【事例紹介】木造3階建てを全焼させたとして現住建造物等放火罪で逮捕
自宅である木造3階建ての建物を全焼させたとして、現住建造物等放火罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都府警山科署は8日、現住建造物等放火の疑いで京都市山科区、無職の男(45)を逮捕した。
(3月9日 京都新聞 「「母親と口論で腹いせ」自宅に放火、全焼させた疑いで逮捕」より引用)
逮捕容疑は、(中略)自宅の木造3階建て延べ約80平方メートルを全焼させた疑い。男は、母親と弟の3人暮らしで「母親と口論になり、腹いせでやった」と話しているという。
現住建造物等放火罪
刑法第108条
放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
現住建造物等放火罪は、簡単に説明すると、人が生活している建物や人がいる建物などに放火し焼損させると成立する犯罪です。
現住建造物等放火罪が規定する人とは加害者以外の人を指しますので、加害者だけが住んでいる家や加害者しかいない建物を放火した時には現住建造物等放火罪は成立しません。
放火とは、簡単に言うと火を点けることをいいます。
例えば、木造の家に直接ライターで火を点ける行為は放火にあたりますし、新聞紙などに火を点けて燃え移らせようとした場合にも放火にあたります。
また、焼損を簡単に説明すると、火を点けるための媒介物から家などの目的物に燃え移り、目的物が独立して燃焼し続ける状態のことをいいます。
今回の事例では、容疑者が自宅の木造の建物を延べ約80平方メートルを全焼させたとされています。
この自宅には容疑者のほかに母と弟が暮らしていたようですので、現住建造物にあたるといえます。
また、延べ約80平方メートルが全焼しているということは、火を点ける媒介物から火が燃え移って家が独立して燃焼していたと考えられますから、焼損にあたるでしょう。
ですので、容疑者が放火したのであれば公共の危険を生じさせたといえるでしょうから、容疑者に現住建造物等放火罪が成立する可能性が高いと思われます。
裁判員裁判
現住建造物等放火罪は裁判員裁判の対象となる事件です。
裁判員裁判では通常の裁判とは違い、裁判官だけでなく市民も参加して判決を下します。
ですので、裁判員裁判に向けた弁護活動が必要になってきます。
裁判員裁判では、市民である裁判員の負担を減らすため、短期間に裁判を集中して行います。
そのため、裁判員裁判では必ず裁判前の準備として公判前整理手続が行われます。
公判前整理手続では、事件の争点や証拠の整理が行われます。
弁護士は公判前整理手続の中で被告人に有利になるような重要な証拠を集め、争点を明らかにしていく必要があります。
また、裁判員裁判では、判決に市民である裁判員の意見が反映されますから、裁判官だけでなく裁判員も納得させなければなりません。
通常の裁判と違い裁判員へのアピールも必要になってくるなど、裁判員裁判は通常の裁判と異なりますから、裁判員裁判が行われる場合には、刑事事件の経験豊富な弁護士に相談をすることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
刑事事件に精通した弁護士に相談をすることで、少しでも良い結果を得られるかもしれません。
現住建造物等放火罪などの刑事事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。