罰則強化のながら運転で刑事事件②

2019-12-08

罰則強化のながら運転で刑事事件②

罰則が強化されたながら運転について刑事事件化したケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例①~

Aさんは、京都市東山区にある友人の家に向かう際、スマートフォンをカーナビ代わりにして運転していました。
しかし、友人宅への道がわかりづらかったため、Aさんはカーナビ画面を映していたスマートフォンを注視しながら運転していました。
すると、パトロールしていた京都府東山警察署の警察官がAさんのその様子を発見。
Aさんは、ながら運転をしていたとして、後日京都府東山警察署に呼び出されることになってしまいました。
(※この事例はフィクションです。)

~事例②~

Bさんは、京都市東山区内の道路で自動車を運転している際、スマートフォンでゲームアプリを起動し、ゲームをしながら運転する、いわゆるながら運転をしていました。
すると、赤信号に気づくのが遅れ、Aさんは横断歩道前で急ブレーキを踏みました。
交通違反を警戒していた京都府東山警察署の警察官にそれを見とがめられ、Aさんはながら運転で交通の危険を発生させたとして、道路交通法違反の容疑で話を聞かれることとなりました。
(※この事例はフィクションです。)

・どのながら運転がどの罰則になるか

前回の記事で触れた通り、今年の12月1日に道路交通法が改正され、ながら運転の罰則が強化されました。
該当条文は以下の通りです。

道路交通法71条5号の5
自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第118条第1項第3号の2において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。同号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第41条第16号若しくは第17号又は第44条第11号に規定する装置であるものを除く。第118条第1項第3号の2において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。

道路交通法117条の4
次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
1号の2 第71条(運転者の遵守事項)第5号の5の規定に違反し、よつて道路における交通の危険を生じさせた者

道路交通法118条
次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
4号 第75条(自動車の使用者の義務等)第1項第2号又は第5号の規定に違反した者

ながら運転の罰則は、ながら運転をして交通の危険を発生させたかどうかによって異なることも前回の記事で取り上げた通りです。
では、事例①②のAさんとBさんは、このうちどちらに当てはまるのでしょうか。

~Aさんの場合~
Aさんは、カーナビ代わりにしていたスマートフォンの画面を注視してしまっています。
これは、道路交通法71条5号の5でいう「当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(略)に表示された画像を注視」することにあたるながら運転です。
ですから、Aさんはながら運転をしてしまっていますが、具体的に交通の危険を発生させたわけではなさそうです。
そのため、Aさんは道路交通法118条4号の、ながら運転禁止の規定に違反したという道路交通法違反になりそうです。
こちらの道路交通法違反は、反則金制度(反則金を納付することで刑事手続にならない制度)の対象となっているため、例えばAさんがその容疑を否認している、何度も交通違反を繰り返しており前科前歴がある等の事情がなければ、反則金を納付することで刑事事件化を免れることができると考えられます。

~Bさんの場合~
Bさんは、スマートフォンのゲームをしながら運転しています。
ゲームをしていることから、スマートフォンの画面を注視しながら運転していたと考えられ、先ほどのAさんと同様、ながら運転禁止の規定に違反していることになります。
こうした態様は、典型的なながら運転といえるでしょう。

ここでBさんはながら運転をしたことで赤信号に気づくのが遅れ、急ブレーキを踏んでいることに注意が必要です。
これは一歩間違えば交通事故ともなりかねない行為であることから、道路交通法117条の4の1号の2にいうような「交通の危険を生じさせた」と判断される可能性があります。
実際に今回の事例②では、Bさんはながら運転により交通の危険を生じさせた道路交通法違反として話を聞かれることとなっています。
Aさんのながら運転の場合とは異なり、ながら運転で交通の危険を生じさせた場合には反則金制度の利用はできず、刑事事件となりますから、Bさんは被疑者として取調べられることになるでしょう。
こうした場合には、まずは刑事事件に強い弁護士へ相談することが望ましいでしょう。

刑事事件専門弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、弁護士初回無料法律相談を行っています。
ながら運転は刑罰も強化され、世間からの注目も集まっている犯罪です。
ながら運転刑事事件となってしまった際には、一度弁護士までご相談下さい。