息子を騙り現金をだまし取ったとして、詐欺罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都府警中京署は23日、詐欺の疑いで、住所不定、自称建設業の男(24)を逮捕した。同署は特殊詐欺事件の現金回収役とみている。
(8月24日 京都新聞 「高齢女性の息子なりすまし1550万円詐取 容疑で24歳男逮捕、認否保留」より引用)
逮捕容疑は氏名不詳者らと共謀し、(中略)、京都市中京区の女性(85)宅に息子などになりすまして電話をかけ、「現金が至急必要だ」などとうそをつき、女性の自宅近くの路上で2回にわたって現金1550万円をだまし取った疑い。(後略)
詐欺罪
刑法第246条
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
詐欺罪が成立するためには、①人を欺き誤信させること、②財物を交付させることの2点が必要になります。
①人を欺き誤信させるとは、人にうそをついて、相手に信じさせる行為をいいます。
ただ、人を欺けば必ずしも詐欺罪が成立するわけではなく、詐欺罪が成立するためには、相手が財物の交付を検討するうえで重要な要件に関するうそである必要があります。
また、②財物を交付させるとは、相手の意思で財物を渡させることを指します。
今回の事例では、容疑者は共謀して、被害者宅に息子になりすまして電話をかけて「現金が至急必要だ」などとうそをつき、被害者宅の近くの路上で現金をだまし取ったとされています。
実際に容疑者らは被害者の息子ではないですし、うそをついてることになります。
また、息子から至急現金が欲しいといった内容の電話がかかってくれば、母親は息子に現金を渡す算段を付けるでしょうから、息子と騙って現金が必要な旨の電話をかけて相手に信じ込ませる行為は、詐欺罪の構成要件の一つである、人を欺き誤信させる行為にあたると考えられます。
加えて、被害者は路上で現金を渡していますので、詐欺罪のもう一つの構成要件である、財物の交付も満たしていると考えられます。
ですので、今回の事例では、詐欺罪が成立する可能性が高いです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、詐欺事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
詐欺事件では、弁護士に相談をして示談を締結することで、不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得できる場合があります。
示談でお悩みの方や不起訴処分や執行猶予付き判決の獲得を目指している方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の初回接見サービス、無料法律相談をご利用ください。
次回のコラムでは、勾留と釈放について解説します。