窃盗の再犯を犯した男を逮捕

窃盗の再犯を犯した男を逮捕

手錠

窃盗再犯を犯した男が逮捕された刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務京都支部が解説いたします。

事例

京都府上京警察署は今年4月15日、無職の男(52)を窃盗罪再犯逮捕しました。
同署によりますと、4月15日未明、京都市上京区在住の女性が自転車のかごにあったバックをひったくられ、通報を受けた警察が付近を捜査したところ、女性のバックを持った男を発見し、現行犯逮捕いたしました。
男は3年前も窃盗を行い懲役(現在は拘禁刑)3月を言い渡され、刑期を終えた矢先のことでした。
男は取調べにて「出所した後も仕事がなく、お金に困り、ひったくりをしてしまった」と供述しているとのことです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)

窃盗罪は?

窃盗罪とは、下記のように規定されています。
「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。」(刑法第235条)
窃盗は他人の財物をその意思に反して、略取し、自分または第三者が占有することを言います。
住居に侵入する泥棒やすりなど、ひそかに略取する場合もありますが、ひったくりのように公然と略取する場合もあります。
その略取を成し遂げるために、その略取行為の前後に他人への暴行・脅迫が行われた場合は暴行罪強盗罪など他罪が該当することになります。

今回の事例では女性に暴行などを加えず、男はひったくりをしておりますので、窃盗罪が該当するでしょう。

再犯をすると…

刑法第56~59条に再犯に関しての規定があります。
刑法が規定する再犯とは拘禁刑(2025年5月までは懲役刑)に処せられた者がその執行を終わった日、またはその執行の免除(時効、恩赦など)を得た日から5年以内に再び罪を犯した場合、有期拘禁刑に処するときは、再犯とする、(第56条1項)とあります。
また死刑に処せられた者がその執行の免除(時効、恩赦などで)を得た日又は減刑により拘禁刑に減軽されてその執行が終わった日若しくはその執行の免除を得た日から5年以内に再び罪を犯した場合、その者を有期拘禁刑に処するときも、同じく再犯となります(同2項)。

では再犯を犯した場合は、再犯の罰則はどのようになるのでしょうか。
第57条には「その罪について定めた拘禁刑の長期の2倍以下とする。」とあり、初犯よりも長い拘禁刑になるとのことです。
今回の事例では窃盗罪が成立した場合、10年以下の拘禁刑と定められております。
そのため、10年の2倍以下になりますので、20年以下の拘禁刑に処せられる可能性があることになります。
また罪を3度以上犯した者も、再犯の例によるとあります(第59条)。

再犯の現状

刑務所の出所後の再犯の割合が半数近くに上っているといわれ、再犯率は年々上昇しているのが現状です。
法務省の発表によりますと、刑法犯検挙者中の再犯者数は、2007年(平成19年)以降、毎年減少しており、2020年(令和2年)は8万9,667人でした。
一方、再犯者率は、初犯者数が大幅に減少していることもあり、近年上昇傾向にあり、2020年は、49.1%と、調査の開始(1972年(昭和47年))以降過去最高になっております。

再犯の理由として周りの環境・人間関係、病的な犯罪癖など再犯をする個人的な理由はもちろんですが住居や就労など社会的な理由が大きいと言われています。
国は再犯を防止する対策として、住居や就労のあっせんを積極的に行っています。
法務省・厚生労働省では協力企業を募集し、雇用した場合は奨励金や身元保証制度などを設けて促進しております。
また出所後に更生を手助けしていく民間のボランティアである保護司の役割も重要で、国が推進しています。
しかし、現実は難しく再犯者のうち、およそ7割が“無職”とされています。
再就職ができても環境についていけない、まわりの理解が得られないなどの理由ですぐに辞めてしまうケースも多いようです。

再犯を犯してしまったら

上記にあるように、再犯は初犯より重く罰せられる割合が高くなります。
また窃盗の場合、犯行態様や被害金額によって捜査機関が相当と考える処罰の内容・程度が異なってきます。
そして被害者との示談の有無、反省の程度、年齢などを考慮することを弁護士から裁判官に働きかけることによって減刑をめざすことも可能でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、窃盗罪をはじめ多くの刑事事件のご依頼を頂き、対応してきました。
ご家族・ご友人の方が逮捕された、警察の捜査、呼び出しを受けている、被害者と示談したいなどがございましたらフリーダイヤル:0120―631―881までお気軽にお問合せください。
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