【事例紹介】公務員が嵐山公園内で女性の下着を盗撮しようとした事例①

【事例紹介】公務員が嵐山公園内で女性の下着を盗撮しようとした事例

盗撮

嵐山公園内で下着を盗撮しようとしたとして、性的姿態等撮影未遂罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警右京署は15日、性的姿態撮影処罰法違反(撮影未遂)の疑いで、京都府山城南土木事務所副主査の男(34)=亀岡市=を逮捕した。
逮捕容疑は、(中略)京都市右京区の嵐山公園内の河川敷付近に座っていた女性(17)のスカート内にスマートフォンを向けて下着を撮影しようとした疑い。
同署によると、女性の前を行き来する男を不審に思った女性の友人が110番した。容疑者は「盗撮するために嵐山公園に来た」と供述しているという。
(後略)

(4月15日 京都新聞 「京都・嵐山の公園で17歳女性の下着撮影しようとした疑い 京都府職員の男逮捕「盗撮のために来た」」より引用)

盗撮と犯罪

今回の事例では、容疑者が嵐山公園内で被害者のスカート内を盗撮しようとしたと報道されています。
実際には撮影できていないようなのですが、何か罪に問われるのでしょうか。

性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下「性的姿態等撮影処罰法」といいます。)
第2条1項 次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
1号 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
(以降省略)

上記条文では、性的姿態等撮影罪を規定しています。
今回の事例では嵐山公園内の河川敷付近に座っていた被害者のスカート内を盗撮しようとしていたとされています。
嵐山公園内の河川敷は不特定多数の人の往来があるわけですから、通常衣服を着けている場所だといえます。
また、今回の事例で、被害者自ら下着を見られると認識しながら座っていたとは考えられないでしょう。
加えて、スカート内を撮影する行為は、身に着けている下着を撮影する行為と同義でしょうし、報道されているような状況でスカート内を撮影する正当な理由はないように思われますから、嵐山公園内の河川敷付近に座っていた被害者のスカート内を盗撮した場合には、性的姿態等撮影罪が成立する可能性があります。

では盗撮しようとしたが撮影することができなかった場合はどうでしょうか。

性的姿態等撮影処罰法第2条2項では、「前項の罪の未遂は、罰する。」と規定しています。
同法2条1項では性的姿態等撮影罪を規定していますので、盗撮しようとしてできなかった場合には、性的姿態等撮影未遂罪が成立することになります。

ですので、今回の事例では、容疑者がスカート内を盗撮しようとしていたのであれば、性的姿態等撮影未遂罪に問われる可能性があります。

盗撮は未遂であっても罪に問われることになります。
性的姿態等撮影罪の法定刑は、3年以下の拘禁刑又は3百万円以下の罰金ですので、決して罪の軽い犯罪だとはいえません。
また、拘禁刑が規定されていますので、有罪になった場合には、刑務所に行かなければならない可能性があります。

盗撮事件では、被害者に対して謝罪と賠償を行い、示談を締結することで、不起訴処分を得られる場合があります。
盗撮の被害者が未成年である場合、窓口は被害者の保護者になる場合がほとんどです。
大切な娘が犯罪被害にあっているわけですから、加害者と連絡を取りたくないと思われる方が多くいらっしゃいます。
弁護士からの連絡であれば、話だけでも聞いてみようと思ってもらえる場合がありますので、示談などを考えている方は、一度、弁護士に相談をしてみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
弁護士に相談をすることで、不起訴処分を獲得できる場合もありますので、盗撮などでお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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