殺人未遂罪が正当防衛

2019-01-29

殺人未遂罪が正当防衛

京都府亀岡市のマンションに住むAさんは、1週間ほど前に交際相手のBさんからプロポーズを受け、結婚に向けて準備を進めていました。
そんな中、Bさんの元交際相手であるVさんがそのことを知り、嫉妬の念からAさん宅に押しかけ「殺してやる」とAさんに包丁を向けました。
すぐに玄関からリビングまで逃げたAさんは、部屋にあった金づちでVさんの頭を力任せに何度か殴打して失神させました。
その後、Aさんは殺人未遂罪の疑いで京都府亀岡警察署にて取調べを受けることになったため、正当防衛に当たらないか弁護士に聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・殺人未遂罪について

殺人未遂罪」という罪名自体は、ニュースなどでも時々耳にするかと思います。
殺人未遂罪は、その名のとおり殺人が未遂に終わった場合、すなわち人を殺害しようとしたものの殺害には至らなかった場合に成立しうる罪です。

殺人未遂罪が成立するケースというのは、被害者に怪我を負わせたとして傷害罪にも当たることが多くあります。
両罪のいずれが成立するかは、基本的に①人を殺害する程度の危険性があったか、②殺意があったかという2点が基準になります。
これら①②のうち、実務上よく問題となるのは②です。
殺意の有無というのは加害者の内心であるため、外部からそれを知ることは究極的には不可能と言えます。
ですので、殺意があったかどうかは、殺人未遂罪がなされた客観的な状況に基づき判断されることになります。
上記事例では、Vさんに対するAさんの行為につき殺人未遂罪の疑いが持たれています。
殺意の肯定に結びつく事情としては、①金づちという危険な物を用いていること②狙った部位が頭だったこと③力任せに何度か殴打したこと、などが考えられるでしょう。

未遂罪を犯した場合の刑の範囲は、既遂罪の法定刑をベースにしたうえで、未遂という点を考慮してその刑を任意的に減軽するというかたちで決定されます。
殺人未遂罪であれば、刑を減軽する場合は以下のようになります。
・死刑→無期の懲役もしくは禁錮または10年以上の懲役もしくは禁錮
・無期の懲役→7年以上20年以下の懲役または禁錮
・5年以上の懲役→2年6か月以上10年以下の懲役または禁錮

・正当防衛の可能性

上記事例において、Aさんの行為は殺人未遂罪の構成要件に当てはまる一方、Vさんによる襲撃から身を守るために行われたものです。
こうしたケースでは、ご存知の方も多いかと思いますが正当防衛の成立を主張することが考えられます。
正当防衛と聞くと、なんとなく「相手から突然攻撃を受けたので身を守るためにやり返した」という場面を想像するのではないでしょうか。
これはたしかに正当防衛が問題になりそうな場面ですが、こうした状況下において必ず正当防衛が成立するかというとそうとは限りません。

正当防衛というのは、違法な行為を社会的に相当なものと見て例外的に適法とする規律です。
そのため、正当防衛の成立により行為が適法となるためには、本来違法な行為を正当化するに値する状況であることが求められます。
たとえば、正当防衛の名を借りて相手を痛い目に遭わせようと考えた場合、行為を正当視する状況下にないとして正当防衛は成立せず、適法にはならないと考えられます。
また、自己の身を守るのに必要な限度を超えて行為に及んだ場合、不必要に権利を侵害したとして過剰防衛となることもあります。
過剰防衛でも刑の減軽または免除が認められることはありますが、必ず刑が免除される正当防衛と比べると効果は薄いと言わざるを得ません。

以上は飽くまでも一例であり、実際に正当防衛の成否を争うのは、正当防衛の成立要件や刑事裁判のルールについて深い見識がなければ難しいというのが実情です。
もし正当防衛の主張をお考えであれば、一度法律の専門家である弁護士に相談してみることをおすすめします。

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