盗難車に乗っていた男を逮捕

盗難車に乗っていた男が逮捕された刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
事例
京都府西京警察署は今年5月2日、会社員の男(24)を盗品等無償譲受罪で逮捕しました。
同署によりますと、5月1日深夜、警察が京都市西京区内において検問をしており男が乗っていた車の車検証とナンバーを確認したところ、盗難車であったことがわかりました。
男は取調べに対し「友人にただで譲ってもらった、まさか盗品とは思わなかった」と供述しているとのことです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)
盗品等関与罪は?
刑法第256条に定められています。
1項 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、3年以下の拘禁刑に処する。
2項 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の拘禁刑及び50万円以下の罰金に処する。
盗品等関与罪の処罰目的は、盗品を追跡することが難しくなることによって被害者が財物を取り戻すのが困難になる点、盗品を違法な状態で維持することになってしまい、将来に向かって本犯を助長してしまう点にあります。
盗品等関与罪をまとめますと以下の五罪になります。
ちなみに当該物体が盗品であったことに対して故意(意図している)であることが必要です。
①盗品等無償譲受罪(1項)
無償で盗品を譲り受ける行為で、贈与や無利息の消費貸借を含み、他の行為類型よりも軽い刑罰になっております。
②盗品等有償譲受罪(2項)
お金を払いその盗品を自分や第三者の所有・占有にした場合に成立します。
本犯から直接やり取りをせずとも、転売されて取得した場合も含みます。
ただ引き渡し後に財物が盗品であることが分かった場合は、本罪は成立しません。
③盗品等運搬罪(2項)
盗品の運搬をする行為です。
本犯を手助けする行為が該当します。
④盗品等保管罪(2項)
盗品の保管をする行為です。
本犯から委託を受けずとも、財物が盗品であることを認識して管理する行為も該当します。
⑤盗品等有償処分あっせん罪(2項)
盗品を他人に売買・交換など法律上の処分をあっせんする行為で、あっせん行為の有償・無償は問われません。
あっせん行為が行われればよく、実際に売買が成立する必要はないとされています。
ちなみに刑法第257条には、親族間で上記の犯罪を行ったときには刑を免除するという特例が規定されています。
これは親族間でかばうために本罪を犯した場合は仕方がないとして、責任が減少し、刑が免所されるとの考えからです。
今回の事例では、男が譲ってもらった車は盗難届がでているものでした。
そのため、男が車が盗難品であると認識しながら譲り受けたのであれば、盗品等無償譲受罪が該当するでしょう。
また盗難品であることの認識は未必的なものでも足りるとされていますので、車が何らかの犯罪によって得られたものかもしれないと思うようなことがあったのであれば、男に盗品等無償譲受罪が成立する可能性があります。
盗品等関与罪で逮捕・勾留されてしまったら
友人・知人から有償・無償でゆずってもらったが盗品だった、ネットフリマで購入したものが盗品だったなど、故意がない場合があります。
しかし、自身で捜査機関には故意がないことを立証するのはとても困難で、取調べでは自身が話していない内容の供述調書が作成される可能性もあります。
ですので、自身で内容を確認し自身の意に反した内容の供述調書が作成されていないか確認をすることが重要です。
とはいえ、ただでさえ慣れない取調べで緊張や不安ななか、自身で供述調書の内容を精査することは厳しいでしょう。
事前に弁護士に取調べに関する打ち合わせを行い、供述内容や供述調書の署名押印について確認をしておくことで、自身にとって不利にはたらく供述調書の作成を防げる可能性があります。
また状況を聴取して作成した弁護人意見書に様々な証拠を添付し、捜査機関に提出することによって、弁護士から捜査機関に不起訴や減刑などを交渉することも可能でしょう。
このような捜査機関との交渉はとても重要で、刑事事件の専門知識と経験豊富な弁護士はとても頼りになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、盗品等関与罪をはじめとする刑事事件に精通した法律事務所です。
お困りの方はフリーダイヤル:0120―631―881までお気軽にお問合せください。
24時間365日受付中です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介