この計画からは手を引かせてくれ。」とBさんに電話しているので、共同正犯から離脱したと考えることはできないのでしょうか。
離脱が認められた場合、Aさんはその後の罪については責任を負わないと考えられます。

これについて前述のように共同正犯は互いに利用・補充し合って犯罪を実行する場合に成立するので、そのような相互利用補充関係が解消された場合に共同正犯からの離脱が認められるのが一般的です。

Bさんは、Aさんが計画から抜けることを了承しているので、心理的な因果性は解消されていると思われますし、本件で武器などの提供は行われていないので、Aさんが計画に参加しないことで物理的な因果性は解消されていると考えられます。

ですが、強盗を誘ったのはAさんですし、Bさんと共に強盗の計画を練っていたわけですから、Aさんの存在によって犯罪の実現の可能性が高くなっており、Bさんが犯罪行為を実行するにあたってAさんは重大な役割を担ったといえるでしょう。
Bさんの犯行を止めることもなく、「この計画からは手を引かせてくれ。」と電話して了承を得ただけでは、共同正犯関係を解消したとは認めてもらえない可能性があります。
実際に、犯行の防止する措置を講じていないことを理由に共犯関係が解消していないと判断された裁判例や判例が存在します。
したがって、事例では、Bさんが犯罪行為を実行するにあたり多大な影響を与えているにもかかわらず、AさんはBさんの犯行を防止する措置を一切講じていないことから、共同正犯関係の解消が認められない可能性が高いと考えられます。

解消が認められない場合には、Aさんは正犯として扱われますから、Bさんと同様に住居侵入罪強盗罪の責任を問われることになります。

刑事弁護のご相談は

弁護士の専門知識と経験は、被疑者が最適な結果を得るために不可欠です。
特に、法律や手続きに詳しくない方にとって、弁護士のサポートは心強い味方となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件に精通した法律事務所です。
ご相談のお問い合わせについては、24時間365日受付中です。
京都府内で刑事事件でお困りの方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部までご相談ください。

貶める内容を記載したチラシを被害者宅周辺の50世帯に配布し、名誉棄損罪で捜査を受けることになった事例②

2025-02-14

貶める内容を記載したチラシを被害者宅周辺の50世帯に配布し、名誉棄損罪で捜査を受けることになった事例②

取調べを受ける男性

前回のコラムに引き続き、名誉棄損罪で捜査を受けることになった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

Aさんは、Vさんを貶めるような内容のチラシをVさん宅周辺の住居50世帯に配布し、同様のチラシをVさんが勤めている会社に送りました。
Vさんの務める会社はチラシに記載された内容を基に、Vさんに降格処分を下しました。
Vさんは突然会社から降格処分に付されたことでチラシの存在を知り、近隣の京都府城陽警察署に被害を相談しました。
翌月、京都府城陽警察署の捜査により、Aさんによる犯行だと発覚し、Aさんは名誉棄損罪の疑いで捜査を受けることになりました。
(事例はフィクションです。)

名誉棄損罪と親告罪

名誉棄損罪親告罪です。(刑法第232条1項)
ですので、告訴を取り下げてもらうことができれば、刑罰を科されたり、前科が付くことを回避することができます。

名誉棄損罪の法定刑は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金です。(刑法第230条1項)
名誉棄損罪には罰金刑が規定されていますから、初犯であれば、罰金刑で済む可能性があります。
ですが、懲役刑や禁錮刑を避けられたとしても刑罰を科される以上は前科が付いてしまいますので、罰金刑で済んだとしても前科が付くことに変わりありません。
前科が付いてしまうことで、現在の職を失ってしまうなど生活に悪影響を及ぼす可能性があります。

繰り返しになりますが、名誉棄損罪親告罪ですので、告訴を取り下げてもらえれば、刑罰を科されたり、前科が付くことはありません。

示談交渉

謝罪と賠償をしっかりと行い、示談を締結することで告訴を取り下げてもらえる可能性があります。

今回の事例では、Aさんの行為によってVさんは降格処分を受けていますので、Vさんの処罰感情は苛烈であることが予想されます。
そのような状況で加害者本人が直接連絡を取っても、話しを聞いてもらえないでしょうし、連絡を取ることすら拒絶されるおそれがあります。
また、新たにトラブルが発生してしまうかもしれません。
弁護士が間に入ることで、話しを聞いてもらえたり、トラブルを回避できる可能性がありますから、示談交渉は弁護士を介して行うことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都は、名誉棄損事件をはじめとする刑事事件の豊富な弁護経験をもつ法律事務所です。
弁護士に相談をすることで、前科が付くことを避けられる可能性がありますから、名誉棄損罪でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部ご相談ください。

公園で女子高校生に下半身を露出した男を公然わいせつ罪で逮捕

2025-02-09

公園で女子高校生に下半身を露出した男を公然わいせつ罪で逮捕

逮捕、連行される男性

公園で女子高校生に下半身露出をした男が逮捕された刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務京都支部が解説いたします。

事例

昨年10月京都府宮津市の公園で、女子高校生に下半身を露出したとして会社員の男(48)が今年1月6日に逮捕されました。
京都府宮津警察署によりますと男は昨年10月28日夕方過ぎ、京都府宮津市にある公園でベンチに座っていた女子高校生に見えるように下半身を露出した疑いが持たれています。
女子高校生から話を聞いた学校職員から通報を受け、防犯カメラなどから男を割り出したということです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)

公然わいせつ罪とは?

公然わいせつ罪とは刑法に「公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」(第174条)と規定されております。

保護法益は健全な性秩序または性的風俗としています。
何が健全な性秩序または性的風俗とするのかは、その時代・社会・文化によっても異なりますが、同一社会でも個々人によってもその差異があるため、基準は一般人・通常人を基準として決定されるとしています。

「公然」とは不特定または多数の人が認識することのできる状況をいいます。
風俗店のように密閉された室内で特定の相手にわいせつ行為を見せた場合であっても、客引きにより不特定多数が勧誘された結果であれば、公然性が満たされます。
また、インターネット上にて、不特定多数のインターネット利用者がリアルタイムでわいせつ行為を閲覧できるようにする行為も該当します。

「わいせつ」とは、性欲を興奮又は刺激せしめ、かつ一般人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものとされています。
態様によっては各都道府県が制定する迷惑防止条例違反も該当することがあります。
また、公然わいせつ罪に該当しない場合でも、公の場所で公衆に嫌悪感を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した場合は、軽犯罪法(同法第1条20項)に該当することになります。

今回の事例では不特定多数の人が通る公園にて、意図的に下半身(性器)を露出しています。
人が目撃する可能性のある場所で性器を露出する行為は、「性欲を興奮又は刺激」し、「一般人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」に該当する、つまり、わいせつ行為にあたると判断される可能性が非常に高いといえます。
ですので、事例の男性には公然わいせつ罪が成立するおそれがあると考えられます。

公然わいせつ罪で逮捕・勾留されてしまったら

公然わいせつ罪の場合、性器を露出しているところを通報され、駆け付けた警察官によってその場で現行犯逮捕される場合があります。
また犯行の時間・場所から犯行が終わって間もないと明らかに認められる者も現行犯逮捕の対象になります。
後日、目撃者情報や防犯カメラから犯人を割れだされ、突然自宅に逮捕状を手にした警察官が訪れ、逮捕理由を告げられ警察署に連行されることもあります。

公然わいせつ罪逮捕された場合、23日にも及ぶ身柄拘束をされる場合があります。
釈放されずに起訴されてしまうとそれ以上に身柄拘束期間が延びる可能性もあります。
そうなれば職場や学校を長期間休みことになり、退職や退学に追い込まれることもあります。

退職や退学を避けるため一日でも早く身柄拘束を解放してもらえるよう、弁護士を通じて検察官・裁判所に働きかけてもらうことが重要になります。
また今回の事例のように実質的に被害者がいる場合は示談の交渉が可能な事もあります。
もし示談が成立すれば、早期に釈放されたり、場合によっては不起訴の可能性もでてくるでしょう。

公然わいせつ罪などでご家族が逮捕された、早く釈放してほしい、初回接見(有料)に行ってほしい、警察の捜査、呼び出しを受けて困っている、被害者と示談したいなどとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部フリーダイヤル0120―631―881までお気軽にお問合せください。

16歳の少年における住居侵入及び窃盗事件

2025-02-05

16歳の少年における住居侵入及び窃盗事件

逮捕、連行される男性

今回は、15歳の男子中学生が友人と共謀し、住居侵入・窃盗事件を起こして逮捕されてしまった場合の手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事例

15歳のAくんは、友人ら数名とともに、京都市伏見区内の民家に侵入して現金等を窃取した後、家を出たところで職務質問を受けました。
Aくんが民家に侵入した上で、家の中にあった現金等を窃取したことが発覚したため、Aくんは住居侵入罪窃盗罪の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
Aくんらには他にも同種余罪が4件ほどあり、以前にもひったくり事件を起こして保護観察処分を受けたことがあります。
また、近頃は学校にも登校せず、毎日のように事件を起こした友人らと過ごしていたようです。
Aくんはどうなってしまうのでしょうか。
(事例はフィクションです)

少年保護事件

窃盗目的で他人の民家に侵入し、家の中にある物を盗み出した場合、
住居侵入罪(刑法第130条前段)
窃盗罪(刑法第235条)
が成立する可能性が高いでしょう。

しかし、Aくんは16歳であり、20歳未満の者が起こした事件は、少年保護事件として取り扱われることとなっています。
このためAくんは原則として刑罰を受けることはありません。
その代わり、家庭裁判所がAくんの非行事実の有無を確定し、非行事実が認められる場合には、Aくんに対して必要な保護処分を言い渡すことになります。

保護処分の類型(少年法第24条1項各号)として、
保護観察処分
児童自立支援施設又は児童養護施設送致
少年院送致
があります。

保護観察処分は、非行のある少年を保護観察所の保護観察に付し、在宅でその更生を目指すものです。
Aくんが以前にひったくり事件を起こした際に受けた保護処分がこれに該当します。

児童自立支援施設とは、不良行為をなし、又はなすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させ、又は保護者の下から通わせて、個々の児童の状況に応じて必要な指導を行い、その自立を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設をいいます。(児童福祉法第44条)

児童養護施設は、保護者のない児童、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設をいいます。(児童福祉法第41条)

児童自立支援施設送致児童養護施設送致は、どちらも18歳未満を対象としています。
そのため、18歳、19歳の特定少年は、児童自立支援施設送致児童養護施設送致になることはありません。

少年院は、少年院送致を言い渡された少年等を収容し、矯正教育その他の必要な処遇を行う施設をいいます。(少年院法第3条)

Aくんは、以前にもひったくり事件を起こして保護観察処分を言い渡されたにも関わらず、さらに今回の事件を起こしています。
この上、前回の事件から生活を改めず、学校を欠席してケースのような事件を起こす仲間と過ごしていることを考慮すると、保護者の監督体制を問題視されてしまい、再度の保護観察処分では更生できないと判断される可能性が非常に高いと考えられます。
一緒に事件を起こした仲間との関係を絶たせたり、Aくんの犯罪に対する意識を改めさせるためにも、少年院送致に付される可能性がかなり高いでしょう。

有利な事件解決について

少年院において改善更生を目指すことは、どうしても負担がかかります。
しかしながら、少年院に入って更生を遂げ、これからの生活の方途を改めて定めることも、決してAくんの不利にはならないと思われます。

肝心なのは、Aくんにとって最も有利に事件を解決することです。
どういった処分が適切かどうかは少年のおかれた事情によって異なってきます。
Aくんの将来を見据え、非行を繰り返さないようにさせるため、早期に弁護士を依頼し、最もAくんのためになるような事件解決を目指していくべきでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件・少年事件を主に取り扱っている法律事務所です。
お子様が住居侵入・窃盗事件を起こし、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部ご相談ください。

路上で12歳男児の陰部を弄び不同意わいせつ罪の疑いで逮捕③

2025-01-29

路上で12歳男児の陰部を弄び不同意わいせつ罪の疑いで逮捕③

児童虐待

今回は、自宅付近の路上で、10歳小学生男児の陰部を弄び、逮捕されてしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事例

京都市下京区に住むAさんは、自宅近くの路上において、10歳の小学生男児Vさんの陰部を弄ぶ行為をおこないました。
後日、Aさんの自宅に京都府下京警察署の警察官が現れ、逮捕状を見せられた後、不同意わいせつ罪の疑いで逮捕されてしまいました。
(事例はフィクションです。)

身体拘束の長期化を阻止

逮捕・勾留されると、捜査段階において、最長23日間もの間、身体拘束を受けることになります。
勾留されたまま起訴されると、自動的に起訴後勾留に移行し、保釈されなければ、さらに身体拘束が長期化することになります。
そのため、逮捕されてしまった場合においては、勾留がつかないように行動することが重要になります。

もっとも、Aさんは自宅近くの路上で事件を起こしているため、釈放後、Vさんと接触する可能性が十分あります。
この点は、Aさんの身柄解放を実現するにあたり不利な事情といえます。
この場合は、Vさんの生活圏から離れた場所に住む親族などがいれば、親族に身元引受人となってもらってAさんの生活の監督をお願いすることで、逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断してもらうための判断材料として有利にはたらく可能性があります。
弁護士がAさんの有利にはたらく事情を集め、検察官や裁判官に釈放を求めることで、勾留されずに釈放を認めてもらえる可能性があります。

Vさんと示談をする

刑事事件では被害者と示談をすることにより、
・Aさんになされる処分を軽くすることが期待できる(不起訴処分の獲得や、より軽い量刑による判決の獲得)
示談により、早期に釈放されることが期待できる
・民事訴訟(Vさんから慰謝料などを請求される)を提起されるのを回避することが期待できる
といったメリットがあります。

今回の事例のVさんは10歳であり未成年ですから、Vさんのご両親などの法定代理人と示談を締結することになります。
大切なわが子が被害に遭ったわけですから、厳しい処罰を望んでいる可能性が高く、示談交渉が難航することが予想されます。
加害者本人が連絡を取る場合には連絡を取ることすら拒絶されてしまう可能性が高いですが、弁護士を介して示談交渉を行うことで、話しだけでも聞いてもらえる可能性がありますから、示談交渉は弁護士を介して行うことが望ましいでしょう。

起訴されたら

今回のケースの事件は、10歳の児童を性の対象、つまり性的満足の手段としているわけですから、卑劣な事件として取り扱われる可能性が高く、示談をしても起訴される可能性があります。
起訴されてしまった場合は、公開の法廷で裁判を受けなければなりません。
Vさんに対して真摯に反省をし、2度と犯罪に手を染めないこと、Vさんに2度と関わらないことを誓っていることを裁判官にしっかりと伝える必要があります。

ただし、口頭で反省の弁を述べ、再犯防止を誓うことは簡単です。
肝心なのは、裁判官にその旨を納得してもらうことにあります。
カウンセリングに通うなど、再犯防止の取組みを実際に行い、その経過を裁判官に示すことが重要になります。
刑事事件に精通した弁護士による弁護活動で執行猶予付き判決を得られる可能性があります。
弁護士のサポートを受けながら、有利な事件解決を目指していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件・少年事件を主に取り扱う法律事務所です。
ご家族が不同意わいせつ事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部ご相談ください。

過去に罰金50万円を受けたことがある方が再び犯した万引き事件で公判請求を避けることができた事例

2024-11-13

過去に罰金50万円を受けたことがある方が再び犯した万引き事件で公判請求を避けることができた事例

■事件概要■

ご依頼者様の旦那様(40代 会社員)が本屋で起こした万引き事件

■結果■

略式命令による罰金刑

■事件経過と弁護活動■

旦那様は過去にも万引き事件を起こし、罰金50万円の刑事罰を受けたことがありました。
窃盗罪の法定刑は、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金(刑法第235条)であり、罰金刑の上限額であったため、公判を請求されることが予想されました。

旦那様の職場は旦那様が万引き事件を起こしたことを知っており、職場からは公判請求されたら教えてほしいと言われていました。
旦那様の職場は旦那様が公判請求されるかどうかを重要視していると考えられ、公判請求された場合には、解雇処分など何らかの処分が付されてしまう可能性がありました。
旦那様には子供もおり、何としても解雇されることを避けたい状況でした。

弁護士は検察官を通じて被害店舗と連絡を取り、賠償を受け取っていただけないか、交渉を行いました。
弁護士による交渉の結果、被害店舗に賠償金を受け取っていただくことができました。

弁護士は旦那様が公判請求をされないように、意見書を作成しました。
意見書では、被害店舗に賠償を行っていること、解雇のおそれがあることなどを主張し、略式命令による罰金刑を求めました。
弁護活動の結果、旦那様は略式命令による罰金刑になり、公判請求を避けることができました。

【お客様の声】再び起こした痴漢事件で略式命令による罰金刑を獲得した事例

2024-11-11

【お客様の声】再び起こした痴漢事件で略式命令による罰金刑を獲得した事例

■事件概要■

ご依頼者様の息子様(20代 学生)が電車内で痴漢したとして逮捕された痴漢事件

■結果■

勾留阻止
略式命令による罰金刑

■事件経過と弁護活動■

息子様は大学生であり、このまま勾留されてしまうと欠席により単位を落としてしまったり、無断欠席が続くことで大学に事件を起こしたことを知られてしまう可能性がありました。
そこで弁護士は息子様が勾留されることを避けるため、意見書を作成しました。
意見書では、息子様が勾留されることで大学に事件のことを知られてしまう可能性があることや単位を落としてしまう可能性があること、息子様が逃亡や証拠隠滅をしないようにご依頼者が責任をもって監督することを裁判官に訴え、勾留をしないように求めました。
検察官によって勾留の請求はなされましたが、弁護士の作成した意見書により、検察官が行った勾留請求は却下されました。
息子様は勾留されることなく釈放されたことにより、普段通り、大学に通うことができました。

息子様は以前にも痴漢事件を3件起こしており、本件は前回の事件の捜査中に起こした事件でした。
前回の痴漢事件は3件とも弁護士の弁護活動によって不起訴処分を獲得したのですが、本件は前回の痴漢事件の捜査中に行った犯行であり、常習性が高く悪質だと判断されて罰金刑で済まずに公判請求されることも十分予想されました。

公判請求され裁判になれば、裁判は公開の法廷で行われるため息子様が事件を起こしたことを息子様の周りの人に知られてしまう可能性がありますし、裁判が行われれば裁判が行われない場合に比べて事件が終わるまでの期間が長くなってしまいます。
そこで弁護士は略式命令による罰金刑で済むように、息子様が偶然にでも被害者様と出会うことのないように引っ越し、事件を起こした電車を今後利用しないことを誓っていること、再犯防止のため専門機関への通院を考えていることを検察官に訴え、略式命令による罰金刑を求めました。

弁護活動の結果、息子様は公開の法廷で裁かれることなく、略式命令による罰金刑になりました。

409052

【お客様の声】傷害罪で逮捕された事件で暴行罪の略式命令を勝ち取った事例

2024-11-08

【お客様の声】傷害罪で逮捕された事件で暴行罪の略式命令を勝ち取った事例

■事件概要■

ご依頼者様の息子様(30代 会社員)が奥様に暴行を加え、全治約2週間のけがを負わせたとして逮捕・勾留された傷害事件

■結果■

略式命令による罰金

■事件経過と弁護活動■

息子様は自分の暴行によって奥様がけがを負ったことは認めていたものの、一部の暴行について否認していました。
また、被害者は同居している奥様であり、証拠隠滅が容易であると判断される可能性が非常に高く、容疑を一部否認していることから、身柄開放活動は難航することが予想されました。

ご契約時はすでに勾留が決まっている状態でした。
勾留期間は10日なのですが、1度だけ延長することができ、最長で20日間にも及ぶことがあります。
勾留期間が長引くとその分、会社に事件のことが発覚する可能性が高くなり、解雇など何らかの処分に付されてしまう可能性が高くなります。
ですので、息子様は勾留を延長されることなく、釈放されることを望んでいました。

息子様が容疑を一部否認していたのは、記憶が判然としていないからでした。
奥様が暴行を受けたと言うのであれば、自分が暴行をしたのだろうと考えた息子様は、接見に訪れた弁護士に否認していた容疑を認めることを伝えました。

容疑を認めると聞いた弁護士は、すぐさま検察官に連絡をし、息子様が容疑を認めているので勾留延長の請求をしないでほしいと訴えるとともに、処分交渉を行いました。

弁護士の交渉の結果、息子様は勾留を延長されることなく釈放されることになりました。
また、息子様は、逮捕罪名である傷害罪ではなく、傷害罪よりも規定されている刑罰の軽い暴行罪略式命令による罰金刑を勝ち取ることができました。

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