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特殊詐欺事件に加担したとして逮捕・勾留され面会が禁止されている事例①
特殊詐欺事件に加担したとして逮捕・勾留され面会が禁止されている事例①

接見禁止決定がなされた事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
Aさんは特殊詐欺事件に加担したとして、詐欺罪の容疑で京都府下京警察署の警察官に逮捕されました。
ですが、Aさんは全く身に覚えがなく、容疑を否認しています。
Aさんは逮捕後に勾留が決定してしまい、10日間勾留されることになりました。
勾留決定後、Aさんのお母さんが京都府下京警察署へAさんの面会に訪れましたが、Aさんへの面会が禁止されているらしく、面会することができませんでした。
(事例はフィクションです。)
面会の禁止
共犯者がいる事件や容疑を否認している事件では、証拠隠滅を防止するために、勾留決定の際に接見禁止決定がなされる場合があります。
接見禁止決定がなされた場合には、解除してもらえない限り、家族であっても本人と面会することができません。
今回の事例では、Aさんに接見禁止決定がなされたようです。
Aさんは10日間勾留されるようですが、勾留が終わるまでの10日間、Aさんのお母さんが面会することができないのでしょうか。
結論から言うと、接見禁止決定を一部解除することで、勾留期間中であっても面会することができます。
弁護士は裁判所に対して接見禁止決定を一部解除するように申し立てることができます。
今回の事例では、弁護士が裁判所に対して、Aさんのお母さんがAさんに面会する必要があることや証拠隠滅は行わないことを主張し、Aさんのお母さんに限り解除するように求めることで、接見禁止決定の一部解除を認めてもらえる可能性があります。
接見禁止決定の一部解除を認めてもらうことができれば、解除された人が勾留された人に面会することが可能です。
逮捕・勾留された場合には、ただ単に身体拘束されるわけではなく、取調べが行われることになります。
否認事件では、取調べの際に罪を認めさせようと圧力をかけられるなど、厳しい取調べが行われる可能性があります。
慣れない場所での生活や先行きが不安な状態では、かなりのストレスがかかることが予想されますし、そのような状態では、やっていないことをやったと認めてしまう可能性があります。
取調べの際に作成される供述調書は後の裁判で証拠として扱われますから、意に反した供述調書を作成されてしまうと窮地に陥ってしまう可能性があります。
家族と面会することで少しでも緊張が和らぐでしょうから、不利な状態に陥らないようにするためにも、接見禁止決定がなされた場合には、弁護士に相談をすることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービスを行っています。
ご家族が逮捕され接見禁止決定がなされた場合には、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
職務質問で大麻所持が発覚して逮捕された事例
職務質問で大麻所持が発覚して逮捕された事例

大麻取締法違反の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
Aさんは京都府木津川市の路上で職務質問をされました。
その際にAさんのカバンから乾燥させた大麻草の粉末が見つかり、Aさんは京都府木津警察署の警察官に大麻取締法違反の容疑で逮捕されることになりました。
(事例はフィクションです。)
大麻所持
大麻取締法第3条第1項
大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。
日本では、許可を得ている人以外が大麻を所持することを禁止されています。
大麻取締法が規定する大麻とは、大麻草やその製品のことを指し、大麻草の成熟した茎やその製品、大麻草の種子やその製品については除外されます。(大麻取締法第1条)
自分で消費する目的で大麻を所持した場合に、大麻取締法違反で有罪になれば、5年以下の懲役が科されます。(大麻取締法第24条の2第1項)
今回の事例では、Aさんは乾燥させた大麻草の粉末を所持していたようです。
大麻草は大麻取締法が規定する大麻に該当しますので、所持することは禁止されています。
ですので、今回の事例のAさんは、大麻取締法違反の罪に問われる可能性があります。
大麻所持と釈放
刑事事件では逮捕に次ぐ身体拘束として勾留があります。
この勾留の判断は逮捕後72時間以内に行われ、勾留が決定するとさらに最長で20日間拘束されることになります。
逮捕後はもちろんのこと、勾留中も自由に外出などできませんから、学校や会社に行くことはできません。
ですので、勾留が決定し、身体拘束が長引くことで、単位を落としてしまう可能性や、留年、退学、解雇になってしまうおそれがあります。
弁護士は勾留の判断が行われるまでであれば、勾留請求に対する意見書を提出することができます。
この意見書で学校への出席や会社への出勤が必要なこと、家族が環境を整えていることを主張し釈放を訴えることで、釈放が認められる可能性があります。
大麻取締法違反等の薬物事件では、証拠となる大麻等を処分することが比較的容易であることから、証拠隠滅のおそれがあると判断され勾留される可能性が高いです。
弁護士が釈放を求めることで釈放を認めてもらえる可能性がありますから、大麻取締法違反など薬物事件でご家族が逮捕された場合は弁護士に相談をすることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービスを行っています。
弁護士に相談をすることで早期釈放を実現できる可能性がありますので、大麻取締法違反など薬物事件でご家族が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
転売目的でドラックストアで化粧品の万引きを繰り返し窃盗罪の容疑で逮捕された事例
転売目的でドラックストアで化粧品の万引きを繰り返し窃盗罪の容疑で逮捕された事例

転売目的で化粧品の万引きを繰り返し、窃盗罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
Aさんは3か月ほど前から、万引きして手に入れた化粧品をフリマアプリで転売することでお金を得ていました。
いつも通り、Aさんは京都府向日市にあるドラックストアに行き万引きをしようとしていたところ、以前から万引き被害を認識していた店員がAさんの来店に気づいて通報し、Aさんは窃盗罪の容疑で京都府向日町警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)
万引きと窃盗罪
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
窃盗罪を簡単に説明すると、人の物を持ち主の許可なく、自分や他人の物にすると成立する犯罪です。
万引きでは、お店の持ち物である商品を代金の支払い(お店の許可)なく自分の物にするわけですから、窃盗罪が成立する可能性が高いです。
今回の事例では、Aさんは化粧品の代金を支払うことなく万引きしていたようですので、Aさんに窃盗罪が成立する可能性があります。
転売目的による窃盗
Aさんはフリマアプリで転売する目的で万引きを繰り返していたようです。
転売目的での万引き事件では、盗品でお金を得ることになりますし、自分で消費する以上に物を盗むことになりますから、悪質性が高いと判断される可能性があります。
悪質性が高いと判断された場合には、そうでない場合に比べて科される量刑が重くなってしまいます。
窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金であり、決して科される罪の軽い犯罪だとはいえません。
また、罰金刑で済んだり執行猶予付き判決を得られたとしても、有罪になってしまうと前科が付くことになります。
前科が付くことで今の生活や今後の生活に悪影響を及ぼす可能性もありますから、万引きだからと楽観視せずに、弁護士に相談をすることをおすすめします。
刑事事件では、被害者と示談を締結することで、不起訴処分や執行猶予付き判決を得るうえで有利な事情として働く可能性があります。
今回のような万引き事件では、お店相手との示談になります。
お店相手の示談交渉の場合は、お店の経営方針などから謝罪や賠償を断られてしまうことが多々あります。
一度お店に謝罪や賠償の申し入れを断られている場合であっても、再度弁護士が交渉することで応じてもらえる場合がありますから、万引き事件で示談交渉を考えている方は弁護士に相談をすることが望ましいといえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
万引き事件の弁護経験が豊富な弁護士に相談をすることで、少しでも良い結果を得られるかもしれません。
万引き事件でお困りの方は、万引き事件に精通した弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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4日後に大事なプレゼンを控えている会社員が傷害罪の容疑で逮捕された事例
4日後に大事なプレゼンを控えている会社員が傷害罪の容疑で逮捕された事例

傷害罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都市左京区にある会社に勤めているAさんは、帰宅途中に通行人のVさんから暴言を吐かれたと勘違いし、思わずVさんを殴ってしまいました。
Vさんは殴られたことで全治1週間の打撲を負い、Aさんは傷害罪の容疑で京都府川端警察署の警察官に逮捕されました。
Aさんは4日後に行われる会議で大事なプレゼンを控えており、4日後の会議に欠席することはできません。
Aさんは4日後に行われる会議に出席することができるのでしょうか。
(事例はフィクションです。)
傷害罪
刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
傷害罪とは簡単に説明すると、人に暴行などを加えてけがを負わせると成立する犯罪です。
今回の事例では、AさんがVさんを殴り、打撲を負わせています。
殴る行為は暴行にあたりますし、Aさんによる暴行の結果Vさんはけがを負っていますので、今回の事例のAさんには傷害罪が成立すると考えられます。
逮捕と釈放
事例のAさんは4日後に大事なプレゼンが控えており、会議を欠席することはできないようです。
ですが、Aさんは逮捕されているため、このまま身体拘束が続けばAさんは会議に出席することができません。
逮捕されると72時間以内に勾留するかどうかの判断が行われます。
勾留が決定すると、さらに最長で20日間身体拘束が続くことになります。
弁護士は勾留の判断に対して、勾留の判断が行われるまでの間であれば、検察官や裁判官に意見書を提出することができます。
この意見書で、出席しなければならない大事な会議があることや出席できないことで解雇など何らかの処分を付されてしまう可能性があることを訴えることで、勾留されることなく釈放を認めてもらえる可能性があります。
勾留の判断は逮捕後72時間以内に行われますので、Aさんが勾留されることなく釈放された場合には、4日後の会議に出席できることになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービスを行っています。
弁護士に速やかに相談をすることで、早期釈放を実現できる可能性があります。
ご家族が逮捕された方は、お早めに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービスのご予約は、0120ー631-881にて24時間365日受け付けております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
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同僚の玄関マットに尿をかけたとして器物損壊罪の容疑で逮捕された事例
同僚の玄関マットに尿をかけたとして器物損壊罪の容疑で逮捕された事例

同僚の玄関マットに尿をかけたとして器物損壊罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
Aさんが出世した同僚のVさんに嫌がらせをしたいと考えていたところ、京都府城陽市にあるVさん宅に招待されることになりました。
Aさんは嫌がらせをするチャンスだと考え、Vさん宅を訪れた際にVさん宅の玄関マットに尿をかけ、そのままVさんに声をかけることなく帰宅しました。
Vさんが京都府城陽警察署に被害届を提出したようで、Aさんは京都府城陽警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)
器物損壊罪
今回の事例では、AさんがVさん宅の玄関マットに尿をかけたことで逮捕されたようです。
玄関マットに尿をかけるとどのような罪が成立するのでしょうか。
刑法第261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
刑法第261条では器物損壊罪が規定されています。
器物損壊罪を大まかに説明すると、公用文書や私用文書、建造物などを除いた他人の物を損壊させると成立する犯罪です。
損壊とは、財物の効用を滅失させる行為をいいます。
例えば、自転車のタイヤをパンクさせれば自転車に乗ることができませんから、損壊にあたります。
今回の事例では、AさんがVさん宅の玄関マットに尿をかけたそうです。
Vさん宅の玄関マットは破かれたりしたわけではありませんから、洗えば再度使用することができるように思われるのですが、玄関マットに尿をかける行為は損壊にあたるのでしょうか。
結論から言うと、玄関マットに尿をかける行為は損壊にあたる可能性があります。
自転車のタイヤをパンクさせるなど物理的に物を破壊する行為だけでなく、心理的に使用できなくさせる行為も損壊にあたります。
他人の尿をかけられた玄関マットは、洗うことが可能だったとして、気持ち悪くて使用できないでしょうから、今回の事例のAさんには器物損壊罪が成立する可能性があります。
器物損壊罪と示談
器物損壊罪は親告罪です。(刑法第264条)
ですので、告訴がなければ起訴されることはありません。
被害者に対して謝罪と賠償を行い示談を締結することで、告訴を取り下げてもらえる可能性があります。
今回の事例では、VさんはAさんの同僚であり、自宅住所も知っているわけですから、Aさん自らVさんに示談交渉をすることは不可能ではありません。
ですが、Aさん自らがVさんに接触することで証拠隠滅を疑われる可能性がありますし、直接のやり取りをVさんに拒否される可能性もあります。
弁護士を介してであれば、連絡を取ることを許可してもらえる可能性がありますので、弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
器物損壊罪でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
ホテルの総務部長が消耗品を水増し請求して逮捕
ホテルの総務部長が消耗品を水増し請求して逮捕

ホテルの総務部長が消耗品の水増し請求を行い、逮捕された事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
事件概要
京都府中京警察署は、京都市中京区にあるホテル「ザ ホテル オンリーワン」の総務部長Aを背任罪の疑いで逮捕しました。
Aは、ホテルの総務部長として、ホテルで使用される消耗品の購入を一任されていました。
しかし、Aは株式投資で大きな損失を出してしまい、その補填のため急激に資金繰りに困るようになりました。
Aは、長年取引で親しい間柄となっていた「古都日用品株式会社(C社)」から、消耗品を購入する際に水増し請求を行うことを思いつきました。
通常ならば、消耗品の月間予算は50万円程度ですが、AはC社と共謀し、毎月75万円を請求させることにして、水増しされた25万円はAとC社で山分けしていました。
顧問税理士が決算書を見て異変に気づき、ホテルに報告したことで事件が発覚しました。
警察の取り調べに対し、Aは「株式投資で大きな損失を出してしまい、その補填のため急激に資金繰りに困っていた。利益が出たら返そうと思っていた」と容疑を認めています。
(フィクションです)
背任罪とは?
刑法第247条が規定する背任罪は、他人のためにその事務を処理する者(①)が、自己もしくは第三者の利益を図り、または本人に損害を加える目的(②)で、その任務に背く行為(③)をし、本人に財産上の損害を加える(④)犯罪です。
背任罪の主体は、「他人のためにその事務を処理する者(①)」です。
本件のAは、ホテルの総務部長として、必要な消耗品の購入を一任されていました。
したがって、Aは、背任罪が規定する「他人のためにその事務を処理する者」に該当する可能性があります。
また、背任罪が成立するためには、「自己もしくは第三者の利益を図り、または本人に損害を加える目的(②)」が必要です。
ここでの「本人」とは、背任行為の行為者に事務処理を委託した者を指します。
本件では、Aが総務部長として消耗品の購入を一任していたホテルが「本人」に該当します。
そしてAは、消耗品の水増し請求分を懇意にしている取引先と山分けしていたため、自己と第三者の利益を図ったことになります。
したがって、図利・加害目的があったと評価される可能性があります。
次に、「任務に背く行為(③)」が背任罪の成立に必要です。
背任行為とは、事務処理者として信義則上当然行うべき行為をしなかったことを指します。
本件では、Aは、ホテルの総務部長として、適正価格で消耗品を購入することを任されていましたが、それに反して親しい間柄の取引先に水増し請求させ、過大な代金をホテルに支払わせていました。
したがって、任務に背く行為があったと言えます。
最後に、「本人に財産上の損害を加えたこと(④)」も必要です。
本件では、ホテルが毎月25万円分多く支払っていたため、Aは本人に財産上の損害を与えたことになります。
以上の点から、本件では背任罪が成立する可能性が高いと言えるでしょう。
なるべく早く弁護士に相談を
背任罪を犯してしまった場合には、早期に被害者との間で示談を成立させることが重要です。
加害者自ら示談交渉を行うのは、被害者の強い処罰感情により難しい場合が多いため、弁護士に相談することをお勧めします。
早い段階で被害者との間で示談を成立させ、真摯な謝罪と損害の弁償を行えば、不起訴処分となる可能性があります。
不起訴処分にならなかった場合でも、判決前に示談を成立させることで、量刑が軽減されたり執行猶予付き判決を得る可能性が高まります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、背任事件など刑事事件に関する豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
数多くの示談交渉を成功させてきた弁護士が、被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分の獲得や量刑の軽減を図ることができます。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
私物の電動キックボードを傷つけられた男が3万円を脅し取った疑いで逮捕
私物の電動キックボードを傷つけられた男が3万円を脅し取った疑いで逮捕

私物の電動キックボードを傷つけられた男が3万円を脅し取った疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
事件概要
京都府山科警察署は、自営業を営む男性A(35)を恐喝罪の疑いで逮捕しました。
Aは、自分の私物である電動キックボードをコンビニの駐輪場に停めて買い物をしていたところ、同じ駐輪場に停めてあったシェアリングサービスの電動キックボードと勘違いしたV(24)が、誤ってAの電動キックボードの運転スイッチを押してしまいました。
その結果、キックボードが壁にぶつかり、本体が凹んでしまいました。
Aがコンビニから出てきた際、この状況に気付き、Vに対して「どうしてくれるんや!」と怒鳴り、「弁償しないとボコボコにするぞ」と脅しました。
驚いたVは、財布に入っていた3万円をAに渡してしまいました。
この一部始終を目撃していた他の買い物客が警察に通報し、駆けつけた警察官によりAは逮捕されました。
取り調べに対し、Aは「自分の財産を壊されて怒りが収まらなかった」と容疑を認めています。
(フィクションです)
恐喝罪とは
刑法第249条1項
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
本件で、AはVに対して「ボコボコにするぞ」と脅して現金3万円を受け取っており、このAの行為は恐喝罪に該当する可能性があります。
まず、恐喝罪にいう恐喝とは、①財物交付に向けられた、人を畏怖させるに足りる脅迫または暴行であり、②その反抗を抑圧するに至らない程度の行為を指します。
本件で、Aは「ボコボコにするぞ」と言ってVを怖がらせています。
これは身体に対する害悪の告知であり、Aの発言は財物交付に向けられた人を畏怖させるに足りる脅迫に該当します(①)。
次にAの行為は、Vの反抗を抑圧するに至らない程度と言えるでしょうか。
仮に、反抗を抑圧する程度の脅迫に該当した場合、恐喝罪ではなく強盗罪の成否が問題となります。
例えば、鋭利な刃物などの凶器を被害者に向けて脅迫した場合、要求に応じないと命の危険があるため、金品を差し出すしかありません。
このような場合、反抗を抑圧する程度の脅迫に該当し、恐喝罪ではなく強盗罪が成立する可能性があります。
本件では、Aは「ボコボコにするぞ」と脅しましたが、凶器を用いたわけではありませんので、反抗を抑圧する程度の脅迫とは言えないでしょう。
したがって、Aの発言は恐喝に該当すると考えられます(②)。
以上より、Aには恐喝罪が成立する可能性があります。
できるだけ早く弁護士に相談を
恐喝罪の法定刑は十年以下の懲役です。
執行猶予がつくためには、下される量刑が三年以下であることが必要ですから、恐喝罪を犯した場合には執行猶予がつかない可能性があります。
仮に執行猶予がつかず実刑判決が下った場合、刑務所に拘束されるため、日常生活に大きな影響を及ぼしますから、量刑を3年以内に抑えることができるかどうかが非常に重要になってきます。
下される量刑を抑えるには、被害者との間で示談を成立させることが重要です。
ただし、本件のように、脅迫された被害者からすると、加害者とは関わりたくないと思う可能性が高いため、本人自ら示談交渉を行うのは困難です。
そこで、交渉のプロである弁護士に依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、示談交渉を数多く成立させてきた豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120-631-881にて受け付けております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
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全国チェーンの居酒屋の雇われ店長が水増し請求して逮捕
全国チェーンの居酒屋の雇われ店長が水増し請求して逮捕

居酒屋の雇われ店長が水増し請求した疑いで逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事件概要
京都府中京警察署は、全国展開する居酒屋チェーン「乾杯家」の京都支店の店長Aを背任罪の疑いで逮捕しました。
「乾杯家」京都支店の雇われ店長として、店舗の飲料や食材の購入を一任されていたAは友人の経営する飲料会社Dと共謀し、特製ハイボールの購入に関して水増し請求を行いました。
通常、京都支店の規模では、毎月の特製ハイボールの仕入れ値は250万円程度ですが、水増し請求によって毎月500万円が仕入れ値として計上されていました。
そのため、チェーン本部の経理担当者が異変に気づき、事件が発覚しました。
警察の取り調べに対し、Aは「家族の医療費を賄うために水増し請求を思いついた」と容疑を認めています。
(フィクションです)
背任罪とは?
刑法第247条が規定する背任罪は、他人のためにその事務を処理する者(①)が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的(②)で、その任務に背く行為(③)をし、本人に財産上の損害を加える(④)犯罪です。
背任罪の主体は「他人のためにその事務を処理する者(①)」です。本件Aは、全国展開する居酒屋「乾杯家」の京都支店の雇われ店長として、京都支店の物品の購入を一任されていたため、「他人のためにその事務を処理する者」に該当します。
次に、背任罪が成立するためには「自己もしくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的(②)」が必要です。
ここでの「本人」とは、背任行為の行為者に事務処理を委託した者を指します。
本件では、Aを雇用している「乾杯家」のオーナーが「本人」にあたります。Aは、「本人」であるオーナーに対して水増し請求分を負担させ、知人と利益を分け合っていたため、図利・加害目的があったと評価されます。
さらに、背任行為(「任務に背く行為(③)」)が背任罪の成立に必要です。
背任行為とは、事務処理者として当該事情の下で信義則上当然行うべく期待される行為をしなかったことをいいます。
本件では、Aが店舗の特製ハイボールの仕入れにおいて、適正価格で購入するという任務に背いて水増し請求を行っていたため、背任行為があったと言えます。
最後に、「本人に財産上の損害を加えたこと(④)」も必要です。
本件では、オーナーは水増し請求により毎月250万円の余分な支出をしていたため、Aが本人に財産上の損害を与えたことになります。
以上より、本件では背任罪が成立する可能性が高いと考えられます。
なるべく早く弁護士に相談を
背任罪を犯してしまった場合には、早期に被害者との間で示談を成立させることが重要です。
早い段階で示談を成立させ、真摯な謝罪と損害の弁償を行えば、不起訴処分になる可能性があります。
仮に不起訴処分にならなかったとしても、判決前に示談を成立させることで量刑が軽くなったり執行猶予付き判決が得られるかもしれません。
示談交渉は、自分で行わずに弁護士に任せることをおすすめします。
本件Aは、「乾杯家」京都支店の店長としてオーナーから信頼されていたにもかかわらず、それを裏切って損害を与えたように、背任罪の加害者は被害者からの信頼を裏切って損害を与えています。
したがって、加害者自ら示談交渉に乗り出しても対応してもらえない可能性が高いです。
しかし、弁護士相手であれば被害者が示談交渉に応じてくれることがありますので、弁護士に一度相談されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、背任事件をはじめとする豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分の獲得や量刑の軽減、執行猶予付き判決の獲得が期待できます。
できるだけ早い段階で、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
閉店作業中の美容室で店員にナイフを突きつけて現金を奪った男を逮捕
閉店作業中の美容室で店員にナイフを突きつけて現金を奪った男を逮捕

閉店作業中の美容室で店員にナイフを突きつけて現金を奪った男が逮捕された事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
事件概要
京都府南警察署は、京都市内に住む無職の男性(36)を逮捕した。
男は、京都市南区にある美容室に営業時間後に侵入し、レジ締め作業をしていた女性スタッフに対し所持していたナイフを突きつけて「レジの金を全てよこせ。出さないとナイフで刺すぞ」と脅し、恐怖で抵抗できない女性スタッフからレジの金を奪い取ったとして、強盗罪の疑いで逮捕された。
(フィクションです)
強盗罪とは
刑法236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
本件で、男は、ナイフを美容室の店員に突きつけてお金を無理矢理奪ったとして、強盗罪の疑いで逮捕されています。
このような行為がなされると、被害者が死亡したり怪我をしたりといったことが発生しやすいと言えますから、強盗罪は、とても危険で悪質な犯罪と言えます。
強盗罪に当たる行為が、単に人の財産に対する侵害行為にとどまらず人の生命・身体・自由に対する侵害行為という側面も有するため、法定刑は5年以上の有期懲役となっています。
手段としての「暴行又は脅迫」
強盗罪を規定する刑法236条によると、強盗罪は「暴行または脅迫」を手段とする犯罪です。
このように犯罪の手段として「暴行または脅迫」が用いられたことを要する犯罪は、強盗罪以外にも恐喝罪などがありますが、各犯罪によって、「暴行」と「脅迫」の意味内容は異なると解されています。
強盗罪の場合、暴行・脅迫は財物を無理やり奪い取る手段として規定されていますから、本罪における暴行とは、反抗を抑圧するに足りる程度の不法な有形力の行使を意味し、脅迫とは、反抗を抑圧するに足りる程度の害悪の告知を言います。
また、反抗を抑圧するに足りる程度とは、簡単にいうと、抵抗することが困難な程度のことをいいます。
問題となった行為が、被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行又は脅迫であるか否かは、「社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度のものかどうか」という客観的基準によって決せられます(最判昭和24年2月8日)。
この判断は、暴行又は脅迫の態様、行為者及び被害者の状況、日時や場所などを総合考慮して判断されます。
その中でも特に暴行又は脅迫の態様が重視されます。
例えば、加害者が殺傷能力の高い凶器を使用した場合には、社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行又は脅迫と判断される可能性が高くなります。
本件の容疑者は、営業終了後の美容室にのレジに入っていたその日の売上金(財物)を手に入れようとして、レジ締め作業をしていた女性スタッフにナイフを突きつけたようです。
本件において、容疑者は男性である一方で、被害者は女性です。
一般に、女性の方が男性より力は弱い上に、容疑者はナイフという殺傷能力の高い凶器を突きつけていますから、被害者の女性スタッフが男に対して抵抗すること難しいと言えるでしょう。
したがって、男が女性スタッフにナイフを突きつけた行為は、反抗を抑圧するに足りる程度の有形力の行使、すなわち強盗罪における暴行に当たると言えそうです。
加えて、男は女性スタッフに対し、レジ金をよこさないとナイフで刺すぞと脅しています。
ナイフで刺すというのは、身体に対する害悪の告知です。
本件状況のもとで、女性スタッフが男に反抗するのは非常に難しいでしょうから、この行為は強盗罪における脅迫にあたりそうです。
したがって、男は、暴行と脅迫を手段として、その日の美容室の売上金(財物)を奪ったとして、強盗罪が成立する可能性があります。
できるだけ早く弁護士に相談を
本件では執行猶予がつかない可能性があります。
というのは、執行猶予がつくためには懲役刑の場合は下される量刑が3年以下である必要があるのに対し、強盗罪の量刑は5年以上の有期懲役となっているからです。
執行猶予がつかない場合、刑務所に服役することになり今まで通りの社会生活を送ることはできなくなります。
会社にお勤めの場合には、解雇される可能性が高いでしょう。
ただし、強盗罪を犯した場合であっても、被害者に真摯に謝罪して示談が成立していれば、刑の減軽がされて、3年以下の懲役が下され、執行猶予がつく可能性があります。
したがって、示談を成立させることができるかどうかが重要となります。
もっとも、加害者本人が示談交渉を直接行うことはおすすめできません。
というのは、本件のように従業員に対しナイフを突きつけ、大切な売上金を奪い取った加害者に対し、被害者側は強い処罰感情を有しているでしょうし、そのような加害者と直接連絡をとることに恐怖を感じるのが通常だからです。
そこで、示談交渉は弁護士に一任されることをおすすめいたします。
加害者からの連絡を断固拒絶している被害者も、弁護士とであれば連絡を取ることに応じてくれるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、強盗事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分の獲得のほか、量刑を軽くしたり執行猶予付判決を得ることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。

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横領したお金で奨学金の返済から高級車の購入まで私腹を肥やした経理責任者を逮捕
横領したお金で奨学金の返済から高級車の購入まで私腹を肥やした経理責任者を逮捕

経理責任者が会社のお金を横領して奨学金の返済や高級車を購入していた事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例解説
京都府伏見警察署は、京都市伏見区内にある総合病院の経理責任者A(45)を、勤務先の現金を横領していた疑いで逮捕しました。
Aは、業務で病院の財務管理を担当しており、銀行からお金を引き出すための払戻請求書に捺印を行い、これを使って現金を引き出していました。
その際、事前に用意していた白紙の払戻請求書にも同様の方法で捺印し、引き出したお金を私的に使用していた疑いが持たれています。
きっかけは、自身の子供が大学の奨学金の返済に苦しんでいると知り、なんとかしたいという思いから前述の方法で会社のお金を流用し始めたようですが、奨学金の返済が終了した後も会社の金を密かに引き出して家族旅行や高級車の購入をしていたようです。
勤務先病院の同僚が、奨学金の返済に悩んでいたAさんが急に海外旅行に行くようになったことを不審に思い、病院の管理職に報告したことで調査が入り、犯行が発覚しました。
被害額は8000万円にのぼり、病院が被害届を提出したため、彼女は業務上横領罪の疑いで逮捕されました。
(フィクションです)
業務上横領罪とは
刑法253条
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。
刑法は、横領罪として単純横領罪(刑法252条)、業務上横領罪(刑法253条)、占有離脱物横領罪(刑法254条)を規定しています。
単純横領罪とは、「自己の占有する他人の物を横領」する罪であり、業務上横領罪とは、「『業務上』自己の占有する他人の物を横領」する罪です。
両罪は、横領した他人の物が『業務上』自己が占有する物であったかどうかで区別されます。
業務上横領罪の「業務」とは、金銭その他の財物を委託を受けて占有・保管することを内容とする職業もしくは職務をいうと解されています。
京都府伏見警察署によると、本件では、逮捕された女性は、病院の経理担当者として、病院のお金を管理する立場にあり、各種支払業務を行っていたようです。
したがって、彼女の職務は業務上横領罪における「業務」に該当し、業務上横領罪が成立する可能性があります。
ところで、彼女は「他人の物を占有」していたと言えるのでしょうか?
窃盗罪などにいう「占有」とは、物に対する事実上の支配を言いますが、横領罪における「占有」とは、物に対する事実上の支配だけでなく法律上の支配も含むと解釈されています(大判大正4年4月9日)。
法律上の支配とは、法律上自己が容易に他人のものを処分しうる状態のことを言います。
本件Aは、経理担当者として容易に銀行窓口で現金を引き出すために使用する払戻請求書と印鑑を使って病院のお金を引き出すことができたようです。
したがって、Aは病院の現金という他人の物を占有していたと言えそうです。
病院のお金を勝手に引き出して私的に使用した場合には、業務上横領罪が成立する可能性があります。
そして、本罪の行為は、横領することです。
横領とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、他人の物に対し経済的用法に従って所有者でなければできないような処分をする行為です(最判24年3月8日)。
本件Aは、病院のお金を引き出し、奨学金の返済や高級車の購入のために使ったようです。
このようにお金を使うことは、その所有者にしか許されない行為ですから、彼女のした行為は横領に当たる可能性があります。
以上から、本件では業務上横領罪が成立する可能性があります。
なるべく早く弁護士に相談を
本件では病院が被害届を提出したことで、事件化し彼女は逮捕されています。
加害者と被害者は見ず知らずの他人ではなく、元々物を預けるというような関係性があることから、被害弁償がされれば被害届を出さない被害者もいらっしゃるようです。
したがって、きちんと謝罪と被害弁償をすれば被害届が提出されず、事件化を防げる可能性があります。
仮に事件化されたとしても、謝罪と被害弁償をして示談をまとめることができれば、不起訴処分を得られる可能性があります。
もっとも、どのような示談内容であれば妥当なのかは法律に詳しくない人にとってはわからないのではないでしょうか。
被害者が、裏切られた怒りから過度な条件を提示してくる可能性もあります。
そこで、示談交渉は、交渉のプロである弁護士に一任されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、横領事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分や罪の減軽、執行猶予付き判決を得ることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
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