ポイ捨てが不法投棄事件に発展

2021-07-15

ポイ捨てが不法投棄事件に発展

ポイ捨て不法投棄事件に発展してしまった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市伏見区に住んでいるAさんは、自宅へ帰る途中にあるマンションVの植え込みに、中身を飲み切ったペットボトルや菓子の袋などをポイ捨てしていました。
するとある日、植え込みに「不法投棄禁止」という看板が立っていることに気が付きましたが、Aさんは「ポイ捨て程度大丈夫だろう」と大して気にもせずポイ捨てを継続していました。
後日、Aさんがいつものように帰宅している途中、京都府伏見警察署の警察官がAさんに声をかけ、「不法投棄の容疑がかかっています。警察署で話を聞かせてください」と言ってきました。
その日は話を聞かれて帰されたAさんですが、その後自分がどうなるのか不安になり、京都市刑事事件に対応している弁護士初回無料法律相談を利用し、弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・ポイ捨てが刑事事件に?

不法投棄という単語を聞くと、会社が産業廃棄物を山等に大量に捨てていたり、個人が家具や家電といった大型のごみを捨てたりといった不法投棄事件を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
今回のAさんのような、小さなごみを捨てるいわゆる「ポイ捨て」と不法投棄という言葉はなかなか結び付かないという方も少なくないでしょう。
しかし、実は「ポイ捨て」も不法投棄となる行為であり、廃掃法違反という犯罪行為であることに注意が必要です。

廃掃法とは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」という法律の略称です。
廃掃法は、名前の通り、ごみの適切な処理やそれによって生活環境を清潔に保つことを目的として定められている法律です。
今回問題となっている不法投棄についても、この廃掃法によって規制されています。

廃掃法第16条
何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。

条文を見てみると、非常にシンプルなものであることが分かります。
条文の中に「不法投棄」という言葉自体は登場しませんが、この条文に違反する=「不法」な状態で廃棄物を捨てる=「投棄」することから、この条文に違反して廃棄物を捨てることを「不法投棄」と呼んでいるということになります。
廃掃法第16条に出てくる「みだりに」とは、「むやみやたらに」という意味ですから、この条文は「自治体などによる規定に背いてむやみやたらとごみを捨ててはいけない」と言っていることになります。

今回のAさんは、マンションの植え込みにペットボトルや菓子の袋といったごみをポイ捨てしています。
当然、ポイ捨てをすることは自治体などによる決まりを守らずにごみを捨てることになりますから、廃掃法のいう「みだりに廃棄物を捨て」ることになるといえます。
ですから、やろうと思えば誰でも気軽にできてしまうポイ捨てであっても、不法投棄となり犯罪となりうるということなのです。

ここで、最初に記載したような「不法投棄」という言葉のイメージから、「廃棄物」とは産業廃棄物や大型のごみを指すのではないか、ペットボトルやお菓子の袋などの小さく軽いごみ程度では「廃棄物」ではないのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、私たちがニュースなどでよく目にする不法投棄事件は、業者や会社が産業廃棄物を捨てるという態様のものが多いかもしれません。
しかし、廃掃法のいう「廃棄物」とは、「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)」のことであるとされています(廃掃法第2条柱書)。
つまり、企業が出した産業廃棄物以外のごみ、例えば家庭ごみでも、廃掃法の「廃棄物」に該当することになります。
このことから、Aさんがポイ捨てしたペットボトルや菓子の袋といった軽かったり小さかったりするごみも、廃掃法上の「廃棄物」であると言えます。
すなわち、こうしたごみのポイ捨て廃掃法の規制対象ということになるのです。

なお、不法投棄をして廃掃法違反となれば、5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金又はこれらの併科に処せられる可能性があります(廃掃法第25条第1項第14号)。

こうした不法投棄による廃掃法違反事件では、例えば不法投棄先に対して迷惑料を支払って謝罪したり、不法投棄した物を処理して原状回復を行ったりする活動が考えられます。
ただし、相手方との交渉を行ったり、そうした活動を効果的に主張に取り入れていくためには、経験や専門的知識が必要となってきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、不法投棄による廃掃法違反事件のご依頼も承っています。
たかがポイ捨てと軽く考えず、まずは刑事事件専門の弁護士にご相談ください。