SNSで知り合った女性から虚偽の被害申告をされた場合の弁護活動(冤罪事件)

今回は、SNSで知り合った女性とデートをしたところ、虚偽の被害申告をされてしまい、警察の捜査を受けることになった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
事例
Aさんは、SNSで20歳の女性Vさんと知り合いデートをすることになりました。
デートは順調に終わったかと思われたのですが、後日Vさんから「不同意で無理やり性交させられた事で警察に被害届を出した。示談金を払えば取り下げる。」と連絡が来ました。
AさんはVさんに抗議し、示談金を払わなかったところ、警察署から呼び出され、不同意性交等罪の疑いで取調べを受けることになりました。
Aさんは本件の内容が事実ではないので、被疑事実については否認しましたが、「被害者がいるのに真摯に向き合わないのか。」、「被害者は泣いていたぞ。」等、取調官はAさんの言い分を聞き入れようとしません。
今回、Aさんは逮捕されることなく自宅に帰ることができましたが、これからどうなってしまうのか不安に感じています。
(事例はフィクションです。)
冤罪事件の対応
事例の事件は、「冤罪事件」と言えるでしょう。
冤罪とは、無実の罪に問われ、あるいは処罰を受けることをいいます。
無実の罪につき処罰されることは決してあってはならないことです。
もし、無罪判決や不起訴処分を獲得して濡れ衣が晴れたとしても、Aさんが失った時間が戻ることはありません。
また、捜査、裁判を受けている間、Aさんに好奇の目が向けられ、社会的信用を失ってしまうことも考えられます。
身に覚えのない疑いをかけられ、被疑者となってしまった場合には、すぐに弁護士に依頼し、適切な弁護活動を行っていく必要があります。
取調べで被疑事実を否認する
事例の取調官はまったくAさんの言い分を聞き入れようとしていません。
今回の事例のように被疑事実を否認する場合においては、しばしば過酷な取調べとなります。
このままでは起こしてもいない事件の調書をとられたり、事実とは異なる自白をしてしまう危険性があります。
このような場合は、まずAさんにおいて「被疑者の権利」を理解し、弁護士のアドバイスを受けながら適切に対応していく必要があります。
被疑者の権利
現在のAさんにとって重要な権利として
〇黙秘権・供述拒否権
〇署名押印拒絶権
〇増減変更申立権
があります。
黙秘権・供述拒否権
取調べの際、Aさんは自己の意思に反して供述する必要はありません。
一切口を開かない、ということも法律上可能です。
ただし、Aさんにとって有利な供述もできなくなるので、一切口を開かない、というのはあまり現実的ではありません。
もちろん、話したくないことは話す必要がありませんし、当然、事実と異なる自白をする必要もありません。
どのように黙秘権・供述拒否権を行使するかは、弁護士のアドバイスを受けるのがよいでしょう。
署名押印拒絶権
取調官に話した内容は、供述調書として作成されて証拠として活用されることになります。
もし話していないことや、話したことと違うことが調書に記載されていた場合、被疑者は署名又は押印を拒否することができます。(刑事訴訟法第198条5項但書)
なお、供述した通りの調書であっても、法律上、署名押印拒絶権を行使することはできます。
増減変更申立権
調書が供述した通りに作成されていない場合や、自身の言い分が記載されていない場合には、調書を訂正するよう申し立てることができます。
納得がいくまで修正を求めて構いません。
申し立てに応じてもらえない場合には、前述の署名押印拒絶権により、署名・押印を拒否するべきだと言えるでしょう。
また、今後の取調べにおいて、黙秘権・供述拒否権を行使することも検討する必要があるでしょう。
身に覚えのない不同意性交等罪を疑われて、取調べを受ける場合には、早急に弁護士と相談し、弁護活動を依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件・少年事件を主に取り扱う法律事務所です。
身に覚えのない不同意性交等罪の疑いをかけられ、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。