Archive for the ‘財産事件’ Category
学校行事用物品の水増し請求により私立中学校総務部長が逮捕された事例
学校行事用物品の水増し請求により私立中学校総務部長が逮捕された事例
学校行事用物品の水増し請求により私立中学校総務部長が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
事件概要
京都府中京警察署は、京都市中京区に住む私立中学校の総務部長である男性Aを逮捕しました。
Aは、学校行事に用いる物品の購入を一任されており、その際に物品の水増し請求を行った疑いが持たれています。
Aは、離婚後の養育費の支払いや住宅ローンの返済のため多額の資金が必要となり、その資金を捻出するために背任行為に及んだとされています。
Aは業者Pと共謀し、本来10万円程度の物品を30万円に水増し請求させ、差額の20万円をPと山分けをしていたようです。
年度末に学校の経理担当者が物品の購入金額の不自然さに気付き、校長に報告したことから事件が発覚。
取り調べに対し、Aは「家庭の問題で急に多額の金が必要になり、つい魔が差した」と容疑を認めています。
(フィクションです)
背任罪とは?
刑法247条が規定する背任罪は、他人のためにその事務を処理する者(①)が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的(②)で、その任務に背く行為(③)をし、本人に財産上の損害を加える(④)犯罪です。
背任罪の主体は、「他人のためにその事務を処理する者(①)」です。本件のAは、私立中学校Sの総務部長として、学校行事に用いる物品の購入を一任されていたため、背任罪が規定する「他人のためにその事務を処理する者」に当たる可能性があります。
また、背任罪が成立するためには、図利・加害目的すなわち「自己もしくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的(②)」が必要です。
ここでの「本人」とは事務処理を委託した者を言います。
本件では、私立中学校SがAに物品の購入を任せていたため、S校が「本人」にあたります。
そしてAは、「本人」である学校に支払わせた水増し請求分をPと山分けしていたため、自己と第三者の利益を図ったとして図利・加害目的があったと評価されそうです。
次に、背任行為すなわち「任務に背く行為(③)」が背任罪の成立に必要です。
背任行為とは、事務処理者として当該事情の下で信義則上当然行うべく期待される行為をしなかったことをいいます。
本件では、Aは、総務部長として業務に必要な物品を適切な金額で購入することを学校から任されていたにもかかわらず、それに反して業者と共謀し水増し請求を行い過大な代金を学校に支払わせていたため、背任行為があったと言えそうです。
最後に、「本人に財産上の損害を加えたこと(④)」も必要となります。本件では、学校は水増し請求により適正価格よりも20万円分多く支払っているため、Aは本人に財産上の損害を与えたと言えそうです。
以上より、本件では背任罪が成立する可能性が高いと言えます。
なるべく早く弁護士に相談を
背任罪を犯してしまった場合には、できるだけ早く弁護士に示談交渉を依頼することをお勧めします。
早い段階で被害者との間で示談を成立させ、真摯な謝罪と損害を弁償することができれば、不起訴処分になる可能性があります。
仮に不起訴処分にならなかったとしても、判決前に被害者との間で示談を成立させることができれば、量刑が軽くなったり執行猶予付判決を得ることができるかもしれません。
本件のAのように、加害者は被害者からの信頼を裏切り損害を与えた人物であるため、被害者は加害者に対し強い処罰感情を持っている可能性があります。
加害者本人が示談交渉に乗り出すのは得策ではありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、背任事件など刑事事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分の獲得のほか、量刑を軽くしたり執行猶予付判決を得ることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。
友人から預かっていた高級ワインを無断で飲んでしまった男が横領罪の疑いで逮捕された事例
友人から預かっていた高級ワインを無断で飲んでしまった男が横領罪の疑いで逮捕された事例
友人から預かっていた高級ワインを無断で飲んでしまった男が横領罪の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事件概要
京都府中京警察署は、京都市中京区に住む会社経営の男性A(45)を横領罪の疑いで逮捕した。
京都府中京警察署によると、自宅に取引先を招いて接待をすることになったAは、取引先の重役がワイン愛好家であると知り、話の種にでもなればいいと考えて、海外のワインを専門的に取り扱う店を経営する知人Bに、希少価値の高いワインを接待中だけ数本自宅に置かせてもらえないかと頼んだ。
Bは、大切に扱い接待が終わり次第返却することを条件に、希少価値の高い百万円以上する非売品のワインを1日だけ預けることに承諾した。
ところが、Aは、接待当日に取引先の重役とワインの話で盛り上がり気が大きくなり、ワインを開けて振る舞ってしまった。
それを知って怒ったBは京都府中京警察署に被害届を提出した。
(フィクションです)
横領罪とは
刑法252条1項
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の懲役に処する。
本件では、Aは、経営者の知り合いであるBから、希少価値の高いワインを一時的に家に置かせてもらうという約束だったにもかかわらず、そのワインを飲んでしまい横領罪の疑いで逮捕されています。
横領罪とは、簡単にいうと他人から預かっている物などを売ったりしてしまうと成立する犯罪です。
まず、252条1項に書かれている通り、横領罪を犯すことができるのは、他人の物を占有している人に限られます。
本件では、Aは、ワイン専門店を経営するBからの高級ワインを預かっていますから、Aには横領罪が成立する可能性があります。
次に、横領罪の客体は、条文上「自己の占有する他人の物」とされていますが、文字通り自己の占有する他人の物すべてが客体となるわけではありません。
偶然に自己が占有することになった物を横領する行為については、刑法254条の占有離脱物横領罪が成立します。
したがって、252条の横領罪の客体となるのは、持ち主から頼まれて預かった場合のように、委託信任関係を原因として支配下にある他人の物に限定されます。
本件では、Aは、Bが大事に持っていたワインを接待日限定で預かっていたようですから、このワインは、252条の横領罪の客体となる可能性があります。
そして、本罪の行為は、横領することです。
横領とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、他人の物に対し経済的用法に従って所有者でなければできないような処分をする行為です(最判24年3月8日)。
例えば、物を売るという行為や、食べ物などを消費するという行為は、その所有者にしか許されない行為ですから、横領に当たります。
本件では、Aは、接待日にワイン好きの取引先の重役と話が弾むことを期待して、その日限定でワインを数本預かっていたにもかかわらず、その任務に背きワインをその場で振る舞ってしまったようです。
したがって、Aの行為は横領にあたり、横領罪が成立する可能性があります。
加えて、横領罪が成立するためには、故意すなわちAが横領にあたる行為を認識しながら実行したことが必要です。
Aは、Bから本件ワインを購入したわけではなく、接待日に飾りとして家に置かせてもらっていただけですから、Bのものであると認識していながらあえてワインを消費したと言えそうです。
したがって、故意もあったということになり、横領罪が成立する可能性があります。
詐欺罪
今回の事例ではAの意図によっては、横領罪ではなく詐欺罪が成立する可能性があります。
詐欺罪とは簡単に説明すると、財物の交付について重大な事項について嘘をつき、嘘を信じた相手から財物を受け取ると成立する犯罪です。
例えば、AがはなからBにワインを返すつもりがないのに、接待が終わり次第返すと嘘をついてBからワインを受け取ったのであれば詐欺罪が成立します。
ですが、今回の事例では気が大きくなったAがワインをふるまってしまったようなので、おそらくBからワインを預かった段階で騙し取ろうと考えていたわけではないでしょうから、横領罪が成立すると考えられます。
なるべく早く弁護士に相談を
横領罪は他の多くの犯罪と同様に被害者のいる犯罪です
しかし、加害者と被害者は見ず知らずの他人ではなく、元々物を預けるというような信頼関係があるという特徴があります。
知らない仲ではないため、被害弁償がされれば被害届を出さない被害者もいらっしゃるようです。
したがって、きちんと謝罪と被害弁償をして示談をすれば、被害届が提出されず、事件化を防げる可能性があります。
横領罪の場合、被害者と加害者は知り合いではあるものの、被害者からすると加害者は、信頼して物を預けていたのにその信頼を裏切った人物ですから、逮捕されずに自由に動ける場合でも加害者自ら示談交渉を行うのは得策ではありません。
場合によっては、妥当な金額とは言えない金銭や条件を要求されるかもしれません。
そこで、示談交渉は、交渉のプロである弁護士に一任されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、横領事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が、被害者側と示談交渉を行うことで示談を成立させることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
コンビニで500円分のお菓子を万引きし窃盗罪の容疑で逮捕された事例
コンビニで500円分のお菓子を万引きし窃盗罪の容疑で逮捕された事例
コンビニで500円分のお菓子を万引きした事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
就職活動中である大学4年生のAさんは、京都府亀岡市にあるコンビニで500円分のお菓子を万引きしました。
万引きの一部始終を見ていた店員に通報され、Aさんは京都府亀岡警察署の警察官に逮捕されることになりました。
(事例はフィクションです。)
万引きと犯罪
お店などで掲示されているポスターで「万引きは犯罪です」などと記載されたものを見たことがある方も多いかと思います。
万引きをするとどのような罪に問われるのでしょうか。
日本では、万引き罪といった罪はなく、万引きをした場合の多くは窃盗罪が成立します。
窃盗罪は刑法第235条で規定されています。
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
窃盗罪を簡単に説明すると、人の物をその人の許可なく、自分や他人の物にすると成立する犯罪です。
万引きでは、お店が所有している商品をお店の許可なく、自分の物にするわけですから、窃盗罪が成立します。
今回の事例では、Aさんは500円分のお菓子を万引きしたようなので、窃盗罪が成立する可能性が高いといえます。
万引きと前科
窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
罰金刑を科されたり、執行猶予付き判決を獲得できたとしても前科になりますから、窃盗罪で有罪になると必ず前科が付くことになります。
Aさんは現在大学4年生であり、就職活動中です。
Aさんは、就職活動に悪影響を及ぼさないように、何としてでも前科を避けたいようです。
万引きと不起訴処分
不起訴処分とは起訴されない処分のことをいいます。
起訴されなければ有罪になることはありませんから、前科も付くことはありません。
弁護士による弁護活動で不起訴処分を得られる可能性があります。
万引き事件では、お店に謝罪と賠償をすることで、不起訴処分を得られる可能性があります。
ですが、お店によっては謝罪や賠償の申し出を受け入れてもらえないことも少なくありません。
一度断られた場合であっても、再度弁護士が申し入れをすることによって示談を受け入れてもらえる場合がありますので、示談交渉は弁護士に任せることが望ましいでしょう。
また、弁護士は検察官に対して処分交渉をすることができます。
被害額が高額とはいえないことや初犯であり悪質性が高いとはいえないこと、お店側と示談を締結していることなど、弁護士が有利に働く事情を訴え不起訴処分を求めることで、不起訴処分を得られる可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
万引き事件で逮捕された方、現在捜査を受けている方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
小学生からバックを脅し取った男を強盗罪で逮捕
小学生からバックを脅し取った男を強盗罪で逮捕
塾から帰宅途中の小学生からブランド物のバックを脅し取った男が強盗罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
事例
京都府南警察署は、京都市南区内の大学に通う男子大学生A、Bを強盗罪の疑いで逮捕した。
AとBは、授業が終わって自宅に帰る途中に、高級ブランドのバックを持った小学生Vを見つけてバックを奪い取ってやろうと考えた。
Vが、ひとけのない道に入ったところで、2人は後ろから近づきAがVを羽交締めにし、Bが持っていたカッターナイフを見せつけながら「バックよこせ。抵抗するなら殺すぞ。バックから手を離せ」と言って強引にバックを奪い取った。
泣きながら自宅に帰ったVが両親にバックを取られたことを伝えたため、警察に被害届が出されAとBは逮捕されるに至った。
取調べに対し、Aらは「自分が必死にバイトして買おうとしていたバックを、小学生が持っていたので気に食わなくて自分のものにしてやろうと思ってやってしまった」と容疑を認めている。
(フィクションです。)
強盗罪とは
刑法236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
強盗罪は、量刑が5年以上の有期懲役ですから、非常に重たい犯罪の1つです。
銀行強盗のように、拳銃などの凶器を使用するなどして、被害者に抵抗することを難しくさせ、無理やりに財産を奪うような行為が強盗罪にあたります。
強盗罪は、単に人の財産に対する侵害行為にとどまらず人の生命・身体・自由に対する侵害行為という側面も有するため非常に重い刑が課されます。
本件のAとBは、小学生のVが持っていたブランド物のバックを、Vを羽交締めにしたりカッターナイフを見せつけたりするなどして無理やり奪ったようです。
手段としての暴行又は脅迫
強盗罪の場合、暴行・脅迫は財物を無理やり奪い取る手段として規定されていますから、本罪における暴行とは、反抗を抑圧するに足りる程度の不法な有形力の行使を意味し、脅迫とは、反抗を抑圧するに足りる程度の害悪の告知を言います。
問題となった行為が、被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行又は脅迫であるか否かは、「社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度のものかどうか」という客観的基準によって決せられます(最判昭和24年2月8日)。
この判断は、暴行又は脅迫の態様、行為者及び被害者の状況、日時や場所などを総合考慮して判断されます。
本件では、AとBは、小学生のVが持っていたブランド物のバックを手に入れようとして、Vを羽交締めにした上で、カッターナイフをVに突きつけて、バックをよこさないと殺すなどと脅したようです。
小学生からすれば、大学生は体が大きくて力も自分より強い存在ですし、本件はAとBの2人がかりで犯行を行った上、Aらはカッターナイフを使用したようですから、Vが反抗することは困難であったと考えられます。
したがって、Aらが羽交締めしてカッターナイフを見せつけた行為は、反抗を抑圧するに足りる程度の不法な有形力の行使、すなわち強盗罪における暴行に当たると言えそうです。
また、AらはVに対し、カッターナイフを見せつけながらカバンをよこさないと殺すと言っています。
殺すというのは、身体に対する害悪の告知であり、本件状況下では、上述のようにVがAらに反抗するのは困難でしょうから、強盗罪における脅迫にあたりそうです。
以上より、本件でAらは、暴行と脅迫を用いてバックという他人の財物を奪ったと言えそうですから、強盗罪が成立する可能性があります。
できるだけ早く弁護士に相談を
強盗罪の量刑は5年以上の有期懲役です。
執行猶予がつくためには懲役刑の場合は下される量刑が3年以下である必要がありますから、本件のAとBに執行猶予がつくことはないのでしょうか?
この点については、被害者に真摯に謝罪して示談が成立していれば、刑の減軽がされ、3年以下の懲役が下される可能性があり、この場合には、執行猶予がつく可能性があります。
執行猶予なしで懲役刑が言い渡された場合、AとBは大学に行くことができなくなり、大学を退学になるかもしれません。
したがって、示談を成立させることができるかどうかは非常に重要となります。
もっとも、事件の加害者が被害者に謝罪のために接触しようとしても拒絶される可能性が高いです。
Vの両親からすれば、自分の大切な子供を羽交締めにしてカッターナイフを突きつけて大切なバックを奪い取った加害者に対して、強い処罰感情を有しているでしょう。
そこで、示談交渉は弁護士に一任されることをおすすめします。
加害者からのコンタクトを断固拒絶している被害者も、弁護士とであれば示談交渉に応じてくれることは少なくありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、強盗事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、量刑を減軽させたり執行猶予付判決を得たりすることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
経理責任者が会社のお金を横領して高級車を購入していた事例
経理責任者が会社のお金を横領して高級車を購入していた事例
経理責任者が会社のお金を横領して高級車を購入していた事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します
事例解説
京都府下京警察署は、京都市内にあるIT企業の経理責任者の男(50)を、勤務先の現金を横領していた疑いで逮捕した。
男は、業務で銀行からお金を引き出すために払戻請求書に印鑑を押す際に、事前に手に入れていた白紙の払戻請求書にも捺印を行い、これを銀行窓口に持ち込んで現金を引き出し、私服をこやしていた疑いが持たれている。
男が高級車を複数台所有していること気づいた同僚が不審に思い、取締役に告げたことで調査が入り発覚した。
被害額は5000万ほどにのぼり、会社が被害届を出したため男は逮捕された。
(フィクションです)
業務上横領罪とは
刑法253条
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。
刑法は、横領罪として単純横領罪(刑法252条)、業務上横領罪(刑法253条)、占有離脱物横領罪(刑法254条)を規定しています。
単純横領罪とは、「自己の占有する他人の物を横領」する罪であり、
業務上横領罪とは、「『業務上』自己の占有する他人の物を横領」する罪です。
両罪は、横領した他人の物が『業務上』自己が占有する物であったかどうかで区別されます。
業務上横領罪の「業務」とは、金銭その他の財物を委託を受けて占有・保管することを内容とする職業もしくは職務をいうと解されています。
京都府下京警察署によると、本件では、逮捕された男は、会社の経理担当者として、会社のお金を管理する立場にあり、取引先等への支払業務などを行っていたようです。
したがって、男の職務は業務上横領罪における「業務」に該当し、業務上横領罪が成立する可能性があります。
ところで、男は「他人の物を占有」していたと言えるのでしょうか?
窃盗罪などにいう「占有」とは、物に対する事実上の支配を言いますが、横領罪における「占有」とは、物に対する事実上の支配だけでなく法律上の支配も含むと解釈しています(大判大正4年4月9日)。
法律上の支配とは、法律上自己が容易に他人のものを処分しうる状態のことを言います
本件について見てみると、男は経理責任者として、印鑑申請さえすれば銀行窓口で現金を引き出すのに使用する払戻請求書を使って会社のお金を引き出すことができたようですから、男は会社の現金という他人の物を占有していたと言えそうです。
仮に、これを勝手に引き出して私的に使用した場合には、業務上横領罪が成立する可能性があります。
そして、本罪の行為は、横領することです。
横領とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、他人の物に対し経済的用法に従って所有者でなければできないような処分をする行為です(最判24年3月8日)。
本件では、男は、会社のお金を引き出し、高級車などの購入するために使ったようです。
お金を使うことは、その所有者にしか許されない行為ですから、男のした行為は横領に当たる可能性があります。
以上から、本件では業務上横領罪が成立する可能性があります。
なるべく早く弁護士に相談を
横領罪は被害者のいる犯罪です。
本件では会社が被害届を提出したことで、事件化し男は逮捕されています。
実際、被害者が被害届を提出したことをきっかけに捜査機関の捜査が始まることが多いようです。
加害者と被害者は見ず知らずの他人ではなく、元々物を預けるというような関係性があることから、被害弁償がされれば被害届を出さない被害者もいらっしゃるようです。
したがって、きちんと謝罪と被害弁償をすれば被害届が提出されず、事件化を防げる可能性があります。
もっとも、どのような示談内容であれば妥当なのかは法律に詳しくない人にとってはわからないのではないでしょうか。
被害者が、裏切られた怒りから過度な条件を提示してくる可能性もあります。
そこで、示談交渉は、交渉のプロである弁護士に一任されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、横領事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分や罪の減軽、執行猶予付き判決を得ることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
高級ブランドショップで服を盗んだ疑いで女を逮捕
高級ブランドショップで服を盗んだ疑いで女を逮捕
高級ブランドショップで服を盗んだ疑いで女が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
事案
京都府山科警察署は、京都市内の百貨店に店を構える高級ブランドショップVで洋服を盗んだとして、会社員の女性Aを逮捕した。
Aは、ショップVで洋服を3点試着したいと申し出て、試着後に2点のみ返却し、残りの1点を鞄の中に入れて持ち帰ろうとした疑いが持たれている。
取調べに対し、Aは「買うお金はなかったが、試着だけでもしてみたいと思ってしてみたら、どうしても欲しくなった。1つだけなら無くなってもバレないだろうと思って盗んでしまった。」と容疑を認めている。
(フィクションです)
窃盗罪
刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
窃取とは、他人の占有する財物を、その占有者の意思に反して自己または第三者の占有に移転することを言います。
ここで、占有とは物を自分の支配ないし管理の下に置いていることを言います。
窃盗罪が成立するためには、まずブランドショップであるVが、Aがカバンに入れた洋服を占有していたと言える必要があります。
占有が認められるためには、客観的要件としての財物に対する事実的支配(客観的支配)と、主観的要件として財物に対する支配意思が必要です。
本件では、Aは、ブランドショップVの店内にある洋服を試着室に持ち込んでから自分のカバンに入れたようです。
Vは店内にある商品に対する客観的支配を有していると言えますから、本件洋服に対してもVは強い客観的支配を有していたと言えそうです。
加えて、Vは、店内に置いてある商品に対して、自店舗のものだという強い支配意思を有しているでしょう。
したがって、Vは、本件洋服を占有していたと言えそうです。
そして、Aは、本件洋服を代金を支払わずに持ち出そうとしたようです。
当然のことながら、Vは商品代金を支払わずに商品を持ち出すことを許してはいないでしょうから、Aは、占有者であるブランドショップの意思に反して自己の占有に移転したと言えそうです。
したがって、本件では窃盗罪が成立する可能性があります。
犯行時のAの認識
窃盗罪は故意犯、すなわち自らの行為が犯罪であることをわかった上で行うと成立する犯罪です。
窃盗罪の場合、故意の内容は、他人の財物を窃取することを認識・認容していたことです。
取調べによれば、Aはブランドショップの商品を試着しているうちに欲しくたまらなくなり、自分の物にしようとして、あえて代金を支払うことなくカバンに入れて持ち出そうとしたようです。
したがって、Aには窃盗罪の故意が認められそうですから、やはり本件では窃盗罪が成立する可能性があります。
なるべく早く相談を
窃盗罪のように被害者のいる犯罪では、示談を成立させることができるかどうかが重要となります。
仮に早い段階で示談が成立した場合には、不起訴処分を得られる可能性がありますし、起訴されたとしても裁判官による量刑の判断の段階で、示談が成立していることが刑の減軽につながる可能性もあります。
もっとも、加害者自ら示談交渉を行うことは得策ではありません。
ブランドショップVは、大切な商品をカバンの中に入れて代金を支払わずに持ち出そうとしたAに対して、強い処罰感情を有していることが考えられます。
Aが謝罪したいと言っても聞く耳を持ってもらえないかもしれません。
そこで、示談交渉は弁護士に一任されることをおすすめします。
加害者からの直接の連絡を取り合ってくれない被害者であっても、弁護士相手であれば示談交渉に応じてくれることは少なくありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、窃盗罪を含む豊富な刑事弁護の経験を持つ法律事務所です。
逮捕前であれば、弊所にて初回無料で弁護士に相談していただけます。
逮捕後の場合には、弁護士を留置場まで派遣する初回接見サービスがございます。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回無料法律相談、初回接見サービスをご希望の方は、0120-631-881までお電話ください。
PC購入代金を水増し請求させて勤務先会社に損害を与えた男を逮捕
PC購入代金を水増し請求させて勤務先会社に損害を与えた男を逮捕
PC購入代金を水増し請求させて勤務先会社に損害を与えた男が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事件概要
京都府下鴨警察署は、京都市左京区に住むシステム開発会社Vに勤務する会社員の男性Aを逮捕した。
Aは、勤務先のシステム開発会社VのCTOとして、PC等の備品の購入を会社から一任されていた。
Aは、現在使用しているPCが、OSのサポートを今年いっぱいで受けられなくなる古い機種であったため、PCの製造販売を行っている友人の会社CからPCを購入することにした。
その際に、Aは、友人であるC社代表取締役と相談し、本来10台で150万円ほどのところを100万円水増し請求させることにした。
購入したPCの経費処理をしていた経理担当者が、PCの購入金額が予想より高かったため怪しんで代表取締役に報告したところ、事件が発覚した。
取調べに対しAは「水増し分は友人と山分けにした。ついお金が欲しくてやってしまった」と容疑を認めている。
(フィクションです)
背任罪とは?
刑法247条が規定する背任罪は、他人のためにその事務を処理する者(①)が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的(②)で、その任務に背く行為(③)をし、本人に財産上の損害を加える(④)犯罪です。
背任罪の主体は、「他人のためにその事務を処理する者(①)」です。
本件のAは、システム開発会社VのCTOとして、会社で必要なPC等の購入を会社から任されていたようです。
したがって、Aは、背任罪が規定する、「他人のためにその事務を処理する者」に当たる可能性があります。
また、背任罪が成立するためには、図利・加害目的すなわち「自己もしくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的(②)」が必要です。
ここでの「本人」とは背任行為の行為者に事務処理を委託した者を言います。
本件では、Aの勤務するシステム開発会社Vが、CTOであるAにPC等の購入を任せていたようですので、V社が「本人」にあたります。
そしてAは、「本人」である勤務先Vに支払わせた水増し請求分を、知人と山分けしていたようです。
したがって、自己と知人(第三者)の利益を図ったとして図利・加害目的があったと評価されそうです。
次に、背任行為すなわち「任務に背く行為(③)」が背任罪の成立に必要です。
背任行為とは、事務処理者として当該事情の下で信義則上当然行うべく期待される行為をしなかったことをいいます。
背任行為の例としては、銀行員が回収見込みがないに相手に対して、本来得るべき十分な担保や保証なしに、金銭を貸し付ける不良貸付や、保管を任されていた物を壊す行為などが挙げられます。
本件では、Aは、自身の勤務するシステム開発会社のCTOとして、業務に必要なPCを適切な金額で購入することを会社から任されていたにもかかわらず、それに反して、友人の経営するPC販売会社に水増し請求させ過大な代金をV社に支払わせていたようなので、背任行為があったと言えそうです。
最後に、「本人に財産上の損害を加えたこと(④)」も必要となります。
本件では、本人すなわちシステム開発会社は、水増し請求により適正価格よりも100万円分多く支払っているので、Aは本人に財産上の損害を与えたと言えそうです。
以上より、本件では背任罪が成立する可能性が高いと言えそうです。
なるべく早く弁護士に相談を
背任罪を犯してしまった場合には、できるだけ早く弁護士に示談交渉を依頼されることをお勧めします。
本件のAのように、加害者は、被害者からの信頼を裏切り損害を与えた人物なので、被害者は加害者に対し、強い処罰感情を有している可能性がありますから、加害者本人が示談交渉に乗り出すのは得策ではありません。
早い段階で被害者との間で示談を成立させ、真摯な謝罪と背任行為により与えてしまった損害を弁償することができれば、不起訴処分になる可能性があります。
仮に不起訴処分にならなかったとしても、判決前に被害者との間で示談を成立させることができれば、量刑が軽くなったり執行猶予付判決が得られるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、背任事件など刑事事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分の獲得のほか、量刑を軽くしたり執行猶予付判決を得ることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
不動産会社の経理担当者を業務上横領罪の疑いで逮捕
不動産会社の経理担当者を業務上横領罪の疑いで逮捕
不動産会社の経理担当者が業務上横領罪の疑いで逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事件概要
京都府右京警察署は、京都市内の不動産会社Vで経理業務を担当していた会社員の女性A(49)を業務上横領罪の疑いで逮捕した。
Aは、V社の創業から経理業務を含むバックヤード業務を担っており、会社のお金の管理は事実上Aに一任されていた。
警察の取調べに対し、Aは、「息子がFXで多額の借金を負ったことを知り、なんとか返済資金を工面できないか考えた結果、会社のお金を横領してしまった。」と容疑を認めている。
(フィクションです)
業務上横領とは
刑法253条
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。
刑法では、横領罪がいくつか規定されています。
単純横領罪(刑法252条)、業務上横領罪(刑法253条)、占有離脱物横領罪(刑法254条)があります。
単純横領罪とは、「自己の占有する他人の物を横領」する罪であり、業務上横領罪とは、「『業務上』自己の占有する他人の物を横領」する罪です。
両罪は、横領した他人の物が「業務」上、自己が占有する物であったかどうかで区別されます。
そして、「業務」とは、金銭その他の財物を委託を受けて占有・保管することを内容とする職業もしくは職務をいうと解されています。
京都府右京警察署によると、Aは、勤務する不動産会社において創業当初から経理業務を担当し、事件当時は会社からお金の管理を一任されていたようです。
したがって、Aの職務は、業務上横領罪における「業務」に該当する可能性があり、Aには、業務上自己の占有する会社のお金を横領したとして業務上横領罪が成立する可能性があります。
では、Aの行為は横領に当たるのでしょうか?
横領とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、他人の物に対し経済的用法に従って所有者でなければできないような処分をする行為です(最判24年3月8日)。
所有者でなければできないような処分とは、具体的にいうと、食べ物であればそれを食べることなどであり、お金であればそれを消費することなどです。
本件では、Aは、自分の管理下にあった会社のお金を、息子の借金の支払いにあてたようです。
金銭債務の支払いのためにお金をあてるのは、そのお金の持ち主にしか許されない行為ですから、Aがした行為は横領に当たる可能性があります。
以上から、本件では業務上横領罪が成立する可能性があります。
なるべく早く弁護士に相談を
業務上横領罪のように被害者のいる犯罪では、被害者との間で示談が成立しているかどうかが、検察官の起訴するかどうかの判断や裁判官の量刑の判断に影響します。
したがって、できるだけ早くに示談交渉に着手することが重要となります。
本件のように、被害者が、加害者の勤務先の場合、全くの見ず知らずの他人ではないため自分で示談交渉できると思われるかもしれません。
たしかに、本件Vにとっては、Aは創業当初からずっと一緒に働いてきた仲間ですが、会社のお金の管理を一任するほど信頼していたにもかかわらず、その信頼を裏切ってお金を勝手に使った人物です。
したがって、VはAに対し強い処罰感情を有している可能性があり、Vから法外な示談金を請求されるなどして交渉が難航したり、そもそも示談交渉に応じてくれない可能性が高いです。
そこで、被害者との示談交渉は弁護士に一任されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、業務上横領事件をはじめとする豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分や罪の減軽、執行猶予付き判決を得ることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
「お前の店に火をつけるぞ」恐喝の疑いで飲食店経営の男を逮捕
「お前の店に火をつけるぞ」恐喝の疑いで飲食店経営の男を逮捕
「お前の店に火をつけるぞ」と恐喝した疑いで飲食店経営の男が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
事例
京都府東山警察署は、祇園エリアで飲食店を経営する男性Aを恐喝罪の疑いで逮捕した。
Aは、集客のため「店長とじゃんけんして買ったら代金無料!(負けたら倍額お支払い)」という施作を店頭に看板を設置して行ったところ、店舗の向かいで同じく飲食店を経営するVが、Aの断りなく同じキャンペーンをSNSをフル活用して行った。
V店舗のSNSがバズった結果、V店舗はそのキャンペーンを代名詞として有名となった。
内心Aは心穏やかでなかったため、AもSNSを使って宣伝をしたところ、逆に「AがVの真似をしている」として炎上してしまい、店には嫌がらせの電話が来るようになり休業するに至った。
我慢の限界に達したAは、V店舗に突撃し「お前がパクったんやろうが!店閉じなあかんなって商売あがったりや!賠償金として300万寄こせ!払わんならお前の店に火つけたるからな!」と言ってAから100万円を脅しとった。
(フィクションです)
恐喝罪とは
刑法249条1項
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
本件で、Aは、自身が始めた施作をあたかも自分がパクったかのような扱いを受けて休業することになってしまったため賠償金という名目で、Vに対して店に火をつけるぞと脅して100万円を支払わせたようです。
Aは、Vに対して、100万円という財物を自身に交付させていますから、Aの発言が恐喝に当たる場合には、恐喝罪が成立する可能性があります。
恐喝とは、①財物交付に向けられた、人を畏怖させるに足りる脅迫または暴行であって、②その反抗を抑圧するに至らない程度の行為を言います。
本件で、Aは、Vに対して賠償金として300万円を要求し、払わないのであればVの店に火をつけると脅したようです。
Vの店に火をつけるというのは、Vの財産に対する害悪の告知と言えそうですから、
Aの発言は、財物交付に向けられた、人を畏怖させるに足りる脅迫に該当しそうです(①)。
次に、Aの発言は反抗を抑圧するに至らない程度かどうかが問題となります(②)。
反抗を抑圧する程度の脅迫というのは、例えば、拳銃の銃口を突きつけながら「金を出さないと殺す」などと脅すような場合がこれに当たります。
この場合、言われた通りお金を差し出すほかないでしょうから、反抗を抑圧する程度の脅迫と言えます。
Aは、Vの店を燃やすと脅しているので、Vとしては恐怖を感じたと思われますが、口頭で言われただけです。
例えばガソリンを持ってきてV店舗に撒き散らし、右手のチャッカマンを見せつけながら「火をつけるぞ」と脅されたのであれば、反抗は困難であったでしょうが、本件では、そうではなさそうですから、反抗をすることが困難であったとまでは言えなさそうです(②)。
以上より、Aの発言は、恐喝に当たり、Aには恐喝罪が成立する可能性があります。
なるべく早く弁護士に相談を
恐喝罪の法定刑は10年以下の懲役です。
執行猶予がつくためには、量刑が3年以下であることが条件の1つですから、恐喝罪を犯してしまった場合、執行猶予がつかない可能性があります。
量刑を3年以下にしてもらう可能性を高めるためには、被害者との間で示談を成立させることができるかが重要となります。
示談交渉は、逮捕されているかどうかに関わらず、ご自分で行うことは望ましくありません。。
恐喝の被害者は加害者に脅されて金銭などの財物を無理やり差し出させた相手なわけですから、加害者のことを怖いと思っている可能性があります。
したがって、加害者本人が謝罪するために連絡してきたとしても応じてくれない可能性が高いです。
そこで、示談交渉は弁護士に一任することをおすすめします。
加害者本人ではなくその弁護士が相手であれば、被害者が示談交渉に応じてくれることは珍しくありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、恐喝事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成功させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、量刑を軽くしたり執行猶予付判決や不起訴処分を得ることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
お電話は0120-631-881で承っています。
閉店後のホストクラブで強盗事件
閉店後のホストクラブで強盗事件
閉店後のホストクラブに侵入して売上金を奪い取った男が強盗罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
事件概要
京都府東山警察署は、京都市内に住む元ホストで、現在自営業の男A(28)を強盗罪の疑いで逮捕した。
Aは、先月までホストとして勤務していたホストクラブに、閉店後の深夜3時にナイフを持って侵入し、金庫に保管されていたその日の売上金を強奪した疑い。
Aは、閉店後の店内に残っていた店のオーナーV(40歳男性)と鉢合わせたため、持っていたナイフをオーナーに突きつけ、「金庫を開けろ。妙なマネするとどうなっても知らないぞ」などと言って、金庫にあった現金300万を奪い取ったとされている。
取調べに対し、Aは、「生活のためお金が必要だった。金庫と鍵の場所はわかっていたのでやってしまった。」と容疑を認めている。
(フィクションです)
強盗罪
本件では、Aは、侵入したホストクラブのオーナーに対してナイフを突きつけて現金300万円を奪ったとして、強盗罪の疑いで逮捕されたようです。
刑法236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
強盗罪とは、簡単に説明すると、拳銃などの凶器を使うなどして、被害者が抵抗できない状態にした上で無理矢理財産を奪い取る犯罪です。
このような行為がなされると、被害者が死亡したり怪我をしたりといったことが発生しやすいと言えますから、強盗罪は、とても危険で悪質な犯罪として、法定刑は5年以上の有期懲役と非常に重たくなっています。
手段としての「暴行又は脅迫」
強盗罪の場合、暴行・脅迫は財物を無理やり奪い取る手段として規定されていますから、本罪における暴行とは、反抗を抑圧するに足りる程度の不法な有形力の行使を意味し、脅迫とは、反抗を抑圧するに足りる程度の害悪の告知を言います。
本件では、Aは、かつて勤務していたホストクラブに閉店後に侵入し、たまたま店内に残っていた店のオーナーに対して、ナイフを突きつけて現金300万円を奪い取ったようです。
したがって、Aのナイフを突きつけた行為は、反抗を抑圧するに足りる程度の不法な有形力の行使にあたるのかどうかが問題となります。
この点について、判例は、問題となった行為が、被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行又は脅迫であるか否かは、「社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度のものかどうか」という客観的基準によって決せられる(最判昭和24年2月8日)としています。
本件Aは、ナイフという殺傷能力の高い凶器を用いています。
被害者のオーナーVからすると、抵抗すればナイフで刺されて殺されてしまうかもしれませんから、Aの行為は、反抗を抑圧するに足りる程度の有形力の行使、すなわち強盗罪における暴行にあたり、強盗罪が成立する可能性があります。
できるだけ早く弁護士に相談を
強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役です。
執行猶予がつくためには、下される量刑が3年以下である必要があるので、強盗罪を犯した場合、執行猶予がつかない可能性が高いです。
執行猶予がかずに有罪判決が下された場合、今まで通りの生活を送ることはできなくなります。
Aの場合、自営業を続けられず取引先との関係も切れてしまい、出所後の再スタートは難しいものとなる可能性が高いですから、なんとか執行猶予をつけることができないかが問題となります。
この点、被害者との間で示談が成立していれば、刑が減軽され3年以下の懲役となる可能性があり、この場合には、執行猶予がつくこともあります。
したがって、示談を成立させることができるかどうかが非常に重要となります。
本件ではAはもともと勤務していたホストクラブに侵入したようなので、被害者の連絡先を知っているかもしれません。
しかし、そうであっても、加害者自ら被害者に連絡をとって示談交渉を行うことは得策ではありません。
本件被害者Vからすれば、加害者は凶器を突きつけて大切なお金を奪っていった人物ですから、連絡を取ること自体拒絶される可能性が高いです。
そこで、示談交渉は法律のプロである弁護士に一任されることをおすすめします。
加害者とのコンタクトを取ることを拒絶する被害者であっても、弁護士相手であれば示談交渉に応じてくれることは珍しくありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、強盗事件を含む豊富な刑事弁護の経験を持つ法律事務所です。
法律のプロがあなたに代わって、示談交渉にあたります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。