道路を横断する歩行者に気づかずに車でひいてしまい、過失運転致死罪の容疑で逮捕された事例②
前回のコラムに引き続き、道路を横断する歩行者を車でひき、過失運転致死罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
Aさんは、京都市北区の道路を走行中、道路を横断する歩行者に気づかずに車でひいてしまいました。
Aさんは救急車を呼び、救護にあたりましたが、搬送先の病院で死亡が確認されました。
Aさんは過失運転致死罪の容疑で京都府北警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)
過失運転致死罪と刑罰
前回のコラムで解説したように、過失運転致死罪の法定刑は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金です。(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)
過失運転致死罪では、罰金刑の規定がありますので、有罪になった場合に懲役刑や禁錮刑ではなく罰金刑が科される可能性があります。
とはいえ、過失運転致死罪では人が亡くなっていますから、遺族の処罰感情が苛烈であることが予想されますので、罰金刑で済まない可能性の方が高いように思われます。
ですが、過失運転致死罪では必ずしも懲役刑が科されるわけではありませんので、弁護活動によって罰金刑で済ませられる可能性があるといえます。
弁護士と取調べ対策
過失運転致死罪など、犯罪の容疑をかけられた場合には、警察官や検察官から取調べを受けることになります。
取調べは単に容疑者の話を聞くわけではなく、容疑者の供述内容を基に供述調書が作成されます。
作成された供述調書は重要な証拠となり、裁判で使用されたり、検察官が処分を決めるうえで重要な判断材料になったりします。
ですので、もしも容疑者の意に反した内容の供述調書が作成されてしまった場合には、その供述調書が不利にはたらき、罰金刑で済まずに懲役刑や禁錮刑が科されてしまったり、執行猶予付き判決を獲得できずに実刑が科されてしまう可能性があります。
そういった事態を防ぐためにも、事前に弁護士と取調べ対策を行い、供述内容を整理しておくことをおすすめします。
検察官への処分交渉
弁護士は検察官に対して処分交渉を行うことができます。
弁護士が容疑者にとって有利な事情を集め、検察官に訴えることで、略式起訴による罰金刑で済む可能性があります。
略式起訴では裁判が行われません。
ですので、公開の法廷で裁判が行われないことで、周囲に事故を起こしたことを知られずに済む可能性があります。
また、裁判が行われる場合と比べて、早期に事件を終息させることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
死亡事故を起こしてしまった場合であっても、経験豊富な弁護士による弁護活動によって懲役刑や禁錮刑が科せられることを避けられる可能性があります。
事故によって処分の見通しなども変わってきますから、過失運転致死罪でお困りの方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。