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経理責任者が会社のお金を横領して高級車を購入していた事例
経理責任者が会社のお金を横領して高級車を購入していた事例
経理責任者が会社のお金を横領して高級車を購入していた事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します
事例解説
京都府下京警察署は、京都市内にあるIT企業の経理責任者の男(50)を、勤務先の現金を横領していた疑いで逮捕した。
男は、業務で銀行からお金を引き出すために払戻請求書に印鑑を押す際に、事前に手に入れていた白紙の払戻請求書にも捺印を行い、これを銀行窓口に持ち込んで現金を引き出し、私服をこやしていた疑いが持たれている。
男が高級車を複数台所有していること気づいた同僚が不審に思い、取締役に告げたことで調査が入り発覚した。
被害額は5000万ほどにのぼり、会社が被害届を出したため男は逮捕された。
(フィクションです)
業務上横領罪とは
刑法253条
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。
刑法は、横領罪として単純横領罪(刑法252条)、業務上横領罪(刑法253条)、占有離脱物横領罪(刑法254条)を規定しています。
単純横領罪とは、「自己の占有する他人の物を横領」する罪であり、
業務上横領罪とは、「『業務上』自己の占有する他人の物を横領」する罪です。
両罪は、横領した他人の物が『業務上』自己が占有する物であったかどうかで区別されます。
業務上横領罪の「業務」とは、金銭その他の財物を委託を受けて占有・保管することを内容とする職業もしくは職務をいうと解されています。
京都府下京警察署によると、本件では、逮捕された男は、会社の経理担当者として、会社のお金を管理する立場にあり、取引先等への支払業務などを行っていたようです。
したがって、男の職務は業務上横領罪における「業務」に該当し、業務上横領罪が成立する可能性があります。
ところで、男は「他人の物を占有」していたと言えるのでしょうか?
窃盗罪などにいう「占有」とは、物に対する事実上の支配を言いますが、横領罪における「占有」とは、物に対する事実上の支配だけでなく法律上の支配も含むと解釈しています(大判大正4年4月9日)。
法律上の支配とは、法律上自己が容易に他人のものを処分しうる状態のことを言います
本件について見てみると、男は経理責任者として、印鑑申請さえすれば銀行窓口で現金を引き出すのに使用する払戻請求書を使って会社のお金を引き出すことができたようですから、男は会社の現金という他人の物を占有していたと言えそうです。
仮に、これを勝手に引き出して私的に使用した場合には、業務上横領罪が成立する可能性があります。
そして、本罪の行為は、横領することです。
横領とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、他人の物に対し経済的用法に従って所有者でなければできないような処分をする行為です(最判24年3月8日)。
本件では、男は、会社のお金を引き出し、高級車などの購入するために使ったようです。
お金を使うことは、その所有者にしか許されない行為ですから、男のした行為は横領に当たる可能性があります。
以上から、本件では業務上横領罪が成立する可能性があります。
なるべく早く弁護士に相談を
横領罪は被害者のいる犯罪です。
本件では会社が被害届を提出したことで、事件化し男は逮捕されています。
実際、被害者が被害届を提出したことをきっかけに捜査機関の捜査が始まることが多いようです。
加害者と被害者は見ず知らずの他人ではなく、元々物を預けるというような関係性があることから、被害弁償がされれば被害届を出さない被害者もいらっしゃるようです。
したがって、きちんと謝罪と被害弁償をすれば被害届が提出されず、事件化を防げる可能性があります。
もっとも、どのような示談内容であれば妥当なのかは法律に詳しくない人にとってはわからないのではないでしょうか。
被害者が、裏切られた怒りから過度な条件を提示してくる可能性もあります。
そこで、示談交渉は、交渉のプロである弁護士に一任されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、横領事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分や罪の減軽、執行猶予付き判決を得ることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
商業施設で下着を盗撮し、性的姿態等撮影罪の容疑で捜査されることになった事例
商業施設で下着を盗撮し、性的姿態等撮影罪の容疑で捜査されることになった事例
商業施設で下着を盗撮したとして、性的姿態等撮影罪の容疑で捜査されることになった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
Aさんは京都府南丹市にある商業施設でVさんのスカート内にスマートフォンを差し入れ、下着を盗撮しました。
盗撮に気づいたVさんは京都府南丹警察署に通報し、Aさんは性的姿態等撮影罪の容疑で捜査を受けることになりました。
(事例はフィクションです。)
盗撮と法律
性的姿態等撮影罪は刑法ではなく、性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下、「性的姿態等撮影処罰法」といいます。)で規定されています。
性的姿態等撮影処罰法第2条
次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
1項1号 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
(以降省略)
性的姿態等撮影処罰法では、正当な理由なく、人の身に着けている下着を撮影する行為などを禁止しています。
事例のAさんはVさんのスカート内にスマートフォンを差し入れVさんの下着を盗撮したとされています。
Aさんが撮影した写真には現にVさんが身に着けている下着が写っているでしょうし、性的な部分を覆っている部分が撮影されていると思われます。
ですので、Aさんがスカート内にスマートフォンを差し入れ下着を盗撮する行為は、性的姿態等撮影罪が成立する可能性があると考えられます。
性的姿態等撮影罪と不起訴処分
性的姿態等撮影罪の法定刑は3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金です。
性的姿態等撮影罪では、有罪になると拘禁刑が科される可能性がありますから、決して科される罪の軽い犯罪だとはいえません。
罰金刑で済んだとしても、前科は付きますので、会社を解雇されたり、学校を退学になってしまうおそれや、将来に悪影響を及ぼす可能性があります。
性的姿態等撮影罪などの刑事事件では、被害者と示談を締結することで、不起訴処分を得られる場合があります。
不起訴処分を得ることができれば、刑罰は科されませんし、前科も付きません。
盗撮事件では、加害者に連絡先を知られたくないと思われる被害者も多く、加害者が直接示談交渉を行う場合には連絡先すら教えてもらえない場合があります。
弁護士であれば連絡先を教えてもらえる場合がありますから、示談交渉を行う際は弁護士に任せることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、無料法律相談を行っています。
弁護士による示談交渉や検察官への処分交渉などの弁護活動で不起訴処分を獲得できる可能性があります。
盗撮事件でお困りの方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
高級ブランドショップで服を盗んだ疑いで女を逮捕
高級ブランドショップで服を盗んだ疑いで女を逮捕
高級ブランドショップで服を盗んだ疑いで女が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
事案
京都府山科警察署は、京都市内の百貨店に店を構える高級ブランドショップVで洋服を盗んだとして、会社員の女性Aを逮捕した。
Aは、ショップVで洋服を3点試着したいと申し出て、試着後に2点のみ返却し、残りの1点を鞄の中に入れて持ち帰ろうとした疑いが持たれている。
取調べに対し、Aは「買うお金はなかったが、試着だけでもしてみたいと思ってしてみたら、どうしても欲しくなった。1つだけなら無くなってもバレないだろうと思って盗んでしまった。」と容疑を認めている。
(フィクションです)
窃盗罪
刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
窃取とは、他人の占有する財物を、その占有者の意思に反して自己または第三者の占有に移転することを言います。
ここで、占有とは物を自分の支配ないし管理の下に置いていることを言います。
窃盗罪が成立するためには、まずブランドショップであるVが、Aがカバンに入れた洋服を占有していたと言える必要があります。
占有が認められるためには、客観的要件としての財物に対する事実的支配(客観的支配)と、主観的要件として財物に対する支配意思が必要です。
本件では、Aは、ブランドショップVの店内にある洋服を試着室に持ち込んでから自分のカバンに入れたようです。
Vは店内にある商品に対する客観的支配を有していると言えますから、本件洋服に対してもVは強い客観的支配を有していたと言えそうです。
加えて、Vは、店内に置いてある商品に対して、自店舗のものだという強い支配意思を有しているでしょう。
したがって、Vは、本件洋服を占有していたと言えそうです。
そして、Aは、本件洋服を代金を支払わずに持ち出そうとしたようです。
当然のことながら、Vは商品代金を支払わずに商品を持ち出すことを許してはいないでしょうから、Aは、占有者であるブランドショップの意思に反して自己の占有に移転したと言えそうです。
したがって、本件では窃盗罪が成立する可能性があります。
犯行時のAの認識
窃盗罪は故意犯、すなわち自らの行為が犯罪であることをわかった上で行うと成立する犯罪です。
窃盗罪の場合、故意の内容は、他人の財物を窃取することを認識・認容していたことです。
取調べによれば、Aはブランドショップの商品を試着しているうちに欲しくたまらなくなり、自分の物にしようとして、あえて代金を支払うことなくカバンに入れて持ち出そうとしたようです。
したがって、Aには窃盗罪の故意が認められそうですから、やはり本件では窃盗罪が成立する可能性があります。
なるべく早く相談を
窃盗罪のように被害者のいる犯罪では、示談を成立させることができるかどうかが重要となります。
仮に早い段階で示談が成立した場合には、不起訴処分を得られる可能性がありますし、起訴されたとしても裁判官による量刑の判断の段階で、示談が成立していることが刑の減軽につながる可能性もあります。
もっとも、加害者自ら示談交渉を行うことは得策ではありません。
ブランドショップVは、大切な商品をカバンの中に入れて代金を支払わずに持ち出そうとしたAに対して、強い処罰感情を有していることが考えられます。
Aが謝罪したいと言っても聞く耳を持ってもらえないかもしれません。
そこで、示談交渉は弁護士に一任されることをおすすめします。
加害者からの直接の連絡を取り合ってくれない被害者であっても、弁護士相手であれば示談交渉に応じてくれることは少なくありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、窃盗罪を含む豊富な刑事弁護の経験を持つ法律事務所です。
逮捕前であれば、弊所にて初回無料で弁護士に相談していただけます。
逮捕後の場合には、弁護士を留置場まで派遣する初回接見サービスがございます。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回無料法律相談、初回接見サービスをご希望の方は、0120-631-881までお電話ください。
PC購入代金を水増し請求させて勤務先会社に損害を与えた男を逮捕
PC購入代金を水増し請求させて勤務先会社に損害を与えた男を逮捕
PC購入代金を水増し請求させて勤務先会社に損害を与えた男が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事件概要
京都府下鴨警察署は、京都市左京区に住むシステム開発会社Vに勤務する会社員の男性Aを逮捕した。
Aは、勤務先のシステム開発会社VのCTOとして、PC等の備品の購入を会社から一任されていた。
Aは、現在使用しているPCが、OSのサポートを今年いっぱいで受けられなくなる古い機種であったため、PCの製造販売を行っている友人の会社CからPCを購入することにした。
その際に、Aは、友人であるC社代表取締役と相談し、本来10台で150万円ほどのところを100万円水増し請求させることにした。
購入したPCの経費処理をしていた経理担当者が、PCの購入金額が予想より高かったため怪しんで代表取締役に報告したところ、事件が発覚した。
取調べに対しAは「水増し分は友人と山分けにした。ついお金が欲しくてやってしまった」と容疑を認めている。
(フィクションです)
背任罪とは?
刑法247条が規定する背任罪は、他人のためにその事務を処理する者(①)が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的(②)で、その任務に背く行為(③)をし、本人に財産上の損害を加える(④)犯罪です。
背任罪の主体は、「他人のためにその事務を処理する者(①)」です。
本件のAは、システム開発会社VのCTOとして、会社で必要なPC等の購入を会社から任されていたようです。
したがって、Aは、背任罪が規定する、「他人のためにその事務を処理する者」に当たる可能性があります。
また、背任罪が成立するためには、図利・加害目的すなわち「自己もしくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的(②)」が必要です。
ここでの「本人」とは背任行為の行為者に事務処理を委託した者を言います。
本件では、Aの勤務するシステム開発会社Vが、CTOであるAにPC等の購入を任せていたようですので、V社が「本人」にあたります。
そしてAは、「本人」である勤務先Vに支払わせた水増し請求分を、知人と山分けしていたようです。
したがって、自己と知人(第三者)の利益を図ったとして図利・加害目的があったと評価されそうです。
次に、背任行為すなわち「任務に背く行為(③)」が背任罪の成立に必要です。
背任行為とは、事務処理者として当該事情の下で信義則上当然行うべく期待される行為をしなかったことをいいます。
背任行為の例としては、銀行員が回収見込みがないに相手に対して、本来得るべき十分な担保や保証なしに、金銭を貸し付ける不良貸付や、保管を任されていた物を壊す行為などが挙げられます。
本件では、Aは、自身の勤務するシステム開発会社のCTOとして、業務に必要なPCを適切な金額で購入することを会社から任されていたにもかかわらず、それに反して、友人の経営するPC販売会社に水増し請求させ過大な代金をV社に支払わせていたようなので、背任行為があったと言えそうです。
最後に、「本人に財産上の損害を加えたこと(④)」も必要となります。
本件では、本人すなわちシステム開発会社は、水増し請求により適正価格よりも100万円分多く支払っているので、Aは本人に財産上の損害を与えたと言えそうです。
以上より、本件では背任罪が成立する可能性が高いと言えそうです。
なるべく早く弁護士に相談を
背任罪を犯してしまった場合には、できるだけ早く弁護士に示談交渉を依頼されることをお勧めします。
本件のAのように、加害者は、被害者からの信頼を裏切り損害を与えた人物なので、被害者は加害者に対し、強い処罰感情を有している可能性がありますから、加害者本人が示談交渉に乗り出すのは得策ではありません。
早い段階で被害者との間で示談を成立させ、真摯な謝罪と背任行為により与えてしまった損害を弁償することができれば、不起訴処分になる可能性があります。
仮に不起訴処分にならなかったとしても、判決前に被害者との間で示談を成立させることができれば、量刑が軽くなったり執行猶予付判決が得られるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、背任事件など刑事事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分の獲得のほか、量刑を軽くしたり執行猶予付判決を得ることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
匿名掲示板上で同僚の名誉を毀損した疑いで逮捕された事例
匿名掲示板上で同僚の名誉を毀損した疑いで逮捕された事例
匿名掲示板上で同僚の名誉を毀損した疑いで逮捕された事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事件概要
京都府下京警察署は、京都市内の不動産会社に勤務する女性A(36)を逮捕した。
Aは、同じ会社の経理課で働くCさんと折が合わずにいたところ、Cが別部署の既婚男性と不倫関係にあることを知り、匿名掲示板上で、「Cは会社で既婚男性と不倫している。ろくに仕事もせずに何のために会社に来てるんだろう」などと投稿した疑い。
投稿から数日後、Cがこの書き込みに気づき会社と京都府下京警察署に相談した。
警察の捜査の結果、AのPCからの書き込みということが判明し、Aは逮捕された。
(フィクションです)
名誉毀損罪
刑法230条1項
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
本件で、Aは、会社の同僚であるCさんが不倫していると匿名掲示板に書き込んだようです。
このAの行為は名誉毀損罪にあたるのでしょうか?
まず、「公然と」というのは、摘示された事実を不特定または多数人が認識できる状態をいいます(最判昭和36年10月13日)。
不特定とは、相手方が限定されていないという意味です。
多数人とは、社会一般に知れわたる程度の人数という意味であり相当の多数であることを必要とします。
本件で、Aは、匿名掲示板でCさんが不倫しているという内容の書き込みをしています。
匿名掲示板への書き込みは、誰でもみることができます。
したがって、Aの書き込みは、不特定の人が認識できる状態にあったと言えそうですから、「公然と」人の名誉を毀損したと言えそうです。
次に、「事実を摘示」したといえるかも問題となります。
ここでの事実とは、事実証明の対象となりうる程度に具体的であり、かつ、それ自体として人の社会的評価を低下させるような事実をいいます。
Aさんは、「Cは会社で不倫している」という書き込みをしていますが、不倫しているかどうかは、真実かどうか照明の対象となりうる程度に具体的です。
会社で不倫していると言われると、その人は、非常識な人だと思われて社会的評価が低下する可能性があります。
以上より、Aは、公然と事実を摘示してCさんの名誉を棄損したとして、名誉棄損罪が成立する可能性があります。
なお、条文の規定上、名誉棄損罪の成立には、現実にAの発言によりCの名誉が棄損されたことが必要であるかのように思えます。
しかし、被害者の名誉が現実に棄損されたかどうかの判断は非常に困難ですから、判例によれば被害者の名誉が現実に侵害される必要はありません(大判昭和13年2月28日)。
できるだけ早く弁護士に相談を
名誉毀損罪は親告罪ですから、Cさんが告訴しないければAさんは起訴されません(刑法232条)。
起訴されなければ、前科がつくこともありませんから、告訴されないことが重要となります。
そのためには、被害者に対して真摯に謝罪をして告訴をしないという内容の示談をまとめる必要があります。
もっとも、加害者が直接被害者と交渉することは得策ではありません。
被害者にとっては、加害者は自分の名誉を毀損するような行為をした人物ですから、通常は強い処罰感情を有しているでしょうし、仮に交渉に応じてくれたとしても過大な要求をされる可能性もあります。
そこで、被害者との話し合いは、示談交渉のプロである弁護士に一任されることをおすすめします。
加害者と連絡を取ることに強い抵抗を感じる被害者であっても、弁護士相手であれば交渉に応じてくれることは少なくありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、名誉毀損事件を含む豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士示談交渉を行うことで、告訴されることを防げる可能性があります。
可能な限り早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
【事例紹介】睡眠薬を飲ませたとして傷害罪の容疑で逮捕された事例
【事例紹介】睡眠薬を飲ませたとして傷害罪の容疑で逮捕された事例
睡眠薬を飲ませて薬物中毒症状を生じさせたとして傷害罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
知人女性に睡眠薬を飲ませて薬物中毒症状を負わせたとして、京都府警中京署は8日、傷害の疑いで、京都市上京区、准看護師の男(32)を逮捕した。
(5月9日 京都新聞 「「二日酔いの薬やし」偽り睡眠薬飲ませる、女性が一時意識不明の状態に 知人の准看護師の男を容疑で逮捕」より引用)
逮捕容疑は(中略)、同市中京区のバーで、友人の女性会社員(32)に「二日酔いの薬やし飲んどき。めっちゃこれ効くから」などと話して睡眠薬を飲ませ、女性を店内で一時意識不明の状態にし、嘔吐(おうと)させるなど薬物中毒症状にした疑い。
同署によると、男は「薬を飲ませたことは間違いないが、何の薬を飲ませたかはあいまい」と容疑を一部否認している。
睡眠薬と傷害罪
刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
傷害罪を簡単に説明すると、人にけがを負わせた際に成立する犯罪です。
例えば、人を殴ってけがをさせたりすると傷害罪が成立します。
今回の事例では、睡眠薬を飲ませて薬物中毒症状を生じさせたとして傷害罪の容疑で逮捕されたと報道されています。
睡眠薬を飲ませて薬物中毒症状を生じさせた場合にも傷害罪は成立するのでしょうか。
刑法第204条では、「人の身体を傷害した者」について規定していますが、「傷害」とは何なのでしょうか。
「傷害」について、判例では「身体の生理機能の障害または健康状態の不良な変更」だと考えています。
今回の事例の被害者は一時意識不明の状態になったり、嘔吐するなどの薬物中毒症状に陥ったようですので、被害者の生理機能が害されたといえそうです。
ですので、睡眠薬を飲んだことによる薬物中毒症状は傷害罪の規定する「傷害」にあたる可能性があります。
傷害罪と認識
人の生理機能を害したからと言って必ずしも傷害罪が成立するわけではありません。
例えば、人を蹴ってけがを負わせた場合には、故意に暴行を加えた結果、人の生理機能を害しているわけですから、けがを負わせるつもりがなかったとしても傷害罪が成立します。
一方で、薬を飲ませたことで健康被害が起きた場合などの暴行によらない場合には、薬を飲ませるなどの行為により、相手の生理機能を害する可能性があることを認識している必要があります。
ですので、今回の事例では睡眠薬を飲ませることで、薬物中毒症状を引き起こす可能性があることを認識している必要があるといえます。
報道によると容疑者は「薬を飲ませたことは間違いないが、何の薬を飲ませたかはあいまい」と容疑を一部否認しているそうで、「二日酔いの薬やし飲んどき。めっちゃこれ効くから」などと話して睡眠薬を被害者に飲ませたそうです。
容疑者が二日酔いの薬を飲ませるつもりが誤って睡眠薬を飲ませてしまったのであれば、傷害罪は成立せず、過失致傷罪が成立する可能性があります。
また、容疑者が睡眠薬を飲ませるつもりで二日酔いに効く薬だと偽って飲ませた場合には、准看護師である容疑者には睡眠薬を飲ませることで薬物中毒症状を生じさせる可能性、つまり、生理機能を害する可能性があることを認識できたと思われますから、傷害罪が成立する可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
傷害罪などの刑事事件でお困りの方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
窃盗罪の容疑で逮捕・勾留され面会が禁止されている事例
窃盗罪の容疑で逮捕・勾留され面会が禁止されている事例
窃盗罪の容疑で逮捕・勾留され、家族が面会を禁止されている事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都市南区に住むAさんは友達と数人で商品を万引きしたとして、京都府南警察署の警察官に窃盗罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは10日間勾留されることになり、Aさんのお母さんがAさんの面会に行ったところ、面会が禁止されていると京都府南警察署の警察官から伝えられました。
事件が解決するまでAさんに面会できないのでしょうか。
(事例はフィクションです。)
逮捕と勾留、接見禁止
刑事事件では逮捕されると72時間以内に勾留の判断が行われます。
共犯者がいる事件や容疑を否認している事件では、証拠隠滅を防ぐため、勾留が決定した際に接見禁止決定がなされる場合があります。
接見禁止決定がなされた場合は、接見禁止の対象から除外された人や弁護士以外、本人に面会することができません。
弁護士は裁判所に対して接見禁止の一部解除を申し立てることができます。
弁護士の主張が認められ、家族など、接見禁止となっている人に対して接見禁止が一部解除されると、解除された人は弁護士でなくとも面会ができるようになります。
弁護士の申し立てにより面会ができるようになる可能性がありますので、接見禁止がなされている場合には、一度、弁護士に相談をしてみることが望ましいでしょう。
また、弁護士は勾留決定後に裁判所に対して勾留決定に対する準抗告の申し立てを行うことができます。
弁護士が勾留で被る不利益が大きいことや、家族の監督が期待できることを主張することで、勾留満期を待たずに釈放が認められる場合があります。
加えて、勾留判断前であれば、検察官や裁判官に対して勾留請求に対する意見書を提出することができます。
この意見書を提出することで、勾留されることなく釈放をしてもらえる可能性があります。
勾留判断前に提出する意見書は、遅くとも逮捕後72時間以内に提出する必要があります。
ですので、早期釈放を目指す場合には、できる限り早い段階で弁護士に相談をすることが望ましいです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では初回接見サービスを行っていますので、ご家族が逮捕された場合や、接見が禁止されている場合には、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
不動産会社の経理担当者を業務上横領罪の疑いで逮捕
不動産会社の経理担当者を業務上横領罪の疑いで逮捕
不動産会社の経理担当者が業務上横領罪の疑いで逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事件概要
京都府右京警察署は、京都市内の不動産会社Vで経理業務を担当していた会社員の女性A(49)を業務上横領罪の疑いで逮捕した。
Aは、V社の創業から経理業務を含むバックヤード業務を担っており、会社のお金の管理は事実上Aに一任されていた。
警察の取調べに対し、Aは、「息子がFXで多額の借金を負ったことを知り、なんとか返済資金を工面できないか考えた結果、会社のお金を横領してしまった。」と容疑を認めている。
(フィクションです)
業務上横領とは
刑法253条
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。
刑法では、横領罪がいくつか規定されています。
単純横領罪(刑法252条)、業務上横領罪(刑法253条)、占有離脱物横領罪(刑法254条)があります。
単純横領罪とは、「自己の占有する他人の物を横領」する罪であり、業務上横領罪とは、「『業務上』自己の占有する他人の物を横領」する罪です。
両罪は、横領した他人の物が「業務」上、自己が占有する物であったかどうかで区別されます。
そして、「業務」とは、金銭その他の財物を委託を受けて占有・保管することを内容とする職業もしくは職務をいうと解されています。
京都府右京警察署によると、Aは、勤務する不動産会社において創業当初から経理業務を担当し、事件当時は会社からお金の管理を一任されていたようです。
したがって、Aの職務は、業務上横領罪における「業務」に該当する可能性があり、Aには、業務上自己の占有する会社のお金を横領したとして業務上横領罪が成立する可能性があります。
では、Aの行為は横領に当たるのでしょうか?
横領とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、他人の物に対し経済的用法に従って所有者でなければできないような処分をする行為です(最判24年3月8日)。
所有者でなければできないような処分とは、具体的にいうと、食べ物であればそれを食べることなどであり、お金であればそれを消費することなどです。
本件では、Aは、自分の管理下にあった会社のお金を、息子の借金の支払いにあてたようです。
金銭債務の支払いのためにお金をあてるのは、そのお金の持ち主にしか許されない行為ですから、Aがした行為は横領に当たる可能性があります。
以上から、本件では業務上横領罪が成立する可能性があります。
なるべく早く弁護士に相談を
業務上横領罪のように被害者のいる犯罪では、被害者との間で示談が成立しているかどうかが、検察官の起訴するかどうかの判断や裁判官の量刑の判断に影響します。
したがって、できるだけ早くに示談交渉に着手することが重要となります。
本件のように、被害者が、加害者の勤務先の場合、全くの見ず知らずの他人ではないため自分で示談交渉できると思われるかもしれません。
たしかに、本件Vにとっては、Aは創業当初からずっと一緒に働いてきた仲間ですが、会社のお金の管理を一任するほど信頼していたにもかかわらず、その信頼を裏切ってお金を勝手に使った人物です。
したがって、VはAに対し強い処罰感情を有している可能性があり、Vから法外な示談金を請求されるなどして交渉が難航したり、そもそも示談交渉に応じてくれない可能性が高いです。
そこで、被害者との示談交渉は弁護士に一任されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、業務上横領事件をはじめとする豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分や罪の減軽、執行猶予付き判決を得ることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
「お前の店に火をつけるぞ」恐喝の疑いで飲食店経営の男を逮捕
「お前の店に火をつけるぞ」恐喝の疑いで飲食店経営の男を逮捕
「お前の店に火をつけるぞ」と恐喝した疑いで飲食店経営の男が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
事例
京都府東山警察署は、祇園エリアで飲食店を経営する男性Aを恐喝罪の疑いで逮捕した。
Aは、集客のため「店長とじゃんけんして買ったら代金無料!(負けたら倍額お支払い)」という施作を店頭に看板を設置して行ったところ、店舗の向かいで同じく飲食店を経営するVが、Aの断りなく同じキャンペーンをSNSをフル活用して行った。
V店舗のSNSがバズった結果、V店舗はそのキャンペーンを代名詞として有名となった。
内心Aは心穏やかでなかったため、AもSNSを使って宣伝をしたところ、逆に「AがVの真似をしている」として炎上してしまい、店には嫌がらせの電話が来るようになり休業するに至った。
我慢の限界に達したAは、V店舗に突撃し「お前がパクったんやろうが!店閉じなあかんなって商売あがったりや!賠償金として300万寄こせ!払わんならお前の店に火つけたるからな!」と言ってAから100万円を脅しとった。
(フィクションです)
恐喝罪とは
刑法249条1項
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
本件で、Aは、自身が始めた施作をあたかも自分がパクったかのような扱いを受けて休業することになってしまったため賠償金という名目で、Vに対して店に火をつけるぞと脅して100万円を支払わせたようです。
Aは、Vに対して、100万円という財物を自身に交付させていますから、Aの発言が恐喝に当たる場合には、恐喝罪が成立する可能性があります。
恐喝とは、①財物交付に向けられた、人を畏怖させるに足りる脅迫または暴行であって、②その反抗を抑圧するに至らない程度の行為を言います。
本件で、Aは、Vに対して賠償金として300万円を要求し、払わないのであればVの店に火をつけると脅したようです。
Vの店に火をつけるというのは、Vの財産に対する害悪の告知と言えそうですから、
Aの発言は、財物交付に向けられた、人を畏怖させるに足りる脅迫に該当しそうです(①)。
次に、Aの発言は反抗を抑圧するに至らない程度かどうかが問題となります(②)。
反抗を抑圧する程度の脅迫というのは、例えば、拳銃の銃口を突きつけながら「金を出さないと殺す」などと脅すような場合がこれに当たります。
この場合、言われた通りお金を差し出すほかないでしょうから、反抗を抑圧する程度の脅迫と言えます。
Aは、Vの店を燃やすと脅しているので、Vとしては恐怖を感じたと思われますが、口頭で言われただけです。
例えばガソリンを持ってきてV店舗に撒き散らし、右手のチャッカマンを見せつけながら「火をつけるぞ」と脅されたのであれば、反抗は困難であったでしょうが、本件では、そうではなさそうですから、反抗をすることが困難であったとまでは言えなさそうです(②)。
以上より、Aの発言は、恐喝に当たり、Aには恐喝罪が成立する可能性があります。
なるべく早く弁護士に相談を
恐喝罪の法定刑は10年以下の懲役です。
執行猶予がつくためには、量刑が3年以下であることが条件の1つですから、恐喝罪を犯してしまった場合、執行猶予がつかない可能性があります。
量刑を3年以下にしてもらう可能性を高めるためには、被害者との間で示談を成立させることができるかが重要となります。
示談交渉は、逮捕されているかどうかに関わらず、ご自分で行うことは望ましくありません。。
恐喝の被害者は加害者に脅されて金銭などの財物を無理やり差し出させた相手なわけですから、加害者のことを怖いと思っている可能性があります。
したがって、加害者本人が謝罪するために連絡してきたとしても応じてくれない可能性が高いです。
そこで、示談交渉は弁護士に一任することをおすすめします。
加害者本人ではなくその弁護士が相手であれば、被害者が示談交渉に応じてくれることは珍しくありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、恐喝事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成功させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、量刑を軽くしたり執行猶予付判決や不起訴処分を得ることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
お電話は0120-631-881で承っています。
閉店後のホストクラブで強盗事件
閉店後のホストクラブで強盗事件
閉店後のホストクラブに侵入して売上金を奪い取った男が強盗罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
事件概要
京都府東山警察署は、京都市内に住む元ホストで、現在自営業の男A(28)を強盗罪の疑いで逮捕した。
Aは、先月までホストとして勤務していたホストクラブに、閉店後の深夜3時にナイフを持って侵入し、金庫に保管されていたその日の売上金を強奪した疑い。
Aは、閉店後の店内に残っていた店のオーナーV(40歳男性)と鉢合わせたため、持っていたナイフをオーナーに突きつけ、「金庫を開けろ。妙なマネするとどうなっても知らないぞ」などと言って、金庫にあった現金300万を奪い取ったとされている。
取調べに対し、Aは、「生活のためお金が必要だった。金庫と鍵の場所はわかっていたのでやってしまった。」と容疑を認めている。
(フィクションです)
強盗罪
本件では、Aは、侵入したホストクラブのオーナーに対してナイフを突きつけて現金300万円を奪ったとして、強盗罪の疑いで逮捕されたようです。
刑法236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
強盗罪とは、簡単に説明すると、拳銃などの凶器を使うなどして、被害者が抵抗できない状態にした上で無理矢理財産を奪い取る犯罪です。
このような行為がなされると、被害者が死亡したり怪我をしたりといったことが発生しやすいと言えますから、強盗罪は、とても危険で悪質な犯罪として、法定刑は5年以上の有期懲役と非常に重たくなっています。
手段としての「暴行又は脅迫」
強盗罪の場合、暴行・脅迫は財物を無理やり奪い取る手段として規定されていますから、本罪における暴行とは、反抗を抑圧するに足りる程度の不法な有形力の行使を意味し、脅迫とは、反抗を抑圧するに足りる程度の害悪の告知を言います。
本件では、Aは、かつて勤務していたホストクラブに閉店後に侵入し、たまたま店内に残っていた店のオーナーに対して、ナイフを突きつけて現金300万円を奪い取ったようです。
したがって、Aのナイフを突きつけた行為は、反抗を抑圧するに足りる程度の不法な有形力の行使にあたるのかどうかが問題となります。
この点について、判例は、問題となった行為が、被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行又は脅迫であるか否かは、「社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度のものかどうか」という客観的基準によって決せられる(最判昭和24年2月8日)としています。
本件Aは、ナイフという殺傷能力の高い凶器を用いています。
被害者のオーナーVからすると、抵抗すればナイフで刺されて殺されてしまうかもしれませんから、Aの行為は、反抗を抑圧するに足りる程度の有形力の行使、すなわち強盗罪における暴行にあたり、強盗罪が成立する可能性があります。
できるだけ早く弁護士に相談を
強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役です。
執行猶予がつくためには、下される量刑が3年以下である必要があるので、強盗罪を犯した場合、執行猶予がつかない可能性が高いです。
執行猶予がかずに有罪判決が下された場合、今まで通りの生活を送ることはできなくなります。
Aの場合、自営業を続けられず取引先との関係も切れてしまい、出所後の再スタートは難しいものとなる可能性が高いですから、なんとか執行猶予をつけることができないかが問題となります。
この点、被害者との間で示談が成立していれば、刑が減軽され3年以下の懲役となる可能性があり、この場合には、執行猶予がつくこともあります。
したがって、示談を成立させることができるかどうかが非常に重要となります。
本件ではAはもともと勤務していたホストクラブに侵入したようなので、被害者の連絡先を知っているかもしれません。
しかし、そうであっても、加害者自ら被害者に連絡をとって示談交渉を行うことは得策ではありません。
本件被害者Vからすれば、加害者は凶器を突きつけて大切なお金を奪っていった人物ですから、連絡を取ること自体拒絶される可能性が高いです。
そこで、示談交渉は法律のプロである弁護士に一任されることをおすすめします。
加害者とのコンタクトを取ることを拒絶する被害者であっても、弁護士相手であれば示談交渉に応じてくれることは珍しくありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、強盗事件を含む豊富な刑事弁護の経験を持つ法律事務所です。
法律のプロがあなたに代わって、示談交渉にあたります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。