滋賀県守山市で建造物等損壊・器物損壊事件③

滋賀県守山市で建造物等損壊・器物損壊事件③

~前回からの流れ~
Aさんは、滋賀県守山市に住んでいます。
Aさんは、隣の家に住むBさんとの折り合いが悪く、日頃から小さなトラブルを頻繁に起こしていました。
ある日、Aさんは…
①Vさん宅に招かれた際、Vさん宅の部屋を仕切っているふすまを蹴り壊しました。
②Vさん宅の外壁を斧で殴りつける等して壊しました。
③Vさん宅の玄関の扉を金属バットでたたく等して壊しました。
Aさんは、通報を受けて捜査を開始した滋賀県守山警察署に逮捕されたのですが、まさか自分の家族が刑事事件の被疑者として逮捕されるとは思ってもいなかったAさんの家族は戸惑い、まずは詳しい話を聞きたいと、京都府滋賀県刑事事件を取り扱っている弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・2つの犯罪の弁護活動

前回の記事では、Aさんの①~③の行為にそれぞれ建造物等損壊罪器物損壊罪が成立するということを取り上げました。

刑法260条(建造物等損壊罪)
他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。

刑法261条(器物損壊罪)
前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

前々回の記事でも取り上げましたが、この2つの犯罪の大きな違いは「親告罪」であるかどうかという点です。
親告罪は、告訴がなければ起訴されない犯罪のことを言います。
告訴とは、犯罪被害の申告に加えて、犯人の処罰を求める申し出のことです。
なお、こちらも刑事事件の手続きでよく使われる「被害届」については、犯罪被害の申告のみを指します。
建造物等損壊罪は非親告罪といい、起訴に告訴を必要としない犯罪ですが、器物損壊罪は親告罪です。
ですから、器物損壊事件で被疑者となった場合には、起訴前に被害者と告訴を出さない、又は告訴を取り下げる内容の入った示談することができれば不起訴になるということになります。
そのため、器物損壊事件では早急な謝罪と示談交渉が求められます。

もちろん、建造物等損壊事件においても被害者への対応は非常に重要です。
器物損壊罪のように親告罪ではないにせよ、建造物等損壊罪も被害者の存在する犯罪ですから、被害者への謝罪や弁償ができているのかどうか、被害感情がどの程度であるのかといったことは処分を決めるに際して重要視されます。
そのため、親告罪のように起訴前に示談締結となったとしても必ずしも不起訴になるわけではないとしても、示談交渉を後回しにしてしまったりおろそかにしてしまったりということはおすすめできません。

また、建造物等損壊罪器物損壊罪のもう1つの大きな違いは、器物損壊罪には罰金刑の規定があるのに対して、建造物等損壊罪には懲役刑のみの規定となっています。
罰金刑の場合、100万円以下の罰金であれば略式手続という手続きを取ることができます。
略式手続が取られた場合には、公開の法廷に立つ必要はなく、罰金を支払うことで事件の終息となります。
罰金刑の規定がないということは、この略式手続を取ることができないということです。
先ほどあげたように、建造物等損壊罪には罰金刑の規定がありませんから、建造物等損壊罪で起訴されるということは公開の法廷に立ち、正式な刑事裁判を受けるということになるのです。
刑事裁判の弁護活動は早期から準備することでより充実したものになります。
先ほど触れた示談交渉も、起訴前に締結し、評価してもらうことができればそもそも刑事裁判になることを避けられる可能性が出てきますし、刑事裁判になったとしても有利に働く証拠として使うことができます。

今回のAさんのような、近所に住んでいる人同士のトラブルから刑事事件に発展したような場合には、もちろん事件の性質も関連しますが、被疑者と被害者の接触の可能性があるとして逮捕されてしまうことも考えられます。
逮捕されてしまえば当然家族にも会社にも自由に行き来することはできませんし、連絡を入れることもできません。
さらに、先述した示談交渉に取り掛かろうにも、被疑者本人は身体拘束されてしまっていますし、そうでなくともさらなるトラブルを起こしたくないという懸念や被害感情から連絡自体を断られてしまったり、当事者同士での話し合いによりさらにこじれてしまったりというケースも考えられます。
こうしたことから、建造物等損壊事件器物損壊事件では、早急に弁護士に相談することが必要であると言えます。
0120-631-881では、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の専門スタッフが、弊所弁護士によるサービスのご案内を行っています。
逮捕されている方もそうでない方も、京都滋賀刑事事件にお困りの際はお気軽にお電話ください。

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