滋賀県守山市で建造物等損壊・器物損壊事件②

2019-05-03

滋賀県守山市で建造物等損壊・器物損壊事件②

~前回からの流れ~
Aさんは、滋賀県守山市に住んでいます。
Aさんは、隣の家に住むBさんとの折り合いが悪く、日頃から小さなトラブルを頻繁に起こしていました。
ある日、Aさんは…
①Vさん宅に招かれた際、Vさん宅の部屋を仕切っているふすまを蹴り壊しました。
②Vさん宅の外壁を斧で殴りつける等して壊しました。
③Vさん宅の玄関の扉を金属バットでたたく等して壊しました。
Aさんは、通報を受けて捜査を開始した京都府城陽警察署に逮捕されたのですが、まさか自分の家族が刑事事件の被疑者として逮捕されるとは思ってもいなかったAさんの家族は戸惑い、まずは詳しい話を聞きたいと、京都府滋賀県刑事事件を取り扱っている弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

前回の記事では、Aさんの行為に成立しうる2つの犯罪、建造物等損壊罪と器物損壊罪について取り上げました。

刑法260条(建造物等損壊罪)
他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。

刑法261条(器物損壊罪)
前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

今回の記事では、Aさんの①~③の行為がそれぞれと建造物等損壊罪器物損壊罪、どちらに当たりうるのでしょうか。

・①について

上記事例の①で、AさんはVさん宅の部屋を仕切っているふすまを蹴り壊しています。
家の中にある戸を壊していることから、建造物等損壊罪となるのではないかとも思えます。
しかし、建造物等損壊罪の「建造物」の一部であると言えるためには、毀損しなければ取り外しができない状態であることを要するとされています(大判明43.12.16)。
例えば、畳は一見建物の一部のように見えますが、取り外しが容易であることから「建造物」の一部とは認められません。

今回のAさんが破壊したのはふすまであり、ふすまは取り外しが容易であることから「建造物」の一部とは認められず、器物損壊罪が成立するにとどまると考えられます。

・②について

次に、上記事例の②について検討しましょう。
AさんはVさん宅の外壁を殴りつけるなどして壊しています。
①で見た条件を考えると、住宅の外壁は住宅から取り外すことはできませんし、Vさん宅が「建造物」であることは疑いようがありません。

こうしたことから、②ではAさんに建造物等損壊罪が成立すると考えられます。

・③について

③では、AさんはVさん宅の玄関の扉を壊しています。
①で取り上げたような考え方を使えば、玄関の扉は取り外しができるものであることから、「建造物」の一部とは考えられず、器物損壊罪が成立するように思われます。
しかし、実は建造物等損壊罪の「建造物」については、単純に取り外しできるかどうかだけで判断されるわけではありません。

「建造物」かどうかの判断の際には、その物がどれほど建造物と接合しているのか、その物が建造物の機能にとってどれほど重要なのかというったことが総合的に判断されます。
今回のAさんの③の行為のような、玄関の扉を壊した過去の事例では、玄関の扉は建造物の建物内と外界との遮断や防犯、防風、防音といった機能を担っていることから「建造物」の一部であると認められたものがあります(最判平19.3.20)。
ですから、今回の③についても、玄関の扉を破壊した行為については建造物等損壊罪が成立すると考えられるのです。

法律名からは違いが分かりやすいように思える建造物等損壊罪器物損壊罪ですが、法律の細かい解釈まで知っていなければ、どちらが成立するのが適当であるのか判断することは非常に難しいです。
だからこそ、建造物等損壊事件器物損壊事件の被疑者となってしまったら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士までご相談ください。
弊所の刑事事件専門の弁護士が、成立する犯罪やそれに伴った手続き、見通しについて丁寧にご相談に乗らせていただきます。
(お問い合わせ:0120-631-881